公開日 2022/10/11 12:14
富士フイルムイメージングシステムズは、「2023年富士フイルムの年賀状概要発表会」を開催した。冒頭に登壇した代表取締役社長・松本考司氏が、2022年度上半期の写真・カメラ業界を取り巻く市場環境と同社の取り組みについて説明を行った。
“withコロナ”の生活が日常となり、イベントの復活や旅行・ハレの日の写真の回復で写真プリント需要も勢いを取り戻しつつあるという。同社では「写真啓蒙活動」「デジタルカメラXシリーズ」「instax“チェキ”」において新しい写真価値の創造へ向けたチャレンジを展開。松本社長は「エンドユーザーの変化に対応した価値提案が実を結びつつある」と手応えを訴えた。
写真啓蒙活動では、「プリントデイズ by FUJICOLOR」をキャッチコピーに掲げ、写真に囲まれた楽しい毎日を提案する新プロモーションを広瀬すずさんを起用したテレビCMを中心に今春よりスタートしている。
「趣味嗜好が多様化する時代に皆さんの興味や関心は被写体を中心に分かれている。ここをしっかりさせることが大事」と指摘する。被写体を入り口としたアプローチとして、風景や旅など12の被写体をクローズアップするとともに、それらを生活のなかでのシーン提案と掛け合わせることで、日々の暮らしのなかで写真を通じてどう楽しめるのかを想起させるモノ・コト提案で写真プリントの魅力をぐんと身近に引き寄せる。
ターゲットユーザーとして設定したのはプリント未経験層とプリントレス層だ。認知して興味を持ってもらうための施策として、シーズンや行事を想起させるWEBドラマ企画「今日からプリントデイズ」やZ世代を意識したTikTokクリエイターによる楽しみ方提案、さらに各種SNSでも継続的に発信を行う。
その成果が表れており、「SNSでも大きな反響を獲得しており、8月末までの潜在層へ向けたリーチ数は935万に到達している。特にユーザー自身が自らの体験を投稿する“UGC”への反響が多い」と説明する。プリントデイズでアピールする各商品の8月の対前年比売上げもフォトブック110%、ウォールデコ130%、フォトグッズ105%、ハーフサイズ140%と大きく伸長。「“被写体の入り口”としてはペットと旅行が高い伸びを示している。ユーザーに響く被写体へのアプローチと提案との組み合わせにより、新しい需要をこれからも増やしていきたい」と訴えた。
一方、発売10周年を迎えたデジタルカメラXシリーズでは、「フル領域でXシリーズを展開し、ユーザーの期待にさらに応えていきたい」と、これまでやや手薄だった高速・高機動性が要求される領域に、第5世代の画像センサーと画像処理エンジンを搭載した「X-H2S/X-H2」を投入した。好調な立ち上がりとなったX-H2Sに続き、9月14日に予約を開始したX-H2も想定以上の注文となり、商品のお届けに時間がかかる状況だという。
富士フイルムの持つ最高の銀塩プリント技術を活かし、プレミアムプリントを中心とした銀塩プリントのソリューションやパネル加工など、お客様の作品や思いをカタチにするXシリーズとプリンティングを組み合わせた提案を強化。今秋、さらに来春へとパワーアップしていく構えだ。
Instax“チェキ”では、毎年新しい価値を備えたチェキカメラの新商品を発表して話題を集めている。2020年度はコロナの影響で売上げが落ち込んだが、その後急速に回復。2021年度はコロナ前の2019年度の実績を上回り、2022年度はさらに対前年比130%の伸長を予測。チェキプリンターも同じく対前年比150%を予測する。
「クリエイティビティを刺激することで、今、新しいプリント画像保存機能を使い、チェキでプリントした画像データをスマホからSNSにアップする、われわれが想定していなかった新しい楽しみ方が拡がっている」と新たなトレンドを巻き起こしている。
年末へ向けて主役を担うのは、多彩なエフェクトを自在に組み合わせられるハイブリッドインスタントカメラ「instax minni Evo」、そして、空間にARエフェクトで絵や文字を描く新機能を備えたスマホプリンター「instax mini Link 2」。両モデルに共通するキーワードでもある“クリエイティビティ”の提案で、ユーザーの購買意欲、プリント意欲をさらに刺激していく。
最後に今年の年賀状について触れた松本社長は「マスクのない笑顔を写真で届けることで、2023年もよい年にしていただきたい。今年は『写真で想いを届けよう!』をキャッチコピーに、オリジナリティや想いが溢れる年賀状をもっとカンタン・便利に提供していきたい。今年たくさん撮った想いのこもった写真のなかから、いかに自身の感性を表現し、自分自身と受け取る人に喜んでもらうか。写真年賀状にプラスαの価値を加えて展開していく」と力を込めた。
ユーザー変化に対応した写真プリントの価値提案に手応え
「Xシリーズ」「チェキ」が好調。富士フイルムイメージングシステムズ・松本社長が語る販売戦略
PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純■SNSで大きな反響。主力写真商品が大きく伸長
富士フイルムイメージングシステムズは、「2023年富士フイルムの年賀状概要発表会」を開催した。冒頭に登壇した代表取締役社長・松本考司氏が、2022年度上半期の写真・カメラ業界を取り巻く市場環境と同社の取り組みについて説明を行った。
“withコロナ”の生活が日常となり、イベントの復活や旅行・ハレの日の写真の回復で写真プリント需要も勢いを取り戻しつつあるという。同社では「写真啓蒙活動」「デジタルカメラXシリーズ」「instax“チェキ”」において新しい写真価値の創造へ向けたチャレンジを展開。松本社長は「エンドユーザーの変化に対応した価値提案が実を結びつつある」と手応えを訴えた。
写真啓蒙活動では、「プリントデイズ by FUJICOLOR」をキャッチコピーに掲げ、写真に囲まれた楽しい毎日を提案する新プロモーションを広瀬すずさんを起用したテレビCMを中心に今春よりスタートしている。
「趣味嗜好が多様化する時代に皆さんの興味や関心は被写体を中心に分かれている。ここをしっかりさせることが大事」と指摘する。被写体を入り口としたアプローチとして、風景や旅など12の被写体をクローズアップするとともに、それらを生活のなかでのシーン提案と掛け合わせることで、日々の暮らしのなかで写真を通じてどう楽しめるのかを想起させるモノ・コト提案で写真プリントの魅力をぐんと身近に引き寄せる。
ターゲットユーザーとして設定したのはプリント未経験層とプリントレス層だ。認知して興味を持ってもらうための施策として、シーズンや行事を想起させるWEBドラマ企画「今日からプリントデイズ」やZ世代を意識したTikTokクリエイターによる楽しみ方提案、さらに各種SNSでも継続的に発信を行う。
その成果が表れており、「SNSでも大きな反響を獲得しており、8月末までの潜在層へ向けたリーチ数は935万に到達している。特にユーザー自身が自らの体験を投稿する“UGC”への反響が多い」と説明する。プリントデイズでアピールする各商品の8月の対前年比売上げもフォトブック110%、ウォールデコ130%、フォトグッズ105%、ハーフサイズ140%と大きく伸長。「“被写体の入り口”としてはペットと旅行が高い伸びを示している。ユーザーに響く被写体へのアプローチと提案との組み合わせにより、新しい需要をこれからも増やしていきたい」と訴えた。
■「X-H2S」に続き「X-H2」にも想定上回る予約
一方、発売10周年を迎えたデジタルカメラXシリーズでは、「フル領域でXシリーズを展開し、ユーザーの期待にさらに応えていきたい」と、これまでやや手薄だった高速・高機動性が要求される領域に、第5世代の画像センサーと画像処理エンジンを搭載した「X-H2S/X-H2」を投入した。好調な立ち上がりとなったX-H2Sに続き、9月14日に予約を開始したX-H2も想定以上の注文となり、商品のお届けに時間がかかる状況だという。
富士フイルムの持つ最高の銀塩プリント技術を活かし、プレミアムプリントを中心とした銀塩プリントのソリューションやパネル加工など、お客様の作品や思いをカタチにするXシリーズとプリンティングを組み合わせた提案を強化。今秋、さらに来春へとパワーアップしていく構えだ。
Instax“チェキ”では、毎年新しい価値を備えたチェキカメラの新商品を発表して話題を集めている。2020年度はコロナの影響で売上げが落ち込んだが、その後急速に回復。2021年度はコロナ前の2019年度の実績を上回り、2022年度はさらに対前年比130%の伸長を予測。チェキプリンターも同じく対前年比150%を予測する。
「クリエイティビティを刺激することで、今、新しいプリント画像保存機能を使い、チェキでプリントした画像データをスマホからSNSにアップする、われわれが想定していなかった新しい楽しみ方が拡がっている」と新たなトレンドを巻き起こしている。
年末へ向けて主役を担うのは、多彩なエフェクトを自在に組み合わせられるハイブリッドインスタントカメラ「instax minni Evo」、そして、空間にARエフェクトで絵や文字を描く新機能を備えたスマホプリンター「instax mini Link 2」。両モデルに共通するキーワードでもある“クリエイティビティ”の提案で、ユーザーの購買意欲、プリント意欲をさらに刺激していく。
最後に今年の年賀状について触れた松本社長は「マスクのない笑顔を写真で届けることで、2023年もよい年にしていただきたい。今年は『写真で想いを届けよう!』をキャッチコピーに、オリジナリティや想いが溢れる年賀状をもっとカンタン・便利に提供していきたい。今年たくさん撮った想いのこもった写真のなかから、いかに自身の感性を表現し、自分自身と受け取る人に喜んでもらうか。写真年賀状にプラスαの価値を加えて展開していく」と力を込めた。
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