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公開日 2022/06/29 14:20
武器は「圧倒的なクオリティ」
ソニーがゲーミング界に仕掛ける「真っ向勝負」。市場で“勝つ”ための戦略とは?
編集部:押野 由宇
ソニーが新たなゲーミングギアブランド「INZONE(インゾーン)」を立ち上げた。同社はゲーミング市場では後発となるが、ブランドとしてどのような展開を行っていくのか? 本日、メディア向け説明会が開催された。
その第一弾モデルとなる製品群はモニター2機種とヘッドセット3機種で、どちらも “BRAVIA”(ブラビア)やオーディオ向けヘッドホン製品などの開発で培われた高画質・高音質技術が投入されている。
ブランド名であるINZONEは、アスリートの集中力が研ぎ澄まされ高パフォーマンスを発揮する、 “ゾーンに入る” と表現される状態からきている。プレーヤーをそういった状態へと導き、最高のプレイパフォーマンスをサポートするギアを提供する、という想いが込められたものだ。
掲げるテーマは「圧倒的な没入感」と「爽快な勝利」。ゲームの世界観を楽しませることはもちろんだが、プレーヤーの勝利へと貢献するゲーミングギアとしての位置づけが色濃いのも、同社の従来の民生機器と異なる点だ。ハッキリとゲーミングに舵を切っているというメッセージが明快だ。
ソニーグループの中でのゲーム事業といえば、PlayStationの存在が大きいが、INZONEにおいてもソニーとソニー・インタラクティブエンタテインメントは協業しており、その製品開発にはPlayStationの開発チームも参加している。結果として、PlayStation 5にオーサライズされるための品質基準をクリアし、連動機能 “Perfect for PlayStation 5” を搭載するなど、PlayStationユーザーへのフォローにおいて抜かりはなさそうだ。
しかしその一方、INZONEでは、特にPCゲーマーをメインターゲットに据えた商品展開を行うことに注目したい。
この背景にはeスポーツの拡大があると同社は説明する。日本においてPCゲームの普及が進み、ゲーミングギアの動きも活性化。コロナ前から見てゲーミングモニターは約6.5倍、ゲーミングヘッドセットは約2.5倍に市場が推移していくという。こういった流れのなかで、ゲーミングギアの技術要件が高まり、クオリティが求められるようになってきたことも、PCゲーマーをメインターゲットにする理由に挙げられている。
また日本国内でPCゲーマーがプレイしているゲームジャンルは、RPGが36%で一位、シューティングが30%で二位という調査結果(ソニー調べ)があり、INZONEとして打ち出す製品群とは相性が良いと同社は考えている。なお、すでにINZONE製品はフロム・ソフトウェア「ELDEN RING」と、スクウェア・エニックス「ファイナルファンタジーXIV」の推奨認定ゲーミングギアとなっている。
さらに事前調査で、ゲーミングギアブランドとして期待するブランドに、ソニーの名前が最も多かったことも後押しとなり、「いよいよソニーとして、その期待に応えるべく参入」すると、満を持しての登場に踏み切った。
しかし市場においては、すでに高いシェアを誇るブランドが混在している。そのなかで、INZONEはどういったポジショニングを狙っていくのか。
INZONEが最も強くアピールするのは、その品質だ。ソニーマーケティングのプロダクツビジネス本部 ゲーム事業推進室 室長の麥谷 周一氏は、既存メーカーと「真っ向勝負」ができると語る。
この自信の背景は、民生機器であるブラビアや「1000Xシリーズ」で培ってきた画質・音質技術を投入できることが大きい。eスポーツの勝敗を決める “一瞬” を優位に運ぶためには、ゲーミングギアの性能は “なかなか良い” では足りない。「INZONEは圧倒的な画質・音質で、既存ブランドと競争できる」と麥谷氏は自信を見せる。
さらに民生機器に加え、ソニーグループとしてPlaySationを手掛けてきたことも含め、横軸展開をINZONEの製品開発に取り込めることも、付加価値として挙げられる。
実際、ゲーミングギアとして見ると、INZONEの製品群はミドルクラス以上というべき価格設定になっている。いきなりエントリーからハイエンドまでの製品を展開することもできただろうが、あえてそれを選ばなかった。これはまず、こだわりを持った “メイドフロムジャパン” の高品位なゲーミングギアをラインナップするブランド、というポジションの確立を目指したためだ。
これにはもう一つの狙いもある。ミドル〜ハイエンドなモデルだからこそ、市場において「圧倒的な支持をもらう」ことを目標に据えるが、プロのアーティスト/アスリートがギアにこだわるように、良いゲーミングギアを使うことが勝利につながることをエントリーユーザーに示すことで、買い替え需要を高めて「市場そのものを盛り上げていきたい」という考えだ。
