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公開日 2022/11/25 19:06
製品や技術の最新動向について説明会を開催
MediaTek、新型SoCの最新技術や市場戦略をアピール。来日中の本社エグゼクティブも登壇
編集部:伴 修二郎
台湾の半導体メーカー・MediaTekは、本社エグゼクティブの来日に合わせた製品・技術の最新動向に関する記者説明会を、本日11月25日にメディアテックジャパン本社にて開催した。
説明会冒頭、メディアテックジャパン株式会社・社長の栫啓介氏が登壇し、同社のプロフィールを説明した。
「この約2年間はコロナのパンデミックもあり、中々皆さんと顔を合わせる機会を設けられなかったが、本社からエグゼクティブが来日したこともあり、メディアテックの最新動向について説明させていただく機会を設け、少しでも当社についてご理解をいただければと思う」と説明会開催に至る経緯を説明した。
メディアテックは本社を新竹サイエンスパーク内に構え、メディアテックグループではMediaTekに加え、Airoha Technology Corp.、Richtek Technology Corp.を展開する。
現在は世界各地で50箇所以上のオフィスと17,000人の従業員を抱える。直近2021年のメディアテックグループでの売上(USドル)は、前年比61%増となる$17.6BNを記録。「売上ベースで世界第4位のファブレスICデザイン会社」とアピールした。
ミッションとして「人々の生活をより豊かにより良きものに」を掲げ、「パートナーにスマートなテクノロジーソリューションを提供し、個人と世界をつなぐテクノロジーによって人々の視野を広げ、目標達成につなげていきたい」と抱負を語った。
1997年にUMCグループから独立したODD ICデザイン会社として設立し、DVD-P/TV SoCへ参入、2007年にはアナログ・デバイセズのモデム事業を買収し、同年10月にメディアテックジャパンを設立。2011年にはラリンク、2017年にはアイロハを買収し、Bluetooth SoCの提供も開始している。
現在は、幅広い製品領域を提供し、売上比率はモバイルフォンが全体の54%を占める。スマート・エッジを含め多くのアプリケーションのSoCサプライヤーとしても展開し、スマート・エッジ部門では、ARMベースのChromebookやAndroidタブレット、スマートテレビなどで同社がNo.1のポジションを確立。ASICやパワーICについても成長領域として注力している。
最後に、今回エグゼクティブが来日した背景について栫氏は「日本にはスマートフォンやテレビなど多くのユーザーが存在し、自動車市場も強く、当社にとって重要なカスタマーが多い。高い製品クオリティを求める方が多く、日本メーカーに我々のSoCを採用してもらうことが大きなアドバンテージとなる」と日本市場重視の姿勢を強調した。
■本社エグゼクティブが登壇。MediaTekの最新技術や市場戦略についてアピール
続いて、本社から来日中のコーポレートシニアバイスプレジデント Jerry Yu氏が登壇。同社が展開するテクノロジーについてプレゼンテーションが行われた。
メディアテックは4Gでは遅れをとっていたが、「2022年には5Gの普及率が50%まで高まったことで、同期間にスマートフォンの売上も4倍に増加した」と5G普及を背景に成長を加速。「エントリーからフラグシップまで全てカバーできるソリューションを提供することで、引き続き当社の成長に繋がっていく」と自信を示した。
スマートエッジプラットフォームにおいても、Wi-Fi 5や6/6E、スマートディスプレイの高解像度などを提供することで、ビジネスは成長を続けている。
さらに、「過去数年間はモバイル事業でも成果を見せてきた」と訴える。スマートフォンでは2021年にフラグシップ向けのデバイスを初めて市場に投入。今回、スマホのプロセスの中でも最先端のプロセスを使って開発した新フラグシップをローンチする。
スマートエッジでは、引き続き強力な市場シェアを獲得。Wi-FiシェアNo.1の企業として様々な分野にWi-Fiソリューションを提供し、Wi-Fi 7の立ち上がりにも、メインの地位を確立していく。
パワーマネージメントIC (PMIC)についても言及。どこにでも必要なデバイスで、スマートTVやタブレット、Chromebookにも提供。「今後はそのほかのアプリケーションとして、自動車やデータセンターなど幅広く提供していきたい」とコメントした。
今後の半導体市場については、2009年には$228Bの市場が2026年には$780Bにまで成長するとさらなる成長を予測。PC、モバイル、コンシューマが50%以上を占めているが、「2026年には自動車など新しい分野の比率が増え、よりバランスの取れた市場へ変化する」と展望する。
続いて、コーポレートバイスプレジデントのMike Chang氏が登壇し、新技術や市場戦略についてのプレゼンテーションが行われた。
「我々はChromebook、Wi-Fi技術、あまり知られていないTVのメインSoCにてNo.1のポジションを維持している」とアピール。そして「近い将来へ向けて2つのプロダクト分野の開発を進めている。1つは自動車(Automotive)、もう1つがメタバースだ」と注力分野について明言した。
