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公開日 2022/04/15 08:36
ついに来たか
イーロン・マスク、Twitter買収を5.4兆円で提案。Twitterは「慎重に検討」と発表【Gadget Gate】
Munenori Taniguchi
SpaceX、テスラなどを率いる大富豪イーロン・マスクが、Twitterを買収する意向を明らかにした。すでにTwitter取締役会には提案済みで、その買収額は430億ドル、日本円に換算すると5.4兆円という巨額のオファーだ。
マスク氏は米証券取引委員会(SEC)に提出した最新の書類で、Twitterの全株式取得を「最善かつ最終的な提案」だとしている。マスク氏は市場評価額約370億ドルのTwitter株すべてを、1株あたり54.2ドル、総額430億ドルで買収することを提案している。これは14日現在の株価より16%ほど高額となるが、マスク氏がTwitter株9.2%を取得する前と比較すれば、38%も増額した計算になる。
マスク氏は、Twitter取締役会に送付した書簡で「言論の自由は、機能する民主主義のための社会的必須条件だと信じる」「Twitterには並外れた可能性があり、それを解き放つ」と述べ、もしそれが拒否されるなら「私は株主としての立場を再考することになる」とした。
対するTwitter取締役会は「提案を慎重に検討し、Twiiterおよび全株主にとって最善と思われる対応を決定する」とリリースで述べるにとどめている。
取締役会への書簡がいまのTwitterの問題点として指摘しているのは「言論の自由」という点だ。マスク氏はそれが「民主主義を機能させるための社会的要請」だと述べ、この要請に応えることができていない今のTwitterでは、企業としての繁栄もできないことから「Twitterは非公開企業として生まれ変わらなければならない」とした。
マスク氏がTwitter買収のために提案した430億ドル(約5.4兆円)という額は、日本の2022年度予算案における防衛費に匹敵する。それでもマスク氏の資産額は約2600億ドル(約33兆円)と言われており、Twitterを買ってもマスク氏の財布の中身が寂しくなるということはないだろう。
ただ、この日カナダ・バンクーバーで行われたTED 2022カンファレンスにトークゲストとして登場したマスク氏は、買収における全額を支払うことはできるものの、現在の株主からの反発を抑えるためか「法的に許される限り多くの株主を維持したい」と述べている。
そのTEDトークでマスク氏は「Twitterはもはや事実上、町の広場と変わらないものになった。ならば人々が法の範囲内で自由に話すことができるという現実と認識の両方を備えることが真に重要だ」と、これまでTwitter上で展開してきた持論を繰り返し、要するにツイートは壁に書かれた落書きと同じレベルのものであるはずだと主張している。またTwitterの買収に関してはそれが金銭目的ではなく、買収において「自分は経済的な面には興味はない」と述べた。
一方、マスク氏がTwiiter個人筆頭株主になった直後に現れた変化である、ツイートの編集機能に関しては、ツイートを投稿した後のわずかな期間だけ実行することができるようになり、編集後はリツイートとお気に入りがゼロにリセットされると説明した。ただこの説明だと、誤りを見つけたツイートをいったん削除し、修正したツイートを投稿しなおすという現在のやりかたと結局は同じようなものになると考えられる。なお、編集までにどこかのページに埋め込まれたツイートがどうなるかは述べられていない。
そのほか、「(マスク氏は民主主義をTwitterに取り戻すとしているが)Twitterのような言論プラットフォームを一個人が所有し、その制御に口出しできるようになることをどう思うか」との問いに対しては、同じく個人でFacebookやInstagram、WhatsAppを所有するマーク・ザッカーバーグの実例があるとしたが、具体的な考えを述べることはなかった。
マスク氏といえば、かねてよりTwitter好きを自認し、様々なツイートでその人気を拡大してきた。ただし、某アメリカ前大統領のように、不用意な発言を含む投稿で社会的な問題を引き起こすこともこれまでに何度もあった。
その最たる例が、2018年にテスラ株を非公開化すると述べ、そのための資金もすでに用意したというツイートであることは間違いない。このツイートによって投資家は、マスク氏が高額で市場のテスラ株を買い戻すと考え、急激な株価上昇を招いた。そしてSECがマスク氏のツイートを株価操作とみなし訴訟に至った結果、和解条件としてマスク氏は、テスラ会長職を返上(CEOは継続)し、Twitterへの投稿前に第三者による確認作業を受けることを了承させられた。
一方、Twitter(を含むSNS各社)は、前述の著名人による不用意な発言または事実と異なる発言が社会に与える問題への対応として、問題あるツイートへのラベル付けや非表示化、アカウント凍結などといった対応を強化してきている。
そしてそれは、シリコンバレーの大半が支持するとされるリベラル層の判断基準に沿うことが多く、保守派の人々からはSNSのこうした対応が検閲のように受け取られ「言論の自由が損なわれている」と批判の声もあがっている。
イーロン・マスク氏は、これまでの発言を見れば、保守側の立ち位置にいることがわかる。近年では新型コロナウイルスに関する誤情報をツイートしたり、感染防止のため企業がロックダウンの対応をとるなか、テスラ工場の従業員を出勤させたりといった対応をしてきた。
またマスク氏は、過去にはトランプ氏に対する支持を表明しており、トランプ氏がTwiiterアカウントを凍結された際は「実質的に言論の自由の裁定人として振る舞う西海岸のハイテク企業たちに、人々は大きな不満を抱くだろう」と批判ツイートを投稿していた。さらにTwitterの個人筆頭株主になってからも、Twitterのサービスが「言論の自由」を遵守していないとの主旨のツイートをいくつも投稿している。
