公開日 2016/08/19 10:00
Music Linkシリーズの新ラインナップ
マランツ、小型CDプレーヤー「HD-CD1」 - フルディスクリート回路を搭載しつつデジタル出力も強化
編集部:小澤貴信
マランツは、Music LinkシリーズのCDプレーヤー「HD-CD1」を9月上旬より発売する。価格は60,000円(税抜)。
Music Linkは、コンパクトな筐体にマランツのフルサイズモデルの技術と物量を凝縮したコンポーネント・シリーズとなる。これまでUSB-DAC「HD-DAC1」、USB-DAC内蔵プリメインアンプ「HD-AMP1」をラインナップしていた。
HD-CD1は、CD再生に特化したモデルとなる。筐体サイズは、同シリーズのHD-AMP1とほぼ同じ。アナログ出力に加えて、デジタル出力を備え、トランスポートとしても使用するこでができる。音声出力端子はアナログRCA×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1、ヘッドホン(ステレオ標準)×1を搭載する。
以下にその詳細を紹介していく。
■コンパクトな筐体にフルサイズモデルと同等の回路を搭載
プレス向けに開催された発表会では、本機の音質検討を担当したマランツのサウンドマネージャー、尾形好宣氏が登場。サウンド面の特徴について説明してくれた。
D/Aコンバーターには、マランツのSACDプレーヤーやネットワークプレーヤーで多くの採用実績があるシーラス・ロジック「CS4398」を搭載する。
D/A変換において重要な役目を果たすクロック回路には、-150dB以上の低雑音レベルを実現する超低位相雑音クリスタルを採用している。このクロックはトップエンド機「SA-11S3」や「SA-14S1」に搭載されたものと同一品で、「SA-11S2」のクロックに比べて1/10のジッターレベルを誇るという。
D/Aコンバーター以降のアナログステージは、マランツ独自の高速アンプモジュール「HDAM」および「HDAM-SA2」によるフルディスクリート・アナログ出力回路を採用。HDAMによるローパスフィルター回路と、HDAM-SA2による電流帰還型フィルターアンプ兼送り出しアンプを搭載する。
なお、このアナログ出力回路は、フルサイズのSACDプレーヤー「SA8005」と同様の回路構成。さらに、上級機と同様にオーディオグレードのフィルムコンデンサーを使用している。
同じMusic Linkの「HD-AMP1」をはじめ、DAC内蔵アンプとの組み合わせを想定して、同軸/光デジタル出力の高音質化に注力したことも特徴。
具体的には、信号ラインのカップリングコンデンサーにはルビコンの薄膜高分子積層コンデンサーを、電源ラインのデカップリングコンデンサーにはエルナーのシルミックを用いることでローノイズ、低歪なデジタル出力を実現しているという。
また、同軸デジタル出力端子には金メッキ真鍮製のシールド付端子を搭載。加えて、デジタル出力用として、シールドが施された同軸ケーブルも標準で同梱される。
尾形氏は、本機でD/A変換する場合と、HD-AMP1へデジタル出力を行う場合の音質のちがいについても言及した。
前述の通り、HD-CD1はDACにシーラス・ロジックの「CS4398」を搭載。一方で本機をトランスポートとして使用した場合に組み合わせ先として想定されるMusic LinkのDAC内蔵アンプHD-AMP1は、DACにESS「ES9010K2M」を搭載している。
発表会で行われた試聴では、実際にHD-CD1からHD-AMP1へアナログ出力した場合と、HD-CD1へデジタル出力した場合について、実際に聴き比べることができるデモが実施された。
聴き比べた印象について尾形氏は「HD-CD1からアナログ出力する場合、本機のDACチップであるシーラス・ロジックのDACによる“さっぱりとした“明快な音質”が味わえます、一方でHD-AMP1へデジタル出力した場合は、こちらのESS製DACの“ウェットで密度感のある、情報量豊かなリッチなサウンド”が楽しめます」とそのサウンドのちがいについて説明してくれた。
