PR 公開日 2024/07/24 06:35
【動画あり】A級 vs AB級アンプ徹底対決!エソテリックの最新プリメイン「Fシリーズ」の音質差と使いこなし
強化電源PS-01Fにも注目
A級アンプとAB級アンプは、実際どんな音の違いがあるのか? なかなかダイレクトに聴き比べることが難しいこの問いに対して、エソテリックは興味深い新製品を送り出してきた。
それがA級プリメインアンプ「F-01」と、AB級プリメインアンプ「F-02」の2機種。外観も機能もほぼ共通で、価格帯もほぼ同じ、ただし内部回路はそれぞれの増幅方式に合わせて最適化されているという意欲的な2モデルだ。ちなみに、エソテリックのパワーアンプとしては、「Grandioso M1X」はAB級、「Grandioso S1X」と「S-05」はA級アンプと、それぞれについて深い開発の知見を積み重ねている。
これらの音質はどう違うのか、またどのように使い分けるのがよりアンプのポテンシャルを引き出すことができるのか、角田郁雄氏にたっぷり解説していただく。
また今年2月、アメリカ・フロリダのオーディオショウで「F-02」が高評価を得て以来、エソテリックのアンプに対する海外の評価が高まっている。動画では、エソテリックのアンプをショウで使用しているamphionのCEO、PMCのセールスマネージャー、エソテリック海外販売代理店に、エソテリックのアンプの魅力についても語ってもらった。
皆さん、お元気でしょうか。夏本番となり、体調に気をつけながら、仕事やレジャーにチャレンジしていきたいものです。さて、今回は、エソテリックのリスニングルームを訪問し、プリメインアンプ「F-01」(A級:30W×2 8Ω)と「F-02」(AB級:120W×2 8Ω)を紹介し、どのような音質の違いがあるのか、どんなスピーカーに向いているのか、を検証したいと思います。
まず、デザインでは、厚みのあるシルバー・ショートスクラッチ仕上げのアルミ筐体が魅力的で、独自のスパイクと受け皿を一体化したピンポイント・フットが使われていています。一見外観は同じに見えますが、トップボードの放熱用グリルの色がF-01はシルバー、F-02はダークグレーという違いがあります。このトップボードは、開放的な音質を実現するため、強固にビス止めせず、フローティング・チューニング設置されています。筐体構造も、マスターサウンドの再現を実現するために巧みに振動低減などのチューニングも行われています。
注目の内部技術に触れていきます。従来の“Fシリーズ”からの最大のアップグレードポイントは、増幅の原点となるプリアンプ部が進化したことです。プリアンプ部はF-01とF-02に共通で、フラグシップモデル「Grandioso C1X」の最新技術を継承しています。伝送方式は、フルバランス・デュアルモノ構成で、独自の電流伝送方式ES-LINK Analogの入出力も装備しています。入力選択のロジック制御はリレーを使わず、接点の影響を受けないFETを採用しました。まさにピュア入力です。
さらに特筆すべきことは、同社開発の「UFA-1792」半導体ボリューム素子を開発し搭載していることです。これは、超高精度抵抗切り替え方式で、0.1dB/1,120ステップです。高精度な操作ノブ機構も備え、ほとんど、昔から使い慣れた軸摺動型ボリュームと変わらない滑らかな操作感で、精度だけではなく、ダイナミックレンジとS/N比に優れています。これを左/右チャンネルごとに正/負で合計4回路分搭載しています。フルバランスのヘッドホンアンプとMM/MC対応フォノイコライザーを搭載していることも共通しています。
今回感激したことは、プリアンプ部のクオリティを決定するのは電源部であるため、プリアンプ専用外部強化電源ユニット「PS-01F」までも開発し、オプション・アップグレードできることです。
