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公開日 2017/06/19 18:24
リアルタイム伝送を実現
KDDI総合研究所、世界初のマルチアングル対応8Kリアルタイムエンコーダー
編集部:川田菜月
KDDI総合研究所は、マルチアングル映像に対応した8Kリアルタイムエンコーダーの開発に世界で初めて成功し、8Kマルチアングル映像のリアルタイム伝送を実現したと発表した。これにより、将来的にスタジアムの競技映像をもとに、家庭やモバイル環境でのフリーナビゲーション視聴が可能になるとのこと。
マルチアングル映像とは、例えばサッカーの競技場に置かれた複数のカメラで撮影した映像をまとめて配信し、ユーザーがカメラを選択して好きなアングルの映像で視聴できるというもの。またフリーナビゲーション映像では、会場のサッカー選手や審判、ボールなどの追跡情報をマルチアングル映像に加えて配信することで、ユーザーが見たいアングルや被写体を任意に選択するなど、ゲーム感覚の映像体験が可能となる。
これらの映像配信を複数の4K/8K映像で低コストに実現するためには、圧縮効率の大幅な改善が必要とされており、同研究所は2014年10月にH.265/HEVCマルチビュー拡張方式に準拠した4Kリアルタイムエンコーダーを開発した。
しかし当初は30fpsの4K映像を対象としていたため、1アングル当たりのデータ量が4Kと比べて4倍になる8Kマルチアングル映像では、60pや120pの高フレームレートへの対応も見据えたエンコード性能の更なる改善が必要とされており、また8K映像では画面ごとの処理負荷の差異が増大し、画面単位の均等なタスク分割では膨大なCPUリソースを要するという8Kリアルタイムエンコーダーに特有の技術課題があったという。
今回新たに、エンコーダー制御最適化技術と処理速度改善技術の考案・導入により、H.265/HEVCマルチビュー拡張方式に準拠した世界初の8Kリアルタイムエンコーダーの開発に成功した。
エンコード性能においては、実際にサッカーの試合を4台の8Kカメラで撮影した映像を分析し、選手領域の分布を考慮したブロック分割と予測方式選択を導入。これにより品質劣化を防ぎ、実験において4台の8Kカメラによる60fpsのマルチアングル映像を160Mbpsに圧縮できることを確認したとのこと。8K伝送の現行技術では4台で320Mbpsの帯域を必要としていたが、1/2の圧縮率(2倍の圧縮性能)に相当するとしている。
さらに、CPUごとの符号化タスクの割当を画面間の動き量を基準に動的に行うメカニズムを新たに導入し、単純な並列処理に比べて所要のCPUリソースを1/4に低減することができたとのこと。
今後2018年度中の実用化を目指すとともに、120fpsの高フレームレートへの対応や更なる圧縮効率の向上も推進するとしている。
マルチアングル映像とは、例えばサッカーの競技場に置かれた複数のカメラで撮影した映像をまとめて配信し、ユーザーがカメラを選択して好きなアングルの映像で視聴できるというもの。またフリーナビゲーション映像では、会場のサッカー選手や審判、ボールなどの追跡情報をマルチアングル映像に加えて配信することで、ユーザーが見たいアングルや被写体を任意に選択するなど、ゲーム感覚の映像体験が可能となる。
これらの映像配信を複数の4K/8K映像で低コストに実現するためには、圧縮効率の大幅な改善が必要とされており、同研究所は2014年10月にH.265/HEVCマルチビュー拡張方式に準拠した4Kリアルタイムエンコーダーを開発した。
しかし当初は30fpsの4K映像を対象としていたため、1アングル当たりのデータ量が4Kと比べて4倍になる8Kマルチアングル映像では、60pや120pの高フレームレートへの対応も見据えたエンコード性能の更なる改善が必要とされており、また8K映像では画面ごとの処理負荷の差異が増大し、画面単位の均等なタスク分割では膨大なCPUリソースを要するという8Kリアルタイムエンコーダーに特有の技術課題があったという。
今回新たに、エンコーダー制御最適化技術と処理速度改善技術の考案・導入により、H.265/HEVCマルチビュー拡張方式に準拠した世界初の8Kリアルタイムエンコーダーの開発に成功した。
エンコード性能においては、実際にサッカーの試合を4台の8Kカメラで撮影した映像を分析し、選手領域の分布を考慮したブロック分割と予測方式選択を導入。これにより品質劣化を防ぎ、実験において4台の8Kカメラによる60fpsのマルチアングル映像を160Mbpsに圧縮できることを確認したとのこと。8K伝送の現行技術では4台で320Mbpsの帯域を必要としていたが、1/2の圧縮率(2倍の圧縮性能)に相当するとしている。
さらに、CPUごとの符号化タスクの割当を画面間の動き量を基準に動的に行うメカニズムを新たに導入し、単純な並列処理に比べて所要のCPUリソースを1/4に低減することができたとのこと。
今後2018年度中の実用化を目指すとともに、120fpsの高フレームレートへの対応や更なる圧縮効率の向上も推進するとしている。