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公開日 2022/10/17 21:12
一般開催は10/18から
<CEATEC>京セラ、“より良い仮眠”を導入するAI技術/富士通のセンシング技術応用したゴルフトレーニングに注目
編集部:松永達矢
エレクトロニクス/IoT関連の見本市「CEATEC 2022」が、10月18日-21日に3年ぶりに幕張メッセで開催される。それに先駆けて本日10月17日、一部の展示がメディア向けに公開された。本稿では京セラ、富士通の展示をレポートする。
■京セラ
京セラブースでは、「TECHNOLOGY×らしさ=HAPPINESS 〜人や地域の"らしさ"に寄り添い、もっと幸せで豊かな社会へ〜」をコンセプトに、豊かな社会に向けた先進技術が多数紹介されていた。
展示内容として「身体、存在、知覚、認知」の4つの能力を技術で拡張させる、「人間拡張」に基づく技術展示を用意。同社はこの技術コンセプトを「さりげなく人をサポートして体験の可能性を広げることを、日本の伝統芸能である能において、小さな所作をきっかけに物語が大きく展開していく様子」になぞらえ、“舞” と呼称している。
その具体として、人に代わって周りの音に注意を払う「聴覚拡張ヒアラブルデバイス」の体験デモンストレーションを実施。このデバイスは、骨伝導イヤホンとバイノーラルマイクに、AIシステムを組み合わせ、ユーザーの代わりに周りの音の聞き取りを実施。聞き逃してしまうような音の通知や、その場で聞き逃した内容を聞き返せるデバイスとなっている。
デモンストレーションにおいては、骨伝導イヤホン型のデバイスを用いているが、将来的にはイヤホンデバイスへの基本機能化や、様々な音の聞き取りに対応の実現にむけ、開発を鋭意進めていくとのことだ。
「存在の拡張」をテーマとした技術として、リモートワークにおける “現在” の課題に着目。リモートとリアル参加が混在する会議で「オフィスメンバーのみが話し込む」といった問題の解消に「フィジカルアバター」というソリューションを提案している。
デバイスとしてはリモート操作が可能な360度カメラとなっており、リモートからの会議参加者は本デバイスからの映像と、マイクアレイを通じて、リアルなオフィスの状況を映像と音声で簡単に把握できるというもの。「存在の拡張」をテーマとしたソリューションではあるが、360度カメラによる「知覚の拡張」についてもアピールしていた。
加えて、オフィスの状況に応じてリモート側がアバターを操作、伸縮や頷きや、首振り、回転といった動作を行うことで「その場に参加しているように違和感なくオフィスに溶け込むことができる」と同社ブーススタッフは説明している。また、首元にはテキストを表示可能なディスプレイが装備されており、リモート参加者の名前表示や、チャットを行うことができる。
ライフスタイルに焦点を当てた技術展示では、IIIS(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)との共同開発技術として、より良い仮眠をサポートする「仮眠起床AIシステムsNAPout(スナップアウト)」を初出展。
イヤホンへの搭載も可能な小型の光学式バイタルセンサー「レーザードップラー式血流量」と、医療機器の脳波計から判定した睡眠段階を結び付けて学習したAIモデル(仮眠起床AIモデル)の組み合わせにより、「入眠時間を短縮する効果が期待できる“入眠音”」を流すというソリューションだ。
普段はワイヤレスイヤホンとして使用し、会社の休憩時間や移動中にスマートフォンと連携させ、左右の耳に異なる周波数の音を流して入眠を誘導。さらに血流センサーによる最適な起床タイミングをAIが判定。スマホのアラームと連動し起床を誘導するとのことだ。
ほか、新型コロナウイルス感染拡大に際して、非接触で衛生的な映像操作が可能な「高精細 空中ディスプレイ」を出展。本技術は、CEATEC 2022おいて、トータルソリューション部門の準グランプリを受賞した。
独自設計のミラーを使用した光学設計により、従来機と比較して小型化と高精細・高画質を両立したとのことで、リアリティある映像表示を実現したとブーススタッフはアピールする。さらに、筐体に備えられた各種センサーとの組み合わせで、映像のピンチイン・ピンチアウトといったインタラクティブな操作が可能となっている。
■富士通
富士通では、体操競技のAI採点におけるセンシング技術(マーカーレスモーションキャプチャー)をゴルフトレーニングに応用した、スイング解析システム「AIGIAシステム」のデモンストレーションを実施。実際にスイング体験できるということもあり、ブース来場者から非常に多くの注目を集めていた。
本システムは、プロゴルファーの丸山茂樹氏が取締役として名を連ねる、株式会社AIGIAからサービスとして提供されており、2基の2Kカメラによりスイングの動きをデジタル化、前傾ラインやセンターポジション、ヒザの角度など8つの骨格の動きを7つのポジションで数値化することが可能だ。
計測された自身のスイングデータと、プロのデータを平均化した数値と比較でき、計測結果画面で赤く表示されたポイントが要改善項目となる。これを参考に練習を行い、フォーム姿勢の改善に繋げることができるという。なお、本システムは、現在16のゴルフスタジオにて導入されているとのことだ(記事執筆時)。
ほか、製造業の抱える問題をデジタルの分野で解決する試みとして、ウェアラブルデバイスを用いたソリューションCPS(Cyber Physical System)を出展。リアル領域で収集した情報を、サイバー領域で分析・検証し、結果をリアル(現実)で反映するというコンセプトだ。
例として、顧客によってパーツ構成の異なる製品の組み付けにおいて、マイクロソフト製のウェアラブルデバイス「HoloLens 2」に作業指示を表示することで、組み付けミスの防止や、現場作業のトレーニングを行うといった事例を紹介。