スマートTVのSoCについても、現在同社デバイスを搭載した製品が20億台以上が出荷されているとアピール。その理由を「4年前に開発したAIの採用によりコントラストを向上、スーパーレゾリューションやノイズリダクションなど映像品質を改善してきた」と映像クオリティへのこだわりを挙げた。
「パネルに何を使っているか注目されがちだが、実はテレビエンジンも信号処理として非常に重要。当社はそれを改善することでテレビ性能を向上してきた」と説明する。
今後目論むメタバース市場への進出については「40年前に半導体の専門家とテレビは将来的に壁に付けれるようになると話していたが、それもすでに実現された。メタバース市場も想像以上に早く時代に浸透していくと考えている」。
最後に、特に重要視する自動車市場について、「運転しながらストリーミング、テレビを観る、音楽を聴く。車としてもガソリン車からEVに移行し、いずれスーパーチップが必要になる」と断言した。
「いずれ自動車は電動化・自動化に伴い、『車輪付きの携帯電話』になると思っている。技術を結集し、自動化、EV化をターゲットに色々開発を進めていきたい」と意気込みを語った。
説明会終盤には、スマートフォンビジネス部門の副ジェネラルマネージャー Yenchi Lee氏が登壇し、スマートフォン事業を中心にプレゼンテーションが行われた。
「スマートフォン向けSoCはどちらかといえばメインストリーム向けというイメージを持たれているが、実はフラグシップにもすでに採用されている。中国のAndroidスマートフォン市場でも高いシェアを誇っている」とアピールする。
先日発表された新型SoC「Dimensity 9200」は、レイトレーシングや240Hzリフレッシュレートにも対応するハイエンドチップとなっている。本SoCを搭載する「vivo X90 Pro」についても紹介された。
Dimensity 9200は、TSMCの第2世代4nmプロセスをベースに、ARMv9アーキテクチャに基づくクロック3.05GHzのARM Cortex-X3プライムコアを内蔵。レイトレーシング機能を実現するレイトレーシング・エンジンと、可変レート・レンダリング技術を搭載した「ARM Immortalis -G715 GPU」を搭載。CPUはArm Cortex-X3、Wi-Fi 7に対応する。
「当社の最先端技術を詰め込んでいる。今後もフラグシップ市場に向けて色々なデバイスを開発していきたい」と語り、先日発表したIoTマーケット向けの5Gモデムチップ「MediaTek T800」についても紹介した。
「我々は今後もどんどんテクノロジーを進化させていく。当社はフラグシップ市場においてもSoC参入を展開していることを一番にお伝えしたい」と力を込めた。
説明会冒頭、メディアテックジャパン株式会社・社長の栫啓介氏が登壇し、同社のプロフィールを説明した。
「この約2年間はコロナのパンデミックもあり、中々皆さんと顔を合わせる機会を設けられなかったが、本社からエグゼクティブが来日したこともあり、メディアテックの最新動向について説明させていただく機会を設け、少しでも当社についてご理解をいただければと思う」と説明会開催に至る経緯を説明した。
メディアテックは本社を新竹サイエンスパーク内に構え、メディアテックグループではMediaTekに加え、Airoha Technology Corp.、Richtek Technology Corp.を展開する。
現在は世界各地で50箇所以上のオフィスと17,000人の従業員を抱える。直近2021年のメディアテックグループでの売上(USドル)は、前年比61%増となる$17.6BNを記録。「売上ベースで世界第4位のファブレスICデザイン会社」とアピールした。
ミッションとして「人々の生活をより豊かにより良きものに」を掲げ、「パートナーにスマートなテクノロジーソリューションを提供し、個人と世界をつなぐテクノロジーによって人々の視野を広げ、目標達成につなげていきたい」と抱負を語った。
1997年にUMCグループから独立したODD ICデザイン会社として設立し、DVD-P/TV SoCへ参入、2007年にはアナログ・デバイセズのモデム事業を買収し、同年10月にメディアテックジャパンを設立。2011年にはラリンク、2017年にはアイロハを買収し、Bluetooth SoCの提供も開始している。
現在は、幅広い製品領域を提供し、売上比率はモバイルフォンが全体の54%を占める。スマート・エッジを含め多くのアプリケーションのSoCサプライヤーとしても展開し、スマート・エッジ部門では、ARMベースのChromebookやAndroidタブレット、スマートテレビなどで同社がNo.1のポジションを確立。ASICやパワーICについても成長領域として注力している。
最後に、今回エグゼクティブが来日した背景について栫氏は「日本にはスマートフォンやテレビなど多くのユーザーが存在し、自動車市場も強く、当社にとって重要なカスタマーが多い。高い製品クオリティを求める方が多く、日本メーカーに我々のSoCを採用してもらうことが大きなアドバンテージとなる」と日本市場重視の姿勢を強調した。
