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公開日 2019/07/03 11:35
イオン九州との実証実験を開始
ソフトバンク、法人事業を成長の原動力に位置づけ強化。763億円の営業利益を数年内に倍増へ
Senka21編集部・竹内純
■法人事業に大きなチャンスが生まれる
ソフトバンクは、同社初となる「法人事業戦略説明会」を開催した。冒頭、登壇した同社代表執行役 社長執行役員 兼 CEO・宮内謙氏は、同社事業の三本柱であるコア事業、ヤフー、新領域によりさらなる成長を目指す中で、「新しいテクノロジーが次々に立ち上がり、そうした中で大きな可能性を秘めるのが新領域の法人事業」だと指摘。「Data、IoT/5G、AIの3つのキーテクノロジーが本格的に動き出し、大きなチャンスが生まれる」と“法人事業”を同社成長の原動力に位置付けていく方針を明言した。今回の説明会開催もその姿勢に基づくもので、今後、定期的に年2回程度、説明会を開催していく。
世界では、IoTデバイスが2030年には1兆個に。2010年には1人当たり2個だったデバイスが50倍の100個になる。1ヶ月当たりのIoTデータ量は、2015年の1EB(エクサバイト)が、2035年には2,450倍の2.3ZB(ゼタバイト)に。IoT市場規模は2030年に1,434兆円、AI市場は2025年に318兆円、データ活用市場は2023年に40兆円へ拡大すると予想される。
「テクノロジーが進化することであらゆる産業が再定義され、デジタライゼーションされることでさまざまな社会課題が一気に解決に近づいていく。これら社会課題解決を、ソフトバンクがパートナー企業とともに推進していく。数年で法人事業の営業利益を倍増できる」と訴えた。
■鍵を握るのはビジネスパートナーとの“共創”
続いて、同社代表取締役 副社長執行役員 兼 COO・今井康之氏が、法人事業の戦略について説明を行った。軸足となるのは、「いろいろな通信網がソリューションとして生まれ、そこにはソフトバンクが独自に進めてきたものも数多くある」と語る通信事業だ。
2018年度の同社法人事業は、売上高6,205億円、営業利益763億円の増収増益。企業の悩み事を解決するために、お客様目線で取り組む姿勢が成長の要因と分析する。企業課題=社会課題の解決へ向け、「テクノロジーの急成長を背景に、どのようなビジネスモデルを構築し、どのようなソリューションを提供できるか。そこで大事なことは、ソフトバンク1社ではできないということ。それぞれの業界別にパートナー企業との共創が必要になる」と説明した。
同社はすでに、売上高1,000億円以上の上場企業のうち94%と何らかの形で取引があり、また、データ収集から課金に至るプラットフォームを保有する強みを備える。国内企業のデジタル化率が2割に過ぎない2017年10月に、精鋭部隊120名体制による「デジタルトランスフォーメーション(DX)本部」を設立。「これからデジタル化しなければならない日本企業が約8割もある。そこへ、大いに力を発揮していく」と日本の社会課題に対峙し、ソフトバンクの次の柱となる事業創出へスタートを切った。
■ビジネス鈍化の最大要因は“物流”
DX本部の取り組みについて、同社デジタルトランスフォーメーション本部 本部長・川西慎太郎氏が説明。同本部の基本戦略について「パートナーとの共創を加速すること。1社できることは限られており、各業界のリーディング企業や先進的な取り組みを行っている企業と、お互いのアセットを出し合い、新しいビジネスを創り上げていきたい。プラットフォーム型ビジネスモデルをピカピカに磨き上げ、社会課題に対峙していく」。
日本では労働人口低下(25兆円)、交通渋滞(10兆円)など、さまざまな社会課題による経済的損失が年間で100兆円を超える。それら社会課題を解決する新規事業アイデアがDX本部では450案件あり、うち35案件が進捗。さらにその中の17案件の2020年度までの収益化が予定されている。
社会課題の大半は、労働人口の減少に端を発するもの。そこで、「小売・流通」「不動産・建設」「サービス・観光」「ヘルスケア」の4つを注力領域と位置づけた。そして、これまでの取り組みから、ビジネスの成長を鈍化させる最大の要因が“物流”にあると断定。「物流にデジタルトランスメーション(物流DX)を起こす」と力を込めた。
デジタル化による物流の最適化へ、着目したのは、配送拠点から宅配、受け渡しまでに至る“ラストワンマイル”だ。年9%の成長率で伸長するEC事業により、宅配戸数は1年に1億個のペースで増加。その一方、共働きなどによる日中の受け取り困難世帯が増加し、再配達率は20%、年間8億個にもおよぶ。ドライバー不足も深刻だ。ソフトバンクはそこへ、基幹配送マッチング、ラストワンマイル配送マッチング、受け取り方の多様化による新たな物流プラットフォームを提供。デジタルの力による物流改革を目指す。
その第1弾として、イオン九州株式会社との実証実験がスタート。共働き世帯からの需要があるにもかかわらず、「配達時間に家にいない」「すぐに商品が手元にほしい」「配送料が高い」などの理由で、生鮮食品のEC化率は2%にとどまっている。この課題に対し、15時までの注文で、20〜23時に受け取り可能な夜間配送を6月1日より開始した。登録ドライバー1万人、24時間全国対応、配送マッチング率99.2%の実績を誇るCBcloud運営の「PickGo」を活用することで、配送コストを最適化した注文に応じたドライバー派遣を実現している。今後、時間帯やエリアを拡大していく構えだ。
