PHILE WEB

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2022/07/08 06:45
最新パネル採用の「LG OLED evo Gallery Edition」とα9 Gen5 AIプロセッサーを搭載

VGP審査員一同も絶賛。LG「OLED G2シリーズ」は新次元のプレミアム4K有機ELテレビだ

海上忍

前のページ 1 2 次のページ

有機ELテレビのトップランナーであるLGから、新たなフラグシップモデル“G2シリーズ”「LG OLED evo Gallery Edition」が登場した。本機は、最新パネルの採用や最新世代の映像エンジン「α9 Gen5 AIプロセッサー」の搭載などにより、新次元のプレミアム画質を実現したことが評価され、見事「VGP 2022 SUMMER」映像音響部会の特別賞&金賞をW受賞。

VGP審査員一同も絶賛したというその映像クオリティはどれほどのものだろうか。海上 忍氏によるレビューをお届けしよう。

「OLED G2シリーズ」:¥OPEN(想定実売価格:77型/税込830,000円前後、65型/税込550,000円前後、55型/税込400,000円前後)

有機ELパネルと映像エンジンの進化が実現したプレミアム画質

現在ある有機EL(OLED)テレビの道は、LGが拓いた道といっても言い過ぎではないだろう。2013年に発表された世界初の大型商用モデル「55EM9700」を皮切りに、2015年には4Kモデルを投入、2017年には薄型軽量の壁掛けモデル、2019年には8Kモデルと、LGはOLEDテレビをリードしてきた。

そのLGが2022年のフラグシップとして投入したOLEDテレビが、77/65/55インチの3サイズからなる“G2シリーズ”「LG OLED evo Gallery Edition」。

昨年のフラグシップモデル“G1シリーズ”に搭載された、新発光素材による赤・緑・青波長の改善と、新しいカラーレイヤーの追加で色再現性向上を図った「LG OLED evo」をベースに、第5世代を数えるOLEDに最適化された映像エンジン「α9 Gen5 AIプロセッサー」と放熱板の追加により、明るさを増したことが映像面における最大のトピックである。

「α9 Gen5 AIプロセッサー」のポイントは大きく5つ。「アップスケーリング」と「オブジェクト検出」、「ダイナミックトーンマッピング」、「色域拡張」、そして「バーチャル7.1.2chサウンド」だ。

アップスケーリング性能は大幅に向上した。第4世代エンジンのα9 Gen4 AIプロセッサーは一度2K変換したあとに4K変換(480p/720p→2K→4K)という2ステップで処理していたところ、α9 Gen5 AIプロセッサーではすべての解像度から一気に4K変換(480p/720p/2K→4K)、しかも同時にディープラーニングを活用したノイズリダクションを実行する。処理落ちが減るうえにノイズも減る、合理的な手法だ。

オブジェクト検出機能も進化。α9 Gen4 AIプロセッサーでは顔と文字を認識し、自然な肌色や読みやすい文字の表示に貢献していたが、α9 Gen5 AIプロセッサーでは体や自動車などの物体も認識対象に加わり、さらには前景/背景の区別も可能に。それぞれの要素にシャープネス/コントラスト調整をかけることにより、立体感・臨場感をも表現できるようになった。

α9 Gen5 AIプロセッサーではオブジェクト検出機能(写真左)や人の顔の補正機能(写真右)などが進化。どちらの写真も左側が従来機、右側が最新プロセッサーによるものだ

エリアごとに適切な輝度情報を設定するダイナミックトーンマッピングは、長足の進歩を遂げたと言っていいだろう。α9 Gen4 AIプロセッサーではフレーム単位だったところが、α9 Gen5 AIプロセッサーではそれぞれのゾーンの最も明るい/暗い部分を検出し、ダイナミックトーンマッピングを実行するよう強化された。ゾーンごとに最適なトーンカーブを適用したフレームを生成できるというわけだ。「ダイナミックトーンマッピングプロ」という新しい機能名は、むしろ控えめなネーミングと感じてしまう。

色域拡張にも改良が施されている。従来はディスプレイで表示可能な色域のすべてではなく、その一部を拡大するに留まっていたが、α9 Gen5 AIプロセッサーでは動的に色域を拡張できる機能「Dynamic Color Gamut」を導入した。たとえば、中央の人物は固定され背景だけが動く映像では、肌色効果を適用したエリアを変化させる必要はないため、拡張する色域から外してしまう。そうすれば肌色をキープしつつ背景をビビッドな色調にできる、という考えかただ。

ダイナミックトーンマッピングも大幅に進化。他にも多くの部分で性能が向上している

エッジレスプールのような佇まい、より自然で鮮やかな映像品質

前のページ 1 2 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 “1dB”の壁を超えろ!特性と音質向上に賭ける旭化成の最新DACソリューション、新旧徹底比較!
2 「テレビ接続もできる!」マランツの”ミドルクラス” ネットワーク対応プリメインアンプ「MODEL 60n」レビュー
3 栃木県初出店の「Anker Store Outlet 佐野」が3/21オープン。人気製品を400モデル以上展開
4 MUTEC「MC-3+USB」は“評論家が手放せない”リクロッカー。Qobuz再生で魅力を再検証!
5 ウルトラマンゼロとイヤホンが“一体化”!想い迸る「COTSUBU ULTRAMAN ZERO version」の開発担当者に話を訊いてみた
6 大谷翔平出場予定「カブス対ドジャース」19時から。地上波は日テレ、配信はPrime Videoにて
7 【Qobuzを楽しむ30万円プラン】既存システムにWiiMをプラスオン!瀟洒なフレンチ・サウンドに新たな彩りを
8 【ミニレビュー】小型プレーヤーやサウンドバーにも。サエクのメガネ型電源ケーブルが音質に効く!
9 1型センサーのメインカメラに加え、2億画素の超望遠カメラを搭載!「Xiaomi 15 Ultra」インタビュー動画を公開!
10 楽天「Rチャンネル」、Android TV/Amazon Fire TV搭載テレビ向けアプリを提供開始
3/19 10:17 更新

WEB