公開日 2018/06/14 10:00
クロックを担うDDSに超高性能デバイスを採用
SOULNOTE、ES9038PROを4基搭載した旗艦D/Aコンバーター「D-2」。60万円
編集部:小澤貴信
SOULNOTEは、フラグシップとなるD/Aコンバーター「D-2」を6月下旬より発売する。ブラックとシルバーの2色展開で、価格は価格は600,000円(税抜)となる。
昨年5月に発売された「D-1」の上位機種となるフラグシップUSB-DAC。D-1がESS Technologyの最上位DACチップ「ES9038PRO」を2基搭載しているのに対して、このD-2はES9038PROを4基を完全対称無帰還ディスクリートアンプと組み合わせて搭載する。デジタルフィルターについては、従来のFIRオーバーサンプリングモードに加え、NOS(ノンオーバーサンプリングモード)にも対応した。
デジタル入力はUSB、同軸、AES/EBUを搭載。USBは最大で768kHz/32bit PCM、22.6MHz DSDに対応。同軸・AES/EBUは最大192kHz/24bit PCM、2.8MHz DSDに対応する。アナログ出力はXLRを1系統、RCAを1系統備える。
クロックを担う「DDS(Direct Digital Synthesizer)」には、世界最高レベルのスペックを誇るというTexas InstrumentsのPLLatinum RFシンセサイザー「LMX2594」をオーディオ用DDSとして初めて採用する。
基準クロックからマスタークロックを生成する方式のD/Aコンバーターでは、DDSを使用するのが一般的だが、DDSを用いる方式では周波数確度(何万年に何秒のズレが生じるかを表す指標)は外部クロックの性能に担保されるものの、ジッターやそれに起因する位相ノイズはDDS自体の性能に大きく依存するという。
D-2はこのDDSに「LMX2594」を採用。これは測定器やレーダー用として開発されたもので、性能指数は-236dBc/Hz、ジッターは45fs(フェムト秒、フェムトはピコの1/1000)を誇る。従来のオーディオ機器でも用いられるDDS用ICのジッター性能が数10ps(ピコ秒)の範囲であり、このDDSの性能は非常に高いとのこと。
このLMX2594を用いることで、高精度な外部クロックを入力した場合はもちろん、内蔵のTCXOを使用した場合でも、「圧倒的にクリアで深淵な空間描写」が実現できると紹介されている。
このように水晶クオリティを超えるジッター性能のDDSを採用したことを受け、同社では初めてとなる10MHz外部基準クロック入力も搭載。
内蔵クロックにも近傍位相ノイズ(10Hzオフセットで-121dB)を極小化したTCXOを用いている。また内蔵クロックと外部クロックの切り替えには、ICによってジッターが付加するのを避けるために機械式接点の高周波リレーを採用。外部クロックを使用する場合は内蔵クロックの電源を落として発振を停止し、相互干渉も取り除いている。
上述のように、DACチップにはES9038PROを4基搭載。同社によればこれは業界初とのこと。同社オリジナルの完全対称無帰還ディスクリートアンプの上下差動コンプリメンタリ入力にチャンネルあたり2基のES9038PROをそれぞれ割り当てることで、無帰還差動アンプの初段を「完全にドライブする」としている。IV変換回路についても抵抗1本によるシンプルな構成として、帰還型のIV変換回路で問題となるTIM歪を排除する。
また、120mAという強力な電流出力を持つES9038PROを片チャンネルあたり2基使用することで、「さらに自然で生命力に満ち溢れた音楽再生が可能になった」という。なお、ES9038PROはシンクロナスモードで動作する。
従来のFIR オーバーサンプリングモードに加え、NOS(ノンオー バーサンプリング)モードを新たに採用。NOSモードは「デジタル領域における無帰還化とも言える」と同社は紹介。このモードではFIRオーバーサンプリングのインパルス応答で観測されるプリエコーやポストエコーが発生しないという。また、アナログ出力のノイズレベルはIIRフィルターにより「非常に低く」抑えられており、両モードによるレベル差もないという。なお、DSD再生時にはNOSモードは適用できない。
なお、NOSモードにおける前後の付帯がないインパルス出力波形は、過渡応答性能に優れた無帰還ディスクリートアンプとの組み合わせで初めて実現できるとのこと。NOSモードにより「時間軸情報の曖昧さが払拭され、時間軸に対して非常に敏感な人間の聴覚に、よりリアルで自然な音質、空気感をもたらす」としている。
独自のディスクリート完全対称無帰還差動アンプは、電源整流部も含めてL/Rチャンネル完全独立で配置するツインモノ・コンストラクションとした。さらに音声信号や電源の伝送ではコネクターケーブルを排除し、大電流ループであるトランスからの配線も最短化した。
電源部については、ハイパワーアンプ並みのレギュレーションだという2次側8巻線の電源トランスを新たに開発。各ステージの整流回路を独立させることで干渉を防いでいる。また、筐体の振動モードのシンプル化を図るために、振動源であるトランスは1筐体1個として、不要な振動はトランス直下のスパイク足から筐体外に排出する構造をとっている。
ノイズ対策については「フィルター類に頼ることなく」徹底したとのこと。70ミクロン銅箔の4層基板を採用し、プリント基板のアートワークを最適化することによりノイズを根本から絶つという。音質に影響のあるフェライト等のフィルター類に頼らないノイズ対策を徹底して、不要輻射をノイズフロアレベル以下に押さえたとする。
デジタル基板は直結したリアパネルの一部と共に独立構造として、将来のアップデートも可能としている。なお、アナログ回路との接続はピンヘッダーによる半田付けとして、コネクターの接点抵抗による音質劣化を排除している。
なお、本機は「STEREO」「MONO Lch」「MONO Rch」のモードが選択可能で、本機を2台用いた"ツインモノラルDAC”に拡張して使用することができる。MONOモード時は反対チャンネル側のES9038PROを停止することで、電源およびチャンネルセパレーションをさらに向上させることができるという。
周波数特性は2Hz〜120kHz(+0/-1dB)、S/Nは110dB、全高調波歪率は0.008%(NOS/176.4kHz)、消費電力は56W。外形寸法は430W×160H×410Dmm、質量は約17kg。スパイク、電源ケーブルが付属する。
昨年5月に発売された「D-1」の上位機種となるフラグシップUSB-DAC。D-1がESS Technologyの最上位DACチップ「ES9038PRO」を2基搭載しているのに対して、このD-2はES9038PROを4基を完全対称無帰還ディスクリートアンプと組み合わせて搭載する。デジタルフィルターについては、従来のFIRオーバーサンプリングモードに加え、NOS(ノンオーバーサンプリングモード)にも対応した。
デジタル入力はUSB、同軸、AES/EBUを搭載。USBは最大で768kHz/32bit PCM、22.6MHz DSDに対応。同軸・AES/EBUは最大192kHz/24bit PCM、2.8MHz DSDに対応する。アナログ出力はXLRを1系統、RCAを1系統備える。
クロックを担う「DDS(Direct Digital Synthesizer)」には、世界最高レベルのスペックを誇るというTexas InstrumentsのPLLatinum RFシンセサイザー「LMX2594」をオーディオ用DDSとして初めて採用する。
基準クロックからマスタークロックを生成する方式のD/Aコンバーターでは、DDSを使用するのが一般的だが、DDSを用いる方式では周波数確度(何万年に何秒のズレが生じるかを表す指標)は外部クロックの性能に担保されるものの、ジッターやそれに起因する位相ノイズはDDS自体の性能に大きく依存するという。
D-2はこのDDSに「LMX2594」を採用。これは測定器やレーダー用として開発されたもので、性能指数は-236dBc/Hz、ジッターは45fs(フェムト秒、フェムトはピコの1/1000)を誇る。従来のオーディオ機器でも用いられるDDS用ICのジッター性能が数10ps(ピコ秒)の範囲であり、このDDSの性能は非常に高いとのこと。
このLMX2594を用いることで、高精度な外部クロックを入力した場合はもちろん、内蔵のTCXOを使用した場合でも、「圧倒的にクリアで深淵な空間描写」が実現できると紹介されている。
このように水晶クオリティを超えるジッター性能のDDSを採用したことを受け、同社では初めてとなる10MHz外部基準クロック入力も搭載。
内蔵クロックにも近傍位相ノイズ(10Hzオフセットで-121dB)を極小化したTCXOを用いている。また内蔵クロックと外部クロックの切り替えには、ICによってジッターが付加するのを避けるために機械式接点の高周波リレーを採用。外部クロックを使用する場合は内蔵クロックの電源を落として発振を停止し、相互干渉も取り除いている。
上述のように、DACチップにはES9038PROを4基搭載。同社によればこれは業界初とのこと。同社オリジナルの完全対称無帰還ディスクリートアンプの上下差動コンプリメンタリ入力にチャンネルあたり2基のES9038PROをそれぞれ割り当てることで、無帰還差動アンプの初段を「完全にドライブする」としている。IV変換回路についても抵抗1本によるシンプルな構成として、帰還型のIV変換回路で問題となるTIM歪を排除する。
また、120mAという強力な電流出力を持つES9038PROを片チャンネルあたり2基使用することで、「さらに自然で生命力に満ち溢れた音楽再生が可能になった」という。なお、ES9038PROはシンクロナスモードで動作する。
従来のFIR オーバーサンプリングモードに加え、NOS(ノンオー バーサンプリング)モードを新たに採用。NOSモードは「デジタル領域における無帰還化とも言える」と同社は紹介。このモードではFIRオーバーサンプリングのインパルス応答で観測されるプリエコーやポストエコーが発生しないという。また、アナログ出力のノイズレベルはIIRフィルターにより「非常に低く」抑えられており、両モードによるレベル差もないという。なお、DSD再生時にはNOSモードは適用できない。
なお、NOSモードにおける前後の付帯がないインパルス出力波形は、過渡応答性能に優れた無帰還ディスクリートアンプとの組み合わせで初めて実現できるとのこと。NOSモードにより「時間軸情報の曖昧さが払拭され、時間軸に対して非常に敏感な人間の聴覚に、よりリアルで自然な音質、空気感をもたらす」としている。
独自のディスクリート完全対称無帰還差動アンプは、電源整流部も含めてL/Rチャンネル完全独立で配置するツインモノ・コンストラクションとした。さらに音声信号や電源の伝送ではコネクターケーブルを排除し、大電流ループであるトランスからの配線も最短化した。
電源部については、ハイパワーアンプ並みのレギュレーションだという2次側8巻線の電源トランスを新たに開発。各ステージの整流回路を独立させることで干渉を防いでいる。また、筐体の振動モードのシンプル化を図るために、振動源であるトランスは1筐体1個として、不要な振動はトランス直下のスパイク足から筐体外に排出する構造をとっている。
ノイズ対策については「フィルター類に頼ることなく」徹底したとのこと。70ミクロン銅箔の4層基板を採用し、プリント基板のアートワークを最適化することによりノイズを根本から絶つという。音質に影響のあるフェライト等のフィルター類に頼らないノイズ対策を徹底して、不要輻射をノイズフロアレベル以下に押さえたとする。
デジタル基板は直結したリアパネルの一部と共に独立構造として、将来のアップデートも可能としている。なお、アナログ回路との接続はピンヘッダーによる半田付けとして、コネクターの接点抵抗による音質劣化を排除している。
なお、本機は「STEREO」「MONO Lch」「MONO Rch」のモードが選択可能で、本機を2台用いた"ツインモノラルDAC”に拡張して使用することができる。MONOモード時は反対チャンネル側のES9038PROを停止することで、電源およびチャンネルセパレーションをさらに向上させることができるという。
周波数特性は2Hz〜120kHz(+0/-1dB)、S/Nは110dB、全高調波歪率は0.008%(NOS/176.4kHz)、消費電力は56W。外形寸法は430W×160H×410Dmm、質量は約17kg。スパイク、電源ケーブルが付属する。