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公開日 2017/05/24 10:00
HEOSテクノロジー搭載
マランツ、新DAC搭載の薄型AVアンプ「NR1608」。プリアンプ回路も刷新
編集部:伊藤 麻衣
マランツは、ドルビーアトモスやDTS:Xに対応する薄型AVアンプ「NR1608」を6月中旬に発売する。価格は90,000円(税抜)。
高さ10.5mmのスリムボディに、実用最大出力100Wの7chフルディスクリート・パワーアンプを搭載。前モデルからプリアンプ回路を一新し、DACも新たにAKM「4458VN」を搭載。さらなる音質強化を図った。引き続き、ドルビーアトモス/DTS:Xにも対応する。
HDMIは8入力・1出力を搭載。4K/60p、HDR、BT.2020などへ対応し、UHD BD再生もフルカバーする。またドルビービジョンおよびHLGにもアップデートで後日対応予定となる。BluetoothとWi-Fiを本体に内蔵。ネットワーク/USBメモリー経由でのハイレゾ再生、SpotifyやAWAなど音楽ストリーミング再生も可能となる。
マランツは、2009年発売の「NR1501」(関連ニュース)から薄型AVアンプを展開。翌年登場した「NR1601」(関連ニュース)からは「リビングにおけるコントロールセンター」のコンセプトのもと、フルサイズAVアンプと同等の機能を搭載して、以降は毎年モデルを更新してきた。
プレス向けの説明会では、マランツのマーケティング担当である高山健一氏および、マランツサウンドマネージャーである尾形好宜氏が登場。本機の技術面などについて説明した。
■DACをAKM「4458VN」へ変更。プリアンプも刷新
音質面での最大のポイントは、プリアンプ回路とDACの変更だ。プリアンプには、新日本無線との共同開発による高性能ボリュームICと信号セレクター回路を新たに採用。信号回路を最適化することで、聴感上のS/Nの改善を図っている。
DACチップは上位機「SR7010」と同等の旭化成エレクトロニクス製32bit/8chの「AK4458VN」を搭載。従来と比較して、S/Nと分解能を向上させた。
高山氏は「薄型だからと言って、音質に妥協したということはありません」と強調。マランツサウンドを「音の純粋さ」と再定義して、本機で改めて追求したという。また尾形氏は、「多機能でコスト的な制約が厳しい中で、それをマランツのノウハウでカバーして音質を練り上げています」とコメントした。
DACとプリアンプの刷新に合わせて、音質チューニングも再実施。音質パーツや回路のブラッシュアップも行われた。尾形氏は、「コンデンサーの種類や常数を試行錯誤しながら再検討することで音質を練り上げました。また、取り付けビスも場所によってワッシャーを用いるなどして、入念な音質チューニングを図っています」と語った。
■薄型ボディにディスクリート構成の7chパワーアンプを搭載
薄型ボディを採用しつつもパワーパック等は用いず、全ch同一構成、同一クオリティの7chフルディスクリート・パワーアンプを搭載することも、マランツのNR160Xシリーズの特徴と言える。また、チャンネル間の温度差に起因する特性のばらつきを抑えるため、パワーアンプをヒートシンクに沿って一列マウントするインライン配置を採用。つながりの良いサラウンド再現を実現したとする。
接続するスピーカーのインピーダンスは4〜16Ωに対応。サラウンドバックおよびトップスピーカーを使用しない場合は、フロントスピーカーをバイアンプ接続、または2組のフロントスピーカーを切り替えて使用できる。
電源にも配慮しており、DSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路用に専用トランスを搭載し、アナログ回路との相互干渉を排除。また、デジタル電源の動作周波数を約2倍に高速化してスイッチングノイズを可聴帯域外へシフトする倍速スイッチング電源も、前モデルから引き続き搭載する。
オブジェクトオーディオについては、前モデル「NR1607」(関連ニュース)に引き続いてドルビーアトモスおよびDTS:Xに対応。「5.1.2ch」構成による5通りのスピーカー配置にも対応。フロントハイト、トップフロント、トップミドル、フロントイネーブルド、リアドルビーイネーブルドのいずれかをオーバーヘッドスピーカーとして使用可能だ。なお、Audyssey MultEQによる自動補正に加え、天井までの高さを設定することでさらに補正の精度を高めることができるという。
オブジェクトオーディオのレンダリングや各種デコーディングも担うDSPには、シーラス・ロジック製の32bitフローティングポイント・クアッドコアDSPを搭載。アルゴリズムの改善も行ったという。
■HEOS対応でマルチソースのさらなる快適再生が可能
ネットワーク/USBメモリーによるハイレゾ再生は、5.6MHz DSDに対応。DSD以外のフォーマットについては、192kHz/24bitのWAV・FLAC・ALACの再生に対応する。AAC、MP3、WMAのロッシー圧縮音源再生も可能だ。なお、対応フォーマットはネットワーク/USBメモリーで共通となる。さらに、AirPlay、インターネットラジオの再生にも引き続き対応する。
同グループのデノンブランドが手がける、ワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」にも対応。無料のHEOSアプリをインストールしたスマートフォンやタブレットから操作することで、ホームネットワーク上のNAS/PCといったミュージックサーバーやUSBメモリーに保存した音源、Spotify/AWAなどの音楽ストリーミングサービス、インターネットラジオなどを本機から再生することができる。さらには同一のネットワーク上の別のHEOSスピーカーとの連動も可能で、本機で再生している音楽を配信することなどが可能だ。
iOS/Android/Kindle Fire向け操作アプリ「Marantz 2016 AVR Remote」にも引き続き対応。HEOSアプリと簡単に切り替えながら、快適な操作ができる。
AM/FMチューナーも搭載。FM補完放送「ワイドFM」に対応し、最大で40局をプリセット登録可能となっている。
HDMI端子は8入力(フロント1系統を含む)・1出力を搭載。すべての端子がHDCP2.2に対応しており、4K/60p信号のパススルーに対応。4K/60p/4:4:4/24bit、4K/60p/4:2:0/30bit、4K/60p/4:2:2/36bitなどの映像フォーマットに対応している(フロントHDMIは4K/30p/4:4:4/24bit、4K/60p/4:2:0/24bitに対応)。
従来のHD映像の2倍以上の広色域表現を可能にする「BT.2020」のパススルーにも対応。前述の通り、HDRについてはHDR10に加え、ファームウェアアップデートによりドルビービジョンとHLG(Hybrid Log-Gamma)にも対応する予定だ。4Kアップスケーリング(最大4K/30pで出力)や画質調整機能も備える。
Wi-FiおよびBluetoothを内蔵。Wi-Fi(IEEE 802.11 a/b/g/n)は2.4GHz/5GHzのデュアルバンド対応となる。「WPS」によりボタン一つでルーターへ接続することも可能だ。
■ミニコンポとサウンドバーの両方の特徴をカバーできる
“マルチコントロールセンター”としての機能性・拡張性にも注目したい。本機は7chアンプを搭載するが、前述の通り4ch分のアンプを使ってフロントスピーカーをバイアンプ駆動したり、2組のフロントスピーカーを切り替えて使用することができる。加えてHEOSテクノロジーやHDMI端子により、たとえばリビングにあるPC/ゲーム/スマートフォン/タブレット/NASやBDプレーヤーなど様々なソースのサウンドを“マランツサウンド”として再生可能だ。
高山氏は「NR1608は、音楽再生メインのミニコンポと映画再生メインのサウンドバーの両方の長所をカバーしている」と紹介。「ミニコンポは音楽性に特化していて、サウンドバーはテレビとの親和性が非常に高い。その一方でNR1608は、音楽再生において高いパフォーマンスを持ちながら、CECコントロールからマルチチャンネル再生まで映像面もフルサポート可能です。本機は“映画の音をよくするAVアンプ”ではなく、“リビングで音楽も映画も良い音で楽しみたい方にオススメの製品”だと言えるでしょう」と説明した。
2.2chプリアウトも搭載しており、フロントスピーカー用に外部パワーアンプを追加して音質向上も狙える。また、サブウーファーの2台接続にも対応する。
音声入力端子はアナログ×3、光デジタル×1、同軸デジタル×1を搭載。音声出力端子は、2.2chプリアウトに加えて、ゾーン出力、ヘッドホン出力を各1系統ずつ備える。スピーカー端子は全チャンネルで同一のスクリュー式スピーカー端子を搭載する。
