公開日 2020/11/26 06:30
評論家・土方久明氏がチェック
最新トレンド「ノイキャン完全ワイヤレス」にJVCが参戦! 約1万円の注目機「HA-A50T」を聴く
土方久明
ノイズキャンセリング機能の搭載がトレンドになっている完全ワイヤレスイヤホンに、JVCからも「HA-A50T」が登場。同機の実力を評論家の土方久明氏がチェックした。
■約1万円のノイキャン完全ワイヤレスを試す
今や、完全ワイヤレスイヤホンの人気はどんどん勢いが加速している。特に最近は、コストパフォーマンスが高い製品が多くなってきており、さらに使用するシーンに合わせて付加価値を持たせたモデルも増えている印象だ。
総合オーディオメーカーであるJVCも、重低音&タフボディの「HA-XC90T」、イヤーサポートとイヤーフックのデュアルイヤーサポートを採用したスポーツ向けの「HA-ET45T」など、用途に合わせて様々なモデルがある。
中でも今回レビューする「HA-A50T」は、同社製品としては安価(※予想実売価格 税抜1万円前後)ながら、ノイズキャンセリング機能と低反発イヤーピースで高い遮音性を実現し、JVCらしい高音質化も狙ったという野心的な製品だ。
ハウジングはビルドクオリティが高いプラスチックで、その内部には口径10mmの高音質ダイナミックドライバーを搭載する。この価格帯で10mmドライバーを搭載し、なおかつノイズキャンセリング機能も備えたところが本機のトピックだ。
HA-A50Tは、内蔵マイクで周囲のノイズを集音し、それを打ち消す信号を高精度に生成するアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する。そこに、特製の低反発イヤーピースを組み合わせることで、高い遮音性を実現するのがポイント。これによりカフェなどの店内から航空機/電車内まで、幅広いシーンでノイズキャンセリングを活躍できるのだ。
もちろん、10mmの大口径ドライバーの採用は音質にもおおいに作用する。後述するが、高磁力ネオジウムマグネットで駆動される本ドライバーのおかげで、価格以上の良好な音質を実現していた。
さらにHA-A50Tは、操作性や接続安定性、電池の持ち時間など完全ワイヤレスイヤホンに必要とされる機能や操作性などの各要素をバランスよく備えることも印象深い。Bluetoothの規格は、Ver.5.0/Power Class1に対応し、最適化されたアンテナ位置によって安定した無線接続を可能とする「FPCアンテナ」を採用している。完全ワイヤレスイヤホンでは特に気になるバッテリーの持ち時間は、内蔵バッテリーと充電ケースを合わせて約32時間の長時間再生に対応し、10分の充電で約1時間の再生が可能になるクイック充電にも対応する(実際に同種のイヤホンを使うとクイック充電機能は大いに有用だ)。
操作性も良好だ。左右の本体ハウジングにタッチコントロールセンサーが搭載されており、電源のオン/オフ、ボリューム調整に加え、再生/一時停止/曲送り/曲戻しなど操作が可能。更にノイズキャンセリング機能を使用中に外音を取り込める「タッチ&トーク機能」も利用できる。
それではここからは試聴に入ろう。HA-A50Tの重量は片側7.1グラムと軽量で、耳へのフィット性に優れている。音を出す前に気がついたのだが、低反発イヤーピースの遮音性はとても良好で、10mmドライバーを採用したにもかかわらずハウジングサイズがコンパクトに抑えられていることも印象的だ。
iPhone Xとのペアリングもスムーズに完了し、まずはSpotifyから米津玄師「パプリカ」を再生した。本楽曲は冒頭のエレクトリックシンセサイザーで聴感上のSNの良さがわかるが、背景の静寂感が高い上、サウンドステージが広い。ボーカルの距離感も適切で、エレクトリックベースは若干強めな分グルーブ感にも長けている。
続いて、山田和樹 /スイス・ロマンド管弦楽団による「サン=サーンス: 交響曲第3番 オルガン付き」からトラック4を再生。パイプオルガンが加わる壮大なオーケストラ曲で、高域から低域までのfレンジと全帯域での分解能を要求される楽曲だが、適度にブーストされた低域によりパイプオルガンの質感も迫力がある。
最近のイヤホン/ヘッドホンは第一印象を高めるために派手な音のするモデルが多いが、購入後長期間愛用できるのはこのような適度なチューニングの製品だ。フラットな中高域により無用な突き刺さり感が皆無で、低域は若干盛っているものの現代の楽曲との相性は悪くない。
続いてノイズキャンセリング能力を試してみた。右側のセンサーをタッチするとノイズキャンセル機能を有効化できる。ノイズキャンセリング機能自体に加えて、物理的に優れるイヤーピースにより外音を徹底的に遮断する。これによりノイズキャンセリング能力は良好で高い静寂の中で音楽を楽しむことができた。
もうひとつ、筆者は本モデルを、外出時だけではなく自宅での執筆中にも利用していたのだが、タッチ&トーク機能は話しかけてくる家族との会話に便利だった。また、マイクを搭載してハンズフリー通話ができること、ペアリングしたスマートフォンの音声アシスタント起動にも対応するので、仕事中でも活躍してくれた。
HA-A50Tは比較的安価なモデルだが、装着感、音質、ノイズキャンセリング、防水機能まで機能と音質のバランスが良く、購入後の満足感は高い。最近はさらに安価な海外製のモデルも出ているが、いつも身に付けるものだからこそ完成度の高いモデルを導入していただきたい。
