公開日 2019/01/29 12:29
西村社長が語る
富士フイルムはユーザーの「もっと楽しい!」を実現して成長へ。キーワードは「共感」「憧れ」「信頼」
Senka21編集部・竹内純
変革・挑戦・創造でリスタートを切った2018年
富士フイルムイメージングシステムズは、1月24日・25日の両日、「富士フイルム フォトイメージングフェア」を開催。それに先立ち23日に開催されたプレス向け内覧会で、同社の2018年の活動の振り返りと2019年の取り組みについて、西村亨社長が説明した。
2018年の行動指針として同社が掲げたのが「変革」「挑戦」「創造」。西村社長は「従来の延長戦ではない考え方の下、新しい富士フイルムイメージングシステムズとしてリスタートを切り、社内外で新しい取り組みに挑戦してきた」と力強く語る。
フォトイメージング事業では4つの重点課題を掲げた。1つ目の重点課題は「スマホユーザーの被写体別・シーン別の撮影・プリント実態をベースにした付加価値プリント商材の提案」。年賀ポストカードでは、お家インクジェットユーザーからの置き換えをターゲットに、「作り分け応援サービス」「宛名印刷サービス」「住所録保管サービス」を展開し、年賀はがきが10円値上げとなり、発行枚数も減少する中で、「写真業界の窓口では銀塩・印刷を合計するとほぼ前年並みの数量を確保できた」と健闘を見せた。
「フォトブック」は数量ベースでほぼ前年並みに推移。スリムタイプを新たにラインナップに加えた「PhotoZINE」が銀塩タイプのフォトブックに次ぐ柱へ成長、ユーザーの開拓に寄与した。「WALL DECOR」と「フォトグッズ」は昨年6月より店頭での受注を開始。お客様が店頭で現物を確認しながらの注文が可能となり、ファミリー層や女性層からの注文が増加。「特にWALL DECORは “お正月を写そう” のテレビCM効果も絶大で、写真を壁に飾って楽しむ文化が生まれている」と手応えを訴える。
「50,000人の写真展」は、応募点数56,000点、来場者数130万人を超え、絆ポストも57,000点と、いずれも前年比で110%を超える過去最高を記録。「大伸ばしプリントをすることで、データとは違う楽しさ、素晴らしさ、感動を多くの方に楽しんでいただくことができた」とさらなるスケールアップを目指す。
重点課題の2つ目は「写真趣味層とプロ分野への新規プリント商材やサービスによる需要喚起」。昨年11月より、印画紙の種類、トリミング、色調補正やパネル加工の有無を選択できる「プレミアムプリントサービス」を、まずはネットから開始した。「プリントレスやお家インクジェットのユーザーへ、最高品質の銀塩プリントを提案したい。今後は写真店での受付の展開も検討しており、より多くのユーザーにご利用できる環境整備を進めていく」と拡販を図る。
需要創造の観点からは、昨年8月29日に「ほめ写プロジェクト」が発足したが、写真の価値、一枚の写真の力を伝えていく「ほめ写」の考え方の訴求・普及に、同社も積極的に関与している。「写真店、ネット、さらにはアルバム大使による訴求など、写真業界全体を巻き込んで展開ができるよう尽力していきたい」と啓発に力を入れていく構えだ。
3つ目の重要課題は「チェキスクエアタイプのラインナップ強化による新規需要の開拓」。昨年5月に新製品「instax SQUARE SQ6」を発売。スクエアタイプの魅力訴求で、新規需要創造を推進した。11月からは、チェキ発売20周年を記念した新製品投入やキャンペーンを展開。SNSによるユーザーダイレクトプロモーションにも注力し、新規需要創造を推進する。
そして4つ目が「Xミラーレスカメラのユーザーダイレクト訴求によるブランド力向上とアフターサポートの体制強化」。Xシリーズでは「X-H1」「X-T100」「X-T3」の新製品を発売。GFXシリーズは、9月のフォトキナで中判カメラでありながら軽快にフィールドに持ち出せる新製品「GFX 50R」を発表。さらに、1億画素モデルの開発を宣言した。レンズはXFレンズ34本、GFレンズ11本を揃え、「2020年までに国内レンズ生産設備能力を1.7倍に増強する」と力を込めた。
加えて、フォトイメージングの領域ではないが、高まるBtoB市場の需要獲得がひとつの柱になっていると言及。「東京五輪に向けたディスプレイ需要やセキュリティ需要の高まり、働き方改革に伴うクラウド需要、業務アシストシステム需要の拡大で、BtoB分野の伸長が目覚ましい。すでに売上げの約4分の1を占めるまで伸長しており、さらに拡大を図る」と意気込みを示した。
2019年はお客様視点のビジネス拡大を推進
