公開日 2024/10/21 06:30
フルテックの特殊素材「NCF」は「デジタルにも効く」。ビフォー/アフター音質徹底レポート!
【特別企画】最新NCFアクセサリーを検証
フルテックの特殊素材NCFによるアクセサリーやパーツ製品は、振動と静電気への対策効果で好評を得ている。先般、USBとLAN用の空き端子グッズと、USBケーブルおよびデジタルRCA/XLRケーブルなど、デジタル周りのアクセサリーが一挙に登場した。それぞれどんな音の効果を得られるのか、体験レポートをお届けする。
フルテックから、デジタル系アクセサリーが4モデル発売された。いずれも静電気・振動対策として特殊素材NCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)を要所要所に採用している。自宅で試聴してみた。
まず、「NCF Clear Line-LAN」。24K金メッキ非磁性RJ45コネクターを搭載するほか、独自の電解コンデンサーを内蔵し、半密閉型の空気室で振動を減衰する仕組み。内部の空気圧を振動に対する抵抗として利用する製品は、同社の「NCF Booster-Brace」(NCFブースターブレイス)からであったが、NCFだけでなく、この空気室による不要振動低減効果にも実際、目覚ましいものがある。ハウジングとエンドカバーにはNCFを配して、静電気と振動を除去する。
今回は、ネットワークトランスポートとして使用している、BLUESOUND「NODE 2i」のLANポートに挿してみる。Amazon Musicで聴く竹内まりやの「マンハッタン・キス」が、いきなり激変! レンジが高低に気持ちよく伸び、鮮度感がアップ。ぼやけ気味だったヴォーカル音像の周囲もスッキリ。
ミケーレ・ラッビアの「Lost River」は、各楽音の定位がビシッと決まり、音場奥のS/Nが改善して前後がよく出る。また、オーティス・レディングの「(Sittin' On)The Dock of theBay」では、波の音がきめ細かくなり、ヴォーカルの密度感が増している。
次のアイテム。「NCF Clear Line-LAN」はそのままにして、DACとして使用しているマランツ「SA-10」の背面にあるUSB-Aデジタル入力端子に「NCF Clear Line-USB」を挿す。コネクターがUSBになった以外は、「NCF Clear Line-LAN」と同内容の製品である。なお、「NODE 2i」ではLAN端子とUSB-A端子間の距離が近いため、両方を同時には装着できなかった。
竹内まりやは、より解像度が上がり、リヴァーブが精密に描かれる一方で、S/Nが良くなってより雑味が取り除かれたのだろう、全体にまろやかな質感が加わってきた。DSD的な表現とも言える。
ミケーレ・ラッビアは音場から雑味を一掃し、全体のノイズフロアが顕著に下がった。オーティス・レディングは生々しい肉声感が出てきた。口笛には潤いが感じられる。機器との相性があるかもしれないが、今回の試聴環境では「NCF Clear Line」を複数使いすると、1個目は解像度を上げてスッキリクッキリさせ、2個目は解像度をより上げつつも、まろやかでウェットな質感にする傾向があった。
次はケーブルだ。「NODE 2i」と「SA-10」間を繋いでいたUSBケーブルを、付属品グレードから「GT2 NCF USB-B」に換えてみる。導体は銀コーティングαOCC。信号線の絶縁体は特級高密度ポリエチレン、シールドはアルミ/マイラーのホイルラップ。電源線の絶縁体は特級SR-PVC。両者まとめてアルミ/マイラー、さらに編組α導体によるシールドを重ねる。コネクターは24K金メッキ非磁性銅合金で、シェルにはNCFを配合している。
竹内まりやは、何か喉に詰まっていたものが取れて、ヴォーカルの発声が楽になったかのよう。音抜けが良いのだ。ドラムスの力感は高まっているし、リヴァーブの描き方も一層精密になる。ミケーレ・ラッビアでは音場に渦巻く背景音が実在感を増したので、その音像のうごめきが容易かつ克明に聴き取れる。
最後は「Digiflux NCF(RCA)」、受注生産のデジタル同軸ケーブルである。導体はαOCC、シールドはαOCC導体の編組。RCAコネクターはαOCCロジウムメッキのワンピース構造導体ピンに、耐熱性NCF液晶ポリマーを注入。ハウジングは非磁性ステンレス鋼ハウジングにハイブリッドNCFシルバーメッキ3kカーボンファイバー、最外層にハードクリアコートを施している。
