公開日 2020/11/24 06:45
【特別企画】細部の精密な描写が際立つ
ティグロンの技術をLANケーブルに全投入!「TPL-2000L」でネットオーディオが新たな高みに至る
逆木 一
ティグロンの最高峰、2000シリーズから、第3弾としてLANケーブルが登場した。電源ケーブル「TPL-2000A」の技術を踏襲。その上で新開発のフィルターを投入し、プラグにはドイツ、テレガートナー製のカスタマイズ品を搭載するなど、細部に至るまでこだわり抜かれた仕上がりとなっている。今回、この最高峰のLANケーブルを逆木 一氏がレポートする。
■2000シリーズのLANケーブルに、ティグロンの技術を全て投入
ネットワークオーディオのシステムにおいて、LANケーブルで音は変わるのか。この問いに自分なりの答えを見出してから、もう10年にもなる。
ずばり、LANケーブルで音は変わる。この実感を筆者だけでなく業界全体で持ったからこそ、今に到るまで、多くのメーカーから様々なオーディオ用LANケーブルが登場し、ネットワークオーディオの深化の一助となってきた。そして今回、ティグロンから登場した「TPL-2000L」もまた、市場に一石を投じるべく意欲的な仕様を纏ったモデルである。
TPL-2000L
LANケーブル
0.5m= 62,000円 1.0m=70,000円
2.0m=86,000円(+0.5mごとに8,000円)※すべて税別
TPL-2000Lはティグロンのプレミアムラインの第1弾となった電源ケーブルTPL-2000Aの内容をすべて引き継ぐ、LANケーブルのフラグシップモデルとなる。
ディップフォーミング無酸素銅導体、マグネシウムシールド、オリジナルのバーンイン技術であるハイパー・サチュレーテッド・エナジャイザー(HSE)というティグロンを象徴する3大技術はもちろん投入。さらにインとアウトの2カ所にマグネシウムフィルターを配置するなどして静寂感を追求、プラグはドイツ・テレガートナー製のカスタマイズ品を採用するなど、構造面でもこだわり抜かれている。そんなTPL-2000Lをいちはやく試す機会に恵まれたので、インプレッションをお届けしたい。
試聴で用いたケーブルは2本で、ハブとfidataのオーディオ用サーバー「HFAS1-X20」の間、さらにそこからスフォルツァートのネットワークプレーヤー「DSP-Dorado」の間を接続。つまり、ハブ以降の経路をTPL-2000Lに統一した形である。なお、ケーブルは十分にしなやかで、結線で困ることはなかった。
■音楽が”爆発”する。頭一つ抜けた存在の新世代LANケーブル
音楽が爆発した。これが筆者のTPL-2000Lで聴いた際の偽らざる第一印象である。10年前、一般的なオフィス用LANケーブルからオーディオ用LANケーブルに初めて取り換えた時の鮮烈な記憶。それを呼び覚ますほどの巨大な衝撃がTPL-2000Lにはあった。
一聴した瞬間「音量が一気に大きくなった」と感じられるほどの、凄まじい情報量。高域がどうした、低域がこうした、といった一面的な変化とは一線を画した、全面的かつ本質的なクオリティの向上に、度肝を抜かれてしまった。音楽の背景には極まった静寂感があり、その結果として、エネルギー感の高まりや、細部の精密な描写がますます際立っている。
いわば、良い意味で「ハイコントラスト」。静寂がベースにあるからこそ、ひとつひとつの音が、総体としての音楽が、埋もれることなく露になる。「静」の深まりは、特定の帯域を強調したり膨らませたりといった策を弄する必要もなく、「動」の存在感を著しく高めるのである。
それにしても、LANケーブルの交換によってこれだけエネルギー感が充実するとは驚き以外の何物でもない。TPL-2000Lの存在は、「ネットワークオーディオは繊細だけどどこか線が細くて……」といった認識を吹き飛ばして余りある。
この際、はっきり言ってしまおう。今回の試聴でTPL-2000Lがもたらした音質の向上は、筆者が今まで聴いてきたあらゆるオーディオ用LANケーブルの中で頭一つ抜けている。2本のTPL-2000Lによって、筆者のシステムは一線を越えて新たな高みに到った。
最近のネットワークオーディオのシーンでは、光ファイバーケーブルを使ったネットワーク接続が注目されている。実際に筆者も、それが音にもたらす効果を体験し、そこに可能性を感じている。とはいえ、光ファイバーケーブルで直接接続可能な製品はごくわずかであり、依然として、ほとんどすべてのシステムで従来のメタルLANケーブルが必要という状況に変わりはない。そんな状況で、TPL-2000Lは、メタルLANケーブルの重要性と価値をあらためて実感させてくれた。
TPL-2000Lは、既に様々なオーディオ用LANケーブルを試してきた人にはその決定版に、そしてオーディオ用LANケーブルの導入を検討している人には間違いのない選択肢になり得るだけの素質が感じられる。ネットワークオーディオのシステムの再生音を底上げする、とっておきの一手として、ぜひ、その実力を体験してもらいたい。
