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公開日 2023/05/29 11:16
アップデートされた「EAH-AZ60M2」も
テクニクス、新フラグシップTWS「EAH-AZ80」。10mm振動板と“コンチャフィット形状”で音と装着性を両立
編集部:杉山康介
パナソニックは、同社テクニクスブランドの完全ワイヤレスイヤホン新モデル「EAH-AZ80」「EAH-AZ60M2」を6月15日より発売する。価格はオープンだが、EAH-AZ80は税込36,600円前後、EAH-AZ60M2は税込27,700円前後での実売が想定される。
■10mm振動板とコンチャフィット形状で音と装着性を両立「EAH-AZ80」
パナソニックの調査によると完全ワイヤレス市場は継続して成長傾向にあり、音楽リスニングにワイヤレスイヤホンを使う方が多い一方、約60%の方が「ワイヤレスより有線イヤホンの方が音が良い」と考えていると説明。完全ワイヤレス市場でも音質が求められており、「完全ワイヤレスでも有線以上の高音質を実現できる」と認識してもらえるような取り組みが必要だとした。
また音質だけでなく、ビデオ会議用の通話音質も完全ワイヤレスに求められる要素であり、それを支える要素として「ノイズキャンセリング」「装着感」「使いやすさ」も求められるとする。
“有線イヤホンのような高音質”を実現するため、完全ワイヤレスイヤホンの新フラグシップに位置づけられるEAH-AZ80では、同ブランドの有線機「EAH-TZ700」でも使われていた10mm径アルミニウム振動板を採用。さらに前モデル「EAH -AZ60」同様、リアルなボーカルと力強く正確な低音を再現する「アコースティックコントロールチャンバー」、自然な高音を再生する「ハーモナイザー」の2つの音響機構を用い、デジタル処理のみに頼らない音作りのアプローチで色付けのないきめ細やかな再生、広い音場感を実現したという。
加えて新たなサウンドモード「ダイレクトモード」を搭載。通常の完全ワイヤレスの場合、サウンドモードをオフにした状態は “フラットなイコライザーをかけている状態” なため、若干ながら音質劣化が起きているという。そこで、サウンドモードがオフのときはイコライザーを通さず、動作をシンプル化させた「ダイレクトモード」にすることで音質劣化を抑制し、自然な音体験を実現させたとのこと。
本体には通話、ノイキャン用に左右合計8つのマイクを搭載。独自の通話技術「JustMyVoice」では発話検知マイクを進化させ風ノイズ環境での発話の明瞭度をアップさせたほか、発話音声解析アルゴリズムを見直して発話の “こもり感” を改善させた。
また “業界最高クラス” を謳うノイズキャンセリングも、中高域でのノイキャン性能を向上させ、人の声や日常的な騒音などのノイズを低減。外音取り込み「アンビエントモード」も、フィードフォワードマイクとフィルタ性能の向上により、さらに自然な聴感へと改善させたという。
筐体は独自の「コンチャフィット形状」を採用。従来の完全ワイヤレスが耳の穴に押し込んで固定させるのに対し、耳甲介(耳の下部の窪み:コンチャ)に収まる形状としたことで、耳を圧迫することなく安定かつ快適な装着感を実現した。開発者は「高音質と装着性は両立することが難しかったが、苦労の末、両立させることに成功した」と語っていた。
連続再生時間はイヤホン単体で約7時間で、ケース充電込みで約24時間(ノイキャンON時)、ケースは新たにQiワイヤレス充電にも対応。コーデックはSBC/AAC/LDACをサポートする。
さらに “業界初” となる3台マルチポイント接続に対応。市場からも要望する声は多くあったとのことで、「一見すると必要ないように思えるかもしれないが、たとえば私用スマホとPC、会社用スマホに一気に接続できたりと、使ってみると手放せなくなる」と語っていた。
