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公開日 2020/02/05 11:02
スマホ構造改革の成果も表れる
ソニー第3四半期決算は増収減益。牽引役はモバイル向けイメージセンサー、新型コロナウイルスの影響を懸念
PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
■PS5は過去を教訓にスムーズな移行を目指す
ソニーは、2019年度第3四半期決算概要を発表。専務 CFO・十時裕樹氏が説明を行った。
2019年度第3四半期の連結売上高は、前年同期から3%増の2兆4,632億円、営業利益は同769億円減の3,001億円、四半期純利益は同1,994億円減の2,295億円。また、EMI連結子会社化に伴う再評価益(音楽分野+1,169億円)など一時的な要因を除外した調整後の数字は、営業利益が前年同期比165億円増の2,765億円、四半期純利益が同583億円増の2,162億円となる。
通期の連結業績見通しは、売上高を1,000億円増の8兆5,000億円、営業利益を400億円増の8,800億円、当期純利益を500億円増の5,900億円に上方修正した。なお、これには新型コロナウイルス感染拡大の影響は加味されておらず、「現時点で業績に与える影響を把握するのは困難だが、今後の事態の進展によっては、今回の上方修正を打ち消す規模の大きな影響が出る可能性も否定できない」との見方を示した。
すでに市場でも各所に影響が見受けられるが、なかでもイメージング&センシング・ソリューション分野(I&SS)、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野(EP&S)に対する影響が大きく、「製造、販売、サプライチェーンに多大な影響が生じ得ると見ている。今後も情報収集と影響の把握を進めて必要な対策を講じると共に、状況を精査した結果、今 期の業績見通しに重要な変更が生じた場合にはお知らせする」と対応を説明した。
各事業の概況は、「ゲーム&ネットワークサービス」分野は、売上高はPlayStation 4(PS4)ハードウェアおよびPS4向けゲームソフトウェアの減収や為替の悪影響により、前年同期比20%と大幅減の6,321億円、営業利益はサードパーティーソフトの減収の影響などにより、 こちらも同196億円と大幅減の535億円となった。PlayStation 5(PS5)導入に向けて十時氏は「今年度から来年度にかけては、PS5への移行期に入る。大きなコミュニティとネットワーク収入により、開発費用やマーケティングコストで大きく損益が悪化した過去の世代交代期とは異なるスムーズな移行となるよう取り組んでいく」と慎重な姿勢を強調した。
「EP&S」分野は、スマートフォンやテレビの減収により、売上高は同9%減の6,504億円、 営業利益はモバイルル・コミュニケーションでの構造改革効果などで同141億円増の803億円となった。昨年末商戦の動向については「主力商品のテレビ、ミラーレスカメラを中心に厳しい環境での戦いとなったが、全体として価格、供給、在庫のコントロールができたと総括している。ミラーレスカメラは競合の本格参入により競争が激しくなっているが、主要市場におけるシェアを維持し、デジタルカメラ全体でも前年同期を上回る実績を残すことができた。テレビは引き続きパネル価格の下落による厳しい競争環境にあるが、高付加価値、大画面商品への集中により、前年同期を上回る平均売価、在庫共に適正な水準を維持できている」と堅調に推移した。
第3四半期の牽引役となった「I&SS」分野は、売上高はモバイル機器向けイメージセンサーの製品ミックス改善や販売増加により、同29%の大幅増となる2,980億円、営業利益も増収の影響により同287億円増の752億円となった。第4四半期も同社イメージセンサーへの需要は引き続き旺盛で、「生産能力の増強は予定通り進捗し、生産設備はフル稼働を継続しているが、足元の強い需要により販売が増加し、当初計画していた戦略在庫の積上げができていない状況」とうれしい悲鳴をあげる。「今年度は競争力の高い新製品の投入もあり、全体としてマージンの維持、改善もでき、ここまで非常によいかたちで事業運営が進められているが、来年度以降の中長期的な需要拡大トレンドの見方に変更はない。新型コロナウイルス感染拡大の影響や競争環境・各種地政 学リスクなど楽観視はできない」と説明した。
中長期的な取り組みとして、「イメージセンサーに次ぐ成長ドライバーと位置づけ期待するToFセンサーが、構成比はまだ小さいながらも順調な立ち上がりを見せている。モバイル向けを中心に採用が拡大することも期待される。より長期の時間軸では、CESでも大きく取り上げたモビリティ領域や幅広い産業・FA領域において、ソニーの持つイメージング・センシング技術の展開を拡大していく仕込みを進めている。アルゴリズム、ソフトウェアエンジニアを中心とした人材採用の強化や、イメージセンサー設計開発拠点である大阪オフィスの開設など、将来の成長に向けた技術開発投資をより一層積極的に進めていきたい」と訴えた。
