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公開日 2023/06/15 17:25
収益の約8割を占めるため、実現すればダメージは甚大

EU、Googleにオンライン広告事業の分離を提言。独占禁止法違反の疑いから

多根清史
Googleがオンライン広告市場のほとんどを支配していることは、否定しがたい事実だろう。それは規制当局から問題視されることと表裏でもあり、同社を何度も窮地に立たせてきた。

そんななか欧州連合(EU)は、Googleが広告市場での競争を歪めて反トラスト(独占禁止)規則に違反している可能性があるとして、同社の広告事業を分割するよう提言したとの声明を出した。

EUの行政府である欧州委員会は14日(現地時間)、Googleは広告ビジネスに関する反トラスト規則に違反していると考えているとの「予備的見解」を通知したとのプレスリリースを公開。同社が自社の広告関連サービスを優遇しており、それが競争を阻害していると主張している。

Googleの主な収入源はオンライン広告だが、その内訳は「自社のウェブサイトやアプリの広告スペースを販売」「オンライン広告の掲載を希望するクライアントとその場を提供するパブリッシャー(第三者のウェブサイトやアプリ)の仲介」である。特に問題視されているのが、後者のアドテク(広告配信システム)サービスである。

Googleが提供する主なアドテクサービスは、3種類。すなわち(i)広告購入ツール「Google Ads」「DV 360」、(ii)広告の配信管理用アドサーバー「DoubleClick For Publishers(DFP)」、(iii)広告取引所「Ad Exchange (AdX)」である。

EUは、DFPはAdXを通じて広告を選び、Google AdsとDV 360も購入ツールとして広告主をAdXに誘導していると指摘。それによりGoogleがAdXに競争上の優位を与えることを狙い、競合する広告取引所への流れをせき止めた可能性があると懸念しているとのことだ。

こうした仕組みのなか、Googleが「自己紹介行為」、つまり自社のサービス内に囲い込むことを続けたり、新たな自己紹介行為に関与(囲い込みの範囲を広げる)するリスクを防ぐためには「行動での問題解消措置」では不十分であるという。

そのため唯一の解決策としては「Googleがそのサービスの一部を強制的に切り離すこと」、つまりオンライン広告事業の分離・分割が求められると述べている次第だ。

こうしたEUの声明は「予備的見解」にすぎず、最終的な決定ではない。が、Googleのオンライン広告事業が独占禁止法違反ではないかとの疑いは、米司法省を初めとして、全世界の規制当局から何度も浮上してきたことだ。

広告事業は、Googleの収益の約8割を占めているとみられている。もしも事業分割ともなれば、Googleが提供するウェブブラウザやYouTubeなど、他の製品やサービスにも甚大なダメージをもたらすことになるだろう。

EUが予備的見解通りGoogleに事業分割を迫るのか、それとも制裁金などの落とし所を見つけるのか。今後の展開を注視したいところだ。

Source: European Commision
via: Wccftech

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