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公開日 2022/03/17 06:30
【特別企画】最上級のNCF電源端子を起用

フルテックの最高峰電源ケーブルNCFモデル「Powerflux NCF-18」をAAEX審査員がクロスレビュー

鈴木 裕/生形三郎/福田雅光

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優れた電源パーツ製品を豊富にラインアップするフルテック。独自の工夫と音質向上技術による改善で、次々と新たな人気製品を生み出すなか、注目株はやはり「NCF」関連モデルといえるだろう。ここでご紹介するのは、最上級のNCF電源端子を採用した、待望の完成品電源ケーブル。重厚な作りと音、存在感は、最高峰にふさわしい内容として評価を獲得し、『オーディオアクセサリー銘機賞2022』でグランプリを受賞した。満を持して送り出された自社ブランドの完成品ならではの魅力を、3人の審査員がご報告する。

フルテック最高峰電源ケーブル「Powerflux NCF-18」327,800円(1.8m・税込)

フラッグシップの名にふさわしい作りと音だ(Text by鈴木 裕)
■徹底的といえる対策の数々、重厚な作りと質感も頼もしい

鈴木 裕(オーディオアクセサリー銘機賞・審査委員)

フルテックの新しいフラッグシップの電源ケーブル「Powerflux NCF-18」。「オーディオアクセサリー銘機賞2022」のグランプリを受賞したのも納得できる内容と音質だ。

まず、採用している同社電源プラグの「FI-50M NCF(R)」とIECコネクター「FI-50NCF(R)」。内部の樹脂の部分に、いずれも特殊素材NCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)を採用し、制振や静電気に対する能力を高めている。

ハウジングはステンレス合金からの削り出しで、その外側はシルバーカーボンファイバーで仕上げた3層構造。ケーブルクランプ部分にも特殊金属を採用し、ここでも制振効果を高めている。電極部は純銅にロジウムメッキ処理を施した上で、αプロセス処理。不要な輻射ノイズを抑えるアースジャンパーも装備されている。徹底的だ。

ケーブル部の導体は、高密度のOCC素材に超低音処理と特殊電磁界処理を行った同社製のもの。絶縁材はカーボンパウダーを調合したPVCによる2重シース構造。外観の特徴となっているケーブル中間部のパーツは、電磁ノイズ対策の「GC-303EMI」吸収剤を装着し、内部にはネオダンパーテクノロジーを投入。電磁的、振動的な役割を持たせている。仕上げはナイロン編組で、ケーブル外径としては約17.5mm。手に持つと、みっしりとした質感の重めの感じが頼もしい。

■低重心でスケールが大きく、しっとりして実在感ある表現

「Powerflux NCF-18」の試聴テストは拙宅のシステムでCDプレーヤーに使って行ったが、一聴して高いエネルギー感やスケール感を持っている。特に編成の大きいオーケストラを再生するのに適性がいいが、バンド編成のポップスでも細部のサウンド作りなどがよく聴こえてきて発見が多い。ノイズフロアは相当に静かで、透明な空間自体にしっとりとした感じがあり、そこに大きめの音像が定位してくる。

反応は速めだが音の重心は低く、低音感は十分にある。エリック・クラプトン『アンプラグド』でのオーディエンスひとりひとりの拍手は実在感が高く、音としてはタフな感じ。コントラストはシャープさも強めだが、それらがほどほどのところでコントロールされているところに、NCFを採用している効果を強く感じる。

ひと言で言って立派な音がする電源ケーブルで、フルテックブランドが持っている技術を存分に投入。フラッグシップの名にふさわしい作りと音だ。

生形三郎氏による「Powerflux NCF-18」の音質レポート

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