次にパワーアンプ部に目を向けてみましょう。F-01に搭載されるパワーアンプはほぼステレオパワーアンプ「S-05」と同等で、8Ωで30W×2(A級動作)、4Ωで60W×2の出力を誇り、バイポーラ・トランジスター、3パラレル・プッシュプル構成です(ゲインは28.5dB)。ヒートシンクの振動、共振までも排除するため、特殊なウェーブ形状を採用しています。
一方のF-02はAB級動作で8Ωで120W×2、4Ωで240W×2という強力な駆動力を誇ります。基本の回路設計はF-01と共通ですが、F-01はA級であるため、F-02よりも出力トランジスターに高い固定バイアスをかけています。それに伴い、トランスの巻線などにも異なるパーツが選定されているようです。
電源部も共通で、セパレートアンプに匹敵するほどマッシブです。大型のペアマウントEI型トランス(940VA)を搭載し、デュアルモノ構成の整流回路も採用しました。フィルターコンデンサーとして、1chあたり10,000μFのブロックコンデンサー4式を並列接続し、強力で安定した高品位電源を実現しています。
では、F-01とF-02では、どんな音質の違いがあるか、試聴してみました。SACDプレーヤーは「K-01XD SE」で、ES-LINK Analog出力を使用。スピーカーには、アメリカでも高い評価を得たというフィンランドのamphionのフラグシップスピーカー「Krypton3X」(バーティカル・ツイン+サイド・ウーファー:音圧89dB)を使用しました。
2Lレーベルのホフ・アンサンブル『Polarity』、イザベル・ファウストの無伴奏ヴァイオリン演奏のソロ、シューマンのピアノ4重奏(SACD最新盤)などを再生しました。大きな違いは、F-01がA級アンプであるため、ピアノやシンバルの余韻が空中浮遊するかのように美しく再現されることです。音の立ち上がりも自然で、アタック感が強調されず、ヴァイオリンも滑らかで、弦の響きに艶があります。この美音は、直熱三極管300Bを彷彿とさせるほどで、極めて透明度が高くデリケートな響きを浮き上げるところがあります。
これに対して、F-02は、いかにもハイエンド・サウンドだと主張しているかのような透明度が高く、立ち上がりの良い音を聴かせてくれます。音色としては、やや暖色系のナチュラルな音で、ドラムスやシンバルでは、立ち上がりや切れ込みの良いサウンドを聴かせてくれます。
同社がマスタリングしたSACDハイブリッド盤「ホルスト:惑星」を両モデルで再生しましたが、F-01は往年のアナログサウンドを引き立てる、滑らかで濃厚な音が聴けます。一方で、F-02はフレッシュで透明度や演奏の力感を引き立てるところがあります。
一般的な考えとして、小出力のA級は、音圧感度90dB以上のスピーカー、例えば、タンノイやアヴァンギャルドなどに向き、大出力のAB級は、例えば、音圧感度84dB前後のフロア型をドライブするのにも最適と言われてきましたが、両モデルともに、前述の搭載技術により、音量を上げて再生しても、数字的なパワー差は感じさせません。空間描写性が高く、ダイナミックレンジの広い、力感に溢れたサウンドが体験できました。
F-01とF-02のどちらを選ぶのかは、単に数字差だけではなく、好みの音質を探ると同時に、お使いのスピーカーの特性や好きな音楽の傾向も重要と思います。
またPS-01Fは、パワーアンプの大出力や振幅の激しい楽曲でも、電源変動や電源の微妙な干渉に影響されることなく、デリケートな弱音や広く深い空間描写性にも大きく貢献しています。静寂で穏やかな曲では、音にコクや深みを加えている印象も受けます。これらの点も、専門店で体験してみて下さい。
◇
現代のプリメインアンプは、一昔前とは違い、セパレートアンプの一体化技術が特徴で、エソテリックは、どこにも類を見ない技術を搭載し、長く大切に愛用できるようにアップグレード体制をとっています。
オリジナル音源がアナログであれ、デジタルであれ、出力されるのは、アナログの音。この点にエソテリックは焦点を当てているように思えてなりません。両モデルにも注目されると良いでしょう。
