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公開日 2023/04/29 16:16
「ノムケンLabs!」で新製品発表会を開催
<ヘッドフォン祭>HIFIMANの新ヘッドホン・アンプが早速登場。“ヒマラヤDAC搭載TWS”もチラッと発表
編集部:杉山康介
イヤホン・ヘッドホンの展示会イベント「春のヘッドフォン祭 2023」が、本日4月29日に中野サンプラザにて開催されている。本項ではHIFIMANの模様を紹介しよう。
■新製品2モデルが早速登場。海外発表されたばかりの2製品も紹介
HIFIMANは15階ロビーにブースを出展。発表されたばかりの新ヘッドホン「Audivina」やDAC搭載ヘッドホンアンプ「EF600」を中心に、開幕直後より多くのファンがその音を聴きに訪れていた。
さらに6階のチャペルでは、オーディオ評論家・野村ケンジ氏のイベント「ノムケンLabs!」にて新製品発表会も実施。HIFIMAN JAPAN責任者の徐 家哲氏が「日本のみなさんの生活スタイルに合う新製品が登場しました」と挨拶した後、野村氏による製品説明が行われた。
ヘッドホンのAudivinaは、HIFIMANが得意とする密閉型平面駆動ヘッドホンの新製品。Supernanoダイヤフラムやステルスマグネットの搭載など、同社が培ってきた技術が投入されつつ、「密閉型であることが大きな特徴」だと野村氏が指摘。レゾナンスチャンバーを採用したことで、密閉型ながら広がり感のある音場を実現したという。
また、メーカーの製品紹介で「スタジオヘッドホン」の文言が多く登場していることに触れ、「(Audivinaが)モニターヘッドホンとしても利用できる、という自信の表れであり、キャラ付けの方向性でもあるのでは」と解説した。
野村氏が個人的に驚いたこととして、3.5mm/6.3mm/XLR 4pinバランスの3本のケーブルが同梱される点を紹介。ユーザーは変換アダプターなど用意する必要がなく、最良のサウンドを自身の環境で聴けるのは大きな付加価値ではないか、と語った。
ちなみに「Audivina」という名前はサンスクリット語で「聴く」を意味する言葉「Audi」と、楽器のシタールを意味する言葉「vina」を組み合わせた造語とのこと。ハウジングの上質さやヘッドバンドとイヤーパッドの装着感の高さも挙げつつ、「実際に使ってみないとわからないと思うので、ぜひブースで試聴してみてほしい」とアピールした。
同じく新製品として登場した「EF600」だが、こちらは同社のDAC内蔵ヘッドホンアンプのカテゴリーながら、かなり特徴的な製品だという。
まず挙げられたのが搭載DACの「ヒマラヤPro」。HIFIMAN独自開発のR2Rラダー方式DACの最新モデルで、かつて使われていたハイエンドR2R DAC「PCM1704」を上回るスペックを実現。アンプ回路もボリューム以外全てがセパレートした構成になっている。
もうひとつ特徴的なのがバウハウス的な縦型デザインだ。構造的に見ると底面にトロイダルトランスが配置され、熱が自然に上へと逃げる設計となっているほか、重心バランスが低く安定感のある使い心地だという。
また、本体はヘッドホンスタンドとしても使うことが可能。高さ283mmと比較的大柄ではあるが、HIFIMANのヘッドホンは縦長なものが多く、一般的なヘッドホンスタンドではケーブルの付け根が接地しやすいため、「このサイズ感がピッタリ」とのこと。
入力はデジタルに加えRCA/XLRのアナログ端子を新搭載。RCA/XLR出力を備えるためDAC内蔵プリアンプとしても使えることもあわせ「デスクトップ上での使用が有意義な製品ではないか」と評する。
以上2製品はかねてよりアナウンスされていたが、加えて「つい2日前にワールドプレミアで発表されたばかり」だという新製品2つもこの場で紹介された。