本記事は季刊・オーディオアクセサリー 178号 SUMMERからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。
■2000シリーズのLANケーブルに、ティグロンの技術を全て投入
ネットワークオーディオのシステムにおいて、LANケーブルで音は変わるのか。この問いに自分なりの答えを見出してから、もう10年にもなる。
ずばり、LANケーブルで音は変わる。この実感を筆者だけでなく業界全体で持ったからこそ、今に到るまで、多くのメーカーから様々なオーディオ用LANケーブルが登場し、ネットワークオーディオの深化の一助となってきた。そして今回、ティグロンから登場した「TPL-2000L」もまた、市場に一石を投じるべく意欲的な仕様を纏ったモデルである。
LANケーブル
0.5m= 62,000円 1.0m=70,000円
2.0m=86,000円(+0.5mごとに8,000円)※すべて税別
TPL-2000Lはティグロンのプレミアムラインの第1弾となった電源ケーブルTPL-2000Aの内容をすべて引き継ぐ、LANケーブルのフラグシップモデルとなる。
ディップフォーミング無酸素銅導体、マグネシウムシールド、オリジナルのバーンイン技術であるハイパー・サチュレーテッド・エナジャイザー(HSE)というティグロンを象徴する3大技術はもちろん投入。さらにインとアウトの2カ所にマグネシウムフィルターを配置するなどして静寂感を追求、プラグはドイツ・テレガートナー製のカスタマイズ品を採用するなど、構造面でもこだわり抜かれている。そんなTPL-2000Lをいちはやく試す機会に恵まれたので、インプレッションをお届けしたい。
試聴で用いたケーブルは2本で、ハブとfidataのオーディオ用サーバー「HFAS1-X20」の間、さらにそこからスフォルツァートのネットワークプレーヤー「DSP-Dorado」の間を接続。つまり、ハブ以降の経路をTPL-2000Lに統一した形である。なお、ケーブルは十分にしなやかで、結線で困ることはなかった。
■音楽が”爆発”する。頭一つ抜けた存在の新世代LANケーブル
音楽が爆発した。これが筆者のTPL-2000Lで聴いた際の偽らざる第一印象である。10年前、一般的なオフィス用LANケーブルからオーディオ用LANケーブルに初めて取り換えた時の鮮烈な記憶。それを呼び覚ますほどの巨大な衝撃がTPL-2000Lにはあった。
一聴した瞬間「音量が一気に大きくなった」と感じられるほどの、凄まじい情報量。高域がどうした、低域がこうした、といった一面的な変化とは一線を画した、全面的かつ本質的なクオリティの向上に、度肝を抜かれてしまった。音楽の背景には極まった静寂感があり、その結果として、エネルギー感の高まりや、細部の精密な描写がますます際立っている。
いわば、良い意味で「ハイコントラスト」。静寂がベースにあるからこそ、ひとつひとつの音が、総体としての音楽が、埋もれることなく露になる。「静」の深まりは、特定の帯域を強調したり膨らませたりといった策を弄する必要もなく、「動」の存在感を著しく高めるのである。
それにしても、LANケーブルの交換によってこれだけエネルギー感が充実するとは驚き以外の何物でもない。TPL-2000Lの存在は、「ネットワークオーディオは繊細だけどどこか線が細くて……」といった認識を吹き飛ばして余りある。
この際、はっきり言ってしまおう。今回の試聴でTPL-2000Lがもたらした音質の向上は、筆者が今まで聴いてきたあらゆるオーディオ用LANケーブルの中で頭一つ抜けている。2本のTPL-2000Lによって、筆者のシステムは一線を越えて新たな高みに到った。
最近のネットワークオーディオのシーンでは、光ファイバーケーブルを使ったネットワーク接続が注目されている。実際に筆者も、それが音にもたらす効果を体験し、そこに可能性を感じている。とはいえ、光ファイバーケーブルで直接接続可能な製品はごくわずかであり、依然として、ほとんどすべてのシステムで従来のメタルLANケーブルが必要という状況に変わりはない。そんな状況で、TPL-2000Lは、メタルLANケーブルの重要性と価値をあらためて実感させてくれた。
TPL-2000Lは、既に様々なオーディオ用LANケーブルを試してきた人にはその決定版に、そしてオーディオ用LANケーブルの導入を検討している人には間違いのない選択肢になり得るだけの素質が感じられる。ネットワークオーディオのシステムの再生音を底上げする、とっておきの一手として、ぜひ、その実力を体験してもらいたい。
本記事は季刊・オーディオアクセサリー 178号 SUMMERからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。