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公開日 2020/05/19 18:59
経営方針説明会で吉田CEOが説明
「ソニーグループ株式会社」発足へ。ソニーの商号はエレキ事業が引き継ぎ/PS5は予定通り年末発売
PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
■人を軸とした多様性が経営の安定性につながる
ソニーは、2020年度を最終年度とする中期経営計画の進捗と主要施策について、代表執行役 社長 兼 CEO・吉田憲一郎氏が説明を行った。
冒頭、「ソニーは長期視点に基づく経営を重視してきたが、新型コロナウイルスが世界を変えていく中で、その重要性を強く感じている。そこでは、存在意義と経営の方向性の明確化が不可欠。存在意義ではクリエイティビティとテクノロジーの力で世界を感動で満たすこと。経営の方向性では人に近づくことと定義している」と語り、「音と映像の感動コンテンツを届け続けることの意義をいまほど強く感じることはない」と力を込めた。
続いて、「人を軸としたソニーグループの事業ポートフォリオ」「グループ経営の強化施策」「各事業の進化の方向性」の3点から説明を行った。
「人を軸としたソニーグループの事業ポートフォリオ」では、ソニーの事業ポートフォリオは人を軸に構成されており、「人の心を動かす」コンテンツ事業とDirect-to-Consumer(DTC)事業 、「人と人を繋ぐ」ブランデッドハードウェア事業とCMOSイメージセンサー事業 、「人を支える」車載センシング、メディカル、金融の各事業を挙げ、「人を軸としながらも多岐にわたる多様性が経営の安定性にもつながっている。さらなる強みとするべくグループ経営の強化を続けていく。ポートフォリオの見直しは継続して行っていくが、人という基軸は不変だ」と訴えた。
「グループ経営の強化施策」では、各事業の進化をリードし、ポートフォリオの多様性をさらなる強みとしていくために、ソニーグループの経営機構の改革を実施する。1点目は、来年4月1日付けで「ソニーグループ株式会社」を発足し、グループの本社機能とエレクトロニクス事業の本社間接機能を有する現在のソニー株式会社の機能を分離、再定義する。「ソニー株式会社」の商号は祖業であるエレクトロニクス事業が引き継ぐ。
2点目はソニーフィナンシャルホールディングスの完全子会社化だ。「主な狙いは3つある。1つ目は人を支えるコア事業であること。700万人以上のお客様がいる。2つ目は、金融事業は日本にバリューチェーンが完結した安定した事業で、グローバルな地政学リスクが高まる中、リスクマネージメントとしても有効であること。そして3つ目は、長期的企業価値の向上に役立つことだ」と説明した。
■プレステ5は予定通り年末にローンチ
「各事業の進化の方向性」では、「ゲーム&ネットワークサービス分野」では、コロナ禍でもプレイステーションユーザーが足元で大きな伸びを示していると指摘。「獲得したユーザーエンゲージメントを維持、拡大することが大切」と語り、注目されるプレイステーション5は、発売に向けて順調に準備が進み、予定通り年末のローンチを見込む。「解像度を向上し、スピードの進化では約100倍のゲーム速度の読み込みを実現し、切れ目のない没入感あるゲーム体験を実現する。五感に訴えるためコントローラーも進化した。没入感には音も重要な要素で、多様かつ複雑な3Dオーディオ表現が可能になった」とアピールする。「スピード、触感、音が一体となることで、次世代機に相応しい、これまで実現できなかったゲーム体験を提供できる。ゲームタイトルも準備が進んでいる」と導入へ向けて自信を示した。
「音楽分野」では、EMI Music Publishingの買収による音楽出版事業の強化とストリーミング市場の伸長により、「安定成長が見込める」との見方を示した。海外の音楽事業では、昨年8月にSony Music Groupを発足。Most Talent Friendly Music Companyのビジョンのもと、全方位からアーティストをサポートする。音楽、アニメ、キャラクタービジネスなど多様なIPの軸でヒットを創出する日本の音楽事業においても、アーティストマネージメントの強化を図る。