ゲーミングギア市場においては「新参者」であると自認しつつも、参入が待ち望まれていたソニーだからこその特徴も数多い。寄せられる高い期待を受け止めながらスタートした新ブランドが市場を牽引する存在になるか、注目していきたい。
ソニーの高画質・高音質技術を投入したゲーミングギア
その第一弾モデルとなる製品群はモニター2機種とヘッドセット3機種で、どちらも “BRAVIA”(ブラビア)やオーディオ向けヘッドホン製品などの開発で培われた高画質・高音質技術が投入されている。
ブランド名であるINZONEは、アスリートの集中力が研ぎ澄まされ高パフォーマンスを発揮する、 “ゾーンに入る” と表現される状態からきている。プレーヤーをそういった状態へと導き、最高のプレイパフォーマンスをサポートするギアを提供する、という想いが込められたものだ。
掲げるテーマは「圧倒的な没入感」と「爽快な勝利」。ゲームの世界観を楽しませることはもちろんだが、プレーヤーの勝利へと貢献するゲーミングギアとしての位置づけが色濃いのも、同社の従来の民生機器と異なる点だ。ハッキリとゲーミングに舵を切っているというメッセージが明快だ。
ソニーが仕掛けるのは品質を武器にした真っ向勝負
ソニーグループの中でのゲーム事業といえば、PlayStationの存在が大きいが、INZONEにおいてもソニーとソニー・インタラクティブエンタテインメントは協業しており、その製品開発にはPlayStationの開発チームも参加している。結果として、PlayStation 5にオーサライズされるための品質基準をクリアし、連動機能 “Perfect for PlayStation 5” を搭載するなど、PlayStationユーザーへのフォローにおいて抜かりはなさそうだ。
しかしその一方、INZONEでは、特にPCゲーマーをメインターゲットに据えた商品展開を行うことに注目したい。
この背景にはeスポーツの拡大があると同社は説明する。日本においてPCゲームの普及が進み、ゲーミングギアの動きも活性化。コロナ前から見てゲーミングモニターは約6.5倍、ゲーミングヘッドセットは約2.5倍に市場が推移していくという。こういった流れのなかで、ゲーミングギアの技術要件が高まり、クオリティが求められるようになってきたことも、PCゲーマーをメインターゲットにする理由に挙げられている。
また日本国内でPCゲーマーがプレイしているゲームジャンルは、RPGが36%で一位、シューティングが30%で二位という調査結果(ソニー調べ)があり、INZONEとして打ち出す製品群とは相性が良いと同社は考えている。なお、すでにINZONE製品はフロム・ソフトウェア「ELDEN RING」と、スクウェア・エニックス「ファイナルファンタジーXIV」の推奨認定ゲーミングギアとなっている。
さらに事前調査で、ゲーミングギアブランドとして期待するブランドに、ソニーの名前が最も多かったことも後押しとなり、「いよいよソニーとして、その期待に応えるべく参入」すると、満を持しての登場に踏み切った。
しかし市場においては、すでに高いシェアを誇るブランドが混在している。そのなかで、INZONEはどういったポジショニングを狙っていくのか。
INZONEが最も強くアピールするのは、その品質だ。ソニーマーケティングのプロダクツビジネス本部 ゲーム事業推進室 室長の麥谷 周一氏は、既存メーカーと「真っ向勝負」ができると語る。
この自信の背景は、民生機器であるブラビアや「1000Xシリーズ」で培ってきた画質・音質技術を投入できることが大きい。eスポーツの勝敗を決める “一瞬” を優位に運ぶためには、ゲーミングギアの性能は “なかなか良い” では足りない。「INZONEは圧倒的な画質・音質で、既存ブランドと競争できる」と麥谷氏は自信を見せる。
さらに民生機器に加え、ソニーグループとしてPlaySationを手掛けてきたことも含め、横軸展開をINZONEの製品開発に取り込めることも、付加価値として挙げられる。
実際、ゲーミングギアとして見ると、INZONEの製品群はミドルクラス以上というべき価格設定になっている。いきなりエントリーからハイエンドまでの製品を展開することもできただろうが、あえてそれを選ばなかった。これはまず、こだわりを持った “メイドフロムジャパン” の高品位なゲーミングギアをラインナップするブランド、というポジションの確立を目指したためだ。
これにはもう一つの狙いもある。ミドル〜ハイエンドなモデルだからこそ、市場において「圧倒的な支持をもらう」ことを目標に据えるが、プロのアーティスト/アスリートがギアにこだわるように、良いゲーミングギアを使うことが勝利につながることをエントリーユーザーに示すことで、買い替え需要を高めて「市場そのものを盛り上げていきたい」という考えだ。
ゲーミングギア市場においては「新参者」であると自認しつつも、参入が待ち望まれていたソニーだからこその特徴も数多い。寄せられる高い期待を受け止めながらスタートした新ブランドが市場を牽引する存在になるか、注目していきたい。