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公開日 2020/04/20 14:25
愛知で開催予定のイベントは延期
「Sマーク」認知率は13%、店頭商品普及率は70%。電気製品認証協議会が19年度活動を報告
PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
■認知度向上には継続的な活動が大切
安心・安全な電気製品であることを表す「Sマーク」による第三者認証制度の公平な運営および普及を図る電気製品認証協議会(SCEA)は、2019 年度の活動内容について発表した。
消費者に対するSマークの認知拡大を目的に、東京と愛知の2会場で毎年実施する広報イベントは、2019 年10月5日(土)・6日(日)に、イトーヨーカドー大森店(東京都大田区)で開催された。Sマークとは何かをイラストやビデオを用いてわかりやすく紹介。会場にはヘアドライヤーや電気ポットなど電気製品を用意し、Sマークが付いていることを実際に目で確認してもらうなど、商品券が当たる抽選会も併せて実施され、来店者の関心を集めた。
同時に実施されたアンケートではSマークの認知度も調査しており、認知率は13.2%となった。これまでの同調査による認知率の推移は、2010年24.7%、2011年19.5%、2012年20.5%、2013年18.4%、2014年16.6%、2015年17.5%、2016年23.5%、2017年14.9%、2018年15.1%と漸減傾向にある。SCEAでは「一般消費者の認知度はなかなか上がらないが、このようなイベントは消費者の声を直接聞ける大切な機会。今後とも引き続き開催していきたい」と訴えた。なお、2020年2月29日(土)・3月1日(日)にアピタ稲沢店(愛知県稲沢市)での開催が予定されていたイベントは、新型コロナウィルスの影響で延期された。
Sマーク付き電気製品が店頭でどれくらい普及しているのかについては、毎年1回、実態調査が行われている。2019年11月に、全国電機商業組合連合会、広島県電器商業組合、東京都電機商業組合(地域電気店ルート)、日本百貨店協会(百貨店ルート)、日本チェーンストア協会(総合量販店ルート)、家電量販店、日本DIY協会(DIYルート)、日本通信販売協会(通販ルート)の協力のもと、17品目・9,959件を対象に調査が実施された。
普及率は、昨年度の71.1%から微減となる70.4%。電気カーペット、空気清浄機で普及率が大きく伸長、反対に電気掃除機では後退した。「電気カーペットはここ数年減少傾向だったものが以前の状況に戻ってきた。普及率が減少した電気掃除機は、充電タイプのDC 駆動型スティックタイプの掃除機が増えていることが原因ではないか」と推測する。
この他にも、2019 年10 月には、製品安全行政に携わる地方経済産業局および地方自治体の消費者相談員等の職員を対象に、経済産業省製品安全課が毎年実施している「製品安全研修」に、広報専門部会・三浦部会長が出席し、製品安全について講義を行った。2020年1月には、輸入・販売事業者を対象に、“知っておきたい電気製品の安全性”をテーマに「製品安全セミナー」を開催。受講者からも好評を博し、「今後も開催場所や受講対象者、テーマ等を考慮して行っていきたい」と積極的な活動を展開していく。
なお、Sマーク認証機関(JET、JQA、UL Japan、テュフラインランドジャパン)における2019年4月-12月のSマーク認証状況は、認証件数が1,212件、認証モデル数は3,626モデルとなった。「認証件数、認証モデル数ともに減少傾向にあり、新規モデルの開発が以前に比べ減速しているのではないか」と背景を説明する。Sマーク認証業務が開始された1995 年からの累計有効認証件数は27,223件、累計有効認証モデル数は80,240モデルとなる。登録工場数は105 件で、内訳は国内が17 件、海外が88件。海外では中国が最も多く(76.1%)、タイ(4.2%)、マレーシア(3.7%)、韓国(3.6%)、台湾(2.1%)の順に続く。
■事故情報等は常に注視、迅速に対応する
Sマーク認証の試験基準については、電気用品安全法の対象製品は、電気用品安全法の技術基準が適用されるが、安全性を確保する観点等から、市場の事故情報に基づいた「追加基準」や「運用基準」が設けられている。「市場における事故情報等を常に注視。必要に応じてSマークの認証における追加基準等を制定し、国民生活の安心・安全に寄与していく」との考えからだ。今までに「追加基準」として制定されているのは、「電気湯沸器(電気ケトル及び電気ポット)の転倒流水対策に係る取扱い運用」「ジュースミキサーの可動部露出に係る取扱い運用」「電気冷蔵庫の食品汁流れ込み防止に係る取扱い運用」など計7項目となる。
Sマーク認証の信頼性向上を目的に2009年度から実施するのは、市場で販売されているSマーク認証製品を買い上げて、認証時と同等であるかどうかを確認する「同等性確認調査」。2019年12月に「電気こたつ」「電気コンロ」「電気ケトル」「電気温風機」「電子レンジ」「電気ストーブ」「CDラジオ」「扇風機」「電気トースター」「テレビ」「電気炊飯器」「電気アイロン」の12機種を買い上げ、現在各認証機関で確認を行っている。
なお、過去4年にわたる同調査の結果は、2018年度は12製品を買い上げ、2017年度は同じく12製品を買い上げ、いずれもすべて認証時と同等であることが確認された。2016年度は12製品を買い上げたうちの3機種、2015年度は12製品を買い上げたうちの2機種に、それぞれ基準不適合が判明し、改善措置が講じられた。「今後ともSマーク認証製品の市場買い上げを実施し、Sマーク認証製品の信頼性向上に努めていく」と引き続き、継続的な調査を実施していく。