イヤホン本体に「装着センサー」を搭載し、装着したら音楽再生、外したら停止と自動で切り替えられるようになったほか、充電ケースにLEDを追加し、イヤホン本体とケースの充電状況を同時に確認できるようになっている。
専用アプリもアップデートし、アプリ上にイヤホンの電源ON/OFFボタンを新設。音声ガイダンスのカスタマイズ機能も搭載し、デバイスとの接続時「スマホに接続しました」など、何と接続したかをアナウンスしてくれるようになった。
本体はIPX4の防水性能を搭載。質量は本体片側が約7g。フィット感と高音質、遮音性を両立するという専用シリコン製イヤーピース7種を同梱する。
■3台マルチポイントやQiワイヤレス充電対応でより使いやすくなった「EAH-AZ60M2」
EAH-AZ60M2は、前モデル「EAH-AZ60」と同じ8mmバイオセルロース振動板のドライバーと、しずく型筐体を採用したモデル。基本的なハードウェア部分は同じだが、機能面でさまざまなアップデートが図られている。
音質面ではAZ80同様に「ダイレクトモード」を搭載。JustMyVoiceテクノロジーもアップグレードし、発話音声解析アルゴリズムを見直して発話の “こもり感” を改善させ、アンビエントモードもフィルタ性能の向上により高域の音が聞こえやすく、さらに自然な聴感へと改善させたという。
本体には装着センサーを搭載したほか、3台マルチポイントにも対応。ケースはQiワイヤレス充電に対応し、LEDの新搭載で本体/ケース両方の充電状況が確認できるようになった。また、アプリのアップデートによってアプリからの電源ON/OFF、音声ガイダンスのカスタマイズ機能なども使えるようになっている。
連続再生時間はイヤホン単体で約7時間で、ケース充電込みで約24時間(ノイキャンON時)。本体はIPX4の防水性能を搭載。質量は本体片側が約7gとなる。
■0.1mm単位で形状を調整。AZ80開発の苦労を語る
都内で行われた製品発表会では、EAH-AZ80の開発エンジニアによるトークセッションも実施。音質と装着性を両立することの苦労が語られた。
音質を担当した田中氏は「AZ80はフラグシップ機だから過去のモデルの音を必ず越えなければならない、という自負を持って開発した。目指したのはテクニクスのポリシーでもある、演奏家と録音エンジニアが届けたい音を脚色せずにお届けすること」だと語る。
しかし音質を追求すれば装着性に影響が出てくるため、それを両立すべく、エンジニア陣は会議室に1ヶ月間ほどこもりきり、ブラッシュアップに努めたとのことで、「すごく密でしんどかった期間なので印象に残っている」という。
装着性を担当した重富氏も「10mmドライバーをどう搭載するかに苦労した。ドライバーが大きければその分筐体も大きくなるので、結果的にEAH-TZ700のドライバーと比較して30%の薄型を実現した」と当時を振り返った。
また、アルミ振動板を採用した理由について田中氏は「アルミは樹脂と比べて剛性が高く高域特性に優れている。10mmサイズも大きなポイントで、10mmの音の余裕、低域から高域まで正確性の高い音を出すために、剛性としなやかさを持ったアルミを採用した」と説明。さらにアコースティックコントロールチャンバー、ハーモナイザーも用い、ベースとしての性能を上げることでテクニクスの脚色がない音を実現したとのこと。
一方、重富氏も「正しくイヤホンを装着してもらえないと、私たちの狙っている音を体験してもらえない。そのためにはより多くの方の耳にフィットする筐体形状を作る必要があった。音と装着性、さらに安定性も両立するためにコンチャフィット形状にたどり着いた」と語る。
従来の耳の穴に押し込んで固定するスタイルは簡単に安定するものの、耳奥の繊細な部分を圧迫するため、違和感や不快感を覚えることもある。対するコンチャフィット形状は、先端は耳穴の手前くらいで止めつつコンチャで本体を保持できるため、長時間の装着でも不快感を覚えにくいそうだ。
