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公開日 2022/11/30 20:50
Foxconn中国工場に依存しすぎたリスクが露呈
iPhone 14 Proモデル、出荷目標を最大2000万台下回り「需要は消滅」か
多根清史
すでにiPhone 14 Pro/Pro Maxの製造や供給に問題が生じていることは、周知の事実となっている。アップル自らが納期の遅れがしばらく続くと警告したことに続き、中国・鄭州市にある世界最大のiPhone工場では集団隔離や報酬の未払いに対して従業員らが抗議デモを起こす一幕もあり、2022年内の生産台数は当初の予定より600万台程度の減産となるかもしれないとのBloomberg報道もあった。
そして直近の年末商戦期を含む四半期には、iPhone 14 Proモデルの出荷台数が市場予想よりも1500〜2000万台も少なくなり、その間に失われた需要は取り戻せないとのアナリスト予測が報じられている。
アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は自らのブログで、鄭州工場での抗議活動の影響により、第4四半期(10〜12月)のiPhone出荷台数が7000〜7500万台となり、市場コンセンサスの8000〜8500万台よりも約2割減になると述べている。
Kuo氏の分析は、上記のBloomberg報道よりもシビアだ。まず同四半期におけるiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxの合計出荷台数は、予想より1500万台〜2000万台減になるという。
さらに鄭州iPhone工場の平均稼働率は11月には20%程度に留まり、12月には30〜40%に回復する見込み。元々はFoxconn(鄭州工場を運営)が請け負っていたiPhone 14 Proモデルの受注を、PegatronとLuxshare ICTがそれぞれ約10%獲得しているものの、大量出荷は早くても12月下旬以降になるとのことだ。この見通しが正しければ、年末商戦期の品不足は解消されないことになる。
注目すべきは、この大幅な需給ギャップのため、iPhone 14 Proに対する需要は「ほとんどが消滅する」とされていることだ。つまり品不足で買えなかった消費者は購入を先送りにするのではなく、その後も買わないというのである。Kuo氏はこれを「景気後退」によると見ているようだ。
Kuo氏は「アップルの4Q22(2022年第4四半期)のiPhone売上は、市場コンセンサスよりも20〜30%以上、大幅に低くなる可能性がある」と予測している。これほどの激しい落ち込みは、価格の高いiPhone 14 Proモデルが年末商戦期に売りたくても売るモノがないためだが、年明けに在庫が潤沢となっても客は戻ってこないというわけだ。
また、アップルは多くの部品サプライヤーに注文を減らすよう通達しておらず、「数週間は通常よりも多い部品在庫」を抱えているという。iPhoneの製造状況が復旧すれば、今とは逆にiPhone 14 Proモデルは品余りが目立つようになるかもしれない(「その後の部品出荷は大幅に減少する可能性」ともあるため、いずれ生産台数が調整されると思われるが)。
さらにアップルが供給リスクの分散を望んでいるため、FoxconnがiPhone 15 Proシリーズの独占組立メーカーであり続けることは難しいとの予想も述べられている。鄭州工場での抗議デモの際には、アップルまで批判の矢面に立たされたこともあり、Foxconnに依存しすぎた生産体制が見直されることになるのかもしれない。
Source: Medium
via: 9to5Mac
そして直近の年末商戦期を含む四半期には、iPhone 14 Proモデルの出荷台数が市場予想よりも1500〜2000万台も少なくなり、その間に失われた需要は取り戻せないとのアナリスト予測が報じられている。
アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は自らのブログで、鄭州工場での抗議活動の影響により、第4四半期(10〜12月)のiPhone出荷台数が7000〜7500万台となり、市場コンセンサスの8000〜8500万台よりも約2割減になると述べている。
Kuo氏の分析は、上記のBloomberg報道よりもシビアだ。まず同四半期におけるiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxの合計出荷台数は、予想より1500万台〜2000万台減になるという。
さらに鄭州iPhone工場の平均稼働率は11月には20%程度に留まり、12月には30〜40%に回復する見込み。元々はFoxconn(鄭州工場を運営)が請け負っていたiPhone 14 Proモデルの受注を、PegatronとLuxshare ICTがそれぞれ約10%獲得しているものの、大量出荷は早くても12月下旬以降になるとのことだ。この見通しが正しければ、年末商戦期の品不足は解消されないことになる。
注目すべきは、この大幅な需給ギャップのため、iPhone 14 Proに対する需要は「ほとんどが消滅する」とされていることだ。つまり品不足で買えなかった消費者は購入を先送りにするのではなく、その後も買わないというのである。Kuo氏はこれを「景気後退」によると見ているようだ。
Kuo氏は「アップルの4Q22(2022年第4四半期)のiPhone売上は、市場コンセンサスよりも20〜30%以上、大幅に低くなる可能性がある」と予測している。これほどの激しい落ち込みは、価格の高いiPhone 14 Proモデルが年末商戦期に売りたくても売るモノがないためだが、年明けに在庫が潤沢となっても客は戻ってこないというわけだ。
また、アップルは多くの部品サプライヤーに注文を減らすよう通達しておらず、「数週間は通常よりも多い部品在庫」を抱えているという。iPhoneの製造状況が復旧すれば、今とは逆にiPhone 14 Proモデルは品余りが目立つようになるかもしれない(「その後の部品出荷は大幅に減少する可能性」ともあるため、いずれ生産台数が調整されると思われるが)。
さらにアップルが供給リスクの分散を望んでいるため、FoxconnがiPhone 15 Proシリーズの独占組立メーカーであり続けることは難しいとの予想も述べられている。鄭州工場での抗議デモの際には、アップルまで批判の矢面に立たされたこともあり、Foxconnに依存しすぎた生産体制が見直されることになるのかもしれない。
Source: Medium
via: 9to5Mac
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