• ブランド
    特設サイト
公開日 2021/05/17 06:50

アップルがついにハイレゾ参入か? 気になる2つのポイント

新AirPodsの噂も
風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アップルが、いよいよハイレゾ音楽ストリーミングに参入しそうだ。

「アップルのハイレゾ」については、以前から噂が立ったり消えたりしていたが、今回は様子が異なる。iOS 14.6のベータ版からそれらしきコードが見つかったりなど、確度が高そうな状況証拠が揃ってきているというのだ。

MacRumorsの記事によると、「Apple Music HiFi」という名称の高音質サービスと、それに対応した新AirPodsが、現地時間5月18日にニュースリリースで発表されるという。高音質サービスには、ロスレスと、ロスレスかつハイレゾの2種類がある、という情報もある。

アップルがハイレゾ音楽配信を行うこと自体は、それほど驚きではない。日本でも、Amazon Music HDやDeezer、mora qualitasが、すでにサービスを行っている。

海外を見ると、TIDALやQobuzなどの先行者がいる。これらの海外勢が日本に進出してくるという噂もある。また、Spotifyもロスレスの「Spotify HiFi」を今年後半にもローンチすると、すでに発表している。

このように、音楽ストリーミングサービスの高音質化はすでに世界的な潮流となっている。逆に言えば、アップルはいま参入しないと、これらのサービスの後塵を拝することになる。

Apple Musicがハイレゾ対応プランを開始するのはごく自然なことだが、いくつか気になる点もある。その中から二つのポイントを紹介しよう。

まず一つ目は、どの程度の音質スペックまで対応するのか、ということだ。

たとえばSpotify HiFiは「CDクオリティのロスレス」と表明している。つまり、44.1kHz/16bitのロスレス音声と考えられる。

上述の通り、噂レベルでは、高音質Apple Musicには通常のロスレスとハイレゾのロスレスの2種類が用意されるという記事も見かけたが、実際にはどうなるだろう。音声の仕様は、次に紹介する音声の伝送や、イヤホンやスピーカーなどハードのスペックにも関わってくるため、大変重要なポイントだ。

さて、二つ目の気になるポイントは、高音質な音源を、どうやってイヤホンやオーディオ機器へ伝送するのか、という点だ。

アップルの独自規格であるAirPlay 2は、ハイレゾ伝送に対応していない。さらなる高音質に対応した次世代AirPlayが用意されないと、据え置きオーディオやHomePod miniなどでの再生が不便だ。登場に期待したい。

とはいえ、アップルが最も重視しているのは、すでに巨大ビジネスに成長したイヤホン「AirPods」シリーズで、いかに高音質再生を実現するかということのはずだ。

iPhoneやiPadから新AirPodsへの音声伝送は、おそらくこれまでどおり、Bluetoothを使うことになるはず。そのコーデックには何が使われるのだろうか。

これまでのiOSやiPadOS、そしてiPhoneやiPadがサポートしていたのは、SBCとAACだった。一方でハイレゾ相当の音声を伝送できるBluetoothコーデックとしては、もともとソニーが開発したLDACや、クアルコムのaptX HDなどがある。ただ、自前主義を徹底しているアップルのこと。これらの他社製技術を素直に使うかというと、かなり疑問だ。そもそも既存のiPhoneが対応していないという重大な問題がある。

オープンなフォーマットの候補としては、Bluetooth SIGがすでに仕様書を公開している、次世代のBluetoothオーディオ伝送「LE Audio」で採用されるコーデック「LC3」が挙げられる。こういう新しい技術を事前に仕込んでおき、いち早く市場に投入するのは、いかにもアップル好みの戦略だ。

だがこのLE Audioは、まったく新しいフレームワークだ。イヤホン側だけでなく、送信側のハード(この場合であればiPhoneやiPad)も対応する必要がある。数年前のiPhoneから、これに対応したBluetoothチップをひそかに仕込んでいた、という可能性は低い。

ということで、iPhone/iPadと新型AirPodsの高音質伝送にどういった技術が使われるか、なかなか候補が見当たらない状況だ。既存のiPhoneでも利用できるようにすることを考えると、既にあるコーデックを改良した新コーデックを採用するのも有力だ。

いずれにせよ、噂通り5月18日に発表されるのなら、これらの気になるポイントの答えはすぐにわかる。果たしてアップルはどう判断したのか。答え合わせが待ち遠しい。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 マランツ、未踏の領域へ。「次元が異なる」弩級フラグシップコンビ「MODEL 10」「SACD 10」レビュー!
2 JBL、楽天ブラックフライデーで人気完全ワイヤレスやサウンドバーが最大36%オフ。11/21 17時より
3 DAZN、登録なしで一部コンテンツを無料視聴できる新機能。11月導入予定
4 松村北斗と上白石萌音のW主演!PMSとパニック障害を抱える男女のかけがえのない物語
5 Sonos、ブランド初のプロ向けスピーカー「Era 100 Pro」発表。PoE採用で自由かつ簡単な設置を実現
6 妥協なきデノン “もうひとつの旗艦AVアンプ”。「AVC-A10H」がデノンサラウンドアンプのあらたな一章を告げる
7 iBasso Audio、初エントリーライン「iBasso Jr.」からポータブルDAC/アンプとイヤホンを発売
8 ケーブル接続の「バランス/アンバランス」ってつまり何?
9 ビクター“nearphones”「HA-NP1T」速攻レビュー! イヤーカフ型ながら聴きイヤホンを女性ライターが使ってみた
10 ビクター、実売5000円以下の完全ワイヤレス「HA-A6T」。耳にフィットしやすいラウンド型ボディ
11/18 10:32 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX