■創業55周年を機に新たなスタートを切る

「生活彩館 さかえ電気」（東京都荒川区）が、昭和42年（1967年）9月創業から55年目にあたるメモリアルイヤーに、N&E（ネットワーク＆エコハウス）としてリニューアルオープンした。長谷川正博社長は「55年目の大きな節目にN&Eとして新たなスタートを切ることができました。これからもお客様第一で、皆様に愛される店を目指して頑張りたい」と力を込めた。

ご両親が起業された電器店を兄で店長を務める吉博氏、弟で社長を務める正博氏の双子のご兄弟で引き継いだ。現在は正博氏の奥様を加えた3名体制で、PC回りに明るい吉博店長、工事周りを得意とする正博社長、お互いの得意分野を活かして地域のお客様から熱い信頼を勝ち取る。

9月16日からの3日間にわたるオープニングセールでは、約200枚の招待状をお客様一人一人に感謝を込め、手渡しでお届けした。旧店舗があった日暮里やお父様が以前に仕事をされていた浅草にも長いお付き合いとなるお客様がいるという。

お客様の平均年齢は60歳以上と高齢化が進む。「本当に周囲からは電器店がどんどんなくなってしまい、遠くからわざわざ足を運ばれるお客様もいらっしゃいます。工事などは量販店では頼めないイメージを持たれている方も少なくないようです。しかし、例え頼めても、『お願い』『すぐに伺います』というわけにはいきませんから」と小回りの利くフットワークの軽さが大きな武器となる。

家電量販店やネットショッピングなど競合ひしめくなか、お客様のお子さんが大きくなり独立されても、同店を利用するケースはほとんど見られなかったそうだが、「30代、40代とだんだんと年を経るにつれ、街の電気屋の良さがわかっていただけるようになるのか、最近、購入してくださる方が増えています」と笑顔で語る。

■荒川区や東京都の省エネ家電助成が購入を後押し

猛暑となった今夏は冷蔵庫やエアコンが好調に推移した。店舗を構える荒川区では省エネ家電の普及・促進を目的に、省エネ性能の高いエアコンと冷蔵庫の購入に最大3万円の助成を出す「あらクール！省エネ家電助成事業」を行っており、東京都でも同様に「ゼロエミポイント」を実施している。「いずれも認知度が低く、お客様は知らない方がほとんど。丁寧にご説明しています」と購入決断へお客様の背中を押す大きな追い風となっている。

補聴器も堅調な動きを見せる。「どこで購入すればいいのかわからない人は多く、のぼりを立てるなどアピールすると確実に手応えがあります」と潜在ニーズの大きさを実感する。お宅を訪問した際にも、大音量でテレビを見られているケースに遭遇することがあるそうで、「本人には自覚が無かったり、また、言い出しにくかったりするケースも珍しくありませんから、迷惑をかけている周りのご家族から薦めていただくと大変スムーズに話が進みます」と聴こえのお困りごと解決にも力を入れていく。

現在の売上構成比は、家電販売5、リフォーム1、会社や工場への機械関係などの電気工事が4だが、今後はリフォームのさらなる伸長を目指す。狭い敷地に建つ戸建住宅が多い商圏の特徴から、エコキュートの導入を希望されても設置スペースがとれず、やむなく断念するケースも見られるなど特殊な事情も抱えるが、「ニーズの高いお風呂やキッチンを中心に販売をさらに増やしていきます」と意気込みを見せる。

オープニングセレモニーでは、パナソニックコンシューマーマーケティング（株）LE首都圏社中央支社支社長・鷺谷義和氏があいさつ。「われわれを取り巻く環境は、長引くコロナ禍、商品供給問題、物価高騰などさまざまなマイナス要因が取り巻いておりますが、いまこそ地域電器専門店様の存在価値が改めて評価されるときだと思います」と訴えた。

「なかなか外に出られず、ましてや、家の家電に故障やトラブルが起きればどうしようと途方に暮れるであろう高齢者を、まるごと面倒を見て支えていく皆様は、この時代になくてはならない存在です。今般のN&Eオープンが生活彩館さかえ電気様にとって大きな節目となり、第二の創業、新たな飛躍への一歩となりますように、そして、地域のお客様にますます愛され発展されますことを心よりお祈り申し上げます」とエールを送った。

長谷川正博社長は「コロナ禍当初は本当に厳しかったです。ご年配のお客様が多いこともあり、訪問のお問い合わせをしても、今は来ないでほしいと断られることも少なくありませんでした」と振り返る。しかし、そうした逆境下でN&Eの権利を獲得。徐々にではあるが日常を取り戻しつつあるなか、高齢化が進む地域に密着したかけがえのない存在。さらなる活躍に目を輝かせた。

■店舗概要
名称：生活彩館 さかえ電気
住所：東京都荒川区東尾久2-1-1
電話番号：03-3895-0687
定休日：水曜・祝祭日