そのほか、工場の生産ラインを刷新・変更する際にCADや机上のデータでは反映されない「人の動き」を、VRデバイスを用いた「仮想3Dライン」で検証するといった技術を披露。仮想3Dラインについては、実際にVRデバイスを着用したデモンストレーションが体験可能となっている。
■京セラ
京セラブースでは、「TECHNOLOGY×らしさ=HAPPINESS 〜人や地域の"らしさ"に寄り添い、もっと幸せで豊かな社会へ〜」をコンセプトに、豊かな社会に向けた先進技術が多数紹介されていた。
展示内容として「身体、存在、知覚、認知」の4つの能力を技術で拡張させる、「人間拡張」に基づく技術展示を用意。同社はこの技術コンセプトを「さりげなく人をサポートして体験の可能性を広げることを、日本の伝統芸能である能において、小さな所作をきっかけに物語が大きく展開していく様子」になぞらえ、“舞” と呼称している。
その具体として、人に代わって周りの音に注意を払う「聴覚拡張ヒアラブルデバイス」の体験デモンストレーションを実施。このデバイスは、骨伝導イヤホンとバイノーラルマイクに、AIシステムを組み合わせ、ユーザーの代わりに周りの音の聞き取りを実施。聞き逃してしまうような音の通知や、その場で聞き逃した内容を聞き返せるデバイスとなっている。
デモンストレーションにおいては、骨伝導イヤホン型のデバイスを用いているが、将来的にはイヤホンデバイスへの基本機能化や、様々な音の聞き取りに対応の実現にむけ、開発を鋭意進めていくとのことだ。
「存在の拡張」をテーマとした技術として、リモートワークにおける “現在” の課題に着目。リモートとリアル参加が混在する会議で「オフィスメンバーのみが話し込む」といった問題の解消に「フィジカルアバター」というソリューションを提案している。
デバイスとしてはリモート操作が可能な360度カメラとなっており、リモートからの会議参加者は本デバイスからの映像と、マイクアレイを通じて、リアルなオフィスの状況を映像と音声で簡単に把握できるというもの。「存在の拡張」をテーマとしたソリューションではあるが、360度カメラによる「知覚の拡張」についてもアピールしていた。
加えて、オフィスの状況に応じてリモート側がアバターを操作、伸縮や頷きや、首振り、回転といった動作を行うことで「その場に参加しているように違和感なくオフィスに溶け込むことができる」と同社ブーススタッフは説明している。また、首元にはテキストを表示可能なディスプレイが装備されており、リモート参加者の名前表示や、チャットを行うことができる。
ライフスタイルに焦点を当てた技術展示では、IIIS(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)との共同開発技術として、より良い仮眠をサポートする「仮眠起床AIシステムsNAPout(スナップアウト)」を初出展。
イヤホンへの搭載も可能な小型の光学式バイタルセンサー「レーザードップラー式血流量」と、医療機器の脳波計から判定した睡眠段階を結び付けて学習したAIモデル(仮眠起床AIモデル)の組み合わせにより、「入眠時間を短縮する効果が期待できる“入眠音”」を流すというソリューションだ。
普段はワイヤレスイヤホンとして使用し、会社の休憩時間や移動中にスマートフォンと連携させ、左右の耳に異なる周波数の音を流して入眠を誘導。さらに血流センサーによる最適な起床タイミングをAIが判定。スマホのアラームと連動し起床を誘導するとのことだ。
ほか、新型コロナウイルス感染拡大に際して、非接触で衛生的な映像操作が可能な「高精細 空中ディスプレイ」を出展。本技術は、CEATEC 2022おいて、トータルソリューション部門の準グランプリを受賞した。
独自設計のミラーを使用した光学設計により、従来機と比較して小型化と高精細・高画質を両立したとのことで、リアリティある映像表示を実現したとブーススタッフはアピールする。さらに、筐体に備えられた各種センサーとの組み合わせで、映像のピンチイン・ピンチアウトといったインタラクティブな操作が可能となっている。
■富士通
富士通では、体操競技のAI採点におけるセンシング技術(マーカーレスモーションキャプチャー)をゴルフトレーニングに応用した、スイング解析システム「AIGIAシステム」のデモンストレーションを実施。実際にスイング体験できるということもあり、ブース来場者から非常に多くの注目を集めていた。
本システムは、プロゴルファーの丸山茂樹氏が取締役として名を連ねる、株式会社AIGIAからサービスとして提供されており、2基の2Kカメラによりスイングの動きをデジタル化、前傾ラインやセンターポジション、ヒザの角度など8つの骨格の動きを7つのポジションで数値化することが可能だ。
計測された自身のスイングデータと、プロのデータを平均化した数値と比較でき、計測結果画面で赤く表示されたポイントが要改善項目となる。これを参考に練習を行い、フォーム姿勢の改善に繋げることができるという。なお、本システムは、現在16のゴルフスタジオにて導入されているとのことだ(記事執筆時)。
ほか、製造業の抱える問題をデジタルの分野で解決する試みとして、ウェアラブルデバイスを用いたソリューションCPS(Cyber Physical System)を出展。リアル領域で収集した情報を、サイバー領域で分析・検証し、結果をリアル(現実)で反映するというコンセプトだ。
例として、顧客によってパーツ構成の異なる製品の組み付けにおいて、マイクロソフト製のウェアラブルデバイス「HoloLens 2」に作業指示を表示することで、組み付けミスの防止や、現場作業のトレーニングを行うといった事例を紹介。
そのほか、工場の生産ラインを刷新・変更する際にCADや机上のデータでは反映されない「人の動き」を、VRデバイスを用いた「仮想3Dライン」で検証するといった技術を披露。仮想3Dラインについては、実際にVRデバイスを着用したデモンストレーションが体験可能となっている。