公開日 2023/05/22 06:30
High Fidelity Cables(以下HFC)の名を覚えていらっしゃるマニアは多いだろう。同社の電源アクセサリー「MCシリーズ」の大ヒットはまだ記憶に新しい。
HFCのアクセサリーが人気を博したのはひとえに、磁力で電流を導体の中央に凝縮させるいわゆる「磁気伝導技術」の効果が凄まじかったからだ。磁気を用いるアクセサリー自体は内外の各社から発売されておりさほど珍しいものではない。しかし「電流を凝縮させるために」磁気を用いるのは磁気伝導技術のみである。そしてHFCの消滅により永遠に失われたかと思われた磁気伝導技術を搭載するアクセサリーが再び、日本に現れた。
イタリア・オミクロングループの「TESLA」と「POWER BOOST」がそれだ。前者はケーブルホルダー、後者はアンプやクリーン電源等機器の上に載せるレギュレーターで(CDプレーヤーには厳禁)、製品ジャンルこそ異なるもののどちらも「磁気で電流を凝縮させる磁気伝導技術」を採用しているという。両機を自宅で試聴する機会に恵まれたので以下ご報告する。
ところでHFC製品の愛用者の方はTESLAとPOWER BOOSTに以下のような期待と不安を抱かれるのではないだろうか。
●期待(1) 既に磁気伝導技術の恩恵をこうむっている(=「磁力化」している)箇所に加えることでさらなる効果が得られるか?
●期待(2) まだ磁力化していない箇所に設置してHFC同様にあるいはHFCとは違うかたちで音質向上させることができるか?
●不安(1) HFCによる磁力化を阻害しないか?(期待(1)の裏返しでもある)
●不安(2) 機器の上にPOWER BOOSTなる磁石を置いたら、機器に悪影響を与えてしまわないか?
まず、すでにMCシリーズが挿さっている電源ボックスから給電しているマランツ「SA10」の電源ケーブルにTESLAを設置してみる。緑色のドット位置で底部と蓋部を合わせるのだが、ドット間にケーブルを通す形で、またドット側が電流を受ける機器を向くように設置すると最大限の効果を発揮するらしい。そして設置後本領を発揮し始めるまで24〜36時間はかかるとのこと。ブレークインに1,000時間もかかっていたHFCに比べればかなり短くて済むのがありがたい。3日ほど待ってから試聴を開始した。
予想を遥かに超える音……!! HFCによる磁力化を阻害しないかという不安(1)は全くの杞憂だったようだ。細野晴臣『Medicine Compilation』の4曲目「QUIET LODGE EDIT」はサウンドが無機的に感じられ途中で次の曲に移るのが常だったのだが、左手に唐突に現れては消えるサンプリング音や各種の電子音が発せられる位置、それらの残響が拡がり消えるまでの過程、全てがXYZ座標上に極めて精確に表現されることにビックリして最後まで夢中で聴き通してしまった。MCシリーズも立体的な音像・音場表現に優れていたが、TESLAを加えることで立体度がさらに増したのだ。期待(1)には120点満点で応えてくれたといえるだろう。
つぎ、期待(2)。磁力化していないSA10→プリ間のラインケーブルにも「TESLA」を設置して3日待つ。するとやはり音像と音場の立体感がまたさらに向上!6曲目「SAND STORM EDIT」で音場を砂嵐が吹き荒れる中、中央で響き渡るアコースティックギターの立体感たるや……。
ではPOWER BOOSTはどうか? まずTESLAの上にPOWER BOOSTを載せてみる。2日経過後、上記したTESLAの効果は激増した。ここで「激増」は文字通りに受け取っていただきたい。立体感の向上度はTESLA単体を「1」とするならPOWER BOOSTを載せたTESLAは「3」と言っていいほどである。
これほどの効果を聴くと、磁石を機器の上に置いたら動作トラブルや音質への悪影響が生じてしまわないかという不安(2)は音質への期待を前に軽く吹き飛んでしまう。今度は(電源を磁力化していない)BLUESOUNDのストリーマー「NODE 2i」の上にPOWER BOOSTを載せてみた。また2日ほど待ってから、TIDALでMichele Rabbia『Lost River』のタイトル曲を再生してみると、トロンボーンやドラムス等多種多様な楽音が人工的な音場空間に立体的に定位するさまはまさに、これぞまさに、ホログラフィック!! そしてトラブルや音質への悪影響は全くない。
加えて予期していなかった効果が。低音が「ズドーンッ!」と深く沈む。技術的な理由はいまのところ定かではないがどうやらこの低音はPOWER BOOST特有のものらしい。
いろいろ試してみたところPOWER BOOSTは電源ボックスの空きコンセントの上に載せても効果があった。これならMCシリーズと同じように使えるだろう。
両機ともに、スパイラルスロットあるいはレバーを操作すると音像の実体感やメリハリが変化して面白い。アクティブに使いこなす楽しさがある。久々に胸のときめきが止まらない。
(提供:ブライトーン)
立体感がさらに高まり低域の深みも増す
“磁気伝導”で音質向上図る新ブランド「オミクロン」日本上陸!「TESLA」「POWER BOOST」実力徹底検証
園田洋世磁気伝導技術を応用した期待の新ブランド・オミクロンが日本初上陸
High Fidelity Cables(以下HFC)の名を覚えていらっしゃるマニアは多いだろう。同社の電源アクセサリー「MCシリーズ」の大ヒットはまだ記憶に新しい。
HFCのアクセサリーが人気を博したのはひとえに、磁力で電流を導体の中央に凝縮させるいわゆる「磁気伝導技術」の効果が凄まじかったからだ。磁気を用いるアクセサリー自体は内外の各社から発売されておりさほど珍しいものではない。しかし「電流を凝縮させるために」磁気を用いるのは磁気伝導技術のみである。そしてHFCの消滅により永遠に失われたかと思われた磁気伝導技術を搭載するアクセサリーが再び、日本に現れた。
イタリア・オミクロングループの「TESLA」と「POWER BOOST」がそれだ。前者はケーブルホルダー、後者はアンプやクリーン電源等機器の上に載せるレギュレーターで(CDプレーヤーには厳禁)、製品ジャンルこそ異なるもののどちらも「磁気で電流を凝縮させる磁気伝導技術」を採用しているという。両機を自宅で試聴する機会に恵まれたので以下ご報告する。
TESLAを加えることで、立体的な音像・音場表現がさらに向上
ところでHFC製品の愛用者の方はTESLAとPOWER BOOSTに以下のような期待と不安を抱かれるのではないだろうか。
●期待(1) 既に磁気伝導技術の恩恵をこうむっている(=「磁力化」している)箇所に加えることでさらなる効果が得られるか?