続いて2019年の取り組みについて説明。「お客様視点でのビジネス拡大の推進」を方針に、お客様との「共感」「憧れ」「信頼」をキーワードに掲げる。「共感」では、お客様が持ち歩いてみたい、欲しいと思える “コト提案” の訴求を徹底。次に「憧れ」では、お客様のニーズや想いをカタチにしたいと思える高品質・高機能な商品サービスによる “モノ提案” を実現。そして「信頼」では、お客様が安心して満足して楽しんでもらえる “サポート体制” を充実。「すべてのお客様の “楽しい!” を実現する、お客様視点のビジネス拡大を推進していく」と3つのキーワードでお客様視点を貫徹する。
フォトイメージング分野では、3つの課題に取り組む。1つ目は「プリント需要の創造と活性化」。「WALL DECORで芽が膨らんだ “飾る” 文化を、さらに大きく育て、需要を掘り起こしていきたい」と意気込む。フォトブックでは「PhotoZINE」の登場で気軽に贈る需要が増加。「プレゼント用途は即日性が求められ、店頭仕上げが可能なフォトブックの商品力をさらにアップする」と訴えた。50,000人の写真展、アルバムカフェ、ほめ写など、同社ならではのユーザーダイレクト施策でプリント需要を活性化。プリントの楽しみを広げていく。
2つ目は「インスタント需要層の掘り起こし」。リニューアルした新mini8+の店頭、雑誌、WEBでの訴求を一新して新たな購買層を開拓。ラインナップが揃ったスクエアタイプのユーザー認知度向上と体験強化により新規需要創造を図る。SNSを活用した楽しみ方提案にも力を入れる。
3つ目は「Xシリーズファンの拡大とロイヤリティー向上」。高画質と機動力のベストバランスを誇るAPS-Cの「Xシリーズ」、スーパーフルサイズで圧倒的な高画質を実現する「GFXシリーズ」、両輪の魅力をユーザーにダイレクトに訴える。「レンズを含めた当社デジタルカメラのラインナップをさらに充実させ、幅広いお客様が満足してもらえるような取り組みを行っていく。丸の内の富士フイルムイメージングプラザや全国各地で展開するXキャラバンでのアフターメンテナンスの充実、富士フイルムのWEBやSNSはもちろん、全国各地でのセミナーや撮影会でのユーザーへの情報発信、活用提案を積極的に行っていきたい」と顧客接点の一層の強化を訴えた。
「富士フイルムグループは、立ち止まらずに挑戦し続ける企業であることをお伝えするために、 “NEVER STOP” をメインメッセージとして掲げている。弊社も需要を創造し続けるため、2019年はユーザーとの共感と信頼を構築し、憧れを提案・提供することで、ユーザーの “もっと楽しい!” を実現し、イメージングビジネスの拡大を目指す。今回のフォトイメージングフェアはその序章」と語る西村社長。フェア開催を皮切りに、全力で市場を一段高みに引き上げていく。
富士フイルムイメージングシステムズは、1月24日・25日の両日、「富士フイルム フォトイメージングフェア」を開催。それに先立ち23日に開催されたプレス向け内覧会で、同社の2018年の活動の振り返りと2019年の取り組みについて、西村亨社長が説明した。
2018年の行動指針として同社が掲げたのが「変革」「挑戦」「創造」。西村社長は「従来の延長戦ではない考え方の下、新しい富士フイルムイメージングシステムズとしてリスタートを切り、社内外で新しい取り組みに挑戦してきた」と力強く語る。
フォトイメージング事業では4つの重点課題を掲げた。1つ目の重点課題は「スマホユーザーの被写体別・シーン別の撮影・プリント実態をベースにした付加価値プリント商材の提案」。年賀ポストカードでは、お家インクジェットユーザーからの置き換えをターゲットに、「作り分け応援サービス」「宛名印刷サービス」「住所録保管サービス」を展開し、年賀はがきが10円値上げとなり、発行枚数も減少する中で、「写真業界の窓口では銀塩・印刷を合計するとほぼ前年並みの数量を確保できた」と健闘を見せた。
「フォトブック」は数量ベースでほぼ前年並みに推移。スリムタイプを新たにラインナップに加えた「PhotoZINE」が銀塩タイプのフォトブックに次ぐ柱へ成長、ユーザーの開拓に寄与した。「WALL DECOR」と「フォトグッズ」は昨年6月より店頭での受注を開始。お客様が店頭で現物を確認しながらの注文が可能となり、ファミリー層や女性層からの注文が増加。「特にWALL DECORは “お正月を写そう” のテレビCM効果も絶大で、写真を壁に飾って楽しむ文化が生まれている」と手応えを訴える。
「50,000人の写真展」は、応募点数56,000点、来場者数130万人を超え、絆ポストも57,000点と、いずれも前年比で110%を超える過去最高を記録。「大伸ばしプリントをすることで、データとは違う楽しさ、素晴らしさ、感動を多くの方に楽しんでいただくことができた」とさらなるスケールアップを目指す。
重点課題の2つ目は「写真趣味層とプロ分野への新規プリント商材やサービスによる需要喚起」。昨年11月より、印画紙の種類、トリミング、色調補正やパネル加工の有無を選択できる「プレミアムプリントサービス」を、まずはネットから開始した。「プリントレスやお家インクジェットのユーザーへ、最高品質の銀塩プリントを提案したい。今後は写真店での受付の展開も検討しており、より多くのユーザーにご利用できる環境整備を進めていく」と拡販を図る。
