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公開日 2022/10/20 06:30
【特別企画】ペルソナを愛する評論家たち(6)

パラダイム「Persona B」導入記。「超高性能な再生能力を備えた“音楽を楽しめる”スピーカー」土方久明氏

土方久明
カナダ発のスピーカーブランド、パラダイム。なかでもブランドの最上位クラス「Persona」シリーズは、オーディオ評論家の間でも愛用者が増えてきている。

土方久明が導入したパラダイムのスピーカー「Persona B」。キャビネットはグロスブラック(光沢)、バッフルはブラック仕上げ

最後を飾るのはオーディオ評論家の土方久明氏。グロスブラックの「Persona B」導入までには、どんなストーリーがあったのだろうか?

広大な高〜低域レンジとさらに音色も統一できる



2022年6月、僕は自宅に届いた「Persona B」をオーディオ少年のようなワクワクとした気持ちで開封していた。初めてPersonaシリーズを知ったのは、2019年。そして、ファーストコンタクトは、輸入元であるPDNの試聴室。初めて聴いたPersonaは、分解能とステージングの両方で圧倒的な再生能力を見せつけ「なぜ今まで日本に入っていなかったのだろう?」と衝撃を受けたことを覚えている。

その後、何回かの取材を重ねているうち、僕の心は少しずつPersonaに惹かれて、5月に購入を決意した。

実は僕がパラダイムのスピーカーを導入するのは2台目で、シリーズで最安価な「MONITOR SE ATOM」をすでに導入している。このスピーカーのコストパフォーマンスは素晴らしく、安価なアンプを試すときのリファレンスとなっているが、既に僕はパラダイムの技術力に全く疑いはなかった。

話を「Persona B」に戻すが、このスピーカーの特徴を一言で話すなら、「超高性能な再生能力を持った、音楽を楽しめるスピーカー」である。

Personaシリーズは、サブウーファーを除く全モデルのトゥイーターとミッドレンジユニットに純度99.9%の“Truextent”と名付けられたベリリウム振動板が搭載され、音と立ち上がりが抜群。聴感上のfレンジ/Dレンジも広く、音色もアキュレートだ。

エンクロージャーは音響解析が徹底され、ブレーシングやダンピング処理が高度に施され、付帯音の原因となる不要振動や内部定在波を排除しているので、小レベルの音がキャビネットの振動でかき消されない。

そして音響レンズPPAの効果も感じる、ステージングや音像のリアルな表現など、僕がハイレゾファイルのアドバンテージとする音のリアリティおよびステージングの表現力が高い。

少々褒めすぎてしまっているが、実際に導入したので許してほしい。また特に今回Persona Bを選択した理由の1つとして、シリーズで唯一、全てのユニットがベリリウムだったことが大きい。

あまり公表してはいないが、ここ2年ほど僕はハイレゾソースの持つ情報量を活かすべく、アナログドメインによるロスレスのオーディオ再生を探求しており、その一環でフルレンジスピーカーに興味を持っていた。フルレンジという方式には、利点もあればもちろんトレードオフとなる点も混在しているが、単一の振動板素材によって高〜低音域まで音の音色が変わりづらい点は1つのアドバンテージだ。

「Persona B」であれば、フルレンジスピーカーでは難しい、高〜低音域のレンジを拡張しつつ、音色が統一できる!

アンプ、ケーブルなど反応の良さは特筆できる



さて、Personaを導入する場合1つ楽しみがある。エンクロージャー、フロントパネル、音響レンズなどのカラーを決めるシミュレーターを使いカラーを選択できるのだ。僕はグーグルの画像検索で世界中のオーディオルームに設置されている様々なカラーも参考にして、最終的にオールブラックを選択した。

「PersonaB」をリビングルームに設置。スピーカースタンドは専用モデル「SAS-PERSONA」を使用

届いたスピーカーを置いたのは自宅1Fの試聴室。まずはファーストワットの「SIT-1」を使い慣らし運転を行い、次に2Fの環境に持ち込み、今度はLINNのパワーアンプ「KLIMAX SOLO」と組み合わせた。

「Persona B」を駆動するのはFirstWattのモノラルパワーアンプ「SIT-1」

ホセ・ジェイムズの 「リーン・オン・ミー」(44.1kHz/16bit FLAC)から『ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス』を再生したのだが、音が出た瞬間、僕は心の中でガッツポーズを決めた。とにかく、アンプ、ケーブルなどに対する反応の良さは特筆できる。本当に導入してよかった! 続いて伴侶となるアンプを模索する予定だ。

創業40周年記念の特別色を発売(編集部)



今年はパラダイム社の創業40周年にあたり、その記念として日本だけの特別な色の「Persona B」を企画。赤とシルバーによるロッソ・フォッコと黄色と黒のカナリー・イエローの2モデルで、各色共に5ペアの限定品。標準色はもちろん、カスタムにも含まれていない色で、同社が今回のみ特別に製造した限定色モデル。いずれも日本で今回のみ入手が可能だ。

「Persona B Rosso Fuoco(ロッソ フォッコ)」(1,760,000円/ペア・税込)

「Persona B Canary Yellow(カナリー イエロー)」(1,760,000円/ペア・税込)※各色5ペアずつの限定販売。写真はカナダの本社工場で生産中の様子

Persona B スピーカーシステム 1,650,000円(ペア/税込) 
Specifications
●構成:2ウェイ・バスレフ型●クロスオーバー:2kHz●周波数特性:60Hz〜45kHz ±2dB●ドライブ・ユニット:1×φ25mm Truextent べリリウムドーム型、1×φ178mm Truextent、べリリウムコーン型●感度:92dB●インピーダンス:8Ω●推奨アンプ出力:15〜250W●最大入力:150W●質量:14kg●サイズ:225W×330D×435Hmm●取り扱い:(株)PDN

取材photo by 君嶋寛慶

(提供:PDN)


本記事は『季刊・オーディオアクセサリー vol.186』からの転載です。

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