1つめがヘッドホンアンプのフラグシップ機「EF1000」。EF600で搭載されたヒマラヤPro DACを計4基搭載したバランス設計のモデルで、RCAのアナログ入力も搭載。日本での発売時期や価格はまだ未定だが、今後の続報に期待したい。
そして2つめが完全ワイヤレスイヤホンの「SVANAR WIRELESS」。なんと、ヒマラヤDACを搭載した完全ワイヤレスイヤホンなのだという。
野村氏によると、HIFIMANではヒマラヤDACの特性である消費電力の少なさが完全ワイヤレスイヤホンと相性良いのでは? とかねてから考えていたらしい。しかしR2R方式では回路が大きくなってしまう問題があったのだが、今回、指先に乗るサイズのヒマラヤDACを実現し、完全ワイヤレスイヤホンへの搭載を可能にしたとのこと。
機能面ではアクティブノイズキャンセリングに加え音質特化の「HIFIモード」を搭載。連続再生時間が通常時の7時間から4時間まで短くなるものの「それだけ再生できるなら十分なので、皆さんHIFIモードを活用することになるのではないか」とコメント。こちらも続報を待ちたいところだ。
■オーディオ評論家の岩井氏、高橋氏、TESHNOBOYSフジムラ氏が感想を語る
製品紹介後は、ゲストとしてオーディオ評論家の岩井 喬氏と高橋 敦氏、テクノユニット・TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのベーシストであるフジムラトヲル氏が登壇。新製品の感想を語った。
岩井氏はAudivinaについて「密閉型かつ平面駆動ということで市場でも珍しく、かつウッドハウジングで所有欲を満たす製品であるし、平面駆動でアタックの強いガッツがあるサウンドを楽しめる」、EF600について「ヒマラヤDACを積んでいるメリットもあるが、駆動力の高さがあるアンプだ。(税込115,500円という)お値段を聞いて『安いな』と思った」とコメント。その上位モデルとなるEF1000にも期待したいと語った。
SVANAR WIRELESSは実は聴いているとのことで、「すごく空間性のあるサウンドで、これまで完全ワイヤレスイヤホンで聴いたことのない空間の自然さを感じたので、とても魅力的だ」とした。
高橋氏はAudivinaを「ボーカルなどメインの楽器をしっかり定位させたうえで、それでも窮屈さを感じさせず広がりがあるサウンド」、EF600を「EF400は4.4mmバランス端子を備えていたりとイヤホンファンにも適した製品だったが、こちらはヘッドホン一本勝負ということで棲み分け方も上手だと思った。つまみが四角いのも古いプロダクトらしさを感じられて良いですね」とコメント。
高橋氏もSVANAR WIRELESSを聴いており、「音は皆さんの言うとおり素晴らしかったのだが、その理由であろうヒマラヤDACのサイズ問題をどうやって解決したかは一切教えてもらえず、謎は謎のままとにかく良い音だった」とのこと。
急遽ゲストとして登壇したフジムラ氏は直前にAudivina + EF600の組み合わせを聴いてきたばかりらしく、「見た目的にはアコースティックやクラシック向けのヘッドホンかと思ったが、TECHNOBOYSのバンド・電子音楽的な熱量もしっかり感じられることに驚いた。TECHNOBOYSの曲はシンセベースとエレキベースの両方が共存しており、綺麗に聴き取るにはシビアな環境が求められるが、そのラインがしっかり見えて『こう聴こえてくれると嬉しいな。作って良かった』と思える組み合わせだった」と述べた。
最後に「これからのHIFIMANに期待したいこと」を聞かれ、岩井氏は「HIFIMANは平面駆動モデルが重要かと思うが、個人的にはDAPも再び展開してほしい。またR2R DACは768kHzまでサポートできるとのことだが、日本のマーケットは『どこまでネイティブ再生できるか』を気にするので、今後は教えてもらえるとありがたい」とコメントした。
