公開日 2020/10/14 13:00
デュアルスロットなどユーザー不満を改善
ニコン、デュアルエンジン初採用のミラーレスカメラ「Z 7II/Z 6II」。連写/AFなどを強化
編集部:平山洸太
ニコンは、ミラーレスデジタル一眼カメラ「Z 7II」「Z6 II」を発表。Z 7IIを12月に、Z 6IIを11月6日に発売する。価格はいずれもオープンだが、Z 7IIは税込398,200円前後、Z 6IIは税込268,400円前後での実売が予想される。
9月29日に「Zは、新境地へ。」というメッセージで告知された製品が、ついに発表された格好だ。Zマウントシリーズの新たな章に入るモデルとして、Z 7/Z 6からスペックの向上や、ユーザーからの不満を改善したとしている。ラインナップはボディ単体のみ。Z 7/Z 6は併売するかたちとなる。
共通の特徴として、同社初のデュアルエンジンを採用。画像処理エンジン「EXPEED 6」を2基搭載することで、連写速度の向上や、動画機能を向上させている。
ユーザーからの不満を徹底的に解消させたという部分もポイントだ。Z 7/Z 6ではシングルだったメディアスロットを、SD UHS-II/CFexpressのデュアルスロットにするなど、細かい部分の改良も多数盛り込まれた。また縦位置での操作系を備えたバッテリーグリップ「MB-N11(税込48,950円/11月6日発売)」も用意する。
Z 7IIは有効4,575万画素のセンサーを採用し、感度はISO64 - 25600。ハイブリッドAFに対応し、測距は493点。AFの低照度限界は-3EVとなる。連写は最高10コマ/秒に対応し、連続撮影コマ数は約77枚(ロスレス圧縮12bit RAW)。
Z 6IIは有効2,450万画素で、感度はISO100 - 51200。ハイブリッドAFに対応し、測距は273点。AFの低照度限界は-4.5EVとなる。連写は最高14コマ/秒に対応し、連続撮影コマ数は約124枚(ロスレス圧縮12bit RAW)。
その他の基本仕様はZ 7II/Z 6IIで共通。デュアルエンジンで連写のクーリングタイムを短縮することで、断続して撮影するシーンでもスムーズに次の連写ができるようになったとのこと。つまりがないことで、よりストレスなく快適な撮影を行えるという。最長900秒の長時間露光や8Kタイムラプスにも対応する。
またAFアルゴリズムも見直しを実施。AFロスト時の動作改善が行われたほか、動画時の瞳AF(人物/動物)にも対応する。シャッター速度は最大1/8,000秒となり、イメージセンサーシフト方式の5軸ボディー内手ブレ補正も搭載する。
電子ビューファインダーは、既存モデルと同じく0.5型/約369万ドットのQuad-VGA OLED を採用。視野率は上下左右とも約100%、倍率約0.8倍となる。連写時のコマ間表示の見え方を改善。EVF/モニターの情報表示オフにも新たに対応する。
背面モニターは、約210万ドットのチルト式3.2型TFT液晶モニターを採用。液晶モニターのチルト時には、アイセンサーが自動でオフになるように改善。ウエストレベルで撮影する際に、意図せずEVFに切り替わることがなくなった。
動画では、Z 7IIが最大4K60P、Z6 IIが最大4K30P記録に対応する。スロー撮影はフルHD/120pに対応。N-Log動画出力や、HLG(HDR)動画出力に対応する。またピクチャーコントロール「フラット」も用意し、色々なニーズに答えられるソリューションを提供できるとのこと。2021年2月には、4K60P Blackmagic RAW対応の有料ファームウェアも提供予定だ。
細かい部分にも改善が行われ、画像編集のトリミングがピンチイン・ピンチアウトでできるように。またフォーカスリングのリバース設定や、電源オフ時にもピント位置を保持する設定「フォーカス位置の記憶」も用意する。
またデュアルエンジンに特化した電源設計により、連続撮影枚数や発熱にも配慮。またバッテリーは従来から容量が向上した「EN-EL15c」を採用し、Z 7IIで最大330枚、Z6IIで最大340枚の撮影が行える。省電力モードも追加した。
