公開日 2018/04/10 10:50
充実のヘッドホン出力も魅力
ティアック「UD-505」レビュー。とにかく “音が良い” 多機能USB-DAC/ヘッドホンアンプ
鈴木 裕
ティアックの「UD-505」は高い実力を持っている。A4サイズのコンパクトなボディに、USB-DAC機能、フルバランスのヘッドホンアンプ機能、プリ機能をまとめて搭載している。
その特徴の1番目は「音が良い」ことだ、とあえて書き出してみたい。音を良くするために数多くの工夫を施しているし、実際の開発においてヴォイシング(音質の熟成)を行った結果だろう。
今回はUD-505のプロフィールと技術/機能面のポイント、そして様々なシチュエーションでの音質レポートをお送りする。
まず基本的な技術的特徴として、デュアルモノラル構成を徹底していることを挙げたい。DACデバイスとしては旭化成エレクトロニクスのフラッグシップ「AK4497」を左右に1基ずつ搭載している。
各々のDACチップをモノラルモードで使用し、DSD 22.5MHz やPCM 768kHz/32bitまでのネイティブ再生が可能。アナログのアンプ部には電流伝送強化型のバッファーアンプ「TEAC-HCLD回路」を4回路搭載し、バランス出力時にはフルバランス駆動、アンバランス出力時には4回路を使ったパラレル駆動という凝った構成を取っている。なお、ヘッドホン端子については後述する。
クロックについては、44.1kHz系と48kHz系の別々の内部クロックを持っている。また10MHzの外部クロック入力に対応。さらに、PCからのデジタル伝送の新しいUSB伝送技術である、Bulk Pet(バルクペット)のフォーマットも受けることができる。
その他、ハイレゾ品質相当のワイヤレス再生が可能なLDACをはじめ、クアルコムの aptX HDやAAC、SBCなど多彩なコーデックに対応したBluetoothレシーバー機能を搭載しているのも、さすがに最新モデルの設計だ。スマートフォンやDAPからのワイヤレス再生も高品位に楽しめる。
また、デジタル部とアナログ部を完全分離したアイソレーション回路や、左右独立した大容量のトロイダルコア電源トランス、そして制振性と高級感を両立するフルメタルボディに3点支持ピンポイントフットなど、高い基礎体力のポテンシャルを持たせている。
■低域まで密度が濃く、成熟した音。階調表現力の細やかさも特筆点
まずUSB-DACとしての音質を確認した。パワーアンプ等に接続する場合は、バランス(XLR)出力とアンバランス(RCA)出力を使えるが、今回はバランス出力を選択。出力は固定(0dB)/固定(+6dB)/可変から選択できるが、可変にしてボリュームコントロールが効くようにした。いわゆる「DACプリ」としての使い方だ。この出力をダイレクトにアキュフェーズのパワーアンプ「M-6200」に入力し、TADの「E-1」を鳴らしている。
聴いた音源は、PCM系が山下達郎のアルバム『ソノリテ』やエリック・クラプトン『アンプラグド』、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト。そしてDSDの音源として『BOW』から「It's Been A Long, Long Time」を聴いてみた。本作は高田漣がギター弾き語り、そこに大友良英が木製の箱を木製のボールで叩く音や電子音、紙を擦る音などを入れた、ちょっと実験的な録音だ。これらの総合的な印象をまとめた。
その特徴の1番目は「音が良い」ことだ、とあえて書き出してみたい。音を良くするために数多くの工夫を施しているし、実際の開発においてヴォイシング(音質の熟成)を行った結果だろう。
今回はUD-505のプロフィールと技術/機能面のポイント、そして様々なシチュエーションでの音質レポートをお送りする。
まず基本的な技術的特徴として、デュアルモノラル構成を徹底していることを挙げたい。DACデバイスとしては旭化成エレクトロニクスのフラッグシップ「AK4497」を左右に1基ずつ搭載している。
各々のDACチップをモノラルモードで使用し、DSD 22.5MHz やPCM 768kHz/32bitまでのネイティブ再生が可能。アナログのアンプ部には電流伝送強化型のバッファーアンプ「TEAC-HCLD回路」を4回路搭載し、バランス出力時にはフルバランス駆動、アンバランス出力時には4回路を使ったパラレル駆動という凝った構成を取っている。なお、ヘッドホン端子については後述する。
クロックについては、44.1kHz系と48kHz系の別々の内部クロックを持っている。また10MHzの外部クロック入力に対応。さらに、PCからのデジタル伝送の新しいUSB伝送技術である、Bulk Pet(バルクペット)のフォーマットも受けることができる。
その他、ハイレゾ品質相当のワイヤレス再生が可能なLDACをはじめ、クアルコムの aptX HDやAAC、SBCなど多彩なコーデックに対応したBluetoothレシーバー機能を搭載しているのも、さすがに最新モデルの設計だ。スマートフォンやDAPからのワイヤレス再生も高品位に楽しめる。
また、デジタル部とアナログ部を完全分離したアイソレーション回路や、左右独立した大容量のトロイダルコア電源トランス、そして制振性と高級感を両立するフルメタルボディに3点支持ピンポイントフットなど、高い基礎体力のポテンシャルを持たせている。
■低域まで密度が濃く、成熟した音。階調表現力の細やかさも特筆点
まずUSB-DACとしての音質を確認した。パワーアンプ等に接続する場合は、バランス(XLR)出力とアンバランス(RCA)出力を使えるが、今回はバランス出力を選択。出力は固定(0dB)/固定(+6dB)/可変から選択できるが、可変にしてボリュームコントロールが効くようにした。いわゆる「DACプリ」としての使い方だ。この出力をダイレクトにアキュフェーズのパワーアンプ「M-6200」に入力し、TADの「E-1」を鳴らしている。
聴いた音源は、PCM系が山下達郎のアルバム『ソノリテ』やエリック・クラプトン『アンプラグド』、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト。そしてDSDの音源として『BOW』から「It's Been A Long, Long Time」を聴いてみた。本作は高田漣がギター弾き語り、そこに大友良英が木製の箱を木製のボールで叩く音や電子音、紙を擦る音などを入れた、ちょっと実験的な録音だ。これらの総合的な印象をまとめた。