高橋氏は「ヒマラヤDAC搭載製品はどれを聴いても良いので、現在のトレンドを考えると良い音のスティック型DACが出てきてくれたら嬉しい」、フジムラ氏も「仕事柄デモ音源を聴くことが多く、そんな時にスティック型DACがあると便利なのでぜひ出してほしい。SVANAR WIRELESSにも期待している」と語っていた。
■新製品2モデルが早速登場。海外発表されたばかりの2製品も紹介
HIFIMANは15階ロビーにブースを出展。発表されたばかりの新ヘッドホン「Audivina」やDAC搭載ヘッドホンアンプ「EF600」を中心に、開幕直後より多くのファンがその音を聴きに訪れていた。
さらに6階のチャペルでは、オーディオ評論家・野村ケンジ氏のイベント「ノムケンLabs!」にて新製品発表会も実施。HIFIMAN JAPAN責任者の徐 家哲氏が「日本のみなさんの生活スタイルに合う新製品が登場しました」と挨拶した後、野村氏による製品説明が行われた。
ヘッドホンのAudivinaは、HIFIMANが得意とする密閉型平面駆動ヘッドホンの新製品。Supernanoダイヤフラムやステルスマグネットの搭載など、同社が培ってきた技術が投入されつつ、「密閉型であることが大きな特徴」だと野村氏が指摘。レゾナンスチャンバーを採用したことで、密閉型ながら広がり感のある音場を実現したという。
また、メーカーの製品紹介で「スタジオヘッドホン」の文言が多く登場していることに触れ、「(Audivinaが)モニターヘッドホンとしても利用できる、という自信の表れであり、キャラ付けの方向性でもあるのでは」と解説した。
野村氏が個人的に驚いたこととして、3.5mm/6.3mm/XLR 4pinバランスの3本のケーブルが同梱される点を紹介。ユーザーは変換アダプターなど用意する必要がなく、最良のサウンドを自身の環境で聴けるのは大きな付加価値ではないか、と語った。
ちなみに「Audivina」という名前はサンスクリット語で「聴く」を意味する言葉「Audi」と、楽器のシタールを意味する言葉「vina」を組み合わせた造語とのこと。ハウジングの上質さやヘッドバンドとイヤーパッドの装着感の高さも挙げつつ、「実際に使ってみないとわからないと思うので、ぜひブースで試聴してみてほしい」とアピールした。
同じく新製品として登場した「EF600」だが、こちらは同社のDAC内蔵ヘッドホンアンプのカテゴリーながら、かなり特徴的な製品だという。
まず挙げられたのが搭載DACの「ヒマラヤPro」。HIFIMAN独自開発のR2Rラダー方式DACの最新モデルで、かつて使われていたハイエンドR2R DAC「PCM1704」を上回るスペックを実現。アンプ回路もボリューム以外全てがセパレートした構成になっている。
もうひとつ特徴的なのがバウハウス的な縦型デザインだ。構造的に見ると底面にトロイダルトランスが配置され、熱が自然に上へと逃げる設計となっているほか、重心バランスが低く安定感のある使い心地だという。
また、本体はヘッドホンスタンドとしても使うことが可能。高さ283mmと比較的大柄ではあるが、HIFIMANのヘッドホンは縦長なものが多く、一般的なヘッドホンスタンドではケーブルの付け根が接地しやすいため、「このサイズ感がピッタリ」とのこと。
入力はデジタルに加えRCA/XLRのアナログ端子を新搭載。RCA/XLR出力を備えるためDAC内蔵プリアンプとしても使えることもあわせ「デスクトップ上での使用が有意義な製品ではないか」と評する。
以上2製品はかねてよりアナウンスされていたが、加えて「つい2日前にワールドプレミアで発表されたばかり」だという新製品2つもこの場で紹介された。
1つめがヘッドホンアンプのフラグシップ機「EF1000」。EF600で搭載されたヒマラヤPro DACを計4基搭載したバランス設計のモデルで、RCAのアナログ入力も搭載。日本での発売時期や価格はまだ未定だが、今後の続報に期待したい。
そして2つめが完全ワイヤレスイヤホンの「SVANAR WIRELESS」。なんと、ヒマラヤDACを搭載した完全ワイヤレスイヤホンなのだという。
