ニュース
HOME > ニュース > Gadgetニュース
公開日 2023/04/25 17:26
「サードパーティ決済を許可すべし」については不服
アップル、Epic Gamesとの控訴審で「圧倒的な勝利」を宣言
多根清史
アップルはEpic Gamesと人気ゲームFortniteをめぐり数年越しに訴訟を繰り広げているが、同社の主張がほぼ肯定される判決を再び勝ち取った。2021年9月の地裁判決ではApp Storeとそのガイドラインが反トラスト法に違反していないとされていたが、今回の控訴審でもその判断が支持された格好である。
この法廷闘争の始まりは、2020年夏にまでさかのぼる。EpicはiOS版Fortniteアプリをアップデートした際、ゲーム内通貨V-Bucksの購入につき、従来のApp Store経由(アップルに30%の手数料を支払う)とは別にEpicから直接買う支払い方法も追加した。後者は20%安くなるよう設定したが、これをアップルがガイドライン違反として、App StoreからFortniteアプリを削除したのである。
これを受けてEpicはアップルの「30%税」を公然と批判し、訴訟を提起。さらにアップルもEpicの開発者アカウント(広く普及しているゲームエンジンUnreal Engineも直撃)の停止を警告するなど反撃に出たこともあり、現在までiOS版Fortniteは姿を消し、訴訟が長引く状態が続いている。
今回の判決につき、アップルは「この訴訟における圧倒的な勝利を再確認」したと宣言。さらに自社が州および連邦全域での反トラスト法を遵守しているとともに、App Storeが競争を促進しており、世界中のユーザーと開発者の両方に深く貢献しているとアピールしている。
それでもアップルは、控訴を検討しているという。なぜなら今回の判決も前回と同じく「10件の主張のうち9件が有利」であって完全勝利ではないからだ。
残る1件は、アップルが開発者にサードパーティ決済(アップルが用意した「App内課金」以外の支払方法)を禁じられない、ということだ。この点については「謹んで反対する」と述べられている。
元の地裁判決では、アップルは独占とみなされる法的条件を満たしていないため、iOSアプリの競合アプリストアを許可する必要はないと結論付けた。こちらの判断に関しては、今回の控訴審でも支持されている。
さらに控訴審では、App Storeがユーザーのプライバシーとデータを保護する一方で、ユーザーにプラットフォームを選ぶ自由を与えると付け加えられている。
すなわち「セキュリティやプライバシーを重視する人は(iPhoneを購入することで)アップルのクローズドなプラットフォームを選択」できるし、低価格を重視する人はAndroid端末を買うことで、セキュリティやプライバシーがわずかに低くなることと引き換えに、オープンなアプリ取引プラットフォームを選べる、とのこと。
ここではアップルによる制約は市場の独占ではなく「アプリ取引プラットフォームの異質な市場」を生み出し、結果として反トラスト法の主な目標であるブランド間競争を促すことになるという。つまり、アップルのいわゆるウォールド・ガーデン(壁で囲まれた庭)こそが、Androidの比較的オープンな環境にも魅力を持たせている、といったところだろう。
アップルは次期「iOS 17」でApp Store以外のアプリを認める方針と見られているが、あくまでEUの規制に対応するためであり、米国では利用できないとの有力情報もある。同社は一部の国に限りアプリ外決済を許可しているが、外部ストアに関しても同じ方針が採られる可能性が高そうだ。
Source: Bloomberg
via: 9to5Mac
この法廷闘争の始まりは、2020年夏にまでさかのぼる。EpicはiOS版Fortniteアプリをアップデートした際、ゲーム内通貨V-Bucksの購入につき、従来のApp Store経由(アップルに30%の手数料を支払う)とは別にEpicから直接買う支払い方法も追加した。後者は20%安くなるよう設定したが、これをアップルがガイドライン違反として、App StoreからFortniteアプリを削除したのである。
これを受けてEpicはアップルの「30%税」を公然と批判し、訴訟を提起。さらにアップルもEpicの開発者アカウント(広く普及しているゲームエンジンUnreal Engineも直撃)の停止を警告するなど反撃に出たこともあり、現在までiOS版Fortniteは姿を消し、訴訟が長引く状態が続いている。
今回の判決につき、アップルは「この訴訟における圧倒的な勝利を再確認」したと宣言。さらに自社が州および連邦全域での反トラスト法を遵守しているとともに、App Storeが競争を促進しており、世界中のユーザーと開発者の両方に深く貢献しているとアピールしている。
それでもアップルは、控訴を検討しているという。なぜなら今回の判決も前回と同じく「10件の主張のうち9件が有利」であって完全勝利ではないからだ。
残る1件は、アップルが開発者にサードパーティ決済(アップルが用意した「App内課金」以外の支払方法)を禁じられない、ということだ。この点については「謹んで反対する」と述べられている。
元の地裁判決では、アップルは独占とみなされる法的条件を満たしていないため、iOSアプリの競合アプリストアを許可する必要はないと結論付けた。こちらの判断に関しては、今回の控訴審でも支持されている。
さらに控訴審では、App Storeがユーザーのプライバシーとデータを保護する一方で、ユーザーにプラットフォームを選ぶ自由を与えると付け加えられている。
すなわち「セキュリティやプライバシーを重視する人は(iPhoneを購入することで)アップルのクローズドなプラットフォームを選択」できるし、低価格を重視する人はAndroid端末を買うことで、セキュリティやプライバシーがわずかに低くなることと引き換えに、オープンなアプリ取引プラットフォームを選べる、とのこと。
ここではアップルによる制約は市場の独占ではなく「アプリ取引プラットフォームの異質な市場」を生み出し、結果として反トラスト法の主な目標であるブランド間競争を促すことになるという。つまり、アップルのいわゆるウォールド・ガーデン(壁で囲まれた庭)こそが、Androidの比較的オープンな環境にも魅力を持たせている、といったところだろう。
アップルは次期「iOS 17」でApp Store以外のアプリを認める方針と見られているが、あくまでEUの規制に対応するためであり、米国では利用できないとの有力情報もある。同社は一部の国に限りアプリ外決済を許可しているが、外部ストアに関しても同じ方針が採られる可能性が高そうだ。
Source: Bloomberg
via: 9to5Mac
- トピック
- Gadget Gate