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公開日 2022/10/18 18:32
ロボカップサッカーに出場しませんか
MITが開発したロボットキーパー、阻止率は驚異の87.5%。プロと戦う日も近い?
Munenori Taniguchi
一説には、イングランド・プレミアリーグのトップレベルのゴールキーパーは、ゴールネットめがけて飛んでくるシュートを8割方阻止できる能力があるとも言われているが、MITが開発した機敏な4脚ロボットMini Cheetahには、その素質が備わっているようだ。
カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが行った実験では、この小柄なロボットは放たれたシュートのうち87.5%をセービングし、意地でもゴールを割らせない鉄壁の守備を見せた…とは言っても、ロボットの体格のせいか、ゴールはサッカーをはじめたばかりの子どもたちが練習に使うようなサイズのものであり、キッカーもやっぱり子どもだったりして、数字は比較になるものではないのだが。
それでも動画を見てみれば、そのロボットのダイナミックな動き、そして脚や肩を使ってボールとゴールの間に身体をねじ込み、得点を阻止する様には、きっと感銘を覚えてもらえるはずだ。
ロボットが高速で動くボールを検知し、ゴールに入らないよう自らの身体で弾き返す動作をさせるのは、技術的に難しい問題だ。ロボットは自身をダイナミックに動かしながら、ボールの位置と向かっている方向を予測し、それがゴールの枠内であればブロックすべく、必要な位置に自ら移動しなければならない。しかも、ボールがゴールに到達するまでには、ほんの1秒前後の時間しかない。
MITのチームは、この問題を解決すべく研究した結果、サイドステップ、ゴール隅へのボールを弾くダイビング、ゴール上部の隅をカバーするジャンプといった、GKに求められる技術をMini Cheetahに体得させるというストレートな解決策が最適と考えた。
そしてその動作をまず手動でプログラムに仕上げ、計算期内のシミュレーションを使ってAIに技の練度を上げさせ、最終的にそれをMini Cheetahが搭載するコンピューターに流し込んだ。これらの技はすべて実行後に体勢をリカバリーしてしっかり着地し、すぐに次の動作に移れるよう考慮されている。また動作はエネルギー効率が良くなるよう、つまりムダのない動きでこなせるように工夫された。
その結果が前述の87.5%というセービング率になっている。もちろん上で述べたように、ゴールの大きさやキッカーの足さばきの違いはあるものの、この研究のアプローチをより高いレベルになるよう鍛え上げていけば、そう遠くない将来、ロボットサッカープレイヤーがプロ選手と良い勝負が出来るようになる可能性もあるかもしれない。
サッカーを科学的に説明すれば、ボールの位置と移動先を予測し、そのルートに自分の身体の一部が入るよう移動し、目標とする方向に弾き返す動作を連鎖的に行っていくものだ。プロ選手にはこれを高速かつ高いレベルで行う能力があるのだ。研究者らは、Mini Cheetahにゴールキーパーをさせることで得た手法は、マルチスキルなキックなど他のシナリオにも拡張していくことが可能だとしている。
Source: arXiv, Hybrid Robotics(YouTube)
カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが行った実験では、この小柄なロボットは放たれたシュートのうち87.5%をセービングし、意地でもゴールを割らせない鉄壁の守備を見せた…とは言っても、ロボットの体格のせいか、ゴールはサッカーをはじめたばかりの子どもたちが練習に使うようなサイズのものであり、キッカーもやっぱり子どもだったりして、数字は比較になるものではないのだが。
それでも動画を見てみれば、そのロボットのダイナミックな動き、そして脚や肩を使ってボールとゴールの間に身体をねじ込み、得点を阻止する様には、きっと感銘を覚えてもらえるはずだ。
ロボットが高速で動くボールを検知し、ゴールに入らないよう自らの身体で弾き返す動作をさせるのは、技術的に難しい問題だ。ロボットは自身をダイナミックに動かしながら、ボールの位置と向かっている方向を予測し、それがゴールの枠内であればブロックすべく、必要な位置に自ら移動しなければならない。しかも、ボールがゴールに到達するまでには、ほんの1秒前後の時間しかない。
MITのチームは、この問題を解決すべく研究した結果、サイドステップ、ゴール隅へのボールを弾くダイビング、ゴール上部の隅をカバーするジャンプといった、GKに求められる技術をMini Cheetahに体得させるというストレートな解決策が最適と考えた。
そしてその動作をまず手動でプログラムに仕上げ、計算期内のシミュレーションを使ってAIに技の練度を上げさせ、最終的にそれをMini Cheetahが搭載するコンピューターに流し込んだ。これらの技はすべて実行後に体勢をリカバリーしてしっかり着地し、すぐに次の動作に移れるよう考慮されている。また動作はエネルギー効率が良くなるよう、つまりムダのない動きでこなせるように工夫された。
その結果が前述の87.5%というセービング率になっている。もちろん上で述べたように、ゴールの大きさやキッカーの足さばきの違いはあるものの、この研究のアプローチをより高いレベルになるよう鍛え上げていけば、そう遠くない将来、ロボットサッカープレイヤーがプロ選手と良い勝負が出来るようになる可能性もあるかもしれない。
サッカーを科学的に説明すれば、ボールの位置と移動先を予測し、そのルートに自分の身体の一部が入るよう移動し、目標とする方向に弾き返す動作を連鎖的に行っていくものだ。プロ選手にはこれを高速かつ高いレベルで行う能力があるのだ。研究者らは、Mini Cheetahにゴールキーパーをさせることで得た手法は、マルチスキルなキックなど他のシナリオにも拡張していくことが可能だとしている。
Source: arXiv, Hybrid Robotics(YouTube)
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