安心・安全な電気製品であることを表す「Sマーク」による第三者認証制度の公平な運営および普及を図る電気製品認証協議会(SCEA)は、2019 年度の活動内容について発表した。
消費者に対するSマークの認知拡大を目的に、東京と愛知の2会場で毎年実施する広報イベントは、2019 年10月5日(土)・6日(日)に、イトーヨーカドー大森店(東京都大田区)で開催された。Sマークとは何かをイラストやビデオを用いてわかりやすく紹介。会場にはヘアドライヤーや電気ポットなど電気製品を用意し、Sマークが付いていることを実際に目で確認してもらうなど、商品券が当たる抽選会も併せて実施され、来店者の関心を集めた。
同時に実施されたアンケートではSマークの認知度も調査しており、認知率は13.2%となった。これまでの同調査による認知率の推移は、2010年24.7%、2011年19.5%、2012年20.5%、2013年18.4%、2014年16.6%、2015年17.5%、2016年23.5%、2017年14.9%、2018年15.1%と漸減傾向にある。SCEAでは「一般消費者の認知度はなかなか上がらないが、このようなイベントは消費者の声を直接聞ける大切な機会。今後とも引き続き開催していきたい」と訴えた。なお、2020年2月29日(土)・3月1日(日)にアピタ稲沢店(愛知県稲沢市)での開催が予定されていたイベントは、新型コロナウィルスの影響で延期された。
Sマーク付き電気製品が店頭でどれくらい普及しているのかについては、毎年1回、実態調査が行われている。2019年11月に、全国電機商業組合連合会、広島県電器商業組合、東京都電機商業組合(地域電気店ルート)、日本百貨店協会(百貨店ルート)、日本チェーンストア協会(総合量販店ルート)、家電量販店、日本DIY協会(DIYルート)、日本通信販売協会(通販ルート)の協力のもと、17品目・9,959件を対象に調査が実施された。
普及率は、昨年度の71.1%から微減となる70.4%。電気カーペット、空気清浄機で普及率が大きく伸長、反対に電気掃除機では後退した。「電気カーペットはここ数年減少傾向だったものが以前の状況に戻ってきた。普及率が減少した電気掃除機は、充電タイプのDC 駆動型スティックタイプの掃除機が増えていることが原因ではないか」と推測する。
この他にも、2019 年10 月には、製品安全行政に携わる地方経済産業局および地方自治体の消費者相談員等の職員を対象に、経済産業省製品安全課が毎年実施している「製品安全研修」に、広報専門部会・三浦部会長が出席し、製品安全について講義を行った。2020年1月には、輸入・販売事業者を対象に、“知っておきたい電気製品の安全性”をテーマに「製品安全セミナー」を開催。受講者からも好評を博し、「今後も開催場所や受講対象者、テーマ等を考慮して行っていきたい」と積極的な活動を展開していく。
なお、Sマーク認証機関(JET、JQA、UL Japan、テュフラインランドジャパン)における2019年4月-12月のSマーク認証状況は、認証件数が1,212件、認証モデル数は3,626モデルとなった。「認証件数、認証モデル数ともに減少傾向にあり、新規モデルの開発が以前に比べ減速しているのではないか」と背景を説明する。Sマーク認証業務が開始された1995 年からの累計有効認証件数は27,223件、累計有効認証モデル数は80,240モデルとなる。登録工場数は105 件で、内訳は国内が17 件、海外が88件。海外では中国が最も多く(76.1%)、タイ(4.2%)、マレーシア(3.7%)、韓国(3.6%)、台湾(2.1%)の順に続く。
■事故情報等は常に注視、迅速に対応する
Sマーク認証の試験基準については、電気用品安全法の対象製品は、電気用品安全法の技術基準が適用されるが、安全性を確保する観点等から、市場の事故情報に基づいた「追加基準」や「運用基準」が設けられている。「市場における事故情報等を常に注視。必要に応じてSマークの認証における追加基準等を制定し、国民生活の安心・安全に寄与していく」との考えからだ。今までに「追加基準」として制定されているのは、「電気湯沸器(電気ケトル及び電気ポット)の転倒流水対策に係る取扱い運用」「ジュースミキサーの可動部露出に係る取扱い運用」「電気冷蔵庫の食品汁流れ込み防止に係る取扱い運用」など計7項目となる。
Sマーク認証の信頼性向上を目的に2009年度から実施するのは、市場で販売されているSマーク認証製品を買い上げて、認証時と同等であるかどうかを確認する「同等性確認調査」。2019年12月に「電気こたつ」「電気コンロ」「電気ケトル」「電気温風機」「電子レンジ」「電気ストーブ」「CDラジオ」「扇風機」「電気トースター」「テレビ」「電気炊飯器」「電気アイロン」の12機種を買い上げ、現在各認証機関で確認を行っている。
なお、過去4年にわたる同調査の結果は、2018年度は12製品を買い上げ、2017年度は同じく12製品を買い上げ、いずれもすべて認証時と同等であることが確認された。2016年度は12製品を買い上げたうちの3機種、2015年度は12製品を買い上げたうちの2機種に、それぞれ基準不適合が判明し、改善措置が講じられた。「今後ともSマーク認証製品の市場買い上げを実施し、Sマーク認証製品の信頼性向上に努めていく」と引き続き、継続的な調査を実施していく。
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