主な仕様は以下のとおり。定格出力(8Ω、20Hz〜20kHz、THD 0.08%)は50W/ch、実用最大出力(6Ω、1kHz、THD 10%、1ch駆動、JEITA)は100W、周波数特性は10Hz〜100kHz(+1、-3dB、ダイレクトモード時)、消費電力は250W、外形寸法は440W×105H×376Dmm(ロッドアンテナを寝かせた場合)で、質量は8.3kg。
■B&W「800 D3」と組み合わせてステレオ再生能力もアピール
プレス向けの説明会では、NR1608の試聴デモも行われた。マルチチャンネル再生では、あえてセンターとサブウーファーを用いない<4.0.2ch>システムを用い、リビングなどの限られた環境でかつ大音量が出せなくても、「剛性が高く優れた空間再現性を備えるNR1608ならば、イマーシブなサウンドが楽しめる」ことがアピールされた。
一方のステレオ再生のデモは、マランツのHi-Fi用試聴室で行われた。しかもB&Wの旗艦スピーカー「800 D3」を組み合わせて再生を行うことで、NR1608のアンプとしてのポテンシャルを示した。こちらのデモでは従来モデルNR1607との比較試聴を、光デジタル接続とアナログ接続でそれぞれ行った。
まず、薄型AVアンプであるNR1608/NR1607が800 D3をステレオ再生でしっかりと鳴らせる駆動力を備えていることに改めて驚かされる。アナログ入力の比較(送り出しはSA-10)では、NR1608が音の立体感や厚みにおいて一聴してわかる優位性を備えており、同一ボリュームなのに音量が少し上がったような印象さえ受けた。
光デジタル接続(こちらも送り出しはSA-10)では、やはりDACの変更が大きく音に現れたのだろう、各音の分離感がさらに明快になり、奥行き方向の再現など音場表現もより立体的になった。NR1608では、ベースの力強さや音の抜け良さも増して、音が活き活きしてくる印象だった。
高さ10.5mmのスリムボディに、実用最大出力100Wの7chフルディスクリート・パワーアンプを搭載。前モデルからプリアンプ回路を一新し、DACも新たにAKM「4458VN」を搭載。さらなる音質強化を図った。引き続き、ドルビーアトモス/DTS:Xにも対応する。
HDMIは8入力・1出力を搭載。4K/60p、HDR、BT.2020などへ対応し、UHD BD再生もフルカバーする。またドルビービジョンおよびHLGにもアップデートで後日対応予定となる。BluetoothとWi-Fiを本体に内蔵。ネットワーク/USBメモリー経由でのハイレゾ再生、SpotifyやAWAなど音楽ストリーミング再生も可能となる。
マランツは、2009年発売の「NR1501」(関連ニュース)から薄型AVアンプを展開。翌年登場した「NR1601」(関連ニュース)からは「リビングにおけるコントロールセンター」のコンセプトのもと、フルサイズAVアンプと同等の機能を搭載して、以降は毎年モデルを更新してきた。
プレス向けの説明会では、マランツのマーケティング担当である高山健一氏および、マランツサウンドマネージャーである尾形好宜氏が登場。本機の技術面などについて説明した。
■DACをAKM「4458VN」へ変更。プリアンプも刷新
音質面での最大のポイントは、プリアンプ回路とDACの変更だ。プリアンプには、新日本無線との共同開発による高性能ボリュームICと信号セレクター回路を新たに採用。信号回路を最適化することで、聴感上のS/Nの改善を図っている。
DACチップは上位機「SR7010」と同等の旭化成エレクトロニクス製32bit/8chの「AK4458VN」を搭載。従来と比較して、S/Nと分解能を向上させた。
高山氏は「薄型だからと言って、音質に妥協したということはありません」と強調。マランツサウンドを「音の純粋さ」と再定義して、本機で改めて追求したという。また尾形氏は、「多機能でコスト的な制約が厳しい中で、それをマランツのノウハウでカバーして音質を練り上げています」とコメントした。
DACとプリアンプの刷新に合わせて、音質チューニングも再実施。音質パーツや回路のブラッシュアップも行われた。尾形氏は、「コンデンサーの種類や常数を試行錯誤しながら再検討することで音質を練り上げました。また、取り付けビスも場所によってワッシャーを用いるなどして、入念な音質チューニングを図っています」と語った。
■薄型ボディにディスクリート構成の7chパワーアンプを搭載
薄型ボディを採用しつつもパワーパック等は用いず、全ch同一構成、同一クオリティの7chフルディスクリート・パワーアンプを搭載することも、マランツのNR160Xシリーズの特徴と言える。また、チャンネル間の温度差に起因する特性のばらつきを抑えるため、パワーアンプをヒートシンクに沿って一列マウントするインライン配置を採用。つながりの良いサラウンド再現を実現したとする。
接続するスピーカーのインピーダンスは4〜16Ωに対応。サラウンドバックおよびトップスピーカーを使用しない場合は、フロントスピーカーをバイアンプ接続、または2組のフロントスピーカーを切り替えて使用できる。
電源にも配慮しており、DSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路用に専用トランスを搭載し、アナログ回路との相互干渉を排除。また、デジタル電源の動作周波数を約2倍に高速化してスイッチングノイズを可聴帯域外へシフトする倍速スイッチング電源も、前モデルから引き続き搭載する。
オブジェクトオーディオについては、前モデル「NR1607」(関連ニュース)に引き続いてドルビーアトモスおよびDTS:Xに対応。「5.1.2ch」構成による5通りのスピーカー配置にも対応。フロントハイト、トップフロント、トップミドル、フロントイネーブルド、リアドルビーイネーブルドのいずれかをオーバーヘッドスピーカーとして使用可能だ。なお、Audyssey MultEQによる自動補正に加え、天井までの高さを設定することでさらに補正の精度を高めることができるという。
オブジェクトオーディオのレンダリングや各種デコーディングも担うDSPには、シーラス・ロジック製の32bitフローティングポイント・クアッドコアDSPを搭載。アルゴリズムの改善も行ったという。
■HEOS対応でマルチソースのさらなる快適再生が可能
ネットワーク/USBメモリーによるハイレゾ再生は、5.6MHz DSDに対応。DSD以外のフォーマットについては、192kHz/24bitのWAV・FLAC・ALACの再生に対応する。AAC、MP3、WMAのロッシー圧縮音源再生も可能だ。なお、対応フォーマットはネットワーク/USBメモリーで共通となる。さらに、AirPlay、インターネットラジオの再生にも引き続き対応する。
同グループのデノンブランドが手がける、ワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」にも対応。無料のHEOSアプリをインストールしたスマートフォンやタブレットから操作することで、ホームネットワーク上のNAS/PCといったミュージックサーバーやUSBメモリーに保存した音源、Spotify/AWAなどの音楽ストリーミングサービス、インターネットラジオなどを本機から再生することができる。さらには同一のネットワーク上の別のHEOSスピーカーとの連動も可能で、本機で再生している音楽を配信することなどが可能だ。
iOS/Android/Kindle Fire向け操作アプリ「Marantz 2016 AVR Remote」にも引き続き対応。HEOSアプリと簡単に切り替えながら、快適な操作ができる。
AM/FMチューナーも搭載。FM補完放送「ワイドFM」に対応し、最大で40局をプリセット登録可能となっている。
HDMI端子は8入力(フロント1系統を含む)・1出力を搭載。すべての端子がHDCP2.2に対応しており、4K/60p信号のパススルーに対応。4K/60p/4:4:4/24bit、4K/60p/4:2:0/30bit、4K/60p/4:2:2/36bitなどの映像フォーマットに対応している(フロントHDMIは4K/30p/4:4:4/24bit、4K/60p/4:2:0/24bitに対応)。
従来のHD映像の2倍以上の広色域表現を可能にする「BT.2020」のパススルーにも対応。前述の通り、HDRについてはHDR10に加え、ファームウェアアップデートによりドルビービジョンとHLG(Hybrid Log-Gamma)にも対応する予定だ。4Kアップスケーリング(最大4K/30pで出力)や画質調整機能も備える。
Wi-FiおよびBluetoothを内蔵。Wi-Fi(IEEE 802.11 a/b/g/n)は2.4GHz/5GHzのデュアルバンド対応となる。「WPS」によりボタン一つでルーターへ接続することも可能だ。
■ミニコンポとサウンドバーの両方の特徴をカバーできる
“マルチコントロールセンター”としての機能性・拡張性にも注目したい。本機は7chアンプを搭載するが、前述の通り4ch分のアンプを使ってフロントスピーカーをバイアンプ駆動したり、2組のフロントスピーカーを切り替えて使用することができる。加えてHEOSテクノロジーやHDMI端子により、たとえばリビングにあるPC/ゲーム/スマートフォン/タブレット/NASやBDプレーヤーなど様々なソースのサウンドを“マランツサウンド”として再生可能だ。
高山氏は「NR1608は、音楽再生メインのミニコンポと映画再生メインのサウンドバーの両方の長所をカバーしている」と紹介。「ミニコンポは音楽性に特化していて、サウンドバーはテレビとの親和性が非常に高い。その一方でNR1608は、音楽再生において高いパフォーマンスを持ちながら、CECコントロールからマルチチャンネル再生まで映像面もフルサポート可能です。本機は“映画の音をよくするAVアンプ”ではなく、“リビングで音楽も映画も良い音で楽しみたい方にオススメの製品”だと言えるでしょう」と説明した。
2.2chプリアウトも搭載しており、フロントスピーカー用に外部パワーアンプを追加して音質向上も狙える。また、サブウーファーの2台接続にも対応する。
音声入力端子はアナログ×3、光デジタル×1、同軸デジタル×1を搭載。音声出力端子は、2.2chプリアウトに加えて、ゾーン出力、ヘッドホン出力を各1系統ずつ備える。スピーカー端子は全チャンネルで同一のスクリュー式スピーカー端子を搭載する。
主な仕様は以下のとおり。定格出力(8Ω、20Hz〜20kHz、THD 0.08%)は50W/ch、実用最大出力(6Ω、1kHz、THD 10%、1ch駆動、JEITA)は100W、周波数特性は10Hz〜100kHz(+1、-3dB、ダイレクトモード時)、消費電力は250W、外形寸法は440W×105H×376Dmm(ロッドアンテナを寝かせた場合)で、質量は8.3kg。
■B&W「800 D3」と組み合わせてステレオ再生能力もアピール
プレス向けの説明会では、NR1608の試聴デモも行われた。マルチチャンネル再生では、あえてセンターとサブウーファーを用いない<4.0.2ch>システムを用い、リビングなどの限られた環境でかつ大音量が出せなくても、「剛性が高く優れた空間再現性を備えるNR1608ならば、イマーシブなサウンドが楽しめる」ことがアピールされた。
一方のステレオ再生のデモは、マランツのHi-Fi用試聴室で行われた。しかもB&Wの旗艦スピーカー「800 D3」を組み合わせて再生を行うことで、NR1608のアンプとしてのポテンシャルを示した。こちらのデモでは従来モデルNR1607との比較試聴を、光デジタル接続とアナログ接続でそれぞれ行った。
まず、薄型AVアンプであるNR1608/NR1607が800 D3をステレオ再生でしっかりと鳴らせる駆動力を備えていることに改めて驚かされる。アナログ入力の比較(送り出しはSA-10)では、NR1608が音の立体感や厚みにおいて一聴してわかる優位性を備えており、同一ボリュームなのに音量が少し上がったような印象さえ受けた。
光デジタル接続(こちらも送り出しはSA-10)では、やはりDACの変更が大きく音に現れたのだろう、各音の分離感がさらに明快になり、奥行き方向の再現など音場表現もより立体的になった。NR1608では、ベースの力強さや音の抜け良さも増して、音が活き活きしてくる印象だった。
関連リンク
- ジャンルAVアンプ
- ブランドMARANTZ
- 型番NR1608
- 発売日2017年6月中旬
- 価格90000
【SPEC】●定格出力:フロント50 W + 50 W、センター50 W、サラウンド 50 W + 50 W 、サラウンドバック/ハイト50 W + 50 W ●対応インビータンス:4〜16Ω ●周波数特性:10Hz〜100 kHz(+ 1、-3 dB、ダイレクトモード時) ●入力端子:HDMI×8、コンポーネント×2、コンポジット×3、アナログ×3、光デジタル×1、同軸デジタル×1、ネットワーク×1、USB(フロント)×1、セットアップマイク×1、FMアンテナ×1、AMアンテナ×1、マンスリートリートバス(RC-5)×1 ●出力端子:HDMI×1、コンポーネント×1、コンポジット×1、2.2chプリアット×1、ゾーンプリアウト×1、ヘッドホン×1、マンスリートリートバス(RC-5)×1、DCトリガー×1 ●消費電力:250 W ●待機電力:0.2W(通常スタンバイ)/0.5W(CECスタインバイ) ●外形寸法:W440×H173×D376mm(ロッドアンテナを立てた場合) ●質量:8.3kg