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公開日 2022/10/11 18:06
ターミネーター化は避けたい
「ロボットを兵器化しない」。公開書簡に署名、ボストン・ダイナミクスなど6社
Munenori Taniguchi
ボストン・ダイナミクスを筆頭とするロボット開発企業6社が、開発するロボットを兵器のプラットフォームに転用しないことを宣誓する公開書簡に署名し、公開した。
近年はロボットによるデリバリーが始まったり、イーロン・マスク氏の電気自動車メーカーのテスラがヒューマノイドロボットを開発するなど、そろそろ汎用ロボットが人の仕事を肩代わりする時代が訪れようとしている。しかし、ロボットがありふれたものになるにつれ、「平和的でない目的に流用されるのでは」との懸念も出はじめている。
自律動作するロボット兵器は、昔からSFの世界ではよく見かけるものだが、最近はそれが実現可能な段階にまでロボット開発が高度化しつつある。昨年10月にはGhost Roboticsなる企業により、ボストン・ダイナミクスのSpotに似た四脚ロボットの背中にライフル銃を搭載した「Vision 60」が公開されたり、今年には、やはりアサルトライフルを装備した四脚ロボットが射撃場で発砲する動画がSNSをざわつかせた。
このようなロボットは、今はまだネットやSNSで見かけて、その絵面的な部分にツッコミを入れる程度の話で終わっている。しかしこのまま開発が進んでいけば、いつか痛みを感じず、死も恐れないロボットが大量に進軍するという、恐ろしい時代もやって来るかもしれない。すでに人工知能開発分野のリーダーたちは、AIを搭載する機械の開発を禁止するよう国連に請願し、さらに多くの企業や組織がこの運動に名を連ねている。
今回は人工知能と同じような懸念がロボット分野でも拡がりつつあり、ボストン・ダイナミクスをはじめ、Agility Robotics、ANYbotics、Clearpath Robotics、Open Robotics、Unitree Roboticsの6社が公開書簡に署名、「われわれは遠隔操作または自律的に動作し、広く一般に利用可能で、人々が生活し働く以前はアクセスできなかった場所に移動できるロボットに武器を追加することは、新たな被害リスクと深刻な倫理問題を引き起こすと考える」「これらの新しい能力を持ったロボットの、武器化されたアプリケーションは、社会にもたらす多大な利益を損ない、さらに技術に対する国民の信頼を損なうことにもなる」との内容の書簡を公開した。
さらに6社は、上記Ghost RoboticsのVision 60に触れつつ、「2016年にダラスで発生した、爆弾処理ロボットに爆薬を抱えさせ、犯人を爆殺するのに使った事例など、本来の目的でなく殺傷のためにロボットを使うことに対する社会的不安が高まっている」と述べている。そのため、6社は「われわれの汎用ロボットや、高度な動作が可能なロボットのソフトウェアを改変して武器化することを認めず、第三者による改造も認めない」とし、政策立案者や政策立案者やユーザーに対して、ロボットの安全な使用を推進するよう呼びかけている。
そして「われわれはこれらの技術が人々にもたらす恩恵のほうが、ロボットを兵器化するリスクを大きく上回ると信じている」と説明。「国家や政府が自国を守り、法を守るために使っている既存技術に異議を唱えているわけではない」と述べ「人間とロボットが肩を並べて社会の問題解決に取り組む、明るい未来に期待している」と締めくくった。
ちなみにボストン・ダイナミクスは、かつて米国防高等研究計画局(DARPA)から資金得て、戦地で物資を運搬するための四脚ロボット「BigDog」を開発していたのを覚えている人もいるだろう。結果的には、長時間運用を考えてエンジン動力を採用したところ、騒音が大きくなってしまい、正式に軍に採用されることはなかった。
Source: Boston Dynamics(1), (2)
via: The Verge, Engadget, Ars Technica
近年はロボットによるデリバリーが始まったり、イーロン・マスク氏の電気自動車メーカーのテスラがヒューマノイドロボットを開発するなど、そろそろ汎用ロボットが人の仕事を肩代わりする時代が訪れようとしている。しかし、ロボットがありふれたものになるにつれ、「平和的でない目的に流用されるのでは」との懸念も出はじめている。
自律動作するロボット兵器は、昔からSFの世界ではよく見かけるものだが、最近はそれが実現可能な段階にまでロボット開発が高度化しつつある。昨年10月にはGhost Roboticsなる企業により、ボストン・ダイナミクスのSpotに似た四脚ロボットの背中にライフル銃を搭載した「Vision 60」が公開されたり、今年には、やはりアサルトライフルを装備した四脚ロボットが射撃場で発砲する動画がSNSをざわつかせた。
このようなロボットは、今はまだネットやSNSで見かけて、その絵面的な部分にツッコミを入れる程度の話で終わっている。しかしこのまま開発が進んでいけば、いつか痛みを感じず、死も恐れないロボットが大量に進軍するという、恐ろしい時代もやって来るかもしれない。すでに人工知能開発分野のリーダーたちは、AIを搭載する機械の開発を禁止するよう国連に請願し、さらに多くの企業や組織がこの運動に名を連ねている。
今回は人工知能と同じような懸念がロボット分野でも拡がりつつあり、ボストン・ダイナミクスをはじめ、Agility Robotics、ANYbotics、Clearpath Robotics、Open Robotics、Unitree Roboticsの6社が公開書簡に署名、「われわれは遠隔操作または自律的に動作し、広く一般に利用可能で、人々が生活し働く以前はアクセスできなかった場所に移動できるロボットに武器を追加することは、新たな被害リスクと深刻な倫理問題を引き起こすと考える」「これらの新しい能力を持ったロボットの、武器化されたアプリケーションは、社会にもたらす多大な利益を損ない、さらに技術に対する国民の信頼を損なうことにもなる」との内容の書簡を公開した。
さらに6社は、上記Ghost RoboticsのVision 60に触れつつ、「2016年にダラスで発生した、爆弾処理ロボットに爆薬を抱えさせ、犯人を爆殺するのに使った事例など、本来の目的でなく殺傷のためにロボットを使うことに対する社会的不安が高まっている」と述べている。そのため、6社は「われわれの汎用ロボットや、高度な動作が可能なロボットのソフトウェアを改変して武器化することを認めず、第三者による改造も認めない」とし、政策立案者や政策立案者やユーザーに対して、ロボットの安全な使用を推進するよう呼びかけている。
そして「われわれはこれらの技術が人々にもたらす恩恵のほうが、ロボットを兵器化するリスクを大きく上回ると信じている」と説明。「国家や政府が自国を守り、法を守るために使っている既存技術に異議を唱えているわけではない」と述べ「人間とロボットが肩を並べて社会の問題解決に取り組む、明るい未来に期待している」と締めくくった。
ちなみにボストン・ダイナミクスは、かつて米国防高等研究計画局(DARPA)から資金得て、戦地で物資を運搬するための四脚ロボット「BigDog」を開発していたのを覚えている人もいるだろう。結果的には、長時間運用を考えてエンジン動力を採用したところ、騒音が大きくなってしまい、正式に軍に採用されることはなかった。
Source: Boston Dynamics(1), (2)
via: The Verge, Engadget, Ars Technica
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