公開日 2014/11/27 12:00
スタジオ直営ハイレゾ配信サイト「HD-Music.」の魅力とは?
“ハイレゾ”に注目が集まるなか、国内外のハイレゾ配信サイトも着実に増えてきている。2014年2月6日からサービスを開始した「VICTOR STUDIO HD-Music.(HD-Music.)」もそのひとつ。このサイトは、数多くのアーティストとともに名作を世に送り出してきた名門「ビクタースタジオ」が運営元。つまり、“音楽の現場を知り尽くしたプロフェッショナルたちが手掛けている”のが大きな特徴だ。読者のみなさんのなかには、まだHD-Music.を利用したことがない方もいるはず。本稿ではそんなみなさんに向けて、HD-Music.の魅力を解剖していこう。
1.音楽の現場を知るプロたちが手掛けるハイレゾ配信サイト
ビクタースタジオは1969年の設立以来、国内外の著名ミュージシャンの作品づくりに携わり、日本プロ音楽録音賞を数多く受賞している名門スタジオ。ビクターエンタテインメントも、サザンオールスターズやSMAP、高橋真梨子、岩崎宏美、木村カエラ、くるり、スガシカオなどなど、ここには書き切れないほど幅広いジャンルのそうそうたる所属アーティストを抱えるメジャーレーベルだ。
こうしたアーティストたちの作品が生まれる現場に日々身を置くエンジニアたちが、HD-Music.のハイレゾ音源を支えている。
近年制作された音源であれば予めハイレゾでデジタルレコーディングされるケースが多く、マスターデータもハイレゾ用とCD用が用意されていることが多い。しかし、ハイレゾ配信を念頭において作られてこなかった過去の作品については、アナログマスターからデジタルに変換する作業を行い、ハイレゾ配信用にマスターを新たに制作する。あるいはハイレゾのデジタルレコーディングされた音源であっても、マスタリングはCD用にしか行っていないものも多くあるため、CD用のマスターデータしかない場合もあり、その場合はCDスペックにする前段階のデータからハイレゾでマスタリングする必要がある。
このとき音づくりを決める重要なポイントとなるのが、「ハイレゾ用にどのようにマスタリングするのか」。ここで、音楽を知り、現場を知るビクタースタジオのエンジニアのノウハウが活きるのだ。積み重ねられた膨大な経験値からそれぞれに最適なマスタリングを行い、元々の魅力を引き出しつつハイレゾならではの長所を楽しめる音源を作り上げてゆく。
さらに、「K2HDプロセッシング」という独自の高音質化技術も保有している。これは、CDでは失われてしまった周波数やビットレートの情報を、独自のアルゴリズムで復元するというもの。この復元アルゴリズムは、ビクタースタジオが保有する膨大なアナログマスターテープを様々なフォーマットでデジタル化して波形の変化データを蓄積→CDフォーマット(44.1kHz/16bit)に落としてからK2HD処理を行い、元のサンプリング周波数の音質に近付けられるよう検証を重ねて確立された。さらに、日々現場でレコーディングに携わるエンジニアたちが音質評価を担当。録音時の音色感を基準にした検証も行われて開発された技術なのだ。この「K2HD」を使って、CD用マスターしか残っていない過去の音源まで遡ってハイレゾで楽しめるようにしているのも、他にはないビクタースタジオのユニークなポイントだろう。
また、グループ会社であるJVCケンウッドはAV機器メーカー。ハイレゾ音源再生に対応したコンポ「EX-N70」(JVCブランド)や「A-K905NT」(ケンウッドブランド)、ポータブルヘッドホンアンプ「SU-AX1」(JVCブランド)などを発売している。
つまりHD-Music.は、同一グループ内で音楽制作現場(スタジオ)/音楽ソフト(ビクターエンタテインメント)/試聴用機器(JVCケンウッド)という、音楽を取り巻く様々な方向のリソースを持っているのだ。しかもそれぞれは完全に遮断されているのではなく、ビクタースタジオとJVCで「ウッドコーン」シリーズやスタジオモニターヘッドホンを共同開発するなど、音への思想の交流が行われている。このことは、ビクタースタジオがリリースする音源の魅力をより強固に支える裏付けとなっていると言えるだろう。
1.音楽の現場を知るプロたちが手掛けるハイレゾ配信サイト
こうしたアーティストたちの作品が生まれる現場に日々身を置くエンジニアたちが、HD-Music.のハイレゾ音源を支えている。
近年制作された音源であれば予めハイレゾでデジタルレコーディングされるケースが多く、マスターデータもハイレゾ用とCD用が用意されていることが多い。しかし、ハイレゾ配信を念頭において作られてこなかった過去の作品については、アナログマスターからデジタルに変換する作業を行い、ハイレゾ配信用にマスターを新たに制作する。あるいはハイレゾのデジタルレコーディングされた音源であっても、マスタリングはCD用にしか行っていないものも多くあるため、CD用のマスターデータしかない場合もあり、その場合はCDスペックにする前段階のデータからハイレゾでマスタリングする必要がある。
このとき音づくりを決める重要なポイントとなるのが、「ハイレゾ用にどのようにマスタリングするのか」。ここで、音楽を知り、現場を知るビクタースタジオのエンジニアのノウハウが活きるのだ。積み重ねられた膨大な経験値からそれぞれに最適なマスタリングを行い、元々の魅力を引き出しつつハイレゾならではの長所を楽しめる音源を作り上げてゆく。
さらに、「K2HDプロセッシング」という独自の高音質化技術も保有している。これは、CDでは失われてしまった周波数やビットレートの情報を、独自のアルゴリズムで復元するというもの。この復元アルゴリズムは、ビクタースタジオが保有する膨大なアナログマスターテープを様々なフォーマットでデジタル化して波形の変化データを蓄積→CDフォーマット(44.1kHz/16bit)に落としてからK2HD処理を行い、元のサンプリング周波数の音質に近付けられるよう検証を重ねて確立された。さらに、日々現場でレコーディングに携わるエンジニアたちが音質評価を担当。録音時の音色感を基準にした検証も行われて開発された技術なのだ。この「K2HD」を使って、CD用マスターしか残っていない過去の音源まで遡ってハイレゾで楽しめるようにしているのも、他にはないビクタースタジオのユニークなポイントだろう。
また、グループ会社であるJVCケンウッドはAV機器メーカー。ハイレゾ音源再生に対応したコンポ「EX-N70」(JVCブランド)や「A-K905NT」(ケンウッドブランド)、ポータブルヘッドホンアンプ「SU-AX1」(JVCブランド)などを発売している。
つまりHD-Music.は、同一グループ内で音楽制作現場(スタジオ)/音楽ソフト(ビクターエンタテインメント)/試聴用機器(JVCケンウッド)という、音楽を取り巻く様々な方向のリソースを持っているのだ。しかもそれぞれは完全に遮断されているのではなく、ビクタースタジオとJVCで「ウッドコーン」シリーズやスタジオモニターヘッドホンを共同開発するなど、音への思想の交流が行われている。このことは、ビクタースタジオがリリースする音源の魅力をより強固に支える裏付けとなっていると言えるだろう。
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