(提供:エソテリック)
それがA級プリメインアンプ「F-01」と、AB級プリメインアンプ「F-02」の2機種。外観も機能もほぼ共通で、価格帯もほぼ同じ、ただし内部回路はそれぞれの増幅方式に合わせて最適化されているという意欲的な2モデルだ。ちなみに、エソテリックのパワーアンプとしては、「Grandioso M1X」はAB級、「Grandioso S1X」と「S-05」はA級アンプと、それぞれについて深い開発の知見を積み重ねている。
これらの音質はどう違うのか、またどのように使い分けるのがよりアンプのポテンシャルを引き出すことができるのか、角田郁雄氏にたっぷり解説していただく。
また今年2月、アメリカ・フロリダのオーディオショウで「F-02」が高評価を得て以来、エソテリックのアンプに対する海外の評価が高まっている。動画では、エソテリックのアンプをショウで使用しているamphionのCEO、PMCのセールスマネージャー、エソテリック海外販売代理店に、エソテリックのアンプの魅力についても語ってもらった。
Grandioso譲りのプリアンプ機能は共通
皆さん、お元気でしょうか。夏本番となり、体調に気をつけながら、仕事やレジャーにチャレンジしていきたいものです。さて、今回は、エソテリックのリスニングルームを訪問し、プリメインアンプ「F-01」(A級:30W×2 8Ω)と「F-02」(AB級:120W×2 8Ω)を紹介し、どのような音質の違いがあるのか、どんなスピーカーに向いているのか、を検証したいと思います。
まず、デザインでは、厚みのあるシルバー・ショートスクラッチ仕上げのアルミ筐体が魅力的で、独自のスパイクと受け皿を一体化したピンポイント・フットが使われていています。一見外観は同じに見えますが、トップボードの放熱用グリルの色がF-01はシルバー、F-02はダークグレーという違いがあります。このトップボードは、開放的な音質を実現するため、強固にビス止めせず、フローティング・チューニング設置されています。筐体構造も、マスターサウンドの再現を実現するために巧みに振動低減などのチューニングも行われています。
注目の内部技術に触れていきます。従来の“Fシリーズ”からの最大のアップグレードポイントは、増幅の原点となるプリアンプ部が進化したことです。プリアンプ部はF-01とF-02に共通で、フラグシップモデル「Grandioso C1X」の最新技術を継承しています。伝送方式は、フルバランス・デュアルモノ構成で、独自の電流伝送方式ES-LINK Analogの入出力も装備しています。入力選択のロジック制御はリレーを使わず、接点の影響を受けないFETを採用しました。まさにピュア入力です。
さらに特筆すべきことは、同社開発の「UFA-1792」半導体ボリューム素子を開発し搭載していることです。これは、超高精度抵抗切り替え方式で、0.1dB/1,120ステップです。高精度な操作ノブ機構も備え、ほとんど、昔から使い慣れた軸摺動型ボリュームと変わらない滑らかな操作感で、精度だけではなく、ダイナミックレンジとS/N比に優れています。これを左/右チャンネルごとに正/負で合計4回路分搭載しています。フルバランスのヘッドホンアンプとMM/MC対応フォノイコライザーを搭載していることも共通しています。
今回感激したことは、プリアンプ部のクオリティを決定するのは電源部であるため、プリアンプ専用外部強化電源ユニット「PS-01F」までも開発し、オプション・アップグレードできることです。
固定バイアスの違いなどで音質をチューニング
次にパワーアンプ部に目を向けてみましょう。F-01に搭載されるパワーアンプはほぼステレオパワーアンプ「S-05」と同等で、8Ωで30W×2(A級動作)、4Ωで60W×2の出力を誇り、バイポーラ・トランジスター、3パラレル・プッシュプル構成です(ゲインは28.5dB)。ヒートシンクの振動、共振までも排除するため、特殊なウェーブ形状を採用しています。
一方のF-02はAB級動作で8Ωで120W×2、4Ωで240W×2という強力な駆動力を誇ります。基本の回路設計はF-01と共通ですが、F-01はA級であるため、F-02よりも出力トランジスターに高い固定バイアスをかけています。それに伴い、トランスの巻線などにも異なるパーツが選定されているようです。
電源部も共通で、セパレートアンプに匹敵するほどマッシブです。大型のペアマウントEI型トランス(940VA)を搭載し、デュアルモノ構成の整流回路も採用しました。フィルターコンデンサーとして、1chあたり10,000μFのブロックコンデンサー4式を並列接続し、強力で安定した高品位電源を実現しています。
デリケートな響きのF-01、切れ込みの良いサウンドのF-02
では、F-01とF-02では、どんな音質の違いがあるか、試聴してみました。SACDプレーヤーは「K-01XD SE」で、ES-LINK Analog出力を使用。スピーカーには、アメリカでも高い評価を得たというフィンランドのamphionのフラグシップスピーカー「Krypton3X」(バーティカル・ツイン+サイド・ウーファー:音圧89dB)を使用しました。
2Lレーベルのホフ・アンサンブル『Polarity』、イザベル・ファウストの無伴奏ヴァイオリン演奏のソロ、シューマンのピアノ4重奏(SACD最新盤)などを再生しました。大きな違いは、F-01がA級アンプであるため、ピアノやシンバルの余韻が空中浮遊するかのように美しく再現されることです。音の立ち上がりも自然で、アタック感が強調されず、ヴァイオリンも滑らかで、弦の響きに艶があります。この美音は、直熱三極管300Bを彷彿とさせるほどで、極めて透明度が高くデリケートな響きを浮き上げるところがあります。
これに対して、F-02は、いかにもハイエンド・サウンドだと主張しているかのような透明度が高く、立ち上がりの良い音を聴かせてくれます。音色としては、やや暖色系のナチュラルな音で、ドラムスやシンバルでは、立ち上がりや切れ込みの良いサウンドを聴かせてくれます。
同社がマスタリングしたSACDハイブリッド盤「ホルスト:惑星」を両モデルで再生しましたが、F-01は往年のアナログサウンドを引き立てる、滑らかで濃厚な音が聴けます。一方で、F-02はフレッシュで透明度や演奏の力感を引き立てるところがあります。
一般的な考えとして、小出力のA級は、音圧感度90dB以上のスピーカー、例えば、タンノイやアヴァンギャルドなどに向き、大出力のAB級は、例えば、音圧感度84dB前後のフロア型をドライブするのにも最適と言われてきましたが、両モデルともに、前述の搭載技術により、音量を上げて再生しても、数字的なパワー差は感じさせません。空間描写性が高く、ダイナミックレンジの広い、力感に溢れたサウンドが体験できました。
F-01とF-02のどちらを選ぶのかは、単に数字差だけではなく、好みの音質を探ると同時に、お使いのスピーカーの特性や好きな音楽の傾向も重要と思います。
またPS-01Fは、パワーアンプの大出力や振幅の激しい楽曲でも、電源変動や電源の微妙な干渉に影響されることなく、デリケートな弱音や広く深い空間描写性にも大きく貢献しています。静寂で穏やかな曲では、音にコクや深みを加えている印象も受けます。これらの点も、専門店で体験してみて下さい。
現代のプリメインアンプは、一昔前とは違い、セパレートアンプの一体化技術が特徴で、エソテリックは、どこにも類を見ない技術を搭載し、長く大切に愛用できるようにアップグレード体制をとっています。
オリジナル音源がアナログであれ、デジタルであれ、出力されるのは、アナログの音。この点にエソテリックは焦点を当てているように思えてなりません。両モデルにも注目されると良いでしょう。
(提供:エソテリック)