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公開日 2023/04/04 12:52
M1からM2のパワーアップが期待外れだったため?

アップル、M2チップを一時生産停止か。Mac売上低調のため

多根清史
アップルは昨年6月にM2チップ、今年1月にM2 ProおよびM2 Maxを発表し、MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniに搭載して送り出している。これらAppleシリコン(独自開発チップ)を搭載したMacは、2020年末に投入されてから売上げが好調で、PC市場におけるアップルのシェアを着実に広げてきた経緯がある。

ところがM2搭載Macの需要が限られているため、今年1〜2月にかけてM2チップの生産が完全に停止したと、韓国サプライチェーン業界誌The Elecが報じている。

すでに3月には生産が再開されたが、例年の(Mシリーズチップの)半分の生産量でしかないという。専門家はPC市場の低迷が予想以上に深刻な証だと語っているが、これまでMacはPC市場が不調のなかで唯一、快進撃を続けていたはずだった。

どうやってチップ生産の停止や半減が確認できたかと言えば、Appleシリコン製造を一手に引き受ける台湾TSMCからパッケージングのため送られる、韓国工場の関係者から証言が得られたとのこと。iPhone用のAシリーズチップはTSMCが自らパッケージングを行うため、情報が漏れにくいようだ。

そしてTSMCが一時パッケージング工場にウェハーを送るのを止めたのは、MacBookの需要が減少したことから、アップルが生産中止を要請したためとみられるという。

特にパッケージングを行うアムコアテクノロジー(米国の企業だが、韓国に工場がある)は2ヶ月間の受注を失った上に、この「アップルライン」で他社のパッケージングは許可されていないため、大きな痛手を被ったようだ。

2023年第1四半期の決算説明会で、ティム・クックCEOは、アップルがPC市場で「厳しい」状況に直面していることを認めていた。業界が縮小傾向にあるなか、自社のシェアは低いもののAppleシリコンという競争力があるため「短期的に少し荒れる」と予想しつつも、「戦略的には良いポジションにいると思う」と楽観的な見通しを示していた次第だ。

M1シリーズチップのMacは非常に好評だったが、M2シリーズは性能・省電力ともに前世代からわずかな強化に留まり、買い替え需要もあまり盛り上がらなかったのかもしれない。次期「M3」チップはTSMCの最先端技術である3nmプロセスにより大幅な改善が予想されており、噂の15インチMacBook Air等が大きなテコ入れとなるのか注目されるところだ。

Source: The Elec
via: MacRumors

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