トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > Gadgetニュース

公開日 2022/12/27 18:15
初代iPod touchが突破口に

初代「iPhone OS」をPC上で再現した開発者現る。オープンソースツールだけを使用

多根清史
アップル製品のOSは基本的には自社ハードウェア専用とされているものの(一時期、他社にライセンス供与していた頃はあったが)、macOSについては各種ツールのおかげでMac以外でも動かすことができた。かたや、iOSに関してはそうした例はほとんど聞こえてこなかった。

が、初期のバージョンである「iPhone OS」を、オープンソースのプロセッサエミュレータ「QEMU」を使ってPC上でエミュレートに成功した事例が報じられている。

devos50ことMartijn de Vos氏がエミュレートした「iPhone OS 1.0」は、正確には初代iPhone発売後に投入された第1世代のiPod touch向けのものだ。これをリバースエンジニアリングしたものの、マルチタッチ対応やその他のハードウェア部品のシミュレーション方法を考える必要があり、作業に1年以上を費やしたそうだ。

その中でも、iPod touchのハードウェア部品のエミュレートが特に難しかったと説明している。そもそも、iPod touch用の初代iPhone OSが選ばれたのも、iPhone版ではより多くの部品をエミュレートする必要があるからだ。

まして最近のiPhoneともなれば、エミュレートの困難さははるかに跳ね上がる。「現代のアップル製デバイスには、ニューラルエンジン、セキュアエンクレーブ、各種センサーなど、多くのハードウェア部品が追加されており、こうしたデバイスのエミュレーションははるかに困難で時間のかかるものになるだろう」とのことだ。

またiPhone OS 1.0をチョイスした理由は、最近のiOSと比べてセキュリティ対策がほとんど実装されていないからだという。「最も原始的なバージョン」だけに、セキュリティ機構を回避する必要がなかったというわけだ。

興味深いのは、このプロジェクトが実現したのは、アップルのブートローダー「iBoot」のオープンソース実装である「OpeniBoot」のおかげということだ。OpeniBoot開発はずっと前に中止されているが、かつて古いiPhone上でAndroidを動かすことに使われた例もあった。

最終的な成果は、いくつかのバグがあるものの、ほぼ上手く機能しているようだ。タッチ操作はマウスとキーボードで完全に再現され、プリインストールアプリの大半は問題なく動作している。

de Vos氏は、iPhone OSをオープンソースツールによりエミュレートしたのは、これが世界初だと主張している。たとえばCorelliumは「仮想iPhone」を販売しているが(かつてアップルと訴訟となり、後に和解)、すべてのツールとコードは非公開である。

さらに次のプロジェクトとして、de Vos氏は第2世代のiPod touchをiPhone OS 2.1込みでエミュレートしたいと述べている。特に実用性があるとは言えないが、懐かしのハードウェアを最新のPC上で蘇らせて感慨に浸るのもよさそうだ。

Source: Martijn de Vos(1), (2)
via: 9to5Mac

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新

WEB