バッテリーグリップ「MB-N11」では、撮影枚数を約1.9倍に拡大可能。撮影を中断せずにバッテリー交換できるホットスワップに対応する。USB Type-C端子を備え、グリップから給電、カメラ本体からデータ転送といった使い方も可能だ。
インターフェースとしてUSB Type-C、HDMI端子(Type-C)、外部マイク入力(ステレオミニジャックφ3.5)、ヘッドホン出力(ステレオミニジャックφ3.5)を搭載。外形寸法は2機種とも134W×100.5H×69.5Dmmで、質量は705g(バッテリー・メディア含む)。
■実機をハンズオン。細かい部分にも改良点多数
発表に際して実機を触ることができたので、ハンズオンを軽くお届けしたい。
まず外観はZ 6/Z 7と同じように見えるが、細かい部分に変更が加えられている。具体的には、正面ロゴの部分の形状が変更。握った際に親指に位置するコマンドダイヤルの刻みが細かくなり、より指が引っかかるようになった。
さらにグリップもやや深くなった。デュアルエンジンによって連写性能を強化したこともあり、重い望遠レンズの使用もより意識しているのだろう。Z 6などは握った際、記者の手ではボディに爪が当たってしまったが、新モデルでは当たりにくい。
個人的に特に嬉しいポイントは、デュアルスロットの採用だ。高速で信頼性の高いCFexpressカードと、汎用性が高く安価なSDメモリーカードの両方を使用できる。バックアップ記録などにも対応するので、万が一のカード故障でもデータが守れるので安心感が高い。
ファインダーはこれまで同様に快適だ。スペックの数値こそ約369万ドットと、最近のハイエンドモデルの中で尖ったスペックではないが、ピントの山まで見やすく自然な見え方。カタログスペックに現れない使い心地の良さがZシリーズの魅力でもある。新しく情報表示のオフに対応するので、構図を追い込むときにも役立ちそうだ。
Z 6IIでは最高14コマ/秒と連写が高速なこともあり、連写時のEVFも見やすくなった。一眼レフとは違い、コマ間のブラックアウトが無いので快適。高速なパラパラ漫画のような見え方ではあるが、動いている被写体が追いやすい。
また、たとえば水準器の形がこれまでは台形だったが、2本線に変更されているなど、使わないとわからない部分にも手が加えられている。少し使っただけでは分かりにくいような改善点も多く、しばらく使うとその良さに気づくことも多そうだ。ぜひ1度手にとって体験してみてほしい。
9月29日に「Zは、新境地へ。」というメッセージで告知された製品が、ついに発表された格好だ。Zマウントシリーズの新たな章に入るモデルとして、Z 7/Z 6からスペックの向上や、ユーザーからの不満を改善したとしている。ラインナップはボディ単体のみ。Z 7/Z 6は併売するかたちとなる。
共通の特徴として、同社初のデュアルエンジンを採用。画像処理エンジン「EXPEED 6」を2基搭載することで、連写速度の向上や、動画機能を向上させている。
ユーザーからの不満を徹底的に解消させたという部分もポイントだ。Z 7/Z 6ではシングルだったメディアスロットを、SD UHS-II/CFexpressのデュアルスロットにするなど、細かい部分の改良も多数盛り込まれた。また縦位置での操作系を備えたバッテリーグリップ「MB-N11(税込48,950円/11月6日発売)」も用意する。
Z 7IIは有効4,575万画素のセンサーを採用し、感度はISO64 - 25600。ハイブリッドAFに対応し、測距は493点。AFの低照度限界は-3EVとなる。連写は最高10コマ/秒に対応し、連続撮影コマ数は約77枚(ロスレス圧縮12bit RAW)。
Z 6IIは有効2,450万画素で、感度はISO100 - 51200。ハイブリッドAFに対応し、測距は273点。AFの低照度限界は-4.5EVとなる。連写は最高14コマ/秒に対応し、連続撮影コマ数は約124枚(ロスレス圧縮12bit RAW)。
その他の基本仕様はZ 7II/Z 6IIで共通。デュアルエンジンで連写のクーリングタイムを短縮することで、断続して撮影するシーンでもスムーズに次の連写ができるようになったとのこと。つまりがないことで、よりストレスなく快適な撮影を行えるという。最長900秒の長時間露光や8Kタイムラプスにも対応する。
またAFアルゴリズムも見直しを実施。AFロスト時の動作改善が行われたほか、動画時の瞳AF(人物/動物)にも対応する。シャッター速度は最大1/8,000秒となり、イメージセンサーシフト方式の5軸ボディー内手ブレ補正も搭載する。
電子ビューファインダーは、既存モデルと同じく0.5型/約369万ドットのQuad-VGA OLED を採用。視野率は上下左右とも約100%、倍率約0.8倍となる。連写時のコマ間表示の見え方を改善。EVF/モニターの情報表示オフにも新たに対応する。
背面モニターは、約210万ドットのチルト式3.2型TFT液晶モニターを採用。液晶モニターのチルト時には、アイセンサーが自動でオフになるように改善。ウエストレベルで撮影する際に、意図せずEVFに切り替わることがなくなった。
動画では、Z 7IIが最大4K60P、Z6 IIが最大4K30P記録に対応する。スロー撮影はフルHD/120pに対応。N-Log動画出力や、HLG(HDR)動画出力に対応する。またピクチャーコントロール「フラット」も用意し、色々なニーズに答えられるソリューションを提供できるとのこと。2021年2月には、4K60P Blackmagic RAW対応の有料ファームウェアも提供予定だ。
細かい部分にも改善が行われ、画像編集のトリミングがピンチイン・ピンチアウトでできるように。またフォーカスリングのリバース設定や、電源オフ時にもピント位置を保持する設定「フォーカス位置の記憶」も用意する。
またデュアルエンジンに特化した電源設計により、連続撮影枚数や発熱にも配慮。またバッテリーは従来から容量が向上した「EN-EL15c」を採用し、Z 7IIで最大330枚、Z6IIで最大340枚の撮影が行える。省電力モードも追加した。
バッテリーグリップ「MB-N11」では、撮影枚数を約1.9倍に拡大可能。撮影を中断せずにバッテリー交換できるホットスワップに対応する。USB Type-C端子を備え、グリップから給電、カメラ本体からデータ転送といった使い方も可能だ。
インターフェースとしてUSB Type-C、HDMI端子(Type-C)、外部マイク入力(ステレオミニジャックφ3.5)、ヘッドホン出力(ステレオミニジャックφ3.5)を搭載。外形寸法は2機種とも134W×100.5H×69.5Dmmで、質量は705g(バッテリー・メディア含む)。
■実機をハンズオン。細かい部分にも改良点多数
発表に際して実機を触ることができたので、ハンズオンを軽くお届けしたい。
まず外観はZ 6/Z 7と同じように見えるが、細かい部分に変更が加えられている。具体的には、正面ロゴの部分の形状が変更。握った際に親指に位置するコマンドダイヤルの刻みが細かくなり、より指が引っかかるようになった。
さらにグリップもやや深くなった。デュアルエンジンによって連写性能を強化したこともあり、重い望遠レンズの使用もより意識しているのだろう。Z 6などは握った際、記者の手ではボディに爪が当たってしまったが、新モデルでは当たりにくい。
個人的に特に嬉しいポイントは、デュアルスロットの採用だ。高速で信頼性の高いCFexpressカードと、汎用性が高く安価なSDメモリーカードの両方を使用できる。バックアップ記録などにも対応するので、万が一のカード故障でもデータが守れるので安心感が高い。
ファインダーはこれまで同様に快適だ。スペックの数値こそ約369万ドットと、最近のハイエンドモデルの中で尖ったスペックではないが、ピントの山まで見やすく自然な見え方。カタログスペックに現れない使い心地の良さがZシリーズの魅力でもある。新しく情報表示のオフに対応するので、構図を追い込むときにも役立ちそうだ。
Z 6IIでは最高14コマ/秒と連写が高速なこともあり、連写時のEVFも見やすくなった。一眼レフとは違い、コマ間のブラックアウトが無いので快適。高速なパラパラ漫画のような見え方ではあるが、動いている被写体が追いやすい。
また、たとえば水準器の形がこれまでは台形だったが、2本線に変更されているなど、使わないとわからない部分にも手が加えられている。少し使っただけでは分かりにくいような改善点も多く、しばらく使うとその良さに気づくことも多そうだ。ぜひ1度手にとって体験してみてほしい。