公開日 2023/06/27 06:40
【特別企画】ダイナミックレンジや音の粒立ちに効果あり
ティグロンの振動対策技術がさらに進化。15周年記念モデル「D-RENシート」の音質効果をチェック
小原由夫
TIGLONブランドは、今年創立15周年を迎える。その記念モデル第1弾として、「D-RENシート」が発売となった。長年に渡り培ってきた振動対策技術がどんな音質効果を発揮するのか、小原由夫氏が体験する。
さまざまなオーディオボードを商品化してきたティグロン。現在のラインナップは木製のものがメインだが、その一角に今回加わったニューモデルは金属製である。創業15周年の第1弾モデルとして発表されたこの「D-RENシート」は、高い電磁波シールド性能と振動吸収性能を合わせ持つ同社のチューニングスペーサー「D-REN Pro」で培った複合共振制御技術と、サンシャイン社から発売されて大ヒットしているマジカルシート「Bシート」の制振効果を複合させた共同開発製品である。
群青色の塗装が施された「D-RENシート」は、黒いサンシャイン製の「Bシート」との差別化という意味に加え、前記のチューニングスペーサー「D-REN Pro」とのイメージの共通化も考えられたもの。素材は1.4mm鋼板で、0.8mmと0.6mmを特殊技術でプレスしたものだ。
今回新たに施された処理は、ティグロンが開発した「マグネティックゼロプロセス」である。詳細は企業秘密とのことだが、これにより振動制御性能が向上すると共に、帯電防止効果も期待できるとのこと。
本品は3サイズがラインナップされ、今回は最も大きなDRS-50を試聴した。一般的なフルコンポサイズで、ラック等の棚板に敷き、その上にコンポーネントを乗せて使用することになる。最も小さなDRS-25は、ネットワークオーディオのハブやディスクドライブにちょうどいい感じだ。デスクトップオーディオにもジャストフィットというところだろう。電源タップに活用してもいいかもしれない。中間サイズのDRS-40は、横幅はフルサイズだが、奥行きの浅いコンポーネントにぴったり合致するように思う。
片手でDRS-50を持って拳で叩くと、コツコツと鈍い音がする。比較試聴用に用意したサンシャインの「Bボード」と比べて、より鈍い音に感じられるので、さらに制振性が増している印象だ。
試聴はCDプレーヤーの下に本品を敷いて行なった。方向性があるようで、角に丸い小さな穴がある方を左手前にするよう推奨している。参考までに、ラックにはアルミ合金製の3段型を使用した。
D-RENシートを下に敷かない状態と比べると、本品を使うことで再生音に立体感が現れ、前後の音の定位がより明晰になる印象だ。その3次元的な広がりは圧倒的で、比較試聴したサンシャインの「Bボード」が持っている特徴をさらに拡張した感じである。
音圧感が上がったように聴こえ、ダイナミックレンジが拡大したようになるのも本ボードの特徴。名称のD-RENとは、まさにダイナミックレンジの拡大から命名されたものというのを後で知った次第。また、一音一音の粒立ちが向上するような印象も受けた。
本品は非常に薄いもので、ボードというよりもシートといった方がすんなり合点がいくように思う。また、どのようなオーディオラックでも併用できる薄さといえよう。価格も手頃なので、オーディオ機器の振動や付帯音等が気になるユーザーは一度体験してみることをお薦めする。現用のラックの音に不満があるが、買い替えには躊躇しているというケースでも音質改善が期待できそうだ。
(提供:ティグロン)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.189』からの転載です
金属の活性化を促す新技術「マグネティックゼロプロセス」を採用
さまざまなオーディオボードを商品化してきたティグロン。現在のラインナップは木製のものがメインだが、その一角に今回加わったニューモデルは金属製である。創業15周年の第1弾モデルとして発表されたこの「D-RENシート」は、高い電磁波シールド性能と振動吸収性能を合わせ持つ同社のチューニングスペーサー「D-REN Pro」で培った複合共振制御技術と、サンシャイン社から発売されて大ヒットしているマジカルシート「Bシート」の制振効果を複合させた共同開発製品である。
群青色の塗装が施された「D-RENシート」は、黒いサンシャイン製の「Bシート」との差別化という意味に加え、前記のチューニングスペーサー「D-REN Pro」とのイメージの共通化も考えられたもの。素材は1.4mm鋼板で、0.8mmと0.6mmを特殊技術でプレスしたものだ。
今回新たに施された処理は、ティグロンが開発した「マグネティックゼロプロセス」である。詳細は企業秘密とのことだが、これにより振動制御性能が向上すると共に、帯電防止効果も期待できるとのこと。
本品は3サイズがラインナップされ、今回は最も大きなDRS-50を試聴した。一般的なフルコンポサイズで、ラック等の棚板に敷き、その上にコンポーネントを乗せて使用することになる。最も小さなDRS-25は、ネットワークオーディオのハブやディスクドライブにちょうどいい感じだ。デスクトップオーディオにもジャストフィットというところだろう。電源タップに活用してもいいかもしれない。中間サイズのDRS-40は、横幅はフルサイズだが、奥行きの浅いコンポーネントにぴったり合致するように思う。
再生音に立体感が現れ、前後の音の定位がより明晰に
片手でDRS-50を持って拳で叩くと、コツコツと鈍い音がする。比較試聴用に用意したサンシャインの「Bボード」と比べて、より鈍い音に感じられるので、さらに制振性が増している印象だ。
試聴はCDプレーヤーの下に本品を敷いて行なった。方向性があるようで、角に丸い小さな穴がある方を左手前にするよう推奨している。参考までに、ラックにはアルミ合金製の3段型を使用した。
D-RENシートを下に敷かない状態と比べると、本品を使うことで再生音に立体感が現れ、前後の音の定位がより明晰になる印象だ。その3次元的な広がりは圧倒的で、比較試聴したサンシャインの「Bボード」が持っている特徴をさらに拡張した感じである。
音圧感が上がったように聴こえ、ダイナミックレンジが拡大したようになるのも本ボードの特徴。名称のD-RENとは、まさにダイナミックレンジの拡大から命名されたものというのを後で知った次第。また、一音一音の粒立ちが向上するような印象も受けた。
本品は非常に薄いもので、ボードというよりもシートといった方がすんなり合点がいくように思う。また、どのようなオーディオラックでも併用できる薄さといえよう。価格も手頃なので、オーディオ機器の振動や付帯音等が気になるユーザーは一度体験してみることをお薦めする。現用のラックの音に不満があるが、買い替えには躊躇しているというケースでも音質改善が期待できそうだ。
(提供:ティグロン)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.189』からの転載です