• ブランド
    特設サイト
公開日 2019/01/09 13:15

<CES>同じ「HDMI 2.1搭載」でも、メーカーによって機能も意味も違う

「フル対応」の意味とは
編集部:風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
今年の各社テレビ上位機種の多くには、HDMI 2.1端子が搭載されるはずだ。実際にCESで発表されたテレビも、その多くがHDMI 2.1端子搭載をアピールしている。

だが、ひと言でHDMI 2.1といっても、様々な機能がある。どの機能を採用するかは各メーカー、各モデルごとの判断に委ねられているということだ。

これでは誤解を招くというので、機能と切り離した格好で「HDMI 2.1」とだけ謳うマーケティング手法は禁じられている。HDMI 2.1をマーケティングに使うなら、そのうちどの機能に対応しているかを示さなければならないのだ。

HDMI 2.1では最高48Gbpsのスピードで伝送が行える

以前の記事で、HDMI 2.1の新機能について簡単にまとめた

画質面で最も大きな進化点は、4K/120p、8K/60pといった高解像度かつハイフレームレートな映像を伝送できるようになることだ。ただこれも必須というわけではなく、HDMI 2.1端子を搭載していても、4K入力は60pまで、ということは十分あり得る。事実、ソニーの有機ELテレビ最新モデル「A9G」はそのような対応になりそうだ。

それでは、ほかの機能についてはどうだろうか。以下に主なものを挙げよう。

・「eARC」(拡張したARC機能)
・「VRR」(リフレッシュレート可変機能)
・「ALLM」(自動低レイテンシーモード)

このうち、各社が対応を謳うことになりそうなのは「eARC」だ。なぜかというと、しっかり規格が定まり、要件や認証テストの仕様などが承認されているのは、今のところeARCだけだからだ(これを受け、アリオンが昨年11月から試験サービス提供を開始している)。

HDMIを使って、テレビからオーディオシステムへ音声信号を送り返す「ARC」(Audio Return Channel)はかなり前から採用されている機能だが、これをHDMI 2.1の帯域を使ってenhanced(拡張)したものがeARCだ。ドルビーアトモスやDTS:Xなどのオブジェクトオーディオ、そして最大32chまでの非圧縮オーディオをサポートする。

つまりeARCに対応すると、プレーヤーやゲーム機からテレビに非圧縮オーディオやオブジェクトオーディオを入力し、それをそのままAVアンプなどに送り返せることになる。接続がシンプルになり便利だ。

では「VRR」「ALLM」についてはどうだろう。これらの機能は主にゲーム向けのもので、以前から先行して採用例があった。マイクロソフトのXbox One Xが、昨年VRRとALLMに対応している。またサムスンのQLEDテレビ(2018年モデル)も、HDMI 2.1対応は謳っていないものの、VRRとALLMに対応していた。

VRRと同じような技術は、ゲーミングモニターでは以前から存在する。NVIDIAの「G-SYNC」やAMDの「FreeSync」などだ。ティアリングが発生しないため、チラつきが気にならずにゲームプレイができる利点がある。これらの先行事例があるため、VRRも規格が定まる前に先行して搭載したということだろう。

繰り返しになるが、これらのさらなる解像度への対応、また新機能への対応は、本来はHDMIの定めた試験をクリアし、認証を受けなければならない。だが、そのテストや認証プロセスがまだ最終的に固まっていないため、たとえばVRRへの対応を考えていて、そのためのハードウェアスペックを備えていても、真っ当に説明するなら「対応を検討している」という回答にならざるを得ない。

つまり、一部でHDMI 2.1の新機能にフル対応、とアピールしているメーカーがあるとしたら、それは対応するハードウェア的な能力を備えているということであって、正式にHDMIの認証を得たものではないことを、一応は知っておきたい。

当のHDMI Licensingが一部機能をフライングして提供しているわけで、何をか言わんやという感じではあるが、ルールを守り、真面目に回答しているメーカーが誤解される可能性があるというのも、またおかしな状況だ。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX