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公開日 2019/11/22 10:06
音声をリアルタイムでテキストに変換

リアルタイム翻訳機「Langogo」日本に本格参入。わずか1秒で翻訳、文字起こし機能も

PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
■一挙4モデル投入で日本市場へ本格参戦

Langogo Technology(中国)は、リアルタイム音声翻訳機「Langogo」を日本市場へ本格展開すると発表。「Minutes」「Genesis」「Summit」「Share」の4モデルを揃え、11月21日より順次、販売・レンタルを開始した。

Langogo Technology Co.,LTD 代表取締役CEO 張岩氏(写真右)と(株)パルス 代表取締役社長・黒瀬一仙氏

現在、ポケトークが圧倒的なシェアを握るポータブルタイプ翻訳機。東京オリンピックが開催される2020年、旺盛なインバウンド需要のさらなる高まりが予想される中、満を持して日本市場へ参入するLangogo。その最大の強みとしてアピールするのは、104種類の言語へ対応(2019年11月現在)した、高精度でハイスピードな翻訳機能だ。

世界24種類のAI翻訳エンジンとつながり、「話す」「訳す」「伝える」の3つのステップそれぞれに最適なAI翻訳エンジンを選択するのがポイント。「他社ではこの3つのステップをまとめて1つの翻訳エンジンで行うため、例えば、長い言葉を切らずに翻訳する際などに顕著に差が表れる」と説明する。

高精度かつスピーディーな翻訳が大きな差別化ポイント

「ストリーミング翻訳技術」を採用しており、翻訳速度はわずか1秒(同社調べ)。相手との会話をより円滑に進めることができる。クラウド翻訳サーバーは、米国、フランス、香港、日本の4カ所に設置され、最も近いサーバーへ接続。「日本国内では他の翻訳機と速さの差はあまり出ないが、米国や欧州で使用するとその差が実感できる」と訴えた。

海外旅行・海外出張、訪日外国人をターゲットにするスタンダードモデル「Genesis」

リアルタイム文字起こしで学生や記者、ビジネスパーソンにアピールする「Minutes」

年配や初めて使う方にもハードルが低いシンプル操作も大きな特長のひとつ。世界で唯一という、ワンボタンでの双方向翻訳を実現。これまでの翻訳機は翻訳する言語が代わるたびに操作アクションを必要とされたが、Langogoは本体右側面のボタンを押しながら話しかけ、指を放せば翻訳が完了。翻訳言語が代わったことはAIが自動で判断してくれる。さらに、大画面タッチパネル搭載により直感的な操作を実現した。

訪日外国人客向けのリース、レンタル用「Share」

フラグシップモデル「Summit」

ユニークなのは、音声ファイルを編集可能なテキストデータへ同時に文字起こしできる機能を搭載していること(Shareを除く)。会議の議事録などビジネスシーンはもちろん、旅行や日常の記録にも役立つ。

膨大なニューラルネットワーク学習により、精度の高い4言語(英語、中国語、韓国語、日本語)のオフライン翻訳、最大5台までのインターネット接続を可能とするWi-Fiルーター機能(Minutesを除く)、文字を撮影するだけで47言語の翻訳ができるカメラ翻訳(Genesis、Minutesを除く)など多彩な機能を搭載する。

また、フラグシップ機「Summit」は、3250mAhの大容量バッテリーを搭載し、1回のフル充電で連続使用時間約8時間を実現。高性能の指向性マイクを着用することで9メートル離れた遠距離録音が可能だ。「同時通訳」モードでは、完全ワイヤレスイヤホンとペアリング可能で、ほぼリアルタイムな翻訳により、ハンズフリーでコミュニケーションが楽しめる。

完全ワイヤレスイヤホンとペアリングして同時通訳で会話が楽しめる

■販売目標は2020年に15万台

Langogo Technology Co.,LTD 代表取締役CEO 張岩氏は、4年前に来日した際に道に迷ってしまったところ、周りにいた日本人が丁寧に案内してくれたが、話している言葉が理解できず、「国や言語を超えてコミュニケーションがとれたら」と痛感したという。

日本市場参入にあたり、ターゲットとして狙いを定めるのは「ビジネス」と「インバウンド」の2つのニーズだ。「ビジネスではグローバルで活躍する企業の躍進、また、働き方改革にも貢献できる。インバウンドでは旅行や飲食などさまざまなサービス業で活用が可能だ。2020年東京五輪開催を控え、企業のビジネス拡大の役に立ちたい。Langogoが人と国とをつなぐ架け橋となる」と力を込めた。

日本国内正規総代理店となる(株)パルス 代表取締役社長・黒瀬一仙氏は「ビジネスシーンにおいても、Skypeなどを使い外国人とやりとりする機会が増えている。しかし、ビジネスパーソンの7割が英語を苦手とする調査結果がある。Langogoは海外との積極的かつ円滑なやり取りをサポートすることができる。訪日外国人旅行者の旅行中の不満では、やはりコミュニケーションがとれないことが挙げられている。旅行先は地方へと広がりを見せ、また、関心の的はモノからコトへと移行している。そうした中で重要になるのがコミュニケーション。頼れるバディが必要、それがLangogoだ」と意気込んだ。

訪日外国人の多言語対応に対する不満は小さくない

録音データの文字起こしや会議の議事録などの用途を前面に打ち出し、学生や記者、ビジネスパーソンをターゲットとしたリーズナブルな価格の「Minutes」、海外旅行・海外出張、訪日外国人への対応を主な利用シーンと想定するベーシック機「Genesis」、高性能のフラグシップモデル「Summit」、そして、訪日外国人客向けのリース、レンタル用「Share」と個性溢れる4モデルをラインナップ。Genesisは12月1日より店頭販売を開始、価格は28,000円。Minutesは販売開始に向け準備中、価格未定。Summit、Shereは2020年初頭の発売を予定している。

Minutesを除く3モデルは、Wi-Fi対応に加えてeSIMを内蔵する。12月1日発売のGenesisでは日本市場への本格進出を記念し、国内・海外での無料通信2年間を、2万台限定で3年間にする特別サービスを実施する。無料期間終了後は、1年間5,000円で追加が可能、Wi-Fiでそのまま使用できる。なお2020年発売予定のSummit、Shereでも国内・海外での無料通信2年間の提供を検討中だ。

ポケトークが圧倒的なシェアを握るポータブルタイプ翻訳機だが、販売目標として黒瀬氏は「まずは市場の6分の1、5分の1まではいけると思う。2020年中に販売10万台、レンタル5万台の計15万台、3年後には30万台を目指したい」と語る。張氏は「Langogoはポケトークとは違う商品だ。Minutesで前面にアピールするテキストに起こす機能などは、市場を大きく変えていくのではないかと期待している」とLangogoならではの強みで存在感を訴えていく。

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