公開日 2019/03/18 19:33
「4312G」など3モデル
“JBLらしさ”はHi-FiでもBluetoothでも変わらない。最新スピーカーをハーマンストアで体験
編集部:押野 由宇
ハーマンインターナショナルが取り扱うオーディオ製品を体験できる、東京ミッドタウン内「HARMAN Store(ハーマンストア)」にて、メディア向けにJBLブランドスピーカーの試聴会が実施された。
用意されたのは発表されたばかりのBluetoothスピーカー「PartyBox 300」(関連ニュース)、および昨年発売されて話題となったモニタースピーカー「4312G」(関連ニュース)、そして「L100 Classic」(関連ニュース)の3モデル。本稿で、それぞれの特徴とサウンドをレポートしていきたい。
ハーマングループとしては、各ブランドから発売されるBluetoothスピーカーの台数が4年連続で世界一を獲得するなど、いま同ジャンルの製品に大きく力を入れている。そんななかで登場した「PartyBox 300」は、JBLのBluetoothスピーカーとしては最大サイズのモデル。名称の通りパーティ会場など広いところで使用することを想定した製品となっている。その特徴はスピーカー周りのリングが光るライトショー機能だ。
再生される音に合わせて3つのライトパターンが選択でき、聴覚だけでなく視覚でも音楽を楽しませてくれる。マイクやギターを接続して使用することができ、その音に合わせてもライトが光る。この機能はオフにもできるので、シーンに合わせた活用が行えるよう配慮も抜かり無い。
本体には6.5インチ(16.5cm)のダブルウーファーに加え、2.25インチ(5.7cm)のトゥイーターを3基搭載。トゥイーターは縦で使用する際に正面から見て上部に2つ、左下に1つで配置されており、横にして使用する際にはトゥイーター2つが上にくるようにして設置することになる。
BluetoothコーデックはSBCに対応。バッテリー駆動により連続再生で最大18時間使用可能で、これは音楽を鳴らすだけでなく、ライトをつけた状態での数値となる。また、USB-A端子からはスマホなどへの給電を行うことができるので、 “モバイルバッテリー” としても使用可能とのことだ。なお、本体の質量は15.84kgと手で持ち運ぶには大変だが、一方でシガーソケット電源ケーブルを付属するなど、クルマに載せての使用も想定されている。
ハーマンストアの試聴室(約10畳)にて音を聴いたが、iPhoneとのBluetooth接続においてはボリューム位置が半分程度のところで相当の大音量に感じられた。より広い部屋や、人数の多い場所で使用しても音量が足りないと感じることはないだろう。
またその特徴として、それだけのボリューム感でありながら、低音がボワつくといったことがない。小音量でのバランスを壊すことなくそのまま大きくしている印象だ。エレクトロやロックなどの激しい曲調の楽曲も楽々と鳴らし、さらに「バスブースト」機能をオンにすると、座っているソファが震えるほどの迫力が味わえる。
担当者によれば、「JBL PROFESSIONALのモニタースピーカーのような製品設計の思想が反映されている。他社の同様の製品に対して重量のある設計だが、音量を上げても破綻しないようにしたためであり、リズムがハッキリ出るため、屋内外問わずダンスなどにも使用できる」とのこと。
「4312G」は2016年に70周年記念モデルとしてリリースした「4312SE」の通常販売モデル。1970年代の「4310」からスタートした伝統のデザインを踏襲しながらも、ユニットは常に最新のものへとアップデートされているのが4312シリーズの特徴でもある。
4312SEと3ウェイ構成は変わらず、トゥイーターおよびミッドレンジは4312SEと同様のものを採用。ただし、ミッドレンジはメキシコの工場で製作されていたものから中国工場で製作されたものへと変更されている。ウーファーは4312G専用開発のユニットを搭載。4312SEでは「K2 S5800」のために開発された “1200FE” 系ユニット「1200FE-8W」を搭載していたが、その特徴を受け継ぎながらリファインして開発されたものとなる。
常設システムであるマークレビンソンのプレーヤー「No.519」、およびプリメインアンプ「No.585」と組み合わせて確認したが、その音でやはり特筆すべきは余裕ある低域再生能力。ベースの弦が弾かれ音が出てから消えるまで、その様子が克明に描き出される。アコースティックギターの胴鳴りは豊かで、木製エンクロージャーならではの響きを存分に堪能できる。一方で音の立ち上がりも早い。ただ「低域が良い」と書くと「低音が強い」と誤解されてしまいがちだが、決してブーミーなわけではなく、低域から高域までワイドレンジで余裕ある表現を実現している。
また担当者が「“コントロールモニター” という位置づけだが、音楽制作の現場で用いられるスピーカーであることから、解像度の高さや音の粒立ちにクオリティが求められる」と説明するように、それぞれの音の聴き分けも容易に行える再現性の高さもあったことを記しておきたい。
そして「L100 Classic」は、海外で4312の家庭向けモデルとして展開される「L100 Century」をオリジナルとし、日本向けに最新音響設計を取り入れるなどして開発されたモデルだ。担当者によれば、昔からのJBL好きだけではなく、レトロのデザインに対する好評も含めて男女問わず若年層からの人気も高いという。
オリジナルのL100 Centuryよりもサイズは大きくなっており、その分だけ筐体も堅牢となっている。正面から背面に対してV字でブレーシングするキャビネット構造を採用。バスレフポートの開口部にフレアーを設けることでポートノイズおよび低域の強調感を抑える「スリップストリーム・ポート」を採用するなど、筐体設計にもこだわった。
トゥイーターはJBL伝統のピュアチタン振動板で、ミッドレンジには4312SEと同じユニットを採用。ウーファーは “1200SE” 系をベースに新開発したものだ。4312Gも同様に新開発しているが、それとは異なるものを搭載しており、独自の磁気回路により2倍程度強い磁力を実現している。
実際に聴いてみると、4312Gよりさらに各帯域のバランスが取れた音調といった印象。低域の量感はしっかり保ちながら、中高域の弱音成分までハッキリと耳に入ってくる。ボーカルは振動板が震え音となった瞬間に耳に届くようなダイレクト感。全体としてS/Nの良い澄んだサウンドが楽しめた。
「音楽そのものをリラックスして聴けるような音作り」というL100 Classicには、4312Gとはまた違ったサウンドの魅力が感じられる。この違いはかなり大きいので、実際に聴いて確かめてみていただきたい。
L100 CLASSICおよびPartyBox 300は、ハーマンストアを尋ねればいつでも試聴が可能だ。もちろん電話予約をすることで4312Gも用意してもらえる。ただし、ほかに予約が入っていれば待つことになるので、なるべくなら確認をしてから訪問するのが良いだろう。
用意されたのは発表されたばかりのBluetoothスピーカー「PartyBox 300」(関連ニュース)、および昨年発売されて話題となったモニタースピーカー「4312G」(関連ニュース)、そして「L100 Classic」(関連ニュース)の3モデル。本稿で、それぞれの特徴とサウンドをレポートしていきたい。
ハーマングループとしては、各ブランドから発売されるBluetoothスピーカーの台数が4年連続で世界一を獲得するなど、いま同ジャンルの製品に大きく力を入れている。そんななかで登場した「PartyBox 300」は、JBLのBluetoothスピーカーとしては最大サイズのモデル。名称の通りパーティ会場など広いところで使用することを想定した製品となっている。その特徴はスピーカー周りのリングが光るライトショー機能だ。
再生される音に合わせて3つのライトパターンが選択でき、聴覚だけでなく視覚でも音楽を楽しませてくれる。マイクやギターを接続して使用することができ、その音に合わせてもライトが光る。この機能はオフにもできるので、シーンに合わせた活用が行えるよう配慮も抜かり無い。
本体には6.5インチ(16.5cm)のダブルウーファーに加え、2.25インチ(5.7cm)のトゥイーターを3基搭載。トゥイーターは縦で使用する際に正面から見て上部に2つ、左下に1つで配置されており、横にして使用する際にはトゥイーター2つが上にくるようにして設置することになる。
BluetoothコーデックはSBCに対応。バッテリー駆動により連続再生で最大18時間使用可能で、これは音楽を鳴らすだけでなく、ライトをつけた状態での数値となる。また、USB-A端子からはスマホなどへの給電を行うことができるので、 “モバイルバッテリー” としても使用可能とのことだ。なお、本体の質量は15.84kgと手で持ち運ぶには大変だが、一方でシガーソケット電源ケーブルを付属するなど、クルマに載せての使用も想定されている。
ハーマンストアの試聴室(約10畳)にて音を聴いたが、iPhoneとのBluetooth接続においてはボリューム位置が半分程度のところで相当の大音量に感じられた。より広い部屋や、人数の多い場所で使用しても音量が足りないと感じることはないだろう。
またその特徴として、それだけのボリューム感でありながら、低音がボワつくといったことがない。小音量でのバランスを壊すことなくそのまま大きくしている印象だ。エレクトロやロックなどの激しい曲調の楽曲も楽々と鳴らし、さらに「バスブースト」機能をオンにすると、座っているソファが震えるほどの迫力が味わえる。
担当者によれば、「JBL PROFESSIONALのモニタースピーカーのような製品設計の思想が反映されている。他社の同様の製品に対して重量のある設計だが、音量を上げても破綻しないようにしたためであり、リズムがハッキリ出るため、屋内外問わずダンスなどにも使用できる」とのこと。
「4312G」は2016年に70周年記念モデルとしてリリースした「4312SE」の通常販売モデル。1970年代の「4310」からスタートした伝統のデザインを踏襲しながらも、ユニットは常に最新のものへとアップデートされているのが4312シリーズの特徴でもある。
4312SEと3ウェイ構成は変わらず、トゥイーターおよびミッドレンジは4312SEと同様のものを採用。ただし、ミッドレンジはメキシコの工場で製作されていたものから中国工場で製作されたものへと変更されている。ウーファーは4312G専用開発のユニットを搭載。4312SEでは「K2 S5800」のために開発された “1200FE” 系ユニット「1200FE-8W」を搭載していたが、その特徴を受け継ぎながらリファインして開発されたものとなる。
常設システムであるマークレビンソンのプレーヤー「No.519」、およびプリメインアンプ「No.585」と組み合わせて確認したが、その音でやはり特筆すべきは余裕ある低域再生能力。ベースの弦が弾かれ音が出てから消えるまで、その様子が克明に描き出される。アコースティックギターの胴鳴りは豊かで、木製エンクロージャーならではの響きを存分に堪能できる。一方で音の立ち上がりも早い。ただ「低域が良い」と書くと「低音が強い」と誤解されてしまいがちだが、決してブーミーなわけではなく、低域から高域までワイドレンジで余裕ある表現を実現している。
また担当者が「“コントロールモニター” という位置づけだが、音楽制作の現場で用いられるスピーカーであることから、解像度の高さや音の粒立ちにクオリティが求められる」と説明するように、それぞれの音の聴き分けも容易に行える再現性の高さもあったことを記しておきたい。
そして「L100 Classic」は、海外で4312の家庭向けモデルとして展開される「L100 Century」をオリジナルとし、日本向けに最新音響設計を取り入れるなどして開発されたモデルだ。担当者によれば、昔からのJBL好きだけではなく、レトロのデザインに対する好評も含めて男女問わず若年層からの人気も高いという。
オリジナルのL100 Centuryよりもサイズは大きくなっており、その分だけ筐体も堅牢となっている。正面から背面に対してV字でブレーシングするキャビネット構造を採用。バスレフポートの開口部にフレアーを設けることでポートノイズおよび低域の強調感を抑える「スリップストリーム・ポート」を採用するなど、筐体設計にもこだわった。
トゥイーターはJBL伝統のピュアチタン振動板で、ミッドレンジには4312SEと同じユニットを採用。ウーファーは “1200SE” 系をベースに新開発したものだ。4312Gも同様に新開発しているが、それとは異なるものを搭載しており、独自の磁気回路により2倍程度強い磁力を実現している。
実際に聴いてみると、4312Gよりさらに各帯域のバランスが取れた音調といった印象。低域の量感はしっかり保ちながら、中高域の弱音成分までハッキリと耳に入ってくる。ボーカルは振動板が震え音となった瞬間に耳に届くようなダイレクト感。全体としてS/Nの良い澄んだサウンドが楽しめた。
「音楽そのものをリラックスして聴けるような音作り」というL100 Classicには、4312Gとはまた違ったサウンドの魅力が感じられる。この違いはかなり大きいので、実際に聴いて確かめてみていただきたい。
L100 CLASSICおよびPartyBox 300は、ハーマンストアを尋ねればいつでも試聴が可能だ。もちろん電話予約をすることで4312Gも用意してもらえる。ただし、ほかに予約が入っていれば待つことになるので、なるべくなら確認をしてから訪問するのが良いだろう。