この形状にたどり着くため、パナソニックの社員の方の耳の形をPCスキャンで解析し、実際に試して評価してもらいつつ、0.1mm単位でのブラッシュアップを重ねていったという。結果として技術メンバーが揃って「良いものができた」と言える製品になったと語っていた。
■10mm振動板とコンチャフィット形状で音と装着性を両立「EAH-AZ80」
パナソニックの調査によると完全ワイヤレス市場は継続して成長傾向にあり、音楽リスニングにワイヤレスイヤホンを使う方が多い一方、約60%の方が「ワイヤレスより有線イヤホンの方が音が良い」と考えていると説明。完全ワイヤレス市場でも音質が求められており、「完全ワイヤレスでも有線以上の高音質を実現できる」と認識してもらえるような取り組みが必要だとした。
また音質だけでなく、ビデオ会議用の通話音質も完全ワイヤレスに求められる要素であり、それを支える要素として「ノイズキャンセリング」「装着感」「使いやすさ」も求められるとする。
“有線イヤホンのような高音質”を実現するため、完全ワイヤレスイヤホンの新フラグシップに位置づけられるEAH-AZ80では、同ブランドの有線機「EAH-TZ700」でも使われていた10mm径アルミニウム振動板を採用。さらに前モデル「EAH -AZ60」同様、リアルなボーカルと力強く正確な低音を再現する「アコースティックコントロールチャンバー」、自然な高音を再生する「ハーモナイザー」の2つの音響機構を用い、デジタル処理のみに頼らない音作りのアプローチで色付けのないきめ細やかな再生、広い音場感を実現したという。
加えて新たなサウンドモード「ダイレクトモード」を搭載。通常の完全ワイヤレスの場合、サウンドモードをオフにした状態は “フラットなイコライザーをかけている状態” なため、若干ながら音質劣化が起きているという。そこで、サウンドモードがオフのときはイコライザーを通さず、動作をシンプル化させた「ダイレクトモード」にすることで音質劣化を抑制し、自然な音体験を実現させたとのこと。
本体には通話、ノイキャン用に左右合計8つのマイクを搭載。独自の通話技術「JustMyVoice」では発話検知マイクを進化させ風ノイズ環境での発話の明瞭度をアップさせたほか、発話音声解析アルゴリズムを見直して発話の “こもり感” を改善させた。
また “業界最高クラス” を謳うノイズキャンセリングも、中高域でのノイキャン性能を向上させ、人の声や日常的な騒音などのノイズを低減。外音取り込み「アンビエントモード」も、フィードフォワードマイクとフィルタ性能の向上により、さらに自然な聴感へと改善させたという。
筐体は独自の「コンチャフィット形状」を採用。従来の完全ワイヤレスが耳の穴に押し込んで固定させるのに対し、耳甲介(耳の下部の窪み:コンチャ)に収まる形状としたことで、耳を圧迫することなく安定かつ快適な装着感を実現した。開発者は「高音質と装着性は両立することが難しかったが、苦労の末、両立させることに成功した」と語っていた。
連続再生時間はイヤホン単体で約7時間で、ケース充電込みで約24時間(ノイキャンON時)、ケースは新たにQiワイヤレス充電にも対応。コーデックはSBC/AAC/LDACをサポートする。
さらに “業界初” となる3台マルチポイント接続に対応。市場からも要望する声は多くあったとのことで、「一見すると必要ないように思えるかもしれないが、たとえば私用スマホとPC、会社用スマホに一気に接続できたりと、使ってみると手放せなくなる」と語っていた。
イヤホン本体に「装着センサー」を搭載し、装着したら音楽再生、外したら停止と自動で切り替えられるようになったほか、充電ケースにLEDを追加し、イヤホン本体とケースの充電状況を同時に確認できるようになっている。
専用アプリもアップデートし、アプリ上にイヤホンの電源ON/OFFボタンを新設。音声ガイダンスのカスタマイズ機能も搭載し、デバイスとの接続時「スマホに接続しました」など、何と接続したかをアナウンスしてくれるようになった。
