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公開日 2024/10/15 16:27
幕張メッセにて10月18日まで

<CEATEC>SHARP、消費電力ゼロのA0判電子ポスター/NHK財団、8K撮影とAIを駆使した制作ソリューション

編集部:松永達矢
エレクトロニクス/IoT関連の見本市「CEATEC 2024」が、10月15日-18日の4日間にわたって幕張メッセにて開催される。本稿ではSHARP、NHK財団ブースの内容をレポートする。

■SHARP:屋外対応の電子ポスターにA0サイズの大型モデル



SHARPブースの様子

SHARPブースでは、“AI-Powered Innovation”をテーマに、AIなどの先進技術を活用し、持続可能な社会と健やかなくらしの実現を掲げた展示内容を展開。なかでも広く注目を集めていたのが屋外対応 A0サイズ「ePoster」だ。

屋外対応 A0サイズ「ePoster」

ePosterは2023年開催の技術展示イベント「SHARP Tech-Day」にて初出展。サイズは紙のポスターで一般的な国際規格のA2判を採用。画面の書き換えを行わなければ消費電力は0W、外部の光を反射する電子ペーパーの形式を採用することで、陽光下での視認性と180度の広い視野角を兼ね揃える。

CEATECにて出展されたA0サイズは、上記A2サイズ4枚を1枚のガラスに貼り付けることで大型化。ソーラーパネルと蓄電池を搭載し、表示の書き換え時に発生する電力を太陽光で発電・蓄電した電気のみで補うことができ、電源設備の無い場所での利用も可能になっている。

天面部に装備されるソーラーパネル

内部には通信モジュールも備えられ、画像の書き換えはオンラインでの遠隔操作にも対応。高い視認性を誇るサイズのため、ポスターの代替のほか、万が一の災害発生時には災害情報や避難場所の掲示などにも活用できるという。

厳しい環境下での運用で求められる防水・防塵性能、高い堅牢性も備えているが、ブーススタッフによると「高温下に晒された際に表示データの焼きつきが懸念されるので、設置環境に応じたケアは必要になる」と今後に課題も残す。

遠隔での表示切り替えに対応。災害情報や避難場所の掲示にも役立つとする

SHARPブースではほかにも、プラズマクラスターの送風によるレタスの葉のサイズと重量増加、イネの成長促進を例にした「プラズマクラスター技術による植物生育促進」デモ、同社電卓販売60周年を記念する展示など多岐にわたる内容が並んでいる。

プラズマクラスターによる「植物生育促進」デモ

1973年に発売された世界初の液晶表示電卓(写真左)

■NHK財団:8K撮影とAIを駆使した「マルチカメラ番組制作」システム



NHK財団では、1台の8Kカメラで撮影した広角映像から、その一部を2Kカメラ撮影相当で切り出す「マルチカメラ番組制作」(複数のカメラ映像を切り替えて番組を制作する手法)を紹介。画素数にして2K(1,920×1,080)の16倍、7,680×4,320ピクセルを誇る8K映像の利点を最大限に活用したソリューションとなっている。

NHK財団では、8K映像から複数範囲にて2K映像を切り出す「マルチカメラ番組制作」システムを紹介

映像内の被写体をAIがリアルタイムで検出。それに基づいた切り出し範囲を生成する

2Kで切り出す領域については、AIを用いて自動で切り出し範囲を設定することも可能。合唱コンクールの映像を用いたデモンストレーションでは、壇上に上がる歌唱者の顔をリアルタイムで検出し、広角撮影の全体部と切り出しを行った上手/中央/下手の3エリアの領域情報を取得していた。

切り出しはマニュアル設定も可能で、展示ではAIによる検知から漏れたステージ下段のピアニストはマニュアルにて切り出し範囲の領域設定が行われていた。

また、ジョイスティックやスイッチャーを用いる従来の映像切り出しシステムと比較して、マウス、キーボードのみでの切り出し範囲の調整、カメラワーク制御、仮想カメラ(切り出し範囲)へのスイッチングといった基本的な映像表現を1つのソフトウェア上で実現できることをアピール。多様な番組制作での活用やイマーシブメディアにおけるコンテンツ制作などで本技術を応用していくという。

オペレーションもキーボードとマウスで完結

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