トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > Gadgetニュース

公開日 2022/11/18 17:48
任天堂の純正品のような美しさ

ゲームボーイポケットを折りたたみに改造。USB-C搭載、画面はモノクロ

多根清史
最近はiPhoneを折りたたみ式に改造する猛者もいたが、はるか昔のモノクロ携帯ゲーム機・ゲームボーイポケット(1996年発売/以下「GBP」)を折りたためるように転生させた趣味人が現れた。

この「ゲームボーイポケットSP」は、ニューヨーク大学の芸術学部助教授、アリソン・パリッシュ(Allison Parrish)氏による作品である。彼女はこの着想を、後のゲームボーイアドバンスSP(2003年発売/以下「GBASP」)から得たそうだ。

パリッシュ氏の改造は、冗談のようなことから始まったという。今でもゲームボーイの改造コミュニティは賑わっているが、折りたたみ式のGBASPの基板を、折りたためない特製ケースに移植するのが流行っているとのこと。SPからヒンジ(折りたたみの軸)を取り外せるなら、ヒンジのないゲームボーイにヒンジを追加することもできるのでは、と考えたという。

そこでパリッシュ氏は夏休みを費やし、折りたたみ式の改造品を作り上げた。元々のGBP基板を半分に切断し、2つの間をカスタムデザインのフレックスPCB(プリント回路基板)により接続し、信号をやり取り可能にした。それらを収める専用プラスチックケースは、汎用3D CADモデラー「FreeCAD」により設計し、3Dプリントしたものだ。

またバックライト付き画面やラベル、ボタン、充電池などの追加部品は、ホビーショップから入手したとのこと。ゲームボーイは全世界的に改造コミュニティで人気が高いため、改造パーツの調達には困らなかったようだ。

完成した「ゲームボーイポケットSP」はコンパクトでバックライト付き、USBで充電可能。しかし遊べるのは白黒の初代ゲームボーイ用カートリッジだけ、というチグハグさだ。カートリッジは初代GBPと同じように、画面のすぐ後ろに差し込む。

この折りたたみ式GBPは、大手掲示板Redditのr/gameboyで開催された改造コンテストで、見事、テクニカル部門の1位に輝いている。そもそも、改造に一生懸命取り組むモチベーション自体が、コンテストに参加することだったそうだ。

まるで任天堂の公式製品のような美しい仕上がりだが、それだけ多大な労力がかかっているという。研究開発の過程にも非常にコストがかかり、材料費と製造費に加え「私自身の人件費もかかっている」と冗談めかして語られている。

それでも自分のゲームボーイポケットSPが欲しいという人は、PCBとケースの設計ファイルがGitHubで公開されており、製作過程はパリッシュ氏のサイトに事細かに説明されているので、苦労を追体験してみるのもいいだろう。

Source: Allison Parrish
via: Ars Technica

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新

WEB