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公開日 2024/07/07 12:19
XboxはWindowsとの互換性を織り込む必要あり
PS5版ゲームがXbox Series Xより表現が優れていることが多い理由、専門家が説明
多根清史
ソニーのPlayStation 5とマイクロソフトのXbox Series Xは、単純にGPUのTFLOPS(「1秒間に浮動小数点演算を何兆回できるか」を表す数値)だけ比べれば、前者が12TFLOPS、後者が10.28FLOPSであり、Xboxが上回っている。
が、実際のゲームではPS5のパフォーマンスがXbox Series Xを凌ぐことが多い。『バイオハザード RE:4』や『コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー』しかり、次世代機向けアップデート後の『グランド・セフト・オートV』等が好例である。
PS5とXbox Series Xはともに、Zen 2とRDNA 2のCPU/GPUアーキテクチャを採用したAMDのカスタムチップを採用。そしてPS5は8コアCPU(可変周波数、上限3.5GHz)、36基のCU(Compute Units)内蔵のGPU(可変周波数、上限2.23GHz)、16GBのGDDR6 SDRAM(256ビットバス、帯域幅448GB/秒)を搭載している。
かたやXbox Series Xは3.8GHz(同時マルチスレッド有効時は3.6GHz)の8コアCPU、1.825GHzのCU52基を内蔵したGPU、16GBのGDDR6 SDRAM(320ビットバス、560GB/秒の10GB+192ビットバス+336GB/秒の6GB)といった構成だ。
なぜ、ゲームの表現力で優劣が出てしまうのか。ゲーム映像の緻密な分析で知られるDigital Foundryのスタッフが、開発者からPS5の方がシェーダー・コンパイラとAPIが高速だと聞いたと語っている。
ここでいうシェーダーとは、大まかにいえば「3Dオブジェクトを描画するプログラム」である。具体的には陰影や凸凹をつけ、質感を与えるなど、見た目を形づくるもの。シェーダー・コンパイラとは、シェーダーコード(人間が読めるプログラム)をGPUが理解できるバイナリコードにコンパイル(変換)するソフトである。
そしてAPIとは、プログラムとプログラムをつなぐインターフェースのこと。今回の文脈におけるAPIは、開発者がゲーム機のGPU機能を効率よく引き出せる仕組みだ。
John Linneman氏によれば、PS5のシェーダ・コンパイラは非常に高速で最適化されているという。これは複数の情報源が、以前から指摘していたことではある。そしてPS5のメインAPIもかなり高速であり、Xbox Series XのグラフィックスAPI=Direct Xよりも速いようだ。
現在のDirectX 12 Ultimateは、PCとXbox Series Xのマルチプラットフォームに対応し、垣根をなくすことを目指して作られたものだ。XboxとWindows 10/11の両方でプレイできる「Xbox Play Anywhere」タイトルが存在しているのも、その成果の一つだ。
逆に言えばハードウェアを超えた汎用性を重視し、Xboxに特化しきれていないため、少しペナルティになるかもしれないとの趣旨が述べられている。
もっとも、それが全てではない。Alex Battaglia氏によると、Unreal Engine 5を使ったゲームでは、Xbox Series XのCU数が多いメリットが活かされやすいという。ただし、他のエンジンではCUのクロック数が高いPS5の方が良好なパフォーマンスになる傾向があるとのことだ。
また、可変リフレッシュレート(VRR)の実装に関しては、Xbox Series Xが優位に立つ。例えばフロム・ソフトウェアの『エルデンリング』は、PS5よりもフレームレートが安定しやすい。その一方で、ロード時間はPS5の方が圧倒的に速く、それぞれに一長一短がある。
以上をまとめると、Xbox Series XはWindows PCとの互換性を重視しているためハードウェアの底力を引き出しにくいのに対し、PS5は単一ハードだけに特化して効率を上げやすいという、マイクロソフトとソニーの方針の違いが反映されているようだ。この図式は、次の第10世代ゲーム機でも変わらないのかもしれない。
Source: Digital Foundry(YouTube)
via: Wccftech
が、実際のゲームではPS5のパフォーマンスがXbox Series Xを凌ぐことが多い。『バイオハザード RE:4』や『コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー』しかり、次世代機向けアップデート後の『グランド・セフト・オートV』等が好例である。
PS5とXbox Series Xはともに、Zen 2とRDNA 2のCPU/GPUアーキテクチャを採用したAMDのカスタムチップを採用。そしてPS5は8コアCPU(可変周波数、上限3.5GHz)、36基のCU(Compute Units)内蔵のGPU(可変周波数、上限2.23GHz)、16GBのGDDR6 SDRAM(256ビットバス、帯域幅448GB/秒)を搭載している。
かたやXbox Series Xは3.8GHz(同時マルチスレッド有効時は3.6GHz)の8コアCPU、1.825GHzのCU52基を内蔵したGPU、16GBのGDDR6 SDRAM(320ビットバス、560GB/秒の10GB+192ビットバス+336GB/秒の6GB)といった構成だ。
なぜ、ゲームの表現力で優劣が出てしまうのか。ゲーム映像の緻密な分析で知られるDigital Foundryのスタッフが、開発者からPS5の方がシェーダー・コンパイラとAPIが高速だと聞いたと語っている。
ここでいうシェーダーとは、大まかにいえば「3Dオブジェクトを描画するプログラム」である。具体的には陰影や凸凹をつけ、質感を与えるなど、見た目を形づくるもの。シェーダー・コンパイラとは、シェーダーコード(人間が読めるプログラム)をGPUが理解できるバイナリコードにコンパイル(変換)するソフトである。
そしてAPIとは、プログラムとプログラムをつなぐインターフェースのこと。今回の文脈におけるAPIは、開発者がゲーム機のGPU機能を効率よく引き出せる仕組みだ。
John Linneman氏によれば、PS5のシェーダ・コンパイラは非常に高速で最適化されているという。これは複数の情報源が、以前から指摘していたことではある。そしてPS5のメインAPIもかなり高速であり、Xbox Series XのグラフィックスAPI=Direct Xよりも速いようだ。
現在のDirectX 12 Ultimateは、PCとXbox Series Xのマルチプラットフォームに対応し、垣根をなくすことを目指して作られたものだ。XboxとWindows 10/11の両方でプレイできる「Xbox Play Anywhere」タイトルが存在しているのも、その成果の一つだ。
逆に言えばハードウェアを超えた汎用性を重視し、Xboxに特化しきれていないため、少しペナルティになるかもしれないとの趣旨が述べられている。
もっとも、それが全てではない。Alex Battaglia氏によると、Unreal Engine 5を使ったゲームでは、Xbox Series XのCU数が多いメリットが活かされやすいという。ただし、他のエンジンではCUのクロック数が高いPS5の方が良好なパフォーマンスになる傾向があるとのことだ。
また、可変リフレッシュレート(VRR)の実装に関しては、Xbox Series Xが優位に立つ。例えばフロム・ソフトウェアの『エルデンリング』は、PS5よりもフレームレートが安定しやすい。その一方で、ロード時間はPS5の方が圧倒的に速く、それぞれに一長一短がある。
以上をまとめると、Xbox Series XはWindows PCとの互換性を重視しているためハードウェアの底力を引き出しにくいのに対し、PS5は単一ハードだけに特化して効率を上げやすいという、マイクロソフトとソニーの方針の違いが反映されているようだ。この図式は、次の第10世代ゲーム機でも変わらないのかもしれない。
Source: Digital Foundry(YouTube)
via: Wccftech
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