■約1万円のノイキャン完全ワイヤレスを試す
今や、完全ワイヤレスイヤホンの人気はどんどん勢いが加速している。特に最近は、コストパフォーマンスが高い製品が多くなってきており、さらに使用するシーンに合わせて付加価値を持たせたモデルも増えている印象だ。
総合オーディオメーカーであるJVCも、重低音&タフボディの「HA-XC90T」、イヤーサポートとイヤーフックのデュアルイヤーサポートを採用したスポーツ向けの「HA-ET45T」など、用途に合わせて様々なモデルがある。
中でも今回レビューする「HA-A50T」は、同社製品としては安価(※予想実売価格 税抜1万円前後)ながら、ノイズキャンセリング機能と低反発イヤーピースで高い遮音性を実現し、JVCらしい高音質化も狙ったという野心的な製品だ。
ハウジングはビルドクオリティが高いプラスチックで、その内部には口径10mmの高音質ダイナミックドライバーを搭載する。この価格帯で10mmドライバーを搭載し、なおかつノイズキャンセリング機能も備えたところが本機のトピックだ。
HA-A50Tは、内蔵マイクで周囲のノイズを集音し、それを打ち消す信号を高精度に生成するアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する。そこに、特製の低反発イヤーピースを組み合わせることで、高い遮音性を実現するのがポイント。これによりカフェなどの店内から航空機/電車内まで、幅広いシーンでノイズキャンセリングを活躍できるのだ。
もちろん、10mmの大口径ドライバーの採用は音質にもおおいに作用する。後述するが、高磁力ネオジウムマグネットで駆動される本ドライバーのおかげで、価格以上の良好な音質を実現していた。
さらにHA-A50Tは、操作性や接続安定性、電池の持ち時間など完全ワイヤレスイヤホンに必要とされる機能や操作性などの各要素をバランスよく備えることも印象深い。Bluetoothの規格は、Ver.5.0/Power Class1に対応し、最適化されたアンテナ位置によって安定した無線接続を可能とする「FPCアンテナ」を採用している。完全ワイヤレスイヤホンでは特に気になるバッテリーの持ち時間は、内蔵バッテリーと充電ケースを合わせて約32時間の長時間再生に対応し、10分の充電で約1時間の再生が可能になるクイック充電にも対応する(実際に同種のイヤホンを使うとクイック充電機能は大いに有用だ)。
操作性も良好だ。左右の本体ハウジングにタッチコントロールセンサーが搭載されており、電源のオン/オフ、ボリューム調整に加え、再生/一時停止/曲送り/曲戻しなど操作が可能。更にノイズキャンセリング機能を使用中に外音を取り込める「タッチ&トーク機能」も利用できる。
それではここからは試聴に入ろう。HA-A50Tの重量は片側7.1グラムと軽量で、耳へのフィット性に優れている。音を出す前に気がついたのだが、低反発イヤーピースの遮音性はとても良好で、10mmドライバーを採用したにもかかわらずハウジングサイズがコンパクトに抑えられていることも印象的だ。
iPhone Xとのペアリングもスムーズに完了し、まずはSpotifyから米津玄師「パプリカ」を再生した。本楽曲は冒頭のエレクトリックシンセサイザーで聴感上のSNの良さがわかるが、背景の静寂感が高い上、サウンドステージが広い。ボーカルの距離感も適切で、エレクトリックベースは若干強めな分グルーブ感にも長けている。
続いて、山田和樹 /スイス・ロマンド管弦楽団による「サン=サーンス: 交響曲第3番 オルガン付き」からトラック4を再生。パイプオルガンが加わる壮大なオーケストラ曲で、高域から低域までのfレンジと全帯域での分解能を要求される楽曲だが、適度にブーストされた低域によりパイプオルガンの質感も迫力がある。
最近のイヤホン/ヘッドホンは第一印象を高めるために派手な音のするモデルが多いが、購入後長期間愛用できるのはこのような適度なチューニングの製品だ。フラットな中高域により無用な突き刺さり感が皆無で、低域は若干盛っているものの現代の楽曲との相性は悪くない。
続いてノイズキャンセリング能力を試してみた。右側のセンサーをタッチするとノイズキャンセル機能を有効化できる。ノイズキャンセリング機能自体に加えて、物理的に優れるイヤーピースにより外音を徹底的に遮断する。これによりノイズキャンセリング能力は良好で高い静寂の中で音楽を楽しむことができた。
もうひとつ、筆者は本モデルを、外出時だけではなく自宅での執筆中にも利用していたのだが、タッチ&トーク機能は話しかけてくる家族との会話に便利だった。また、マイクを搭載してハンズフリー通話ができること、ペアリングしたスマートフォンの音声アシスタント起動にも対応するので、仕事中でも活躍してくれた。
HA-A50Tは比較的安価なモデルだが、装着感、音質、ノイズキャンセリング、防水機能まで機能と音質のバランスが良く、購入後の満足感は高い。最近はさらに安価な海外製のモデルも出ているが、いつも身に付けるものだからこそ完成度の高いモデルを導入していただきたい。
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