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公開日 2023/12/22 10:00
Qualcomm製SoC「QCC5171」導入でLC3コーデックも対応

Noble Audio、MEMSドライバー初採用のTWS「FALCON MAX」。世界初のLDAC/aptX Adaptive両対応

編集部:長濱行太朗

■MEMSドライバー「Cowell」を導入したハイブリッド構成モデル


エミライは、同社が取り扱うNoble Audioの完全ワイヤレスイヤホン「FALCONシリーズ」の新モデル「FALCON MAX」を12月29日に発売する。価格はオープンだが、39,600円前後(税込)での実売が想定される。

Noble Audio 「FALCON MAX」

FALCON MAX は“音質ファースト思想は新たな領域へ”というコンセプトの基に登場。最高クラスの性能を誇るドライバー/SoC/コーデックの三位一体設計を施したとしており、同社史上初の先進技術が多数導入されている。

ドライバーには、初採用となるxMEMS Labs製のMEMSドライバー「Cowell」を高域用ドライバーとして導入し、10mm径の大型複合素材・ダイナミックドライバーを低域用に併せたハイブリッド構成を搭載している。MEMSドライバー「Cowell」の採用は、12月20日に発表されたNoble AudioとxMEMS Labsの戦略的パートナーシップが組まれたことによって実現。

MEMSドライバー「Cowell」、キャビネット上部にポートを搭載しているタイプ

Cowellとアンプ「Aptos」を組み合わせたもの

MEMSドライバーは、シリコン振動板に電圧を掛けて発音させるピエゾ方式のドライバーであり、高域の再生周波数帯域が広く、歪みが少ないのが特長。FALCON MAXでは、SoCの上限となる48kHzまでの高域再生を可能にした。製造誤差が少ないこともあり左右の位相特性と空間表現に優れているという。またインパルス応答も優秀なため、ドライバー固有の癖の無さもメリットとのこと。

また、Noble Audioの創業者であり、FALCON MAXの音質をチューニングした“Wizard”ジョン・モールトン氏は、「日本ではピエゾドライバーを採用した『KHAN』が大変好評だったが、その開発経験やチューニング技術が、同じくピエゾドライバーの原理で発音するMEMSドライバーの採用でも多いに活かされている。」とコメントする。

イヤホン本体のみの図

LR表記をイヤホン内側に印字

ダイナミックドライバーには、10mm径の「Dual-Layered LCP Driver」を採用。耐熱性と強度が高く、内部損失性も長けているポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とポリウレタン(PU)の複合素材と、高い弾性率と内部損失性を備える液晶ポリマー(LCP)が投入されている。高性能なダイナミックドライバーとMEMSドライバーの長所を活かした設計を施すことで、沈み込みながらもレスポンスの良い低域、立体感のある中域、高い解像感と音場が広い高域を実現したという。

10mm径の「Dual-Layered LCP Driver」

■「QCC5171」導入でLDACとaptX Adaptiveに両方対応


SoCには、Qualcomm製の最新世代SoC「QCC5171(Qualcomm S5 Sound Platform)」を導入。従来のSoCよりも2倍の演算性能と20%減の消費電力を成し得ており、ブロードキャストの対応、低遅延、左右独立、複数人シェア、そしてBluetoothオーディオの規格「LE-Audio」ならびLC3コーデックにも対応するなど、新機能が豊富なSoCとなっている。

Qualcomm製SoC「QCC5171」

そして、240MHz動作のQualcommのデュアルコアDSP「Kalimba」や、デュアルコア・最大80MHzで動作することで複数タスクの同時処理が可能な32bit CPUも搭載しており、プログラマブルであるため機能拡張も可能だ。

FALCON MAXでは、同社製品で初となるハイレゾ対応のBluetoothコーデック「LDAC」に対応。同時に「aptX Adaptive」にも対応しており、両方のBluetoothコーデックに正式対応した完全ワイヤレスイヤホンは、FALCON MAXが世界初のモデルだという。また、日本オーディオ協会のハイレゾオーディオワイヤレス認証に同社モデルとして初めて取得。Qualcommの「Snapdragon Sound」も対応する。

LDACとaptX Adaptiveの両対応は世界初

LDAC接続では、96kHz/24bitの再生が可能で、接続優先モード/音質優先モード、通信状況に応じで自動的に最適な接続になる自動モードに対応する。aptX Adaptive接続では、同じく96kHz/24bitの再生が可能で、低遅延のLow LatencyモードとLosslessモードに対応している。他のコーデックは、SBC、AAC、aptX、そして先述したLC3が使用可能。

■リアルタイムでノイズキャンセリング効果を最適化


ノイズキャンセリング機能には、ユーザーの身体の動きや環境に応じてリアルタイムでノイズキャンセリングの効果を最適化する第3世代「Adaptive AVC」を採用。外音を取り込むフィードフォワード用マイクと外耳道の反響を取り込むフィードバック用マイクを組み合わせ、自然なノイズ抑制を可能にしている。また、ノイズキャンセリング・オン/ヒアスルー・オン/ノイズキャンセリング・オフの各々で音質チューニングが図られている。

第3世代「Adaptive AVC」

外音取り込みモードの「Full-band ambient mode」では、Noble Audioのラインナップの中で史上最高レベルの外音取り込みの品質を目指した設計が導入されており、従来モデルよりも広帯域で外音取り込みが可能で、周囲の音の聞き取りやすさを高めている。

「Full-band ambient mode」を搭載

FALCONシリーズで定評のある接続安定性の高さは、FALCON MAXでも健在。Qualcomm製SoC「QCC5171」に加え、内蔵アンテナの位置も最適化することで、「High Precision Connect Technology」も第4世代に進化した。

第4世代「High Precision Connect Technology」

他にも左右の各イヤホンにデータを伝送する「TrueWireless Mirroring」、複数のBluetooth対応機器を登録できるマルチペアリング、最大2台までの同時接続が可能なマルチポイントにも対応する。また、通話品質も高めるべく音声通話用のBluetoothコーデック「aptX Voice」も採用している。

通話品質を高める「aptX Voice」

■新デザインの充電ケースで4回のフル充電が可能


専用アプリ「Noble FALCON MAX」でのコントロールも可能で、アプリではマスターゲイン調整/動作モード調整/イコライザー設定/タッチセンサー操作設定/ファームウェアアップデートなどの機能が操作可能。

充電ケースは、小型化した新デザインを採用した、約4回のフル充電が可能なロングライフ・バッテリー設計。ケース外側にマルチファンクションボタンを備える。ウレタン製のイヤーピースが付属されており、S/M/Lの3サイズを用意。高い遮音性と密閉度を確保している。また、表面にコーティング加工を施したことで、高域の籠りを低減した。

充電ケース収納時の図

主な仕様について、再生周波数帯域は20Hz – 48kHz、Bluetooth Ver5.3、防塵・防水規格「IP54」対応、充電ケースの充電時間はUSB給電で約2時間以下、ワイヤレス充電で約4時間以下、イヤホン本体の充電時間は約1.5時間、急速充電は15分充電で約1時間の音楽再生が可能、連続音楽再生時間はANC・オフ+音量60%で約5.5時間、ANC・オン+音量60%で約4.5時間、質量はイヤホン本体が約5.5g/個、充電ケース(イヤホン本体含まず)が約39.5g。

防塵・防水規格IP54に対応

コーティング加工を施したウレタン製イヤーピース

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