「映画分野」では、DTCサービスが次々と立ち上がり、コンテンツ需要が高まる中、「独自IPの展開とクリエイティブの強化により、幅広いジャンルで優れた映像エンターテインメントの制作を続けていく」と語るととともに、コロナ禍に「作品公開の再開に向け、クリエイティブコミュニティや劇場などのサプライチェーンパートナーに寄り添いながら対応していきたい」と説明した。
「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野」では、リアリティとリアルタイムを極める商品・サービスを引き続き提供していくと同時に、コロナ禍で「遠隔で人と人、人とモノをつなぐリモートソリューションのニーズ高まっていると認識している」と指摘し、「撮影、中継、編集の技術のさらなるリモート化や新たな領域の展開を考えている」と力を込め、ライブの遠隔化など例を挙げた。また、「ユーザーの購買行動も急激にネットへシフトしている。コロナ禍で加速された部分もある。おおきなメガトレンドとなる購買行動の遠隔化に対応した体質改善も行っていかなければならない」。
「イメージング&センシングソリューションズ分野」では、イメージングでグローバルナンバーワン、センシングでも世界ナンバーワンを目指す目標は不変とし、今後も採用拡大が見込まれるモバイル機器向けや車載向けの取り組みを強化。また、AI時代のキーデバイスとなるイメージセンサーではマイクロソフトとの協業を発表した。
「金融分野」では、「感動の主体である人を支える事業。ソニーのDTCの原点でもある」と語り、ソニーフィナンシャルホールディングスの経営体制を強化するとともに、ソニーのテクノロジーの活用などさらなるグループ内シナジーの実現を目指す。
吉田社長は「ソニーの社会的使命は、感動をつくり、届け続けること。人々が感動でつながるためには、人、社会、地球環境が健全であることが前提となる。さまざまな環境負荷低減の取り組みも行っている。新型コロナウイルス感染症に関する支援では、1億USドルのグローバル支援基金を立ち上げた。ソニーは今後も事業活動や社会支援を通じて、人、社会、地球に貢献していく」と力強く語り、説明を締めくくった。
ソニーは、2020年度を最終年度とする中期経営計画の進捗と主要施策について、代表執行役 社長 兼 CEO・吉田憲一郎氏が説明を行った。
冒頭、「ソニーは長期視点に基づく経営を重視してきたが、新型コロナウイルスが世界を変えていく中で、その重要性を強く感じている。そこでは、存在意義と経営の方向性の明確化が不可欠。存在意義ではクリエイティビティとテクノロジーの力で世界を感動で満たすこと。経営の方向性では人に近づくことと定義している」と語り、「音と映像の感動コンテンツを届け続けることの意義をいまほど強く感じることはない」と力を込めた。
続いて、「人を軸としたソニーグループの事業ポートフォリオ」「グループ経営の強化施策」「各事業の進化の方向性」の3点から説明を行った。
「人を軸としたソニーグループの事業ポートフォリオ」では、ソニーの事業ポートフォリオは人を軸に構成されており、「人の心を動かす」コンテンツ事業とDirect-to-Consumer(DTC)事業 、「人と人を繋ぐ」ブランデッドハードウェア事業とCMOSイメージセンサー事業 、「人を支える」車載センシング、メディカル、金融の各事業を挙げ、「人を軸としながらも多岐にわたる多様性が経営の安定性にもつながっている。さらなる強みとするべくグループ経営の強化を続けていく。ポートフォリオの見直しは継続して行っていくが、人という基軸は不変だ」と訴えた。
「グループ経営の強化施策」では、各事業の進化をリードし、ポートフォリオの多様性をさらなる強みとしていくために、ソニーグループの経営機構の改革を実施する。1点目は、来年4月1日付けで「ソニーグループ株式会社」を発足し、グループの本社機能とエレクトロニクス事業の本社間接機能を有する現在のソニー株式会社の機能を分離、再定義する。「ソニー株式会社」の商号は祖業であるエレクトロニクス事業が引き継ぐ。
