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公開日 2023/05/11 13:15
有機ELに迫るコントラストと色鮮やかさ

パナソニック、同社初「ミニLED+量子ドット」搭載4K液晶ビエラ「MX950」

編集部:長濱行太朗
パナソニックは、同社初となる「ミニLEDバックライト+量子ドット」を採用した4K液晶“VIERA”(ビエラ)のトップエンドモデル「MX950シリーズ」を7月21日に発売する。サイズラインナップと税込の予想実売価格は以下の通り。

「MX950シリーズ」

<MX950シリーズ>
「TH-75MX950」 530,000円前後
「TH-65MX950」 400,000円前後
「TH-55MX950」 300,000円前後

本シリーズは、2022年モデルの4K液晶テレビ「LX950シリーズ」の後継機種となる。2023年モデルの4Kビエラは、液晶モデルと有機ELモデルで新たなパネルを採用したことが特徴で、なかでもMX950シリーズは同社として初めてミニLEDバックライト+量子ドットの採用によって、パネルが劇的にブラッシュアップされた。

2023年度のビエラは、パネルの刷新が特徴。MX950シリーズでは、「ミニLEDバックライト+量子ドット」を初採用

同社では、これまでミニLEDバックライト採用機を投入してこなかった背景について「当社は、“クリエイターが作り出す映像をリアルに届けたい”というコンセプトの基、プラズマディスプレイをはじめ、独自の有機ELディスプレイの開発など、自発光デバイスによる高画質化にこだわってきた。そういった背景もあり、ミニLEDバックライトが登場した当初、有機ELモデルよりも高額な液晶テレビをお客様に提案することが難しいと考え、2022年度は開発を見送った」とコメント。

「しかし、2023年度は価格のバランスが取れながらも、有機ELに近付くような液晶テレビとして展開できるとなったため、ミニLEDバックライト+量子ドットを採用した4K液晶ビエラの開発が実現できた」と開発陣は語る。

MX950シリーズでは、ミニLEDバックライト+量子ドットの搭載で、飛躍的にコントラストを高め、色鮮やかな表現も向上させ、同社の液晶モデルでは成し得なかった高画質を実現したという。ミニLEDバックライトには、映像の明るい部分にバックライトの駆動電力を集中させることで、高コントラストを成し得る部分駆動技術も搭載。パネルはVA方式を採用している。

75型/65型/55型の3サイズ展開

入力された映像信号に応じて、複数の解析パターンを使い分けて解析し、解析結果をフィードバックしてコントラスト制御を行う「Wエリア制御」も進化。「バックライトエリア制御(直下型)」では、バックライトエリア制御データを段階的に生成し、そのデータを基にバックライトの部分駆動させている。また「エリアコントラスト制御PRO」では、細分化されたエリアでの映像信号処理によって、コントラストを高めている。

映像信号のコントラストを解析する際は、バックライトのエリアをさらに細分化して映像解析している。最新のWエリア制御によって、引き締まった黒、黒つぶれのない陰影、リアリティの高い明暗の表現を可能とし、さらにバックライト分割駆動によるハロー現象の抑制も実現しているとのこと。

信号処理による高画質技術も強化。忠実な色再現を追求した「ヘキサクロマドライブ」は、地デジの映像表現を高めるべく、色を繊細かつ鮮やかさと階調の美しさを両立。従来モデルでは、色を鮮やかに濃く表現しようとすると階調表現が低減することや、階調表現を重視しようとすると色鮮やかさが抑えられてしまう場合があったが、「鮮やか色補正」によって克服され、色ごとに適切な補正を施せるようになったという。

さらに地デジでの人肌の表現も向上。従来は明るさを優先すると、光が強く当たっている肌の部分が飽和してしまい、輪郭が不自然になるケールもあったが、2023年モデルでは「地デジ美肌補正」によって、肌の色を検出して3次元カラーマネジメント回路(3D-LUT)で処理することで、より自然に肌の質感や色味を表現可能になったとアピールする。