●期待(2) まだ磁力化していない箇所に設置してHFC同様にあるいはHFCとは違うかたちで音質向上させることができるか?
●不安(1) HFCによる磁力化を阻害しないか?(期待(1)の裏返しでもある)
●不安(2) 機器の上にPOWER BOOSTなる磁石を置いたら、機器に悪影響を与えてしまわないか?
まず、すでにMCシリーズが挿さっている電源ボックスから給電しているマランツ「SA10」の電源ケーブルにTESLAを設置してみる。緑色のドット位置で底部と蓋部を合わせるのだが、ドット間にケーブルを通す形で、またドット側が電流を受ける機器を向くように設置すると最大限の効果を発揮するらしい。そして設置後本領を発揮し始めるまで24〜36時間はかかるとのこと。ブレークインに1,000時間もかかっていたHFCに比べればかなり短くて済むのがありがたい。3日ほど待ってから試聴を開始した。
予想を遥かに超える音……!! HFCによる磁力化を阻害しないかという不安(1)は全くの杞憂だったようだ。細野晴臣『Medicine Compilation』の4曲目「QUIET LODGE EDIT」はサウンドが無機的に感じられ途中で次の曲に移るのが常だったのだが、左手に唐突に現れては消えるサンプリング音や各種の電子音が発せられる位置、それらの残響が拡がり消えるまでの過程、全てがXYZ座標上に極めて精確に表現されることにビックリして最後まで夢中で聴き通してしまった。MCシリーズも立体的な音像・音場表現に優れていたが、TESLAを加えることで立体度がさらに増したのだ。期待(1)には120点満点で応えてくれたといえるだろう。
つぎ、期待(2)。磁力化していないSA10→プリ間のラインケーブルにも「TESLA」を設置して3日待つ。するとやはり音像と音場の立体感がまたさらに向上!6曲目「SAND STORM EDIT」で音場を砂嵐が吹き荒れる中、中央で響き渡るアコースティックギターの立体感たるや……。
POWER BOOSTの追加で効果が激増。ネットワークプレーヤーにも効果アリ!
ではPOWER BOOSTはどうか? まずTESLAの上にPOWER BOOSTを載せてみる。2日経過後、上記したTESLAの効果は激増した。ここで「激増」は文字通りに受け取っていただきたい。立体感の向上度はTESLA単体を「1」とするならPOWER BOOSTを載せたTESLAは「3」と言っていいほどである。
これほどの効果を聴くと、磁石を機器の上に置いたら動作トラブルや音質への悪影響が生じてしまわないかという不安(2)は音質への期待を前に軽く吹き飛んでしまう。今度は(電源を磁力化していない)BLUESOUNDのストリーマー「NODE 2i」の上にPOWER BOOSTを載せてみた。また2日ほど待ってから、TIDALでMichele Rabbia『Lost River』のタイトル曲を再生してみると、トロンボーンやドラムス等多種多様な楽音が人工的な音場空間に立体的に定位するさまはまさに、これぞまさに、ホログラフィック!! そしてトラブルや音質への悪影響は全くない。
加えて予期していなかった効果が。低音が「ズドーンッ!」と深く沈む。技術的な理由はいまのところ定かではないがどうやらこの低音はPOWER BOOST特有のものらしい。
いろいろ試してみたところPOWER BOOSTは電源ボックスの空きコンセントの上に載せても効果があった。これならMCシリーズと同じように使えるだろう。
両機ともに、スパイラルスロットあるいはレバーを操作すると音像の実体感やメリハリが変化して面白い。アクティブに使いこなす楽しさがある。久々に胸のときめきが止まらない。
(提供:ブライトーン)
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