需要創造の観点からは、昨年8月29日に「ほめ写プロジェクト」が発足したが、写真の価値、一枚の写真の力を伝えていく「ほめ写」の考え方の訴求・普及に、同社も積極的に関与している。「写真店、ネット、さらにはアルバム大使による訴求など、写真業界全体を巻き込んで展開ができるよう尽力していきたい」と啓発に力を入れていく構えだ。
3つ目の重要課題は「チェキスクエアタイプのラインナップ強化による新規需要の開拓」。昨年5月に新製品「instax SQUARE SQ6」を発売。スクエアタイプの魅力訴求で、新規需要創造を推進した。11月からは、チェキ発売20周年を記念した新製品投入やキャンペーンを展開。SNSによるユーザーダイレクトプロモーションにも注力し、新規需要創造を推進する。
そして4つ目が「Xミラーレスカメラのユーザーダイレクト訴求によるブランド力向上とアフターサポートの体制強化」。Xシリーズでは「X-H1」「X-T100」「X-T3」の新製品を発売。GFXシリーズは、9月のフォトキナで中判カメラでありながら軽快にフィールドに持ち出せる新製品「GFX 50R」を発表。さらに、1億画素モデルの開発を宣言した。レンズはXFレンズ34本、GFレンズ11本を揃え、「2020年までに国内レンズ生産設備能力を1.7倍に増強する」と力を込めた。
加えて、フォトイメージングの領域ではないが、高まるBtoB市場の需要獲得がひとつの柱になっていると言及。「東京五輪に向けたディスプレイ需要やセキュリティ需要の高まり、働き方改革に伴うクラウド需要、業務アシストシステム需要の拡大で、BtoB分野の伸長が目覚ましい。すでに売上げの約4分の1を占めるまで伸長しており、さらに拡大を図る」と意気込みを示した。
2019年はお客様視点のビジネス拡大を推進
続いて2019年の取り組みについて説明。「お客様視点でのビジネス拡大の推進」を方針に、お客様との「共感」「憧れ」「信頼」をキーワードに掲げる。「共感」では、お客様が持ち歩いてみたい、欲しいと思える “コト提案” の訴求を徹底。次に「憧れ」では、お客様のニーズや想いをカタチにしたいと思える高品質・高機能な商品サービスによる “モノ提案” を実現。そして「信頼」では、お客様が安心して満足して楽しんでもらえる “サポート体制” を充実。「すべてのお客様の “楽しい!” を実現する、お客様視点のビジネス拡大を推進していく」と3つのキーワードでお客様視点を貫徹する。
フォトイメージング分野では、3つの課題に取り組む。1つ目は「プリント需要の創造と活性化」。「WALL DECORで芽が膨らんだ “飾る” 文化を、さらに大きく育て、需要を掘り起こしていきたい」と意気込む。フォトブックでは「PhotoZINE」の登場で気軽に贈る需要が増加。「プレゼント用途は即日性が求められ、店頭仕上げが可能なフォトブックの商品力をさらにアップする」と訴えた。50,000人の写真展、アルバムカフェ、ほめ写など、同社ならではのユーザーダイレクト施策でプリント需要を活性化。プリントの楽しみを広げていく。
2つ目は「インスタント需要層の掘り起こし」。リニューアルした新mini8+の店頭、雑誌、WEBでの訴求を一新して新たな購買層を開拓。ラインナップが揃ったスクエアタイプのユーザー認知度向上と体験強化により新規需要創造を図る。SNSを活用した楽しみ方提案にも力を入れる。
3つ目は「Xシリーズファンの拡大とロイヤリティー向上」。高画質と機動力のベストバランスを誇るAPS-Cの「Xシリーズ」、スーパーフルサイズで圧倒的な高画質を実現する「GFXシリーズ」、両輪の魅力をユーザーにダイレクトに訴える。「レンズを含めた当社デジタルカメラのラインナップをさらに充実させ、幅広いお客様が満足してもらえるような取り組みを行っていく。丸の内の富士フイルムイメージングプラザや全国各地で展開するXキャラバンでのアフターメンテナンスの充実、富士フイルムのWEBやSNSはもちろん、全国各地でのセミナーや撮影会でのユーザーへの情報発信、活用提案を積極的に行っていきたい」と顧客接点の一層の強化を訴えた。
「富士フイルムグループは、立ち止まらずに挑戦し続ける企業であることをお伝えするために、 “NEVER STOP” をメインメッセージとして掲げている。弊社も需要を創造し続けるため、2019年はユーザーとの共感と信頼を構築し、憧れを提案・提供することで、ユーザーの “もっと楽しい!” を実現し、イメージングビジネスの拡大を目指す。今回のフォトイメージングフェアはその序章」と語る西村社長。フェア開催を皮切りに、全力で市場を一段高みに引き上げていく。
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