素材解像度検出によってあらゆる映像を4K高精細化する「4Kファインリマスターエンジン」は、ネット動画をより高精細に観られるように進化。ネット動画はコンテンツの解像度もさまざまで、自宅のネットワーク通信即でも画質が変化してしまうが、いかなる場合でもノイズを適正に抑え、ディティールや質感に関連する部分はしっかりと精細感を高める処理を施す。ネット動画の特性や素材に合わせて、高い質感とノイズレスを両立した。

視聴環境の明るさや照明の色に合わせて映像を最適化する、「環境光センサー」と連動した自動映像調整も再チューニングされている。日中、部屋に入ってくる外光が明るい環境だと、暗い映像の暗部が見えにくい場合があったが、最新世代モデルでは暗部の表現力を高めている。

HDRフォーマットは、HDR10、HLG、HDR10+、Dolby Visionに対応。視聴環境の明るさに応じて画質の最適化を図る、HDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQのHDR技術も搭載する。

音質面では、従来までイネーブルドスピーカーを搭載するモデルのみに採用されたいた「オートAI音質」の機能が、MX950シリーズにも搭載。また、LX950シリーズではフルレンジスピーカー×2基とイネーブルドスピーカー×2基、実用最大出力60Wのスピーカーを採用していたが、MX950シリーズはフルレンジ×2基とウーファー×1基の実用最大出力50Wのスピーカー構成に変更された。

「オートAI音質」を新たに搭載。AI技術によって映像コンテンツに最適化したサウンドに自動で調整

音声処理技術では、新たにゲーム向けに「ゲーム(RPG)」と「ゲーム(FPS)」の2種類の音声モードが追加されたこともトピック。ゲーム(RPG)は、セリフとBGMを強調したチューニングによってロールプレイングゲームの世界に没入できるサウンドに、ゲーム(FPS)では足音を強調するサウンドで敵が見つけやすくなっていることが特徴だ。

2022年モデルから搭載されている、ゲームプレイに特化したGUI「ゲームコントロールボード」も改良されており、MX950シリーズでは「音声モード」や「ALLM設定」の項目を追加。また、4K/120Hzピュアモード時のグレイアウトも解除された。

ゲーマーのこだわりに応えるため、最新のゲーム規格にも対応。ゲーム機からのDolby Vision出力に対して最適な映像設定が行える「Dolby Vision ゲーム」モードを採用しており、プロ向けで著名な「Calman」のゲーム用映像調整アプリ・ツールに対応した「ゲームプロ」モードも備える。HDMI2.1規格では、4K120p入力とVRR、ALLMに対応。そのほか、NVIDIA SPD Auto Game Modeや、AMD FreeSync Premiumに対応している。

ネット動画視聴の利便性を高めるべく、リモコンには新たにTVerのダイレクトボタンが追加され、NetFlix、Prime Video、Disney+、U-NEXT、Hulu、ABEMA、YouTubeと合計8個のサービスをダイレクトボタンで選択できる。また、ネット動画と番組表が連携させた機能も搭載。番組表に表示されている放送番組の中で、TVer、TELASA、Huluで配信されている番組には、対応する動画配信サービスのロゴマークが番組詳細画面で表示される。

リモコンには、TVerのダイレクトボタンが追加された

また、同社のBDレコーダー「全自動ディーガ」などと組み合わせると、「過去未来番組表」とも連携して使用することができる。本機能は、2022年11月15日から開始された、2020年以降発売の4Kテレビ“ビエラ”を対象としたソフトウェアアップデートの追加機能。

番組表から、TVer/TELASA/Huluで配信される映像コンテンツが確認できる

揺れによるテレビの転倒を防ぐ独自構造のスタンド「転倒防止スタンド」も採用。スタンド底面に搭載された吸盤部分とテレビ台との設置面を真空に近い状態にすることで、吸盤が設置面に吸着し、地震などの揺れによっても倒れにくくする構造になっている。MX950シリーズは四角いスタンド形状で、スイーベル(首振り)には非対応となる。

「転倒防止スタンド」を採用。スイッチをスライドさせるだけで、吸着のオン/オフが可能

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