公開日 2014/05/07 17:20
iTunes never Match − 終わらない「iTunes Match」のセットアップ
5日経っても「ステップ3」に進めず
iTunes Matchのマッチング処理がなかなか終わらない、途中で止まってしまうという事例が多数発生しているようだ。筆者もこの状況にハマってしまっている。
iTunes Matchが国内でスタートしたという速報記事を書いた直後、つまり5月2日の午前8時前後、さっそくiTunes Matchの登録を行った。マッチするライブラリーは9,000曲弱と若干多めだったため、照合などに少し時間必要になるだろうな、とぼんやり考えていたが、そのとき想定していたのは数時間程度。会社でほかの仕事をしているあいだに処理が終わるだろうと、自宅のノートPCを持って出社した。何なら速報レビューでも書こうと考えていた。
出社すると、すぐにデスクの脇にPCを置いてセットアップを始めたのだが、iTunes Matchの処理が、一向に進まない。同サービスの概要やセットアップの際に行われる処理の詳細は、海上忍氏のレビュー記事に詳しいが、具体的には以下の3ステップで行われる。
・ステップ1:iTunesライブラリに関する情報を集める
・ステップ2:iTunes Store上で配信中の曲とのマッチングを行う
・ステップ3:アートワークと残りの曲をアップロードする
ステップ1では、ローカルのライブラリ情報を収集し、その後アップルに送信する。ローカル側の処理も時間はかかったものの、おそらくはマシンパワーと楽曲数に比例するはず。特にどこかで止まるということなく、スムーズに行われた。
問題はそのあとだ。収集したデータをアップルに送信する処理の段階で、プログレスバーがくるくる回転するだけで、まったく送信が行われない。一時的にサーバーの負荷が高まっているのだろうとひたすら待っていると、1〜2時間ほどしてようやく送信が終わり、それを受けてアップルからデータが送られてきた。
続いて、ようやくステップ2。ライブラリ上のデータとiTunes Storeで配信している楽曲を比較し、合致しているかどうかを調べる処理だ。この段階で、またつまづいた。容易にマッチング判定が行われる楽曲もあれば、かなり長考するものもある。それでもなんとか処理が進んでいたのだが、4298曲目で、まったく動かなくなってしまった。さっきは数時間放置して動き出したので、今度も…と思い、そのまま放置していたが、さらに数時間が経っても一向に動き出す気配がない。
仕方ないのでPCを自宅に再度持ち帰り、マッチング処理を続けることにした。翌日からはゴールデンウィーク終盤戦だ。処理を行う時間はたっぷりある。それに、半日でライブラリの半分程度まで進んだのだから、1日程度放置しておけば、すぐに終わるだろうと考えていた。
ところが、この見通しが完全に甘かった。自宅でマッチング処理を行おうとすると、再度、前述の「ステップ1」から始まるのだ。ライブラリはさっきマッチング処理を行っていたときからまったく変更していないので、再度情報を集め、アップルに送信し直す意味がよくわからない。スキップできる処理だと思うのだが…。
さらに先程つまづいたところ、「アップルに情報を送信」のところで、おなじようにプログレスバーが回転しっぱなしになる。処理が進んでいるのかそうでないのか、まったく状況が掴めない。今度はさらにサーバーが混んでいるのか、数時間経ってもいっこうに処理が先へ進まない。仕方ないので、寝ているうちに処理が終わることを期待し、処理を続けながら就寝した。
翌朝。起きてPCの画面を見てみると、ステップ2の6,283曲まで処理が終わり、そこで何かが引っかかって止まったことがわかった。処理が全部終わらなかったことに対する残念な気持ちと、少し進んだだけでも感謝しなければ、という卑屈な思いが交錯する。本来すぐに処理が終わって当たり前なのだが、あまりに進捗が遅すぎるため、少し進行したことだけでもありがたいと思う、倒錯した心理状態になっていたのだ。
その後は、さらに状況が悪化した。「アップルに情報を送信」のところでずっと放置しても、まったく事態が進展しない。その状況を確認し、停止→開始ボタンを押し直し、またなにも進まないことを、ある種の諦念とともに見つめる自分。無料サービスなら知らず、お金を払って、こんなに虚しい思いをするとは思わなかった。
結局、ゴールデンウィーク中、毎日トライし続けたが、5月7日現在でマッチしたのは7,263曲。まだ2,000曲近く残っている。最後の数日間はめんどくさくなってトライする機会も減ったが、5日かけてステップ3に進めないというのは想像していなかった。
冒頭に書いた通り、ネットを見たり、知人や同僚の話を聞いてみても、いまだに同じような状態の方が多いようだ。Apple IDをサインアウトし、再度サインインするとスムーズに進むというウワサなど、いくつかの対処方法を見かけたので、きょう帰ったら試してみようと思うが、これも公式発表ではなく、真偽不明なのでどうなることか分からない。そもそも、裏ワザのような方法で対処するのは本筋から外れている気がする。
何より、同じトラブルを抱えているユーザーが多そうなのに、アップルが謝罪はおろか、公式に何のコメントも出していないことに驚かされる。有料サービスが何日もまともに使えていないのだから、「現在こういう問題が起きている」「これこれこういう原因でトラブルが起きているが、いつ頃には復旧する見込み」「進行が遅い場合は、こうすると比較的スムーズに進む」など、状況や対処法を報告するのが当たり前だと思うが、一切連絡がないのは理解に苦しむ。さらに言うと、まともに使えていない期間については返金、あるいはサービス終了時期を延長するなどの処置があって然るべきと考えるのだが、いかがだろうか。