■本社エグゼクティブが登壇。MediaTekの最新技術や市場戦略についてアピール
続いて、本社から来日中のコーポレートシニアバイスプレジデント Jerry Yu氏が登壇。同社が展開するテクノロジーについてプレゼンテーションが行われた。
メディアテックは4Gでは遅れをとっていたが、「2022年には5Gの普及率が50%まで高まったことで、同期間にスマートフォンの売上も4倍に増加した」と5G普及を背景に成長を加速。「エントリーからフラグシップまで全てカバーできるソリューションを提供することで、引き続き当社の成長に繋がっていく」と自信を示した。
スマートエッジプラットフォームにおいても、Wi-Fi 5や6/6E、スマートディスプレイの高解像度などを提供することで、ビジネスは成長を続けている。
さらに、「過去数年間はモバイル事業でも成果を見せてきた」と訴える。スマートフォンでは2021年にフラグシップ向けのデバイスを初めて市場に投入。今回、スマホのプロセスの中でも最先端のプロセスを使って開発した新フラグシップをローンチする。
スマートエッジでは、引き続き強力な市場シェアを獲得。Wi-FiシェアNo.1の企業として様々な分野にWi-Fiソリューションを提供し、Wi-Fi 7の立ち上がりにも、メインの地位を確立していく。
パワーマネージメントIC (PMIC)についても言及。どこにでも必要なデバイスで、スマートTVやタブレット、Chromebookにも提供。「今後はそのほかのアプリケーションとして、自動車やデータセンターなど幅広く提供していきたい」とコメントした。
今後の半導体市場については、2009年には$228Bの市場が2026年には$780Bにまで成長するとさらなる成長を予測。PC、モバイル、コンシューマが50%以上を占めているが、「2026年には自動車など新しい分野の比率が増え、よりバランスの取れた市場へ変化する」と展望する。
続いて、コーポレートバイスプレジデントのMike Chang氏が登壇し、新技術や市場戦略についてのプレゼンテーションが行われた。
「我々はChromebook、Wi-Fi技術、あまり知られていないTVのメインSoCにてNo.1のポジションを維持している」とアピール。そして「近い将来へ向けて2つのプロダクト分野の開発を進めている。1つは自動車(Automotive)、もう1つがメタバースだ」と注力分野について明言した。
スマートTVのSoCについても、現在同社デバイスを搭載した製品が20億台以上が出荷されているとアピール。その理由を「4年前に開発したAIの採用によりコントラストを向上、スーパーレゾリューションやノイズリダクションなど映像品質を改善してきた」と映像クオリティへのこだわりを挙げた。
「パネルに何を使っているか注目されがちだが、実はテレビエンジンも信号処理として非常に重要。当社はそれを改善することでテレビ性能を向上してきた」と説明する。
今後目論むメタバース市場への進出については「40年前に半導体の専門家とテレビは将来的に壁に付けれるようになると話していたが、それもすでに実現された。メタバース市場も想像以上に早く時代に浸透していくと考えている」。
最後に、特に重要視する自動車市場について、「運転しながらストリーミング、テレビを観る、音楽を聴く。車としてもガソリン車からEVに移行し、いずれスーパーチップが必要になる」と断言した。
「いずれ自動車は電動化・自動化に伴い、『車輪付きの携帯電話』になると思っている。技術を結集し、自動化、EV化をターゲットに色々開発を進めていきたい」と意気込みを語った。
説明会終盤には、スマートフォンビジネス部門の副ジェネラルマネージャー Yenchi Lee氏が登壇し、スマートフォン事業を中心にプレゼンテーションが行われた。
「スマートフォン向けSoCはどちらかといえばメインストリーム向けというイメージを持たれているが、実はフラグシップにもすでに採用されている。中国のAndroidスマートフォン市場でも高いシェアを誇っている」とアピールする。
先日発表された新型SoC「Dimensity 9200」は、レイトレーシングや240Hzリフレッシュレートにも対応するハイエンドチップとなっている。本SoCを搭載する「vivo X90 Pro」についても紹介された。
Dimensity 9200は、TSMCの第2世代4nmプロセスをベースに、ARMv9アーキテクチャに基づくクロック3.05GHzのARM Cortex-X3プライムコアを内蔵。レイトレーシング機能を実現するレイトレーシング・エンジンと、可変レート・レンダリング技術を搭載した「ARM Immortalis -G715 GPU」を搭載。CPUはArm Cortex-X3、Wi-Fi 7に対応する。
「当社の最先端技術を詰め込んでいる。今後もフラグシップ市場に向けて色々なデバイスを開発していきたい」と語り、先日発表したIoTマーケット向けの5Gモデムチップ「MediaTek T800」についても紹介した。
「我々は今後もどんどんテクノロジーを進化させていく。当社はフラグシップ市場においてもSoC参入を展開していることを一番にお伝えしたい」と力を込めた。