トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2018/08/02 08:00
海上忍のラズパイ・オーディオ通信(48)

ラズパイ・オーディオだって「普通の赤外線リモコン」で操作したい! 方法を教えます

海上忍

前のページ 1 2 3 次のページ

なにも考えず音楽に集中したい

ワンボードオーディオコンソーシアムの代表として、技術発表会などのイベントでたびたび登壇しているが、そのときの質疑応答で「操作ツール」に関する質問は抜きんでて多い。操作にはスマートフォン/タブレットが必須なのか、アプリは提供されるのか……現時点で用意されているUIに関する質問も多いが、「リモコン」について訊ねられることもまた多い。

ここでいうリモコンとは、スマートフォンでもタブレットでもない小型無線機のこと。近ごろでこそBluetoothなどマイクロ波を採用する製品も多いが、リモコンといえば長きにわたり赤外線、質問者も赤外線リモコンを念頭に置いていることがほとんど。要は、これまでのオーディオの感覚で再生/停止や曲送り/戻しできるリモコンを用意する気はあるのか、ということだ。

なにも考えず音楽に集中するには、再生/一時停止など基本的な曲操作ができる「赤外線リモコン」が一番だ(写真はイメージです)

その気持ちは十分過ぎるほど理解できる。曲をスキップするだけのためにスマートフォンのロックを解除するのは面倒だし、ボリューム調整のつど画面をドラッグするのは快適とはいえない。なにも考えず音楽に集中したい、それにはやはりオールドスタイル(?)の赤外線リモコンだ。

ンソーシアム独自ディストリビューション「1bc」(開発途上版)のWEB UI。ボリューム調節が不便なことこのうえない

Raspberry Pi 3にはワイヤレス機能(BluetoothとWi-Fi)が標準装備されているため、赤外線以外の手段もなくはないが、CASE 01にしてもOSECHI BOXにしても金属ケースに覆われてしまうため、オンボードのワイヤレス機能は安定性・信頼性が大幅に低下する。筐体内部の電磁ノイズを減らす観点からも、赤外線のほうがいいだろう。

そこで検討したのが、赤外線モジュールの追加。Raspberry Piには汎用の拡張ポート(GPIO)があるため、そこに空いているピンがあるから赤外線モジュールなどの回路をリード線でつなぎ、その信号を再生系ソフトウェア(ラズパイの場合MPD)を制御する機構に渡す、というのが大まかな仕組みだ。

しかし、開発機兼リファレンス機のGPIOポートにはDACボード「DAC 01」が装着されており、半田ごてで作業しないかぎり赤外線モジュールの追加は難しい。組み立てるだけの(しかもエレガントさを備えた)DIY風オーディオを模索する当連載としては、半田ごての利用は避けたいもの。なにかいい方法は……と悩んでいたところ出会ったのが「LIRC」だ。

LIRCとは何か?

前のページ 1 2 3 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新

WEB