2点目はソニーフィナンシャルホールディングスの完全子会社化だ。「主な狙いは3つある。1つ目は人を支えるコア事業であること。700万人以上のお客様がいる。2つ目は、金融事業は日本にバリューチェーンが完結した安定した事業で、グローバルな地政学リスクが高まる中、リスクマネージメントとしても有効であること。そして3つ目は、長期的企業価値の向上に役立つことだ」と説明した。
■プレステ5は予定通り年末にローンチ
「各事業の進化の方向性」では、「ゲーム&ネットワークサービス分野」では、コロナ禍でもプレイステーションユーザーが足元で大きな伸びを示していると指摘。「獲得したユーザーエンゲージメントを維持、拡大することが大切」と語り、注目されるプレイステーション5は、発売に向けて順調に準備が進み、予定通り年末のローンチを見込む。「解像度を向上し、スピードの進化では約100倍のゲーム速度の読み込みを実現し、切れ目のない没入感あるゲーム体験を実現する。五感に訴えるためコントローラーも進化した。没入感には音も重要な要素で、多様かつ複雑な3Dオーディオ表現が可能になった」とアピールする。「スピード、触感、音が一体となることで、次世代機に相応しい、これまで実現できなかったゲーム体験を提供できる。ゲームタイトルも準備が進んでいる」と導入へ向けて自信を示した。
「音楽分野」では、EMI Music Publishingの買収による音楽出版事業の強化とストリーミング市場の伸長により、「安定成長が見込める」との見方を示した。海外の音楽事業では、昨年8月にSony Music Groupを発足。Most Talent Friendly Music Companyのビジョンのもと、全方位からアーティストをサポートする。音楽、アニメ、キャラクタービジネスなど多様なIPの軸でヒットを創出する日本の音楽事業においても、アーティストマネージメントの強化を図る。
「映画分野」では、DTCサービスが次々と立ち上がり、コンテンツ需要が高まる中、「独自IPの展開とクリエイティブの強化により、幅広いジャンルで優れた映像エンターテインメントの制作を続けていく」と語るととともに、コロナ禍に「作品公開の再開に向け、クリエイティブコミュニティや劇場などのサプライチェーンパートナーに寄り添いながら対応していきたい」と説明した。
「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野」では、リアリティとリアルタイムを極める商品・サービスを引き続き提供していくと同時に、コロナ禍で「遠隔で人と人、人とモノをつなぐリモートソリューションのニーズ高まっていると認識している」と指摘し、「撮影、中継、編集の技術のさらなるリモート化や新たな領域の展開を考えている」と力を込め、ライブの遠隔化など例を挙げた。また、「ユーザーの購買行動も急激にネットへシフトしている。コロナ禍で加速された部分もある。おおきなメガトレンドとなる購買行動の遠隔化に対応した体質改善も行っていかなければならない」。
「イメージング&センシングソリューションズ分野」では、イメージングでグローバルナンバーワン、センシングでも世界ナンバーワンを目指す目標は不変とし、今後も採用拡大が見込まれるモバイル機器向けや車載向けの取り組みを強化。また、AI時代のキーデバイスとなるイメージセンサーではマイクロソフトとの協業を発表した。
「金融分野」では、「感動の主体である人を支える事業。ソニーのDTCの原点でもある」と語り、ソニーフィナンシャルホールディングスの経営体制を強化するとともに、ソニーのテクノロジーの活用などさらなるグループ内シナジーの実現を目指す。
吉田社長は「ソニーの社会的使命は、感動をつくり、届け続けること。人々が感動でつながるためには、人、社会、地球環境が健全であることが前提となる。さまざまな環境負荷低減の取り組みも行っている。新型コロナウイルス感染症に関する支援では、1億USドルのグローバル支援基金を立ち上げた。ソニーは今後も事業活動や社会支援を通じて、人、社会、地球に貢献していく」と力強く語り、説明を締めくくった。
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