河西氏は「将来的にはバイク、自転車、さらにはドローン、自動運転など配送手段も広がっていく。今後もこうした機会をつくり、さらに数多くの事業を立ち上げていきたい」と意気込みを示した。
ソフトバンクは、同社初となる「法人事業戦略説明会」を開催した。冒頭、登壇した同社代表執行役 社長執行役員 兼 CEO・宮内謙氏は、同社事業の三本柱であるコア事業、ヤフー、新領域によりさらなる成長を目指す中で、「新しいテクノロジーが次々に立ち上がり、そうした中で大きな可能性を秘めるのが新領域の法人事業」だと指摘。「Data、IoT/5G、AIの3つのキーテクノロジーが本格的に動き出し、大きなチャンスが生まれる」と“法人事業”を同社成長の原動力に位置付けていく方針を明言した。今回の説明会開催もその姿勢に基づくもので、今後、定期的に年2回程度、説明会を開催していく。
世界では、IoTデバイスが2030年には1兆個に。2010年には1人当たり2個だったデバイスが50倍の100個になる。1ヶ月当たりのIoTデータ量は、2015年の1EB(エクサバイト)が、2035年には2,450倍の2.3ZB(ゼタバイト)に。IoT市場規模は2030年に1,434兆円、AI市場は2025年に318兆円、データ活用市場は2023年に40兆円へ拡大すると予想される。
「テクノロジーが進化することであらゆる産業が再定義され、デジタライゼーションされることでさまざまな社会課題が一気に解決に近づいていく。これら社会課題解決を、ソフトバンクがパートナー企業とともに推進していく。数年で法人事業の営業利益を倍増できる」と訴えた。
■鍵を握るのはビジネスパートナーとの“共創”
続いて、同社代表取締役 副社長執行役員 兼 COO・今井康之氏が、法人事業の戦略について説明を行った。軸足となるのは、「いろいろな通信網がソリューションとして生まれ、そこにはソフトバンクが独自に進めてきたものも数多くある」と語る通信事業だ。
2018年度の同社法人事業は、売上高6,205億円、営業利益763億円の増収増益。企業の悩み事を解決するために、お客様目線で取り組む姿勢が成長の要因と分析する。企業課題=社会課題の解決へ向け、「テクノロジーの急成長を背景に、どのようなビジネスモデルを構築し、どのようなソリューションを提供できるか。そこで大事なことは、ソフトバンク1社ではできないということ。それぞれの業界別にパートナー企業との共創が必要になる」と説明した。
同社はすでに、売上高1,000億円以上の上場企業のうち94%と何らかの形で取引があり、また、データ収集から課金に至るプラットフォームを保有する強みを備える。国内企業のデジタル化率が2割に過ぎない2017年10月に、精鋭部隊120名体制による「デジタルトランスフォーメーション(DX)本部」を設立。「これからデジタル化しなければならない日本企業が約8割もある。そこへ、大いに力を発揮していく」と日本の社会課題に対峙し、ソフトバンクの次の柱となる事業創出へスタートを切った。
■ビジネス鈍化の最大要因は“物流”
DX本部の取り組みについて、同社デジタルトランスフォーメーション本部 本部長・川西慎太郎氏が説明。同本部の基本戦略について「パートナーとの共創を加速すること。1社できることは限られており、各業界のリーディング企業や先進的な取り組みを行っている企業と、お互いのアセットを出し合い、新しいビジネスを創り上げていきたい。プラットフォーム型ビジネスモデルをピカピカに磨き上げ、社会課題に対峙していく」。
日本では労働人口低下(25兆円)、交通渋滞(10兆円)など、さまざまな社会課題による経済的損失が年間で100兆円を超える。それら社会課題を解決する新規事業アイデアがDX本部では450案件あり、うち35案件が進捗。さらにその中の17案件の2020年度までの収益化が予定されている。
社会課題の大半は、労働人口の減少に端を発するもの。そこで、「小売・流通」「不動産・建設」「サービス・観光」「ヘルスケア」の4つを注力領域と位置づけた。そして、これまでの取り組みから、ビジネスの成長を鈍化させる最大の要因が“物流”にあると断定。「物流にデジタルトランスメーション(物流DX)を起こす」と力を込めた。
デジタル化による物流の最適化へ、着目したのは、配送拠点から宅配、受け渡しまでに至る“ラストワンマイル”だ。年9%の成長率で伸長するEC事業により、宅配戸数は1年に1億個のペースで増加。その一方、共働きなどによる日中の受け取り困難世帯が増加し、再配達率は20%、年間8億個にもおよぶ。ドライバー不足も深刻だ。ソフトバンクはそこへ、基幹配送マッチング、ラストワンマイル配送マッチング、受け取り方の多様化による新たな物流プラットフォームを提供。デジタルの力による物流改革を目指す。
その第1弾として、イオン九州株式会社との実証実験がスタート。共働き世帯からの需要があるにもかかわらず、「配達時間に家にいない」「すぐに商品が手元にほしい」「配送料が高い」などの理由で、生鮮食品のEC化率は2%にとどまっている。この課題に対し、15時までの注文で、20〜23時に受け取り可能な夜間配送を6月1日より開始した。登録ドライバー1万人、24時間全国対応、配送マッチング率99.2%の実績を誇るCBcloud運営の「PickGo」を活用することで、配送コストを最適化した注文に応じたドライバー派遣を実現している。今後、時間帯やエリアを拡大していく構えだ。
河西氏は「将来的にはバイク、自転車、さらにはドローン、自動運転など配送手段も広がっていく。今後もこうした機会をつくり、さらに数多くの事業を立ち上げていきたい」と意気込みを示した。
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