公開日 2019/04/10 06:00
「部屋に入った瞬間の空気が違う、眼前にエレガントなスピーカーが置かれた光景が新鮮。スピーカーからは、抜群のスピード感と聞き惚れるような色艶の良い音が飛び出してくる」…これは、フォーカルの新型スピーカー「Kanta N°1」を聴いていた筆者のパソコンに残された試聴メモである。
フランスを代表するオーディオメーカー『FOCAL(フォーカル)』は、デザインと産業を大切にする都市、サン=テティエンヌで1979年に創業した。これまでに、ホームオーディオ用スピーカー、ヘッドホン、カーオーディオ用のスピーカーユニット、そしてプロ用のモニタースピーカーまで、多くの製品を市場投入し世界中のオーディオファイルから好評を博している。
世界的な潮流として、ここ数年のオーディオシーンは2つの点で大きく変貌している。まずは、ソース音源がCDからデジタル楽曲ファイルやストリーミングになりつつあること。そして、ライフスタイルが多様化し、オーディオ機器に対するデザインの要求も上がっていることだ。
そんな時代にこそ、優れた音質とデザインを両立したスピーカーを継続的に発表してきたフォーカルの存在感が増す。音を第一に考える我々オーディオファイルにとっても、試聴ポイントから見えるスピーカーに美しさや迫力があれば、当然気持ちが高まるものだ。
今回試聴した「Kanta N°1」は、同社のKANTA(カンタ)シリーズに属す2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカー。「UTOPIA III EVO」(ユートピア スリー エヴォ)、「SOPRA」(ソプラ)に次ぐ、上から3番目のラインに位置する。
KANTAシリーズ第一弾となったトールボーイ型の「Kanta N°2」は、海外で大ヒットしており、生産が追いつかないほどの人気モデルとなっている。そんな中登場したKanta N°1は、より設置の自由度が上がった、オーディオファン待望のスピーカーだ。
その本体は横幅約23×高さ42センチで、リアバスレフを採用した2ウェイブックシェルフという伝統的なディメンションだが、仕上がりは数あるブックシェルフスピーカーの中でもひとつ上を行く印象だ。キャビネット素材の選定、そして色使いや細部のフィニッシュに至るまで、あまりにも洗練されている。
今回用意されたカラーは「アイボリー・マット」。今人気の北欧家具テイストを持つ美しい木目模様のエンクロージャー、彩度が抑えられたミュートカラーのフロントバッフル、そして天板は強化ガラスをはめ込んだブラックフィニッシュ。3種類の素材を巧みに組み合わせ、高度なデザインセンスでまとめ上げられている。
さらに、トゥイーターのユニットを止めるビスの質感や、極細のヘアライン処理が施されたスピーカーユニットのフレーム素材に至るまで、細部にもセンスが光る。そこにフォーカルらしいすらっとしたフロントバッフルに取り付けられたウーファー部も合わさり、アイデンティティを確立する。こんな美しいデザインのスピーカーを1度使ったら、普通のスピーカーには戻れなくなってしまいそうだ。
本スピーカーのカラーバリエーションは8種類も用意されている。よりインパクトのあるコントラストが強いデザインや、私のようなコアなオーディオファイルから支持されそうな光沢のあるピアノブラック、ホワイトグロスのモデルもしっかりと用意されているのも嬉しいポイントだ。
また、ブックシェルフスピーカーはスピーカースタンドに乗せて使用することが多いが、そのスタンドのデザインもスリムな支柱から美しい曲線美を描き、床に到達する底部までもが洗練されており、スピーカーを引き立たせてくれる。
次世代のオーディオを表す、完成度の高さを実現
現代スピーカーの理想像を示す、巧みな音楽性と美しい意匠。FOCAL「Kanta N°1」を聴く
土方久明「部屋に入った瞬間の空気が違う、眼前にエレガントなスピーカーが置かれた光景が新鮮。スピーカーからは、抜群のスピード感と聞き惚れるような色艶の良い音が飛び出してくる」…これは、フォーカルの新型スピーカー「Kanta N°1」を聴いていた筆者のパソコンに残された試聴メモである。
フランスを代表するオーディオメーカー『FOCAL(フォーカル)』は、デザインと産業を大切にする都市、サン=テティエンヌで1979年に創業した。これまでに、ホームオーディオ用スピーカー、ヘッドホン、カーオーディオ用のスピーカーユニット、そしてプロ用のモニタースピーカーまで、多くの製品を市場投入し世界中のオーディオファイルから好評を博している。
世界的な潮流として、ここ数年のオーディオシーンは2つの点で大きく変貌している。まずは、ソース音源がCDからデジタル楽曲ファイルやストリーミングになりつつあること。そして、ライフスタイルが多様化し、オーディオ機器に対するデザインの要求も上がっていることだ。
そんな時代にこそ、優れた音質とデザインを両立したスピーカーを継続的に発表してきたフォーカルの存在感が増す。音を第一に考える我々オーディオファイルにとっても、試聴ポイントから見えるスピーカーに美しさや迫力があれば、当然気持ちが高まるものだ。
今回試聴した「Kanta N°1」は、同社のKANTA(カンタ)シリーズに属す2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカー。「UTOPIA III EVO」(ユートピア スリー エヴォ)、「SOPRA」(ソプラ)に次ぐ、上から3番目のラインに位置する。
KANTAシリーズ第一弾となったトールボーイ型の「Kanta N°2」は、海外で大ヒットしており、生産が追いつかないほどの人気モデルとなっている。そんな中登場したKanta N°1は、より設置の自由度が上がった、オーディオファン待望のスピーカーだ。
その本体は横幅約23×高さ42センチで、リアバスレフを採用した2ウェイブックシェルフという伝統的なディメンションだが、仕上がりは数あるブックシェルフスピーカーの中でもひとつ上を行く印象だ。キャビネット素材の選定、そして色使いや細部のフィニッシュに至るまで、あまりにも洗練されている。
今回用意されたカラーは「アイボリー・マット」。今人気の北欧家具テイストを持つ美しい木目模様のエンクロージャー、彩度が抑えられたミュートカラーのフロントバッフル、そして天板は強化ガラスをはめ込んだブラックフィニッシュ。3種類の素材を巧みに組み合わせ、高度なデザインセンスでまとめ上げられている。
さらに、トゥイーターのユニットを止めるビスの質感や、極細のヘアライン処理が施されたスピーカーユニットのフレーム素材に至るまで、細部にもセンスが光る。そこにフォーカルらしいすらっとしたフロントバッフルに取り付けられたウーファー部も合わさり、アイデンティティを確立する。こんな美しいデザインのスピーカーを1度使ったら、普通のスピーカーには戻れなくなってしまいそうだ。
本スピーカーのカラーバリエーションは8種類も用意されている。よりインパクトのあるコントラストが強いデザインや、私のようなコアなオーディオファイルから支持されそうな光沢のあるピアノブラック、ホワイトグロスのモデルもしっかりと用意されているのも嬉しいポイントだ。
また、ブックシェルフスピーカーはスピーカースタンドに乗せて使用することが多いが、そのスタンドのデザインもスリムな支柱から美しい曲線美を描き、床に到達する底部までもが洗練されており、スピーカーを引き立たせてくれる。