ニュース
HOME > ニュース > Gadgetニュース
公開日 2022/10/28 16:03
写真には映らない美しさがあるから的な
Google、独自開発チップのベンチマークが劣っていても「全く問題ない」
多根清史
Googleの新型スマートフォン「Pixel 7」および「Pixel 7 Pro」には、同社の独自開発チップ「Tensor G2」チップが搭載されている。本チップは現行のAnTuTuベンチマークでは、クアルコム製のSnapdragon 888やアップルのA15 Bionicといった古めのSoCにも及ばないことが明らかにされていた。
この結果をGoogleの開発者らは認めつつも、これらベンチマークアプリは「古典的」で時代に即しておらず、ユーザー体験を改善する上で「全く問題ない」と述べていると伝えられている。
今回の発言は、Googleの公式ポッドキャスト番組「Made by Google Podcast」にて、Google Silicon Teamsのプロダクトマネジメント担当シニアディレクターであるMonika Gupta氏が語ったことだ。
Gupta氏はTensor G2チップに関して「(Googleが)5年後に必要とするものに重点を置いている」としている。あくまで機械学習の全体がどこにあるかではなく、「ソフトウェアチームが5年後のユーザー体験をどこに持っていきたいか」を知った上で開発を進めているという。
これは社内でチップ開発をしている利点であり、トレードオフ(どれを採用し、どれを切るか)の判断は非常に難しいものの、「垂直統合」によって少しは楽になると思っているとのことだ。この垂直統合とは、アップルのようにiOSソフトウェアとiPhoneのハードウェアをともに社内で開発していることを指しているようだ。
その一方で、Tensorチームのベンチマークに対する姿勢も説明されている。すなわち「古典的なベンチマークは、ある時期には目的を果たしたと思うが、それ以降は業界は進化してきたと思う」とのことだ。
さらにGupta氏は、ベンチマークが「ある種の物語を語っているかもしれないが、完全な物語を語っているとは思えない。我々がベンチマークの対象とするのは、自社チップで実行する本物のソフトウェアでの負荷だ。そしてTensorチップの世代ごとに品質、性能、消費電力の削減など、より良いものになるように努力している」と述べている。
そう説明した上で、Googleとしてはチップから生じるエンドユーザー体験を優先するため、ベンチマークで勝てなかったり、見劣りしたりしても「全く問題ない」と結論づけている。実際、Pixel 6とPixel 7では素晴らしいイノベーションを見ることができたし、その多くはPixelで初登場したものばかりであり、そうしたアプローチに「とても満足」しているそうだ。
そして今後の独自開発チップのロードマップについて尋ねられると、Guputa氏は最終的なゴールが「Tensorがアンビエントコンピューティングをサポートすること」だと、昨年の主張を再び繰り返している。
アンビエントコンピューティングとは「技術がユーザーの生活をより快適にする」ことを意味するという。たとえば写真撮影を簡単にしたり、電話をかけたり、日常的な作業を簡単にしたりといったものだ。
たしかに毎年のPixelスマートフォンには、これまでのベンチマークアプリでは測れない新たな体験が実装されている。Pixelユーザーもあまりベンチマークに言及しない印象があるが、写り込んだ通行人や邪魔な物体を手軽に消せる「消しゴムマジック」など、数値に換算できない体験に満足しているのかもしれない。
Source: Made by Google
via: 9to5Google
この結果をGoogleの開発者らは認めつつも、これらベンチマークアプリは「古典的」で時代に即しておらず、ユーザー体験を改善する上で「全く問題ない」と述べていると伝えられている。
今回の発言は、Googleの公式ポッドキャスト番組「Made by Google Podcast」にて、Google Silicon Teamsのプロダクトマネジメント担当シニアディレクターであるMonika Gupta氏が語ったことだ。
Gupta氏はTensor G2チップに関して「(Googleが)5年後に必要とするものに重点を置いている」としている。あくまで機械学習の全体がどこにあるかではなく、「ソフトウェアチームが5年後のユーザー体験をどこに持っていきたいか」を知った上で開発を進めているという。
これは社内でチップ開発をしている利点であり、トレードオフ(どれを採用し、どれを切るか)の判断は非常に難しいものの、「垂直統合」によって少しは楽になると思っているとのことだ。この垂直統合とは、アップルのようにiOSソフトウェアとiPhoneのハードウェアをともに社内で開発していることを指しているようだ。
その一方で、Tensorチームのベンチマークに対する姿勢も説明されている。すなわち「古典的なベンチマークは、ある時期には目的を果たしたと思うが、それ以降は業界は進化してきたと思う」とのことだ。
さらにGupta氏は、ベンチマークが「ある種の物語を語っているかもしれないが、完全な物語を語っているとは思えない。我々がベンチマークの対象とするのは、自社チップで実行する本物のソフトウェアでの負荷だ。そしてTensorチップの世代ごとに品質、性能、消費電力の削減など、より良いものになるように努力している」と述べている。
そう説明した上で、Googleとしてはチップから生じるエンドユーザー体験を優先するため、ベンチマークで勝てなかったり、見劣りしたりしても「全く問題ない」と結論づけている。実際、Pixel 6とPixel 7では素晴らしいイノベーションを見ることができたし、その多くはPixelで初登場したものばかりであり、そうしたアプローチに「とても満足」しているそうだ。
そして今後の独自開発チップのロードマップについて尋ねられると、Guputa氏は最終的なゴールが「Tensorがアンビエントコンピューティングをサポートすること」だと、昨年の主張を再び繰り返している。
アンビエントコンピューティングとは「技術がユーザーの生活をより快適にする」ことを意味するという。たとえば写真撮影を簡単にしたり、電話をかけたり、日常的な作業を簡単にしたりといったものだ。
たしかに毎年のPixelスマートフォンには、これまでのベンチマークアプリでは測れない新たな体験が実装されている。Pixelユーザーもあまりベンチマークに言及しない印象があるが、写り込んだ通行人や邪魔な物体を手軽に消せる「消しゴムマジック」など、数値に換算できない体験に満足しているのかもしれない。
Source: Made by Google
via: 9to5Google
- トピック
- Gadget Gate