Source:Elon Musk(Twitter)
via:CNBC
Coverage:The Verge(1), (2), TechCrunch
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— Elon Musk (@elonmusk) April 14, 2022
マスク氏は米証券取引委員会(SEC)に提出した最新の書類で、Twitterの全株式取得を「最善かつ最終的な提案」だとしている。マスク氏は市場評価額約370億ドルのTwitter株すべてを、1株あたり54.2ドル、総額430億ドルで買収することを提案している。これは14日現在の株価より16%ほど高額となるが、マスク氏がTwitter株9.2%を取得する前と比較すれば、38%も増額した計算になる。
マスク氏は、Twitter取締役会に送付した書簡で「言論の自由は、機能する民主主義のための社会的必須条件だと信じる」「Twitterには並外れた可能性があり、それを解き放つ」と述べ、もしそれが拒否されるなら「私は株主としての立場を再考することになる」とした。
対するTwitter取締役会は「提案を慎重に検討し、Twiiterおよび全株主にとって最善と思われる対応を決定する」とリリースで述べるにとどめている。
取締役会への書簡がいまのTwitterの問題点として指摘しているのは「言論の自由」という点だ。マスク氏はそれが「民主主義を機能させるための社会的要請」だと述べ、この要請に応えることができていない今のTwitterでは、企業としての繁栄もできないことから「Twitterは非公開企業として生まれ変わらなければならない」とした。
マスク氏がTwitter買収のために提案した430億ドル(約5.4兆円)という額は、日本の2022年度予算案における防衛費に匹敵する。それでもマスク氏の資産額は約2600億ドル(約33兆円)と言われており、Twitterを買ってもマスク氏の財布の中身が寂しくなるということはないだろう。
ただ、この日カナダ・バンクーバーで行われたTED 2022カンファレンスにトークゲストとして登場したマスク氏は、買収における全額を支払うことはできるものの、現在の株主からの反発を抑えるためか「法的に許される限り多くの株主を維持したい」と述べている。
そのTEDトークでマスク氏は「Twitterはもはや事実上、町の広場と変わらないものになった。ならば人々が法の範囲内で自由に話すことができるという現実と認識の両方を備えることが真に重要だ」と、これまでTwitter上で展開してきた持論を繰り返し、要するにツイートは壁に書かれた落書きと同じレベルのものであるはずだと主張している。またTwitterの買収に関してはそれが金銭目的ではなく、買収において「自分は経済的な面には興味はない」と述べた。
一方、マスク氏がTwiiter個人筆頭株主になった直後に現れた変化である、ツイートの編集機能に関しては、ツイートを投稿した後のわずかな期間だけ実行することができるようになり、編集後はリツイートとお気に入りがゼロにリセットされると説明した。ただこの説明だと、誤りを見つけたツイートをいったん削除し、修正したツイートを投稿しなおすという現在のやりかたと結局は同じようなものになると考えられる。なお、編集までにどこかのページに埋め込まれたツイートがどうなるかは述べられていない。
そのほか、「(マスク氏は民主主義をTwitterに取り戻すとしているが)Twitterのような言論プラットフォームを一個人が所有し、その制御に口出しできるようになることをどう思うか」との問いに対しては、同じく個人でFacebookやInstagram、WhatsAppを所有するマーク・ザッカーバーグの実例があるとしたが、具体的な考えを述べることはなかった。
マスク氏といえば、かねてよりTwitter好きを自認し、様々なツイートでその人気を拡大してきた。ただし、某アメリカ前大統領のように、不用意な発言を含む投稿で社会的な問題を引き起こすこともこれまでに何度もあった。
その最たる例が、2018年にテスラ株を非公開化すると述べ、そのための資金もすでに用意したというツイートであることは間違いない。このツイートによって投資家は、マスク氏が高額で市場のテスラ株を買い戻すと考え、急激な株価上昇を招いた。そしてSECがマスク氏のツイートを株価操作とみなし訴訟に至った結果、和解条件としてマスク氏は、テスラ会長職を返上(CEOは継続)し、Twitterへの投稿前に第三者による確認作業を受けることを了承させられた。
一方、Twitter(を含むSNS各社)は、前述の著名人による不用意な発言または事実と異なる発言が社会に与える問題への対応として、問題あるツイートへのラベル付けや非表示化、アカウント凍結などといった対応を強化してきている。
そしてそれは、シリコンバレーの大半が支持するとされるリベラル層の判断基準に沿うことが多く、保守派の人々からはSNSのこうした対応が検閲のように受け取られ「言論の自由が損なわれている」と批判の声もあがっている。
イーロン・マスク氏は、これまでの発言を見れば、保守側の立ち位置にいることがわかる。近年では新型コロナウイルスに関する誤情報をツイートしたり、感染防止のため企業がロックダウンの対応をとるなか、テスラ工場の従業員を出勤させたりといった対応をしてきた。
またマスク氏は、過去にはトランプ氏に対する支持を表明しており、トランプ氏がTwiiterアカウントを凍結された際は「実質的に言論の自由の裁定人として振る舞う西海岸のハイテク企業たちに、人々は大きな不満を抱くだろう」と批判ツイートを投稿していた。さらにTwitterの個人筆頭株主になってからも、Twitterのサービスが「言論の自由」を遵守していないとの主旨のツイートをいくつも投稿している。
Source:Elon Musk(Twitter)
via:CNBC
Coverage:The Verge(1), (2), TechCrunch
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