本体はIPX4の防水性能を搭載。質量は本体片側が約7g。フィット感と高音質、遮音性を両立するという専用シリコン製イヤーピース7種を同梱する。
■3台マルチポイントやQiワイヤレス充電対応でより使いやすくなった「EAH-AZ60M2」
EAH-AZ60M2は、前モデル「EAH-AZ60」と同じ8mmバイオセルロース振動板のドライバーと、しずく型筐体を採用したモデル。基本的なハードウェア部分は同じだが、機能面でさまざまなアップデートが図られている。
音質面ではAZ80同様に「ダイレクトモード」を搭載。JustMyVoiceテクノロジーもアップグレードし、発話音声解析アルゴリズムを見直して発話の “こもり感” を改善させ、アンビエントモードもフィルタ性能の向上により高域の音が聞こえやすく、さらに自然な聴感へと改善させたという。
本体には装着センサーを搭載したほか、3台マルチポイントにも対応。ケースはQiワイヤレス充電に対応し、LEDの新搭載で本体/ケース両方の充電状況が確認できるようになった。また、アプリのアップデートによってアプリからの電源ON/OFF、音声ガイダンスのカスタマイズ機能なども使えるようになっている。
連続再生時間はイヤホン単体で約7時間で、ケース充電込みで約24時間(ノイキャンON時)。本体はIPX4の防水性能を搭載。質量は本体片側が約7gとなる。
■0.1mm単位で形状を調整。AZ80開発の苦労を語る
都内で行われた製品発表会では、EAH-AZ80の開発エンジニアによるトークセッションも実施。音質と装着性を両立することの苦労が語られた。
音質を担当した田中氏は「AZ80はフラグシップ機だから過去のモデルの音を必ず越えなければならない、という自負を持って開発した。目指したのはテクニクスのポリシーでもある、演奏家と録音エンジニアが届けたい音を脚色せずにお届けすること」だと語る。
しかし音質を追求すれば装着性に影響が出てくるため、それを両立すべく、エンジニア陣は会議室に1ヶ月間ほどこもりきり、ブラッシュアップに努めたとのことで、「すごく密でしんどかった期間なので印象に残っている」という。
装着性を担当した重富氏も「10mmドライバーをどう搭載するかに苦労した。ドライバーが大きければその分筐体も大きくなるので、結果的にEAH-TZ700のドライバーと比較して30%の薄型を実現した」と当時を振り返った。
また、アルミ振動板を採用した理由について田中氏は「アルミは樹脂と比べて剛性が高く高域特性に優れている。10mmサイズも大きなポイントで、10mmの音の余裕、低域から高域まで正確性の高い音を出すために、剛性としなやかさを持ったアルミを採用した」と説明。さらにアコースティックコントロールチャンバー、ハーモナイザーも用い、ベースとしての性能を上げることでテクニクスの脚色がない音を実現したとのこと。
一方、重富氏も「正しくイヤホンを装着してもらえないと、私たちの狙っている音を体験してもらえない。そのためにはより多くの方の耳にフィットする筐体形状を作る必要があった。音と装着性、さらに安定性も両立するためにコンチャフィット形状にたどり着いた」と語る。
従来の耳の穴に押し込んで固定するスタイルは簡単に安定するものの、耳奥の繊細な部分を圧迫するため、違和感や不快感を覚えることもある。対するコンチャフィット形状は、先端は耳穴の手前くらいで止めつつコンチャで本体を保持できるため、長時間の装着でも不快感を覚えにくいそうだ。
この形状にたどり着くため、パナソニックの社員の方の耳の形をPCスキャンで解析し、実際に試して評価してもらいつつ、0.1mm単位でのブラッシュアップを重ねていったという。結果として技術メンバーが揃って「良いものができた」と言える製品になったと語っていた。
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