野村氏によると、HIFIMANではヒマラヤDACの特性である消費電力の少なさが完全ワイヤレスイヤホンと相性良いのでは? とかねてから考えていたらしい。しかしR2R方式では回路が大きくなってしまう問題があったのだが、今回、指先に乗るサイズのヒマラヤDACを実現し、完全ワイヤレスイヤホンへの搭載を可能にしたとのこと。
機能面ではアクティブノイズキャンセリングに加え音質特化の「HIFIモード」を搭載。連続再生時間が通常時の7時間から4時間まで短くなるものの「それだけ再生できるなら十分なので、皆さんHIFIモードを活用することになるのではないか」とコメント。こちらも続報を待ちたいところだ。
■オーディオ評論家の岩井氏、高橋氏、TESHNOBOYSフジムラ氏が感想を語る
製品紹介後は、ゲストとしてオーディオ評論家の岩井 喬氏と高橋 敦氏、テクノユニット・TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのベーシストであるフジムラトヲル氏が登壇。新製品の感想を語った。
岩井氏はAudivinaについて「密閉型かつ平面駆動ということで市場でも珍しく、かつウッドハウジングで所有欲を満たす製品であるし、平面駆動でアタックの強いガッツがあるサウンドを楽しめる」、EF600について「ヒマラヤDACを積んでいるメリットもあるが、駆動力の高さがあるアンプだ。(税込115,500円という)お値段を聞いて『安いな』と思った」とコメント。その上位モデルとなるEF1000にも期待したいと語った。
SVANAR WIRELESSは実は聴いているとのことで、「すごく空間性のあるサウンドで、これまで完全ワイヤレスイヤホンで聴いたことのない空間の自然さを感じたので、とても魅力的だ」とした。
高橋氏はAudivinaを「ボーカルなどメインの楽器をしっかり定位させたうえで、それでも窮屈さを感じさせず広がりがあるサウンド」、EF600を「EF400は4.4mmバランス端子を備えていたりとイヤホンファンにも適した製品だったが、こちらはヘッドホン一本勝負ということで棲み分け方も上手だと思った。つまみが四角いのも古いプロダクトらしさを感じられて良いですね」とコメント。
高橋氏もSVANAR WIRELESSを聴いており、「音は皆さんの言うとおり素晴らしかったのだが、その理由であろうヒマラヤDACのサイズ問題をどうやって解決したかは一切教えてもらえず、謎は謎のままとにかく良い音だった」とのこと。
急遽ゲストとして登壇したフジムラ氏は直前にAudivina + EF600の組み合わせを聴いてきたばかりらしく、「見た目的にはアコースティックやクラシック向けのヘッドホンかと思ったが、TECHNOBOYSのバンド・電子音楽的な熱量もしっかり感じられることに驚いた。TECHNOBOYSの曲はシンセベースとエレキベースの両方が共存しており、綺麗に聴き取るにはシビアな環境が求められるが、そのラインがしっかり見えて『こう聴こえてくれると嬉しいな。作って良かった』と思える組み合わせだった」と述べた。
最後に「これからのHIFIMANに期待したいこと」を聞かれ、岩井氏は「HIFIMANは平面駆動モデルが重要かと思うが、個人的にはDAPも再び展開してほしい。またR2R DACは768kHzまでサポートできるとのことだが、日本のマーケットは『どこまでネイティブ再生できるか』を気にするので、今後は教えてもらえるとありがたい」とコメントした。
高橋氏は「ヒマラヤDAC搭載製品はどれを聴いても良いので、現在のトレンドを考えると良い音のスティック型DACが出てきてくれたら嬉しい」、フジムラ氏も「仕事柄デモ音源を聴くことが多く、そんな時にスティック型DACがあると便利なのでぜひ出してほしい。SVANAR WIRELESSにも期待している」と語っていた。
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