iTunes Matchをすぐに使い始めたユーザーは、アップルの製品をいくつか持っているアップルファンという場合も多いはず。きっちりした対応をしなければ、こういった優良顧客の信頼を失いかねない。賢明な対応を期待したい。
iTunes Matchが国内でスタートしたという速報記事を書いた直後、つまり5月2日の午前8時前後、さっそくiTunes Matchの登録を行った。マッチするライブラリーは9,000曲弱と若干多めだったため、照合などに少し時間必要になるだろうな、とぼんやり考えていたが、そのとき想定していたのは数時間程度。会社でほかの仕事をしているあいだに処理が終わるだろうと、自宅のノートPCを持って出社した。何なら速報レビューでも書こうと考えていた。
出社すると、すぐにデスクの脇にPCを置いてセットアップを始めたのだが、iTunes Matchの処理が、一向に進まない。同サービスの概要やセットアップの際に行われる処理の詳細は、海上忍氏のレビュー記事に詳しいが、具体的には以下の3ステップで行われる。
・ステップ1:iTunesライブラリに関する情報を集める
・ステップ2:iTunes Store上で配信中の曲とのマッチングを行う
・ステップ3:アートワークと残りの曲をアップロードする
ステップ1では、ローカルのライブラリ情報を収集し、その後アップルに送信する。ローカル側の処理も時間はかかったものの、おそらくはマシンパワーと楽曲数に比例するはず。特にどこかで止まるということなく、スムーズに行われた。
問題はそのあとだ。収集したデータをアップルに送信する処理の段階で、プログレスバーがくるくる回転するだけで、まったく送信が行われない。一時的にサーバーの負荷が高まっているのだろうとひたすら待っていると、1〜2時間ほどしてようやく送信が終わり、それを受けてアップルからデータが送られてきた。
続いて、ようやくステップ2。ライブラリ上のデータとiTunes Storeで配信している楽曲を比較し、合致しているかどうかを調べる処理だ。この段階で、またつまづいた。容易にマッチング判定が行われる楽曲もあれば、かなり長考するものもある。それでもなんとか処理が進んでいたのだが、4298曲目で、まったく動かなくなってしまった。さっきは数時間放置して動き出したので、今度も…と思い、そのまま放置していたが、さらに数時間が経っても一向に動き出す気配がない。
仕方ないのでPCを自宅に再度持ち帰り、マッチング処理を続けることにした。翌日からはゴールデンウィーク終盤戦だ。処理を行う時間はたっぷりある。それに、半日でライブラリの半分程度まで進んだのだから、1日程度放置しておけば、すぐに終わるだろうと考えていた。
ところが、この見通しが完全に甘かった。自宅でマッチング処理を行おうとすると、再度、前述の「ステップ1」から始まるのだ。ライブラリはさっきマッチング処理を行っていたときからまったく変更していないので、再度情報を集め、アップルに送信し直す意味がよくわからない。スキップできる処理だと思うのだが…。
さらに先程つまづいたところ、「アップルに情報を送信」のところで、おなじようにプログレスバーが回転しっぱなしになる。処理が進んでいるのかそうでないのか、まったく状況が掴めない。今度はさらにサーバーが混んでいるのか、数時間経ってもいっこうに処理が先へ進まない。仕方ないので、寝ているうちに処理が終わることを期待し、処理を続けながら就寝した。
翌朝。起きてPCの画面を見てみると、ステップ2の6,283曲まで処理が終わり、そこで何かが引っかかって止まったことがわかった。処理が全部終わらなかったことに対する残念な気持ちと、少し進んだだけでも感謝しなければ、という卑屈な思いが交錯する。本来すぐに処理が終わって当たり前なのだが、あまりに進捗が遅すぎるため、少し進行したことだけでもありがたいと思う、倒錯した心理状態になっていたのだ。
その後は、さらに状況が悪化した。「アップルに情報を送信」のところでずっと放置しても、まったく事態が進展しない。その状況を確認し、停止→開始ボタンを押し直し、またなにも進まないことを、ある種の諦念とともに見つめる自分。無料サービスなら知らず、お金を払って、こんなに虚しい思いをするとは思わなかった。
結局、ゴールデンウィーク中、毎日トライし続けたが、5月7日現在でマッチしたのは7,263曲。まだ2,000曲近く残っている。最後の数日間はめんどくさくなってトライする機会も減ったが、5日かけてステップ3に進めないというのは想像していなかった。
冒頭に書いた通り、ネットを見たり、知人や同僚の話を聞いてみても、いまだに同じような状態の方が多いようだ。Apple IDをサインアウトし、再度サインインするとスムーズに進むというウワサなど、いくつかの対処方法を見かけたので、きょう帰ったら試してみようと思うが、これも公式発表ではなく、真偽不明なのでどうなることか分からない。そもそも、裏ワザのような方法で対処するのは本筋から外れている気がする。
何より、同じトラブルを抱えているユーザーが多そうなのに、アップルが謝罪はおろか、公式に何のコメントも出していないことに驚かされる。有料サービスが何日もまともに使えていないのだから、「現在こういう問題が起きている」「これこれこういう原因でトラブルが起きているが、いつ頃には復旧する見込み」「進行が遅い場合は、こうすると比較的スムーズに進む」など、状況や対処法を報告するのが当たり前だと思うが、一切連絡がないのは理解に苦しむ。さらに言うと、まともに使えていない期間については返金、あるいはサービス終了時期を延長するなどの処置があって然るべきと考えるのだが、いかがだろうか。
iTunes Matchをすぐに使い始めたユーザーは、アップルの製品をいくつか持っているアップルファンという場合も多いはず。きっちりした対応をしなければ、こういった優良顧客の信頼を失いかねない。賢明な対応を期待したい。