竹内まりやは、ヴォーカルのエネルギー感が増大してイキイキしている。音色が色彩豊か、かつ濃厚になった。ミケーレ・ラッビアでは、音場が左右のスピーカーの外側に拡大。金属が転がる音に濃厚な素材感・実在感。バスドラムの音像が引き締まりながらも、強さを増している。オーティス・レディングはベースに豊かな肉感が備わり、沈み込みが深くなった。竹内まりや同様、ヴォーカルに、やはりエネルギー感が満ち満ちている。
フルテックの新製品4モデルを試聴して、NCFのもたらす効果は多岐にわたると改めて痛感した。S/Nだけでなく、力感・素材感、音場表現力などをも向上させるのだ。
【GT2 NCF USB-B】●USB端子の種類:TypeA-B●主導体:銀コーティングα(Alpha)OCC導体●主絶縁体:特級高密度ポリエチレン●シールド:3層シールド構造により遮音性を向上●コネクター:NCFシェルおよび24K金メッキ非磁性銅合金USB2.0コネクターを搭載●絶縁材:周波数拡張と音のバランスを改善するための最高の制振材と絶縁材
【Digiflux NCF(RCA)】●ケーブル導体:α(アルファ)導体(OCCワイヤーにFurutechのアルファプロセスで処理)●ケーブル径:約10.5mm●RCAコネクター:CF-102 NCF(R)●端子サイズ:φ14.0mm×約63.0mm(全長)
【NCF Clear Line-USB】●USBオプティマイザー(パッシブタイプ)●端子:24K金メッキ非磁性USBコネクターを搭載●外部サイズ(全長):約φ15.5mm×66.0mm●質量(ネット):約29g
【NCF Clear Line-LAN】●LANオプティマイザー(パッシブタイプ)●端子:24K金メッキ非磁性RJ45コネクターを搭載●外部サイズ(全長):約φ15.5mm×68.5mm●質量(ネット):約27.5g
(協力:フルテック)
本記事は『オーディオアクセサリー194号』からの転載です。
ケーブルと端末アクセサリーそれぞれの効果を聴き比べる
フルテックから、デジタル系アクセサリーが4モデル発売された。いずれも静電気・振動対策として特殊素材NCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)を要所要所に採用している。自宅で試聴してみた。
「NCF Clear Line-LAN」LANポートに挿すだけで激変、レンジと鮮度や定位を改善
まず、「NCF Clear Line-LAN」。24K金メッキ非磁性RJ45コネクターを搭載するほか、独自の電解コンデンサーを内蔵し、半密閉型の空気室で振動を減衰する仕組み。内部の空気圧を振動に対する抵抗として利用する製品は、同社の「NCF Booster-Brace」(NCFブースターブレイス)からであったが、NCFだけでなく、この空気室による不要振動低減効果にも実際、目覚ましいものがある。ハウジングとエンドカバーにはNCFを配して、静電気と振動を除去する。
今回は、ネットワークトランスポートとして使用している、BLUESOUND「NODE 2i」のLANポートに挿してみる。Amazon Musicで聴く竹内まりやの「マンハッタン・キス」が、いきなり激変! レンジが高低に気持ちよく伸び、鮮度感がアップ。ぼやけ気味だったヴォーカル音像の周囲もスッキリ。
ミケーレ・ラッビアの「Lost River」は、各楽音の定位がビシッと決まり、音場奥のS/Nが改善して前後がよく出る。また、オーティス・レディングの「(Sittin' On)The Dock of theBay」では、波の音がきめ細かくなり、ヴォーカルの密度感が増している。
「NCF Clear Line-USB」DAC背面では解像度が向上、より精密に潤いを表現する
次のアイテム。「NCF Clear Line-LAN」はそのままにして、DACとして使用しているマランツ「SA-10」の背面にあるUSB-Aデジタル入力端子に「NCF Clear Line-USB」を挿す。コネクターがUSBになった以外は、「NCF Clear Line-LAN」と同内容の製品である。なお、「NODE 2i」ではLAN端子とUSB-A端子間の距離が近いため、両方を同時には装着できなかった。
竹内まりやは、より解像度が上がり、リヴァーブが精密に描かれる一方で、S/Nが良くなってより雑味が取り除かれたのだろう、全体にまろやかな質感が加わってきた。DSD的な表現とも言える。
ミケーレ・ラッビアは音場から雑味を一掃し、全体のノイズフロアが顕著に下がった。オーティス・レディングは生々しい肉声感が出てきた。口笛には潤いが感じられる。機器との相性があるかもしれないが、今回の試聴環境では「NCF Clear Line」を複数使いすると、1個目は解像度を上げてスッキリクッキリさせ、2個目は解像度をより上げつつも、まろやかでウェットな質感にする傾向があった。
「GT2 NCF USB-B」音抜けや力感を向上させて、より精密で実在感ある描写に
次はケーブルだ。「NODE 2i」と「SA-10」間を繋いでいたUSBケーブルを、付属品グレードから「GT2 NCF USB-B」に換えてみる。導体は銀コーティングαOCC。信号線の絶縁体は特級高密度ポリエチレン、シールドはアルミ/マイラーのホイルラップ。電源線の絶縁体は特級SR-PVC。両者まとめてアルミ/マイラー、さらに編組α導体によるシールドを重ねる。コネクターは24K金メッキ非磁性銅合金で、シェルにはNCFを配合している。
竹内まりやは、何か喉に詰まっていたものが取れて、ヴォーカルの発声が楽になったかのよう。音抜けが良いのだ。ドラムスの力感は高まっているし、リヴァーブの描き方も一層精密になる。ミケーレ・ラッビアでは音場に渦巻く背景音が実在感を増したので、その音像のうごめきが容易かつ克明に聴き取れる。
「Digiflux NCF(RCA)」音色が色彩豊かで濃厚になり、エネルギーと実在感を増す
最後は「Digiflux NCF(RCA)」、受注生産のデジタル同軸ケーブルである。導体はαOCC、シールドはαOCC導体の編組。RCAコネクターはαOCCロジウムメッキのワンピース構造導体ピンに、耐熱性NCF液晶ポリマーを注入。ハウジングは非磁性ステンレス鋼ハウジングにハイブリッドNCFシルバーメッキ3kカーボンファイバー、最外層にハードクリアコートを施している。
竹内まりやは、ヴォーカルのエネルギー感が増大してイキイキしている。音色が色彩豊か、かつ濃厚になった。ミケーレ・ラッビアでは、音場が左右のスピーカーの外側に拡大。金属が転がる音に濃厚な素材感・実在感。バスドラムの音像が引き締まりながらも、強さを増している。オーティス・レディングはベースに豊かな肉感が備わり、沈み込みが深くなった。竹内まりや同様、ヴォーカルに、やはりエネルギー感が満ち満ちている。
フルテックの新製品4モデルを試聴して、NCFのもたらす効果は多岐にわたると改めて痛感した。S/Nだけでなく、力感・素材感、音場表現力などをも向上させるのだ。
【GT2 NCF USB-B】●USB端子の種類:TypeA-B●主導体:銀コーティングα(Alpha)OCC導体●主絶縁体:特級高密度ポリエチレン●シールド:3層シールド構造により遮音性を向上●コネクター:NCFシェルおよび24K金メッキ非磁性銅合金USB2.0コネクターを搭載●絶縁材:周波数拡張と音のバランスを改善するための最高の制振材と絶縁材
【Digiflux NCF(RCA)】●ケーブル導体:α(アルファ)導体(OCCワイヤーにFurutechのアルファプロセスで処理)●ケーブル径:約10.5mm●RCAコネクター:CF-102 NCF(R)●端子サイズ:φ14.0mm×約63.0mm(全長)
【NCF Clear Line-USB】●USBオプティマイザー(パッシブタイプ)●端子:24K金メッキ非磁性USBコネクターを搭載●外部サイズ(全長):約φ15.5mm×66.0mm●質量(ネット):約29g
【NCF Clear Line-LAN】●LANオプティマイザー(パッシブタイプ)●端子:24K金メッキ非磁性RJ45コネクターを搭載●外部サイズ(全長):約φ15.5mm×68.5mm●質量(ネット):約27.5g
(協力:フルテック)
本記事は『オーディオアクセサリー194号』からの転載です。