ソニーは、2019年度第3四半期決算概要を発表。専務 CFO・十時裕樹氏が説明を行った。
2019年度第3四半期の連結売上高は、前年同期から3%増の2兆4,632億円、営業利益は同769億円減の3,001億円、四半期純利益は同1,994億円減の2,295億円。また、EMI連結子会社化に伴う再評価益(音楽分野+1,169億円)など一時的な要因を除外した調整後の数字は、営業利益が前年同期比165億円増の2,765億円、四半期純利益が同583億円増の2,162億円となる。
通期の連結業績見通しは、売上高を1,000億円増の8兆5,000億円、営業利益を400億円増の8,800億円、当期純利益を500億円増の5,900億円に上方修正した。なお、これには新型コロナウイルス感染拡大の影響は加味されておらず、「現時点で業績に与える影響を把握するのは困難だが、今後の事態の進展によっては、今回の上方修正を打ち消す規模の大きな影響が出る可能性も否定できない」との見方を示した。
すでに市場でも各所に影響が見受けられるが、なかでもイメージング&センシング・ソリューション分野(I&SS)、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野(EP&S)に対する影響が大きく、「製造、販売、サプライチェーンに多大な影響が生じ得ると見ている。今後も情報収集と影響の把握を進めて必要な対策を講じると共に、状況を精査した結果、今 期の業績見通しに重要な変更が生じた場合にはお知らせする」と対応を説明した。
各事業の概況は、「ゲーム&ネットワークサービス」分野は、売上高はPlayStation 4(PS4)ハードウェアおよびPS4向けゲームソフトウェアの減収や為替の悪影響により、前年同期比20%と大幅減の6,321億円、営業利益はサードパーティーソフトの減収の影響などにより、 こちらも同196億円と大幅減の535億円となった。PlayStation 5(PS5)導入に向けて十時氏は「今年度から来年度にかけては、PS5への移行期に入る。大きなコミュニティとネットワーク収入により、開発費用やマーケティングコストで大きく損益が悪化した過去の世代交代期とは異なるスムーズな移行となるよう取り組んでいく」と慎重な姿勢を強調した。
「EP&S」分野は、スマートフォンやテレビの減収により、売上高は同9%減の6,504億円、 営業利益はモバイルル・コミュニケーションでの構造改革効果などで同141億円増の803億円となった。昨年末商戦の動向については「主力商品のテレビ、ミラーレスカメラを中心に厳しい環境での戦いとなったが、全体として価格、供給、在庫のコントロールができたと総括している。ミラーレスカメラは競合の本格参入により競争が激しくなっているが、主要市場におけるシェアを維持し、デジタルカメラ全体でも前年同期を上回る実績を残すことができた。テレビは引き続きパネル価格の下落による厳しい競争環境にあるが、高付加価値、大画面商品への集中により、前年同期を上回る平均売価、在庫共に適正な水準を維持できている」と堅調に推移した。
第3四半期の牽引役となった「I&SS」分野は、売上高はモバイル機器向けイメージセンサーの製品ミックス改善や販売増加により、同29%の大幅増となる2,980億円、営業利益も増収の影響により同287億円増の752億円となった。第4四半期も同社イメージセンサーへの需要は引き続き旺盛で、「生産能力の増強は予定通り進捗し、生産設備はフル稼働を継続しているが、足元の強い需要により販売が増加し、当初計画していた戦略在庫の積上げができていない状況」とうれしい悲鳴をあげる。「今年度は競争力の高い新製品の投入もあり、全体としてマージンの維持、改善もでき、ここまで非常によいかたちで事業運営が進められているが、来年度以降の中長期的な需要拡大トレンドの見方に変更はない。新型コロナウイルス感染拡大の影響や競争環境・各種地政 学リスクなど楽観視はできない」と説明した。
中長期的な取り組みとして、「イメージセンサーに次ぐ成長ドライバーと位置づけ期待するToFセンサーが、構成比はまだ小さいながらも順調な立ち上がりを見せている。モバイル向けを中心に採用が拡大することも期待される。より長期の時間軸では、CESでも大きく取り上げたモビリティ領域や幅広い産業・FA領域において、ソニーの持つイメージング・センシング技術の展開を拡大していく仕込みを進めている。アルゴリズム、ソフトウェアエンジニアを中心とした人材採用の強化や、イメージセンサー設計開発拠点である大阪オフィスの開設など、将来の成長に向けた技術開発投資をより一層積極的に進めていきたい」と訴えた。
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