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公開日 2023/11/09 12:46
ノジマのインショップを強みにエントリー層へアピール

オーディオスクエア相模原店、消費喚起事業「かながわPay」を追い風にオーディオの新規需要を呼び込む

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純

■オーディオの新規購入・買い替えの背中を押したかながわPay



神奈川県が実施した第3弾となる消費喚起事業「かながわPay」が、オーディオにも追い風を呼び込んでいる。家電専門店ノジマが展開するオーディオショップ「オーディオスクエア相模原店」(神奈川県相模原市)では、「3回目ともなり、お父さんの趣味のオーディオにもようやく順番が回ってきたようです」(鈴木大輝氏)と顔をほころばせる。

ノジマ相模原本店の2階奥に構えるオーディオスクエア相模原店

かつて楽しんでいたオーディオの再開に笑顔を見せる“復活組”のお客様や、オーディオスクエアで初めて買い物をされた新規のお客様の姿も目についたという。「オーディオを新規に購入したり、買い替えたりするにはやはり勇気がいります。そこへこのタイミングであればと、かながわPayがお客様の重い背中を押してくれました」。

かながわPayは、神奈川県内の加盟店にてかながわPayアプリを使って買い物をすると、中小企業・小規模事業者での利用時には20%、大企業での利用時には10%のポイントが還元されるキャンペーン。付与上限は1人合計3万円分まで。第3弾は2023年7月27日から開始され、すでに予算上限に達しているが、獲得したポイントは11月30日まで利用できる。

入り口すぐ上にオーディオスクエア(audio square)の成り立ちが紹介されている

オーディオスクエア相模原店 鈴木大輝氏

ノジマ/オーディオスクエアは10%の還元率となるため、付与上限となる30万円の予算なら新たにオーディオシステムを組むことも可能だ。さらに獲得した3万円分のポイントで、アクセサリーの購入費用に充てることもできる。

■誰もがオーディオに手の届く一歩先のやさしい提案



鈴木氏は「オーディオの裾野をもっと拡げていかないと、ステップアップしていく人がいなくなってしまいます。そのためにはまず、一歩先にある音の感動や臨場感を知っていただくこと。さらに垣根を下げて伝えていかなければなりません」と訴える。

手頃な大きさと価格のブックシェルフから品揃えするスピーカー

CDプレーヤーは展示する高さにより傾斜を付けて見やすくなっている

WEBやSNSを活用し、「オーディオはどうしたら始められるのか」「オーディオスクエアとはどんな店なのか」など情報を発信。選択肢も「ハイファイオーディオ」だけではなく、スマホとイヤホンで聴く音楽をもっと手軽にいい音で楽しみたい方には、まずはBluetoothスピーカーや手頃な価格のコンポを。テレビの音に不満をお持ちの方には、ノジマ相模原本店テレビ売り場と連携してサウンドバーを。一歩先に拡がる世界を案内している。

アンプの品揃えも充実

CDプレーヤーの左手には人気上昇中のレコードプレーヤーを展示

「せっかくノジマを選んでくださっているのですから、ただ求められたものをご案内するのではなく、お客様の要望をきちんと伺って、本当に相応しいもの、求めているものをお薦めしたい。テレビやオーディオには想像している以上の感動がまだまだ眠っています。そこをきちんと伝えていくことこそが私たちの役割」と力を込める。

世代間のギャップや文化の違い、世の中のトレンドなどを考慮した、誰もがオーディオに手の届くやさしい提案が心に響く。それはまさに、ノジマが接客方針として掲げる、ひとりひとりのお客様に合った商品を考えてお薦めする「コンサルティングセールス」そのものだ。

広々とした試聴室は用途に合わせて広さを調整するなど臨機応変に活用。取材時には2つのシステムをセッティング

ホームシアターの視聴室も構えている

■ノジマのインショップという強みを活かしエントリー層へアピール



かながわPayをオーディオ需要喚起の呼び水としたオーディオスクエア相模原店。家電量販店ノジマのインショップというユニークなスタイルも見逃せないポイントだ。オーディオスクエア全4店が同様のスタイルを採用している。

ノジマ相模原本店との仕切りとなる壁面は、オーディオ試聴室の一部を含めて多くの部分がガラス張りで、気になる店内を除くことができる。入り口近くにはレコードを手軽に始められるリーズナブルなシステムを展示してアピール。もちろん、白物家電を目的で訪れたお客様との接客でオーディオに関心があるとわかれば、すぐにオーディオスクエア店内へと案内することもできる。

入り口近くに展示するデノン「サウンドバーガー」とIONのレコードプレーヤー

オーディオ試聴室はノジマ相模原本店の通路からガラス越しにのぞくことができる

ノジマ相模原本店と隣接するエリアとなるテレビコーナーには、さまざまなタイプのテレビシアターが提案され、“音” と “映像” がシームレスに連携する。「コレだけあればテレビを高音質で楽しめます」とPOPを掲げ、HDMIを搭載したアンプとスピーカーをプラスしたシステムも丁寧に解説。「音に対する知識を手助けできます」と “テレビの音” の提案をぐんと身近に引き寄せている。

テレビコーナーと隣接する

「コレだけあればテレビを高音質で楽しめます」と説明を掲げてテレビの音質アップをアピール

スマホやタブレットで視聴するコンテンツを臨場感たっぷりに楽しめるソニーの新提案ポータブルシアター「HT-AX7」をBluetoothスピーカーコーナーで展開しているが、周囲の音を気にせずに、もっとしっかり聴いてみたいのであれば、オーディオスクエア内に持ち込んで試すこともできる。

テレビシアターの展示にも“音への強み”を活かして工夫が凝らされている

サウンドバーから一歩踏み込んだホームシアターシステムとの組み合わせも紹介

「ライトな層に対して、『オーディオってちょっと面白いかも』と感じていただけるようなアプローチがまだまだ十分ではありません。それをより身近に訴えることができることも、オーディオスクエア相模原店ならではの大きな強みになっています」とアピールする。

■今、注目する3つのトレンド



お客様と接客するなかで鈴木氏は今、オーディオにまつわる3つのトレンドに着目している。まず1つ目は、スマホで聴く音楽をもっといい音で楽しみたいニーズに応えるネットワークオーディオだ。

入り口近くには前記のレコードプレーヤーとともに、デノンのHDMI ARCに対応した話題のネットワークCDレシーバー「RCD-N12」を中心としたシステムやテクニクスのワイヤレススピーカー「SC-C50」を展示する。「例えば、日頃視聴しているお気に入りのYouTubeのストリーマーの声を、こちらで体感いただくんです。すると皆さん『こんな声をしていたのか』と驚かれます」と “音の違い” をわかりやすく案内している。

左からワイヤレススピーカーのテクニクス「OTTAVA S SC-C50」、Bowers&Wilkins「Formation Wedge」、デノン「RCD-N12」&ダリ「OBERON1」、マランツ「M-CR612」&JBL「A120」

10月下旬に発売されたマランツのプリメインアンプの新製品「STEREO 70s」もHDMIを搭載する

2つ目はスマート化が進むテレビとの連携だ。「先頃発売されたラックスマンのネットワークトランスポート『NT-07』にもHDMI入出力が搭載されましたが、HDMIを搭載するアンプが一気に増えてきた印象です」とオーディオに接する新しい選択肢として、今後の盛り上がりに大きな期待を寄せている。

そして3つ目が、依然高い人気を誇るレコードプレーヤー。「レコードの重量盤を出すアーティストも最近は増えていて、それをきっかけにレコードを初めてみたいというお客様もよく見受けます」とさらなるブームの拡がりを指摘する。

オーディオに対して日頃くすぶり続ける疑問や関心を捉えた数々の提案で、一歩先に拡がる素晴らしい音の世界へお客様を誘う。

■オーディオの感動をしっかりと受け取ってほしい



「ほっとひと息ついている間に、時代はどんどん先に流れて行ってしまいます。若い方がいま、主体的に音楽をステレオで聴く機会は限られています。『ちょっとやってみたいな』と思っていただくためには、『目にできる場所』『体験できる機会』『相談できる人』が必要です」と鈴木氏は課題を指摘する。

アクセサリー類も豊富な品揃え。入り口前にはケースに入れて注目モデルをクローズアップする

アクセサリーは店内奥にも展示する

イヤホンで人気を集めるアニメとのコラボモデルを例に出し、「オーディオにももっと気軽に目を向け、楽しんでもらえるようなプロモーションが必要ではないでしょうか」と提案を投げ掛ける。「インフルエンサーがSNSで発信する映像のなかに、サウンドバーが置いてあるのを目にする機会はあっても、オーディオを見かけるケースはほとんどありません。そうしたインフルエンサー的な役割もノジマが担っていきたい」と強い決意を語る。

来年で20周年を迎えるオーディオスクエア。「音楽を日ごろ聴かないという方はそうそういらっしゃらないのではないでしょうか。いいコンテンツはどんどん増えているのですから、オーディオでその感動をしっかりと受け取っていただきたい」と訴える。

現在、全4店を構えるオーディオスクエアには計15名のスタッフが在籍する。「何をおいても重要なのはやはりお客様に喜んでいただくこと。オーディオスクエアはオーディオの知識を持った販売員を育てる養成所のような役割も担っています」。今後はオーディオスクエアにとどまらず、ノジマ各店においてもオーディオの魅力をさらに力強く発信できる体制の構築を目指す。

家電専門店とオーディオ専門店の強みを併せ持つノジマ/オーディオスクエア。オーディオを啓発へ向けた新たな取り組みに注目したい。

<オーディオスクエア 全4店舗概要>
オーディオスクエア相模原店

神奈川県相模原市中央区横山1-1-1
ノジマ相模原本店内
TEL 042-786-4015

ノジマ相模原本店

オーディオスクエアトレッサ横浜店
神奈川県横浜市港北区師岡町700 トレッサ横浜南棟3階
ノジマトレッサ横浜店内
TEL 045-533-5629

オーディオスクエア藤沢店
神奈川県藤沢市辻堂新町4-1-1 湘南モールFILL2F
ノジマ藤沢店内
TEL 046-631-0603

オーディオスクエア 幕張新都心店
千葉県千葉市美浜区豊砂1-6 イオンモール幕張新都心 アクティブモール2F
ノジマイオンモール幕張新都心店内
TEL 043-350-3707

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