回路構成については、左右チャンネル間のクロストークやレベル差を排除するため、左右チャンネルのアナログ出力回路を左右対称にレイアウト。信号経路の長さを等しく、かつ平行配置することを徹底している。
コンパクトモデルでありながら、音質の要となる電源にも配慮。アナログ回路電源用のブロックコンデンサーには、ニチコン社と共同開発したマランツ専用のカスタム・ブロックコンデンサーを採用している。
電源は、電源トランスで変圧したものを整流ブリッジ回路で整流し、ブロックコンデンサーで平滑して給電される。マランツはこの中の整流ブリッジ回路の音質への影響の大きさに着目し、改良を重ねてきた。今回のHD-CD1では、ここにハイスピードのショットキーバリアダイオードを採用。トランスからダイオードまで高速で安定した電源供給が可能になった。
本機はゲイン切替機能付きのヘッドホンアンプを搭載。アンプ部はハイスルーレートオペアンプとHDAM-SA2によるディスクリート高速電流バッファーアンプを組み合わせた本格的なものとなる。ゲインは3段階で切り替えられる。
HD-CD1は筐体の剛性にもこだわった。メインシャーシにボトムプレートを追加することによって重心を下げ、外部からの振動による音質への影響を抑制するダブルレイヤードシャーシを採用。フット部には、アルミダイキャストインシュレーターを装備する。
再生周波数範囲は2Hz〜20kHz、再生周波数特性は2Hz〜20kHz(±0.5dB)、S/Nは110dB、ダイナミックレンジは100dB、高調波歪率は0.002%(1kHz)。
消費電力は14W(待機時0.3W以下)、外形寸法は304W×109H×312Dmm、質量は5.7kg。
■デザイン性+Hi-Fiサウンドを追求したMusic Link
マランツのマーケティングを担当する高山健一氏は、HD-CD1をはじめとするMusic Linkシリーズについて改めて紹介。そのコンセプトは「Quality Design(上質なデザイン)×Real Hi-Fi(本物のHi-Fiサウンド)」だと述べた。
「Quality Design」については、“レトロモダン”“コンパクト”“ソリッドパーツ”などをテーマとしているとのこと。オールド・マランツ由来のレトロモダンをイメージを全面に打ち出し、質感や佇まいにまでプレミアムな雰囲気を持たせることを意識している。
Real Hi-Fiという点については、「コンパクトにすると何かを犠牲にしていると思われがちだが、何ひとつ犠牲にしていないことを強調していきたいです」(高山氏)とのことだった。
Music Linkシリーズとしては、デザイン性とHi-Fiサウンドを兼ね備えたコンパクトなモデルということで、デスクトップで楽しむスタイルもアピールしていくとのこと。HD-AMP1をはじめ、「主要なソースを全て賄えること」も強みだと高山氏は述べていた。
加えて、ラインナップのHD-AMP1は大型スピーカーを十分に駆動でき、リビングや本格的なリスニングルームでも、マランツサウンドを楽しめるとしていた。
高山氏は、「Music Linkシリーズには、USB-DAC/ヘッドホンアンプであるHD-DAC1、DAC内蔵アンプであるHD-AMP1に加えて、今回CDプレーヤーであるHD-CD1が今回加わりました。こうしてラインナップが一通り揃ったので、今後はMusic Linkの世界観をいっそうアピールしていきます」とコメント。また、このMusic Linkに今後もラインナップを拡充していく予定であるという。
また、Music LinkシリーズのCDプレーヤー&アンプとして「HD-CD1」と「HD-AMP1」と、同社が取り扱うスピーカーシステムであるB&W「CM1 S2」とDALI「ZENSOR 1」を組み合わせたシステムも提案していくという。
なお、本製品の発売に合わせて、キャンペーンも実施。9月上旬から10月31日までにHD-CD1またはHD-AMP1を購入すると、同社が取り扱うAudio Questのケーブル(RCAインターコネクトケーブル「Golden Gate」/デジタルケーブル「Cinnamon」/USBケーブル「Cinnamon2」のいずれか)がプレゼントされる。
Music Linkは、コンパクトな筐体にマランツのフルサイズモデルの技術と物量を凝縮したコンポーネント・シリーズとなる。これまでUSB-DAC「HD-DAC1」、USB-DAC内蔵プリメインアンプ「HD-AMP1」をラインナップしていた。
HD-CD1は、CD再生に特化したモデルとなる。筐体サイズは、同シリーズのHD-AMP1とほぼ同じ。アナログ出力に加えて、デジタル出力を備え、トランスポートとしても使用するこでができる。音声出力端子はアナログRCA×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1、ヘッドホン(ステレオ標準)×1を搭載する。
以下にその詳細を紹介していく。
■コンパクトな筐体にフルサイズモデルと同等の回路を搭載
プレス向けに開催された発表会では、本機の音質検討を担当したマランツのサウンドマネージャー、尾形好宣氏が登場。サウンド面の特徴について説明してくれた。
D/Aコンバーターには、マランツのSACDプレーヤーやネットワークプレーヤーで多くの採用実績があるシーラス・ロジック「CS4398」を搭載する。
D/A変換において重要な役目を果たすクロック回路には、-150dB以上の低雑音レベルを実現する超低位相雑音クリスタルを採用している。このクロックはトップエンド機「SA-11S3」や「SA-14S1」に搭載されたものと同一品で、「SA-11S2」のクロックに比べて1/10のジッターレベルを誇るという。
D/Aコンバーター以降のアナログステージは、マランツ独自の高速アンプモジュール「HDAM」および「HDAM-SA2」によるフルディスクリート・アナログ出力回路を採用。HDAMによるローパスフィルター回路と、HDAM-SA2による電流帰還型フィルターアンプ兼送り出しアンプを搭載する。
なお、このアナログ出力回路は、フルサイズのSACDプレーヤー「SA8005」と同様の回路構成。さらに、上級機と同様にオーディオグレードのフィルムコンデンサーを使用している。
同じMusic Linkの「HD-AMP1」をはじめ、DAC内蔵アンプとの組み合わせを想定して、同軸/光デジタル出力の高音質化に注力したことも特徴。
具体的には、信号ラインのカップリングコンデンサーにはルビコンの薄膜高分子積層コンデンサーを、電源ラインのデカップリングコンデンサーにはエルナーのシルミックを用いることでローノイズ、低歪なデジタル出力を実現しているという。
また、同軸デジタル出力端子には金メッキ真鍮製のシールド付端子を搭載。加えて、デジタル出力用として、シールドが施された同軸ケーブルも標準で同梱される。
尾形氏は、本機でD/A変換する場合と、HD-AMP1へデジタル出力を行う場合の音質のちがいについても言及した。
前述の通り、HD-CD1はDACにシーラス・ロジックの「CS4398」を搭載。一方で本機をトランスポートとして使用した場合に組み合わせ先として想定されるMusic LinkのDAC内蔵アンプHD-AMP1は、DACにESS「ES9010K2M」を搭載している。
発表会で行われた試聴では、実際にHD-CD1からHD-AMP1へアナログ出力した場合と、HD-CD1へデジタル出力した場合について、実際に聴き比べることができるデモが実施された。
聴き比べた印象について尾形氏は「HD-CD1からアナログ出力する場合、本機のDACチップであるシーラス・ロジックのDACによる“さっぱりとした“明快な音質”が味わえます、一方でHD-AMP1へデジタル出力した場合は、こちらのESS製DACの“ウェットで密度感のある、情報量豊かなリッチなサウンド”が楽しめます」とそのサウンドのちがいについて説明してくれた。
回路構成については、左右チャンネル間のクロストークやレベル差を排除するため、左右チャンネルのアナログ出力回路を左右対称にレイアウト。信号経路の長さを等しく、かつ平行配置することを徹底している。
コンパクトモデルでありながら、音質の要となる電源にも配慮。アナログ回路電源用のブロックコンデンサーには、ニチコン社と共同開発したマランツ専用のカスタム・ブロックコンデンサーを採用している。
電源は、電源トランスで変圧したものを整流ブリッジ回路で整流し、ブロックコンデンサーで平滑して給電される。マランツはこの中の整流ブリッジ回路の音質への影響の大きさに着目し、改良を重ねてきた。今回のHD-CD1では、ここにハイスピードのショットキーバリアダイオードを採用。トランスからダイオードまで高速で安定した電源供給が可能になった。
本機はゲイン切替機能付きのヘッドホンアンプを搭載。アンプ部はハイスルーレートオペアンプとHDAM-SA2によるディスクリート高速電流バッファーアンプを組み合わせた本格的なものとなる。ゲインは3段階で切り替えられる。
HD-CD1は筐体の剛性にもこだわった。メインシャーシにボトムプレートを追加することによって重心を下げ、外部からの振動による音質への影響を抑制するダブルレイヤードシャーシを採用。フット部には、アルミダイキャストインシュレーターを装備する。
再生周波数範囲は2Hz〜20kHz、再生周波数特性は2Hz〜20kHz(±0.5dB)、S/Nは110dB、ダイナミックレンジは100dB、高調波歪率は0.002%(1kHz)。
消費電力は14W(待機時0.3W以下)、外形寸法は304W×109H×312Dmm、質量は5.7kg。
■デザイン性+Hi-Fiサウンドを追求したMusic Link
マランツのマーケティングを担当する高山健一氏は、HD-CD1をはじめとするMusic Linkシリーズについて改めて紹介。そのコンセプトは「Quality Design(上質なデザイン)×Real Hi-Fi(本物のHi-Fiサウンド)」だと述べた。
「Quality Design」については、“レトロモダン”“コンパクト”“ソリッドパーツ”などをテーマとしているとのこと。オールド・マランツ由来のレトロモダンをイメージを全面に打ち出し、質感や佇まいにまでプレミアムな雰囲気を持たせることを意識している。
Real Hi-Fiという点については、「コンパクトにすると何かを犠牲にしていると思われがちだが、何ひとつ犠牲にしていないことを強調していきたいです」(高山氏)とのことだった。
Music Linkシリーズとしては、デザイン性とHi-Fiサウンドを兼ね備えたコンパクトなモデルということで、デスクトップで楽しむスタイルもアピールしていくとのこと。HD-AMP1をはじめ、「主要なソースを全て賄えること」も強みだと高山氏は述べていた。
加えて、ラインナップのHD-AMP1は大型スピーカーを十分に駆動でき、リビングや本格的なリスニングルームでも、マランツサウンドを楽しめるとしていた。
高山氏は、「Music Linkシリーズには、USB-DAC/ヘッドホンアンプであるHD-DAC1、DAC内蔵アンプであるHD-AMP1に加えて、今回CDプレーヤーであるHD-CD1が今回加わりました。こうしてラインナップが一通り揃ったので、今後はMusic Linkの世界観をいっそうアピールしていきます」とコメント。また、このMusic Linkに今後もラインナップを拡充していく予定であるという。
また、Music LinkシリーズのCDプレーヤー&アンプとして「HD-CD1」と「HD-AMP1」と、同社が取り扱うスピーカーシステムであるB&W「CM1 S2」とDALI「ZENSOR 1」を組み合わせたシステムも提案していくという。
なお、本製品の発売に合わせて、キャンペーンも実施。9月上旬から10月31日までにHD-CD1またはHD-AMP1を購入すると、同社が取り扱うAudio Questのケーブル(RCAインターコネクトケーブル「Golden Gate」/デジタルケーブル「Cinnamon」/USBケーブル「Cinnamon2」のいずれか)がプレゼントされる。
- トピック
- MARANTZ
- オーディオプレーヤー
- ジャンルCDプレーヤー/トランスポート
- ブランドMARANTZ
- 型番HD-CD1
- 発売日2016年9月上旬
- 価格¥60,000(税抜)
【SPEC】●再生周波数特性:2Hz〜20kHz(±0.5dB) ●S/N比:110dB ●ダイナミックレンジ:100dB ●全高調波歪率:0.002%(1kHz) ●音声出力端子:アナログ×1、同軸デジタル×1、光デジタル×1、ヘッドホン×1 ●消費電力:14W(待機時0.3W以下) ●外形寸法